スコッチを片手に

2015-16シーズン総括 ~世界選手権を中心に~

このエントリーをはてなブックマークに追加

オリンピックの谷間のシーズン その割にはというべきか、だからこそと言うべきか…

話題に事欠かなかった2016シーズンも終幕を迎えました。

世界選手権直後に記事を書きたいと思っていたのですが、ようやく時間が取れたので、少し熱量は下がりますが、その分落ち着いた内容で今シーズンを振り返りたいと思います。

男子シングル

7位 宇野選手

FS後に見せた涙がすべてを物語っていると思います。 おそらく、ボーヤン・ジン選手に勝ちたいと、その思いを胸に世界選手権に臨んだことでしょう。 4大陸でも悔しい思いをし、その後の練習はすべてその一点にかけていたはずです。 それが実を結ばなかった…

表彰台まであと6点。 転倒さえなければ逆転もあり得ました。

2回目の4Tを転倒した瞬間、したたかに脇腹を強打しました。 すぐには息もできない状態だったと思います。それでも、最小限の空白にとどめ、すぐに演技を再開しました。 その後の動きに精彩を欠いたのは仕方ないことです。 誰もが、この大会での彼の頑張りを称賛こそすれ、批判する要素はありません。 それでも尚、悔しさを前面に押し出した宇野選手の若さ、向上心!

この経験は120%彼の糧になるはずです。 そして、来年の「3枠」を確保したことは、本当に大きな仕事でした。 素晴らしいシーズンを終えた宇野選手に、拍手を送ります!

6位 リッポン選手

地元アメリカで、いい演技を見せてくれました。 元祖4Lz 残念ながら、回転不足となりましたが、意地を貫き通した姿勢は、私にとってはものすごく好ましいものに映りました。 来期以降にも期待をもって見たいと思います。

5位 P・チャン選手

ブランク明けの今シーズン 自身の進退をかけて臨んだことでしょう。 浅田選手とかぶるその立場、力を入れずに見ることはできませんでした。

今大会は不本意な結果に終わったことと思いますが、今シーズン自身初のFS200越えを果たし、まだまだ引退するには惜しすぎる力を見せてくれたと思います。 やはり、最高峰のスケーティングを誇る彼がいる大会といない大会の締まり具合は段違いです。 来期もその存在感をぜひ見せつけてほしいと思います。

4位 コリヤダ選手

今大会ほぼノーマークの彼が、ここまで躍進するとはだれが想像しえたでしょうか? ほぼノーミスの素晴らしい演技を見せてくれました。 平昌オリンピックのメダル候補の一角に上がることは疑いようもありません。 来期に実績(GPファイナルor世界選手権)を残せるかどうか、ここからが真価を問われる局面だと思います。

3位 ボーヤン・ジン選手

最後まで、「らしさ」は失われませんでした。 ベストな演技ではありませんでしたが、それでもなお表彰台を確保できる点が彼の最大の強みです。

その強みの源泉は言うまでもなく圧倒的な基礎点… 4Lzの成功率の高さは半端ではありません! なぜこんなに跳べるのか、回れるのか? その秘密はあの体形にあると思います。 身長は決して高くなく、体重が軽く、何より肩幅が狭い!

4ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
フィギュアスケート
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

スポーツマンシップに悖る危険行動は禁止するルールを設けるべき。そのことを指摘するのは、スポーツマンシップに反する行為ではありません。

スポーツマンシップに反する危険行動をしたのはテン選手であり、マスコミの写真を差し替えてまで事実を歪めて、その事実を隠蔽したのはキャロルコーチです。

オーサーコーチの発言を読む限り、オーサーコーチは、事態を正確に把握せずに発言しています。それは、決して戦略ではありません。戦略というならば、FSを控えた羽生選手を宥める目的でしょう。私も実は、FSが終わるまでは、懸命に宥めるコメントを書いていました。


ただ、その後のキャロルコーチとカザフ側が羽生選手を一方的に避難するやり方は酷すぎます。

私は、これは、フィギュアスケートの問題ではなく、背後に政治的なことが絡んでいると睨んでいます。


実は、YouTube の検証ヴィデオに私が日本語で詳しくコメントしたことを、外国人も読めるように英訳してくれるようにという要望があったのですが、私は冒頭の部分だけでも訳出する、と約束したものの、それから1週間、訳すべきか、訳さざるべきかか、逡巡を重ねて、いままで訳さないでおきました。

https://www.youtube.com/watch?v=jWH2_Y0tJRo&ebc=ANyPxKp6RK4ZOmmCQ0ZKaAZ1nwR_4oOYHpt04GQY9CYSd1ccNIYAYMOCz0tYdX-l6yMo32_jPYGnUfffXvZNWmdaLWxXc4rSOg

英訳すれば、テン選手やキャロルコーチ、カザフ側の目に留まる可能性が高い。3大陸対抗戦前に、沈静化しつつあるファンの怒りに、火に油を注ぐようなことをすべきではないのではないか、と。


ただ、その間、カザフの歴史や現状も私なりに調べてみて、思うことも多々ありました。

また、shotgun さんの記事とコメントを読んで、私は、YouTubeをご覧の皆さんのご要望に応えて、やはり私が、私のコメントを欧米人にも読めるように訳出しておくべきなのではないかと思うに至りました。

どちらがスポーツマンシップに悖るかということを問題にするのならば、公式練習に於ける危険行動を禁止するよう、ルールを定めるべきです。

それをしないでおいて、度重なる、意図的としか思われない危険行動を指摘したら、「スポーツマンシップに悖る」と非難されるというのは、間違っています。

そういうことを仰る方がいらっしゃる限り、声を上げないわけにはいきません。


カザフスタンには、エカテリーナ女帝時代にロシアに移住したドイツ系移民が、スターリン時代にヴォルガ・ドイツ人の自治共和国を追われて多数流入。ソ連崩壊後、ロシア各地やドイツに移住してその数は激減したとはいえ、ドイツ語を話す住民が、いまでもかなりの数、いるそうです。ハプスブルク帝国領だったチェコやハンガリーのようなものですね。

ですから、私のコメントをドイツ語と英語に訳しておくことにします。

この場を委縮させないために

お怒りはよくわかります。
私も、正直「日本の至宝に何してくれとんじゃい!」という思いでいっぱいですが、今回の騒動、結果的には羽生選手の「負け」です。
なぜ負けたかというと、第3者からみればスポーツマンシップに反すると捉えられる可能性のある発言を、先にしてしまうという「ミス」を犯したからです。
こういう時は絶対にスキをみせてはいけません。
先にミスしたほうが負けます。

私は、不正に対し、感情的になって不用意なミスを犯してしまうのは日本人の弱点だと思っています。
羽生選手には、今回のミスから学ぶべきところを学んで、さらに成長してほしいと思っています。

不用意な発言をしてしまう破天荒な選手も決して嫌いではないですが、羽生選手は「王道」を歩むべき選手だと思っています。
今回の騒動は「王道」から外れたがために起こったことでした。

百戦錬磨のオーサーコーチもそのことはよくわかっているはずです。
ですから、早期に幕引きを図り、泥仕合を避けたことは賢明でした。
もうこれ以上蒸し返すことは羽生陣営にプラスになりません。

今シーズンを振り返るにあたり、避けて通るのはかえって不自然だという思いからあえて記事にしましたが、もう終わりにしましょう。
そうでないと、せっかくのスポナビブログの場が委縮したものになってしまいます。

そうなってしまうことはみなさんの本意ではないと思います。
ご理解いただければ幸いです。

宇野 vs. ジンの対決の行方、そしてテン選手は? ~ 3大陸対抗戦

共にシニア初年度の宇野選手とジン選手の対決は、グランプリファイナルでは宇野選手が3位、世界選手権ではジン選手が3位で、今のところ引き分けですね。


あと1時間ほどで、3大陸対抗戦が始まります。

出場選手を観たら、男子シングルでは、羽生選手、フェルナンデス選手の2強に加えて、チャン選手も出場しない。つまり、アジア、欧州、北米チームとも、敢えて最も強い選手は出さずに、若手、2番手の選手にチャンスを与えたということ。

宇野選手は「優勝を狙う」と言っていたのですが、今シーズン躍進したジン選手の出場が決まりましたから、どうなるでしょう?
http://www.teamchallengecup.com/teamasia


アジアチームからは、デニス・テン選手も出場します。

羽生選手との一件は、検証ヴィデオなどを観る限り、私は、公式練習の際に「平常心でなかった」のは、どう観ても、羽生選手ではなく、テン選手だったように思います。

羽生選手も、FSの試合前は、極度の緊張で平常心ではなかったようですが、それは、シーズン序盤から左足靱帯を痛めて無理に無理を重ねて練習して、王者の座を守ってきたのですから、ある意味当然でしょう。


ただ、世界選手権練習時のテン選手の執拗な妨害の仕方は、昨シーズンから続いていて異常です。しかも、羽生選手が直接注意しても、テン選手は聞く耳を持たない。練習と演技の際には、極度に自分に集中する羽生選手が、遂に怒りを爆発させたのは無理もない。

報道陣に批判を漏らしたことが非難されているようですが、もしここで事実が明るみに出ていなかったら、テン選手の妨害行為が助長されて、傷害事件に至っていたかもしれません。ですから、ヘイトスピーチ云々は論外としても、この件で、羽生選手に責はありません。


むしろ私が心配なのは、なぜ、テン選手がそこまで羽生選手の練習を執拗に妨害したのかということ。

今日から始まる3大陸対抗戦は、国別対抗戦に出場できないような新興国、つまり、カザフスタンやスペイン、イタリア、チェコのように、国際大会で上位進出できる選手が1~2人しかいない国でも、地域別チームの一員として参加できる大会。つまり、フィギュアスケートが競技としてマイナーな国をバックアップするために作られたような大会です。


ところが、男子シングルでは、テン選手同様、ほぼ一人で国を代表しているかのようなフェルナンデス選手は欧州チームには参加せず、今シーズンはメダルに届かなかったロシア、チェコの3選手が出場する。

結果として、国別対抗戦に出場できないようなフィギュアスケートの新興国から出場するのは、シングルでは、カザフスタンのテン選手、トゥルシンバエワ選手の他、チェコのブレジナ選手、イタリアのロデギエロ選手位ですよね。


もちろん、競技がマイナーな国の振興をサポートするのは、国際スケート連盟の任務の一つではあると思います。

ただ、羽生選手とテン選手との一件でも、キャロルコーチとカザフスタン側の情報工作が酷すぎる。その背後に、私は、カザフスタン政府の強い思い入れ、恐らくは、フィギュアスケートの振興そのものに対してというよりは、冬季オリンピックを招聘して、国の発展に弾みをつけたいという渇望を感じます。つまりは、政治的圧力と政治工作です。

テン選手の羽生選手に対する態度が、「どうでもメダルを獲ってこい」というカザフスタン政府側の圧力の裏返しだとしたら、巻き込まれて精神的にも掻き乱された羽生選手はもちろんあった話ではありませんが、テン選手もまた、気の毒です。


賢い羽生選手は、そうした空気を敏感に察知してか、左足靱帯損傷の治療を理由に、日本に一時帰国もせずに、ボストンから真っ直ぐトロントに帰りました。今頃は、治療をしながら、来シーズンのプログラムを練っていることでしょう。

片や、今シーズンを通して成績が振るわなかったテン選手は、この3大陸対抗戦に、カザフスタン政府からの、最後の期待が懸かっているでしょうから、大変ですね。


私は、テン選手の羽生選手に対する妨害行為は明らかな危険行為で、許し難いし、今後はあってはならないことだと思っています。でも、どうやら、問題の根本的な解決のためには、他に取り除かなければならない障害がありそうですね。

韓国の期待を一身に背負ったキム・ヨナ元選手と同じ事務所に属するテン選手は、「ああいう風にはなりたくない」と言っているらしい。

恐らく、それは本音だと思います。そして、それができない状態にカザフスタン政府がテン選手を追い詰めるから、羽生選手に対しても、ああいうことが起きるのではないのかな、と。


さまざまな意味で、今日から始まる3大陸対抗戦、どういう結果になるのか、注目しています。

こんな記事も読みたい

スターズオンアイス2016 TV放映鑑賞【フィギュアスケートをみる】

スケート部・関東大学アイスホッケー選手権大会準々決勝対慶大【「中大スポーツ」新聞部ブログ  ~劇闘中大!中大から大学スポーツを熱くする~】

世界選手権!【「夢へ翔け上がれ!」東北フリーブレイズ】

ブロガープロフィール

profile-iconshotgun

スポーツと酒をこよなく愛するおっさんです。

元陸上選手(基本短距離、跳躍も少し)でしたので、陸上ネタはもちろんですが、スポーツ全般大好きなので、ジャンルにこだわらずに書いていきたいと思います。
  • 昨日のページビュー:235
  • 累計のページビュー:2770181

(03月27日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 祝 全米第4シード確定!
  2. 錦織選手のジョコビッチ化? 見えてきた錦織テニスの完成形!
  3. ドロー展望から見る、錦織選手のウィンブルドン第4シードの可能性
  4. マレーに勝った! ~2016 全米 QF~
  5. ソチへの展望 フィギュアスケート編② 女子:浅田vs.キムヨナ 徹底比較
  6. ソチへの展望 フィギュアスケート編④ 団体戦大胆予想
  7. 2017 全豪 決勝を前に
  8. PCSという不可解な現象
  9. Indian WellsでJ.イズナーを負かした男たち ~並べてわかる勝利の価値~
  10. 何も言えねぇ

月別アーカイブ

2017
02
01
2016
11
10
09
08
07
06
05
04
03
01
2015
12
11
10
09
08
07
06
05
03
2014
02
01
2013
12
11

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年03月27日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss