2007年07月31日

夏を連れてきた人

今年も夏の高校野球がにわかに活気を帯びてきました、なんだかんだで自分の母校の野球部の結果の話をしてしまうのはもう日本人のDNAなのかもしれません。徐々に地方の覇者が出揃い甲子園の土を踏む面子が分かりかけるにつれ、夏の本格的な始まりを感じますが、それはすなわち多くの高校球児にとっては夏の終わりを意味します。膨大の敗者がグラウンドを濡らすことによって勝者への憧れは強くなる、誰かが夢をかなえるという事は誰かの夢が終わると言う事にほかなりません。地方予選で多くの高校が涙をのむ中、7月23日多摩市一本杉球場でもまた一つの高校がその夏に幕を下ろしました。スコアは都石神井 11-4 啓明学園、啓明学園、ニ回戦目の試合でした。



もちろん啓明学園にだって機会は均等にあったのですから、彼らにも等しく夏の終わりが訪れたと言う事なのですが、この高校にはナインの中には他の選手とはまた違った形で不均等に夏の終わりを迎えた選手がいました。モンゴルからの留学生のジャフハラン選手、年齢的には一年生の彼ではありますが、野球留学とか言う訳でもない彼にとってこの夏は野球部として挑む最初で最後の夏でした。モンゴルで打って投げての経験程度しかなかった彼が異国の地日本で出会った色気の違う野球、それが彼の目にどのように見えたかは日本に住む我々には想像は出来ませんが、高校一年生というひと夏は多分あっという間だったんじゃないかと思います。七月末に帰国しなければならなかった彼にとって、野球の夏はもう終わってしまったのです。



モンゴルの野球は1990年初頭にモンゴルに駐在していた日本人会社員によって伝えられたと言われています。伝わってからたった1年で連盟を設立しIBAF加盟、加盟から数えてもまだ16年しかたっていません、16歳と言うのは人間で言えば高校一年生、モンゴル野球の歴史はくしくもジャフハラン選手と同年齢、まだまだ全然幼いのです。1990年代初めは数十人規模でやっていたモンゴルの野球も、1990年代終盤近くには何十チームものリトルチームを作り、今でも1000人にはとどかないとは言え成長をしてきました。しかしやはりまだそこは16年目で数百人と言う状態です、ジャフハラン君が帰って満足に野球ができる環境があるとは言えないでしょう。彼が野球をする場がモンゴルに無いのならば、彼にとって確かに野球での夏は今年で終わり、若いモンゴル野球にはまだいろいろなものがたりていないのです。



初めがまず日本と関わって始まっているモンゴル野球は、その後も色々な面で日本と関わり続けていました。90年度中盤からは何人もの日本人がその指導に赴き、96年には徳島県阿南市旧那賀川町の元町長が中心となって募金が集められ、それを元手にウランバートルに野球場が建設されたりもしたほどに親密でした。モンゴルはスポーツで高い英才教育を行っている国ですが、先ほども言ったとおり野球はまだ非常に幼い為、多種の道具やそれを行っていくノウハウがまだできていません、日本の協力は願ったり叶ったりといったところだったでしょう。始まりは静かに、それでいて日本と言う国に背中を押されたモンゴルの野球は、すんごい駆け足でその歩みを始めていきました。



野球に限らず、モンゴルと言う国自体が反中感情の強い事もあってか、相撲に代表されるような日本のスポーツが今もモンゴルの少年達のスポーツの選択肢に入ってきています。しかし、進出した時期は近くとも野球と相撲にはモンゴル内での大きな普及の差が見られます。当初の出だしは上記のごとく素晴らしかった野球、日本のスカウトが進出し、日本の指導者が指導してきた結果が今現在のモンゴルの結果。今ではお馴染みとなったモンゴル人力士の原点がここにあるとしたら、野球で今現在もモンゴルの名前が聞かれないという事はすなわち野球にそれが足りなかったと言う事になります。最初に前置きしたとおりモンゴル野球は今でさえ若い競技です、10年も前ならなおさら日本と言う補助者が抜けると走るのも難しくなっていたでしょう。そして事実、モンゴルの野球は10年前から日本という補助を失い、飛びたてなくなってしまっていました。ともに歩みを進める、野球はそれが長く続けられなかったのです。



1991年に始まってから96年に野球場が作られて、そして関根淳さんの指導が終わるまで1998年。その間は幾度と無く指導者が派遣され、関本四十四、板東英二、谷沢健一などの日本プロ野球のビッグネームさえもモンゴル野球の指導に派遣されていました。日本の会社や団体からの道具の支援も受け、1994年には12回アジア大会に代表チームを派遣、アジアAAA選手権にも苦しい財政ながらなんとか代表を派遣。競技人口も拡大していき、2000年初頭はモンゴル野球にとってまさにこれからという時期でした。しかしそのまさにその時期と言う時期から日本からの支援は見る見る無くなっていき、指導者もぱたりと途絶えました。もともと野球は国や五輪委員会から支援が厚いような競技ではありません、ノウハウを吸収するへその緒であった日本からの使者が途絶えるという事は、幼い子供一人モンゴルの大高原に仁王立ちみたいな状況に近いものがありました。



かつて豊田氏が自身のコラム内において「モンゴルの野球場は風が吹けば土が飛んで野球が出来ない」と言ったのは、もしかするとこの作っただけになってしまっていた日本からの野球場の事を指していたのかもしれません。野球連盟でなく五輪委員会管轄のモンゴル国立野球場は、連盟にでさえ費用が無い今、ほぼほったらかしの状態だといわれています。一口に管理といってもモンゴルのそのものの乾燥した大地でプレーをしてはあぶなくてしかたがありません、つまるところ今のモンゴル野球連盟は五輪連盟から泥を買うお金も満足にはもらえていないのです。もちろん練習場でさえそんな状態なのですから代表の遠征費用もでてはいないようで、昨年行われたせっかくの北京五輪予選も参加予定のまま結局出場を取り消していました。行きたくても行く費用が捻出できないのでしょうか、というのは選手が自費渡航しなければならないらしい現状を考えれば想像に難くないでしょう。モンゴルの野球は世紀末に日本が手を引いて以来、成長したくても成長ができないという状態で停滞を続けているのです。



日本は野球大国です。野球が文化レベルで浸透している日本人でも、結局のところどうしても意識化で「野球はアメリカのもの」という認識を持っていることが多いのですが、世界シーンで見たとき日本が世界に誇れるスポーツリーグと言うとやはりNPBとなるんじゃないでしょうか。世界のナンバー2であるというのですから、「世界の野球シーンをリードしていこう」「世界の野球の普及のために動いていこう」という意識がもう少し高くてもいいはずとは思うのですが、実際のところはあまり見受けられません。押し付けとの兼ね合いはありますが、今現在の日本の野球の中へ中へ閉じこもる姿勢が正しいとは夢にもいえないでしょう。少なくとも、モンゴルの地は日本と言う野球の協力を待っていました、仮に助けがあればあの当時の成長が保たれていたかもしれません。今となっては遠い過去ですが、日本の野球は目の前にあった救う機会と救われる機会を、両方見過ごしてしまっていましいた。モンゴルの現状は後手後手となる野球普及活動まさにそのものの結果と言えるかもしれません、あいてしまった数年で、先人達の足跡には雑草が多い茂る事となりました。



そんな事からモンゴル野球の地から日本がいなくなってもう10年近く、そしてジャフハラン選手が帰国したあと二週間、音沙汰無しとなっていた日本から今年になって改めて野球交流が復活させられるための使節団が派遣させることとなりました。10年前モンゴルに野球場を送った阿南市が、自身の野球振興の政策とあいまってモンゴルへの野球交流の復活を模索し始めたのです。10年は長い期間ですが、それでもモンゴル野球はまだ16歳、始まっても終わってもいないような年齢です。モンゴル野球に、ようやく夏の始まりが見えてきました。



今年の夏がジャフハラン選手にとって最初になるか最後になるかは、留学先の夏が決めるわけではありません、モンゴルの夏が決めるはずです。ともに歩みを進めていく、ともに同じ夢を見る、いつかモンゴル野球の夏がジャフハラン選手にとっての夏になったりしたら、モンゴル人の彼にとってそれこそ本当の夏の始まりなんじゃないでしょうか。

まぁつまりは何が言いたいかって、みんな、まだ夏はこれからだぜーって事です。皆さん最近何か夏に向けて鼓動高鳴る出来事がありましたか、僕はこの夏に向けて数独の本を買いました。うおっしゃー!この夏は部屋で一人で数独ときまくりやーっ!



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posted by shoeless |10:52 | アジア野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年07月26日

毒にも薬にも

最近国際野球の情報を検索しようとすると自分のブログばかり見つけて、その都度「へーそうなんだ」という感想を述べているような気がします、なんという情報のエコロジーっぷり、確実に脳年齢下がってるよこれは。改めてこのブログをよく見返してみると、それに付け加えて驚愕することにこのブログの内容はほぼ同じ話題を繰り返し話しているだけと言う現実、特に後述の3つの話題はブックオフにおける金田一少年の事件簿のようなリサイクルっぷりで活用されていました、所謂僕のブログの三大話題という訳ですね。

三大話題というとちょっとポジティブな感じもするのですが、いっつも話されている話題ってことは三大しつこい話題ということですので何もいい事はありません。もちろんしつこい話題の3大なので今更紹介する必要も無いとは思うのですが、しつこい話題のしつこい特集を進めるためにしつこく解説していきますと、ジョジョの奇妙な冒険で言えばカーズにあたるのが「MLBとIBAFの足並みが揃わない」という話題、ワムゥにあたるのが「結果は出ていないが成長はしている」という話題、そしてエシディシにあたるのが「MLBに選手を管理されていて代表が強くない」という話題、みなさん嫌になるほどにおなじみでしょう。

しかし裏を返せばしつこく話しているという事はそれだけ改善が見られていない話題という事でもありますので、という言い方をもってしつこく話している言い訳としたいのですが、改めて見返してみた中でこの中に一つよろしくない話題が混じっていることに気付いてしまいました。「MLBに選手を管理されていて代表が強くない」、この話題だけちゃんと検証らしい検証もされることなくいつの間にやら三大話題に数えられていたのです。最初の通り僕がしつこく話すことによって「改善されていない」と見られる危険があると言うのもかかわらず、対した検証もせずにしつこく話していたとなればこれは大問題でしょう。疾風のごとく検証して疾風のごとく結論を出さなければなりません。

まず検証するに当たってこの話題の論点を説明しますと「MLBにその国の選手の基盤を管理されている国、MLBの中である程度の規模の選手層を誇っている国は、野球強豪国でありながら国際戦にそのトップ選手を派遣できないため、結果として成績が他の国と低くなっているはず」というものです。これを検証したいのならば単純にそうした基準に当てはまる国の成績を見て回ればいい、ということで今回はMLB選手輩出数トップ4であるドミニカ、ベネズエラ、プエルトリコ、カナダの4国のここ十年の五輪及びワールドカップとインターコンチネンタル杯、そしてAAA選手権の成績を調べてみました。

ただしもちろんこの基準は非常に抽象的な基準ですので、人によって理解の仕方は様々になるのが当たり前な話だと思います。あくまで「そんなもんなんだね」というレベルの話でよろしくお願いします。



見方は年、大会名、参加国数
順位、国名
の順です。

2006 IC 8
なし

インターコンチネンタルカップ出場国無し、以降IC杯の事を考える時の参考にしてもらいたいのですが、見てもらえば分かるとおりIC杯は出場国の少ない大会です。地域の枠が確実に決められていることは、強豪国の多い地域にとってはそっくりそのまま不利という事にほかなりません。なによりアメリカ地区はキューバとアメリカと言う二大強国の所属している地域、事実この大会もキューバとアメリカという二強国が出場しています。ただいくら不利とは言え名立たる強豪国がここ10年まったく打ち倒せていないと言うのも事実、判断が難しいところです。

2006 AAA 12
3カナダ

育成システムに定評があると言われているカナダ、AAA代表は堂々の三位入賞。ちなみにAAA代表になるとその強さが少しだけ変わります。この大会の優勝国は韓国、常勝キューバは五位。ううむ。

2005 ワールドカップ 18
8プエルトリコA組5カナダ

参加国の多さで南北アメリカ地域からは8国。プエルトリコ出場は本当に珍しい上に、予選リーグ通過で健闘の8位。一方のカナダはリーグ予選を抜けられず、このリーグ予選は9国中4位以内にはいればいいというものなのですが、なかなかどうして難しいようですね。ちなみに予選リーグを抜けた中にはパナマやニカラグア、オランダの姿も見られます。

2004 五輪 8
4カナダ

メキシコにアメリカが敗れる大波乱で漁夫の利を掻っ攫ったカナダ、そして三位決定戦で日本に破れはしたものの、ある程度の面子を集めてこられる場ならば結果を残せることを証明。

2004 AAA 11
なし

出てないもんはなんともいえない、という事でコメントなし。イヤー楽だね。

2003 ワールドカップ 15
A組5カナダ

8国で争った予選Aリーグを抜けられなかったカナダ。予選リーグ上にいた国は台湾、韓国、ニカラグア、キューバ、せめてニカラグアには勝ちたかったところだったのでしょうか。結果だけ見てあーだこーだ言うのはおかしな話だとは思うのですが、別リーグにいたブラジルはオランダ、メキシコを上回っての予選突破。なんとも渋い結果です。

2002 IC 12
3ドミニカ6ベネズエラ

2002年はAAAと並んでベネズエラ当たり年、と言いたかったところなのですが、この大会は南北アメリカからは6国出場。3位ドミニカは分かるとしてもベネズエラは中位、なんとも言えません。

2002 AAA 12
3カナダ7ベネズエラ

カナダはアメリカと同率三位、ベネズエラはこの大会強豪の台湾や韓国に勢い負け。そもそもベネズエラの若い有望選手達は若くからアカデミーに通ったりルーキーリーグに参加したりうんたらかんたらですので、この世代とは言えトップ級を集めてくるのは難しいのかもしれません。

2001 ワールドカップ 16
8ドミニカB組6カナダ

ドミニカ予選リーグ突破、カナダは予選リーグ敗退。MLBの中では派手な二国ですが、国際戦の舞台、特にワールドカップの舞台ではパナマに煮え湯をジョッキで飲まされています。パナマは総合五位、MLBとで格がまったく逆転しています、むしろ数字だけ見ればオランダより下の位置にいるかもしれません。実際この大会の順位はドミニカはオランダの下、カナダはオーストラリアの下につけています。プライドにグッドラック。

2000 五輪 8
なし

アメリカ、キューバの二国に阻まれ出場叶わず、ないもんはない!なし!

2000 AAA 12
7カナダ

AAA選手権半ば常連のカナダ、ついでに言えばこの大会はカナダ開催。しかしAAA世代強豪の台湾韓国、そしてオーストラリアに勝てずこの地位に甘んじた。

1999 IC 8
なし

アメリカとキューバに枠をとられ出場できず、彼らにとってはこの二国の壁があまりに高すぎるのかもしれません。といってこの大会アメリカは4位、つまりAクラス最下位、強国アメリカと言えど隙が無いわけでは無いのですがそれでも壁は破れていません。

1999 AAA 12
B組同率4ベネズエラ

予選Bリーグ突破できず。同率は南アフリカ、WBCではあれだけの覇気を発揮したベネズエラもこういう大会ではリーグ突破さえ叶わず。難しいですね。

1998 ワールドカップ 16
8ドミニカ11カナダ

出場回数は多い両国、MLBでは実力国の両国、しかし国際舞台ではMLBマイノリティーであるはずの国々に勝てません。具体的に言えばパナマ、オーストラリア、オランダ、ニカラグアあたり。強国に押されて参加の機会が少ないと言う事も確かなんでしょうが、実際の勝負の場になってもいい結果とはいいがたい状態です。

1997 IC 8
なし

キューバ・アメリカ以外のアメリカ地区から出場はニカラグア、つまるところ予選落ちしているわけですね。



総括

こうして大会を一つづつ振り返ってみますと、おおまかに分けて3つに分けられていることが分かります。まず一つ目はそもそも大会に参加していないから結果の出しようが無い、これは今回検討した大会以外の大会でよく見られます。前回日記で書いたパンアメリカンゲームなんかはその典型例で、プエルトリコやカナダが参加していませんでした。これも彼らがMLBに基盤を大きく持っている事を理由として挙げられるのでしょうか、彼らの中でそうした大会の野球競技は価値が低いのかもしれません。

そして二つ目は参加国数が少ない大会では、枠の関係でアメリカとキューバという強豪二国に阻まれて出ることが叶わないという事。まぁそれにしたってあまりにも結果に差がありすぎると思うのですが、それこそジャスト三つ目、彼らは五輪に絡む大会以外はたいした成績が出せない、という事です。そういう事を踏まえて今一度この問題について考えてみると、原因はむしろ選手が出せないという部分よりも彼らの大会に対する価値観の違いという部分にあるのかもしれないと感じました。



結論

五輪以外の大会の彼らは「ほぼ」オランダやパナマよかこわくない!

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posted by shoeless |08:57 | 国際大会 | コメント(16) | トラックバック(0)
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2007年07月22日

君の為でも死ねない

気付けば7月も後半、今の僕と言えばまだバレーボールとバリュアブルも聞き分けができないと言うのに、まったく時の流れには早すぎてついていけません。いつの間にやら全てが終わっています、唖然です、映画化記念にちば先生のキャプテン風に言いますとあ ぜ ん…ゴクリ、です。告知しておいたパンアメリカンゲームもいつの間にやら終了、もちろんここで僕のヘリウムガスより軽い毎日の総括なんかしてもしかたがないので、というわけで20日に終了したパンアメリカンゲームの総括をしたいと思います。



結果から出しますと金は世界一安定しない公務員軍団キューバ、銀はアメリカ、銅はメキシコとニカラグア。どうも本当なら順位決定戦が行われるはずだったようなのですが、メキシコが金曜には飛行機のチケットの都合上帰らなきゃいけなかったらしく試合自体がキャンセルされていました。前回の日記でしていた僕の予想が1キューバ2アメリカ3メキシコでしたので、完全な大当たりです、何故なら当たっても倍率1.0000002ぐらいの鉄板だから、こういう場合普通は大穴を狙って書くものなのですがこれでは盛り上がりのかけらもありません、多分この企画は盛り上がっているのは僕だけなのでまぁ良しとします。



さて、今回の大会を総括する上で感じたことは、やはり前から言っていた通り国際戦での実力の伯仲とMLB参加国の国際戦での弱さでしょう。まずは実力の伯仲、これはこちらの

http://www.rio2007.org.br/data/pages/8CA3C78713B9BC7F0113BA44D3C734F8.htm

公式サイトの結果のページを見ていただければ分かると思うのですが、スコア自体そうそう荒れ模様といった感じのスコアはありません。実力国ぞろいの南北アメリカで実力がかち合うというのは当たり前な話でもあるのですが、それでも下位のブラジルとニカラグアが他の国に比べて力負けせず試合をしているというのは少し驚きをもってもいいのではないでしょうか。ブラジルも負けてはいますがアメリカ相手に5-7のスコアですし、ニカラグアにいたってはドミニカを完封しています。考察は色々出来ますが、素直に額面どおり「成長している」と受け取っていい成果でしょう。



五輪を控えた日本の立場から言えば、優勝を掴み取ったキューバの動向にも面白いものがありました。キューバの野球での強さといえばマジカル頭脳パワーでの所ジョージレベルの圧倒的強さともっぱらの評判ですが、毎回のように必ずどこかで「信じられない負け」を喫します。シドニー五輪やハーレムの時に喫したオランダ戦の敗北、WBCの時の予選リーグでのプエルトリコ戦のコールド負け。そして今回は開幕戦まさかのパナマ相手に敗北、しかも3-4というどう見ても力負けなスコア。野球と言うスポーツが一定のレベルを超えると読みあいが勝敗を大きく分けるという事があるからと言えなくも無いのですが、なんにせよキューバ野球は決して絶対的な存在と言うわけではなく、必ずどこかで不調をきたす王者なのです。



しかも今回は予選リーグで打線が中軸が完全に止められ、勝った試合でもなかなか想定どおりには動いていないようでした。北京まで行けたとして、日本代表の前に立ちはだかるのは確実にキューバ、真正面から立ち向かって分があるわけではないキューバ相手に金を取るには、真っ向対決で潰そうとするよりもこうした隙が出来るのを待ったほうがいいような気がします。勝ったパナマも注目と言えば注目で、五輪では枠の関係で出場があまり無いものの、出場が容易なワールドカップでのみ好成績という歪な強豪、今回はそのジンクス(2003二位・2005三位)を破りたかったところなのでしょうが結果はリーグ突破とはならず、なかなか上位集団に入っていくことが出来ません。ピッコロポジションですね。



五輪に関して言えば二位のアメリカも北京五輪予選を一位で通過した五輪優勝候補の一角なのですが、今回の大会に派遣された面子はほぼ大学野球の代表という面子、今回の成績が今後の参考になるとはあまり思えないのでコメントのしようがありませんでした。ただ大学野球代表と言うくくりでもほぼWBCレベルで代表を揃えてきたキューバにスコアは1-3ですので、それでも勝てる層の厚さと言う意味では流石に脅威、この大会でも所属選手を出さない国際試合への熱の低さと言う意味では安心、皆さんの好きなように受け取っておいてください。



MLBが選手を派遣しないと言う意味ではアメリカだけではなく、MLBに野球の基盤を持っている国全て似たようなことがいえるかもしれません。基本的に五輪にはマイナーリーガーであったりリーグOBが参加しているようなのですが、今回の大会はほぼ自国リーグからひっぱってきた選手達でどのチームも構成されていたため、この大会での成績はあまり五輪や他の国際試合での参考にならないところがあります。こここそ最初にお話したとおりのMLBに選手が多く所属している国々の国際戦での弱さ、ベストな選手を派遣できない弱み。今大会で言えばドミニカやベネズエラなどがそれにかっつりあてはまるでしょう。



二国ともメジャーでは名が知られた強国ながら、今大会成績は大学生主体のアメリカに負けを喫したりカリブ地域では格下のニカラグアに完封されたりと散々、決勝リーグにも残れずかませ犬に終わってしまいました。一方この時期でも国内リーグから選手を出してこれるニカラグアやそもそも底が広いメキシコなどが善戦、カリビアンシリーズでは弱者扱いのメキシコもこういった大会ではよっぽど怖い存在でした。そもそも出場国だけ見ても強豪カナダやプエルトリコ、コロンビアが出ていないあたりに、各地の野球にとってのこの大会の「軽さ」が感じられてしまいます。単純に選手層が限られてくるからと言う理由もあるのでしょうが、野球の国際戦への意識の違いという事もあるかもしれません。やはりMLBの傘にも五輪の傘にも入っていないとなると、野球は立場が弱いです。



とってつけたようなえらそうな評論はここらへんにしておきまして、当ブログでがっつり持ち上げさせていただいたホームブラジル代表の結果を書いて終わりにしたいと思います。

対ニカラグア 1-0
対ドミニカ  2-14
対アメリカ  5-7

ニカラグア戦アメリカ戦と善戦したものの、ドミニカ相手にスコスコにやられてしまいました。いやーやられたね、カスカスに。どうでしょう、この成績はブラジルにとって納得のいくものだったのでしょうか、興味のあるところですね。ブラジルを通じることで流れを追ってきたパンアメリカンゲーム、一言で総括すると均衡でしょうか。段々と成長を感じられるようになってきた展開、喜ばしいような、煮え切らないような、そんな不思議な気持ちです。

と、僕の英語の先生も僕に向かって言っていましたので、僕と同じレベルだとは言いませんし言えませんが、多分ブラジル自体はこの結果にむしろ焦りを抱いてるんじゃないのかと思います。いやー分からん、アメリカ人の英語わけ分からんみたいな感覚で、いやー強い、アメリカ人の野球わけ分からん、みたいな。

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posted by shoeless |07:29 | 国際大会 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年07月21日

大人の階段のぼる

前回の日記で世界少年野球大会の話をしたのですが、ちゃんと試合を行うほうの少年野球世界大会ももちろん存在します。名前はリトルリーグワールドシリーズといって大体は8月に行われている大会で、1947年からずーっと継続されている伝統もある大会です。ワールドシリーズという名前という事もあって開催地はアメリカ、毎年リトルリーグ発祥の地であるウイリアムスポートという街で行われており、2001年の大会からは施設が強化されたこともあって参加国が増やされ、今では16のチームによって争われる大きな大会へと発展を遂げています。分かり易い例えをすると稲川淳二とほぼ時を同じくして生まれ、稲川淳二がミステリーライブツアーを正月まで拡張したのと時を同じくして参加国数をエクスパンションしました、皆さん、これが蛇足です。



16チームの内訳はアメリカ8チームの北東部、西部、五大湖、中部、中東部、北西部、中西部、南東部、そして世界8チームの日本、中南米、カリブ、在欧米国人チーム、アジア太平洋、カナダ、欧州、メキシコ。もちろんアジア枠があるのですから日本も参加していて、日本は全体を通して6回の優勝を果たしています。歴代優勝回数第一位の国はそりゃもちろんアメリカなのですが、参加枠別に見たとき第一位はアジア、というよか台湾が優勝回数17回でぶっちぎりの一位に君臨しています。以前どこかでお話ししたことがあったと思うのですが、現在の台湾の紙幣は野球チームがかかれています。なかなか人口比という事もあってスポーツの世界で台湾が脚光を浴びるという事は多くはありません、そんな中で台湾をスポーツの世界でナンバーワンに導いた彼らは台湾の誇りでした。そんなことが有ってか無くてかは知りませんが、台湾は少年野球の中では実はなかなかの強豪なのです。



しかしアジア枠と言えば世界でカリブ地域に次ぐ激戦区、韓国だの日本だのという他の強豪もわんさかひしめいていますので、かつては五大会連続優勝などという離れ業をやってのけた台湾も最近はというと日本に押され気味であまり姿を見せられていません。日本が好調と言う事もあるのかもしれませんので、日本が直通で切符を手にするようになった今年からは台湾が復活してくる可能性もありますが、WBCの時も台湾は不憫な目にあっていました。では台湾の姿が見られなくなった今、日本以外にアメリカに噛み付ける国は無いのかというと、実はそんなこともありません。かといってそれはメキシコやカナダなどの枠を確保しているような競技人口が元から多い大国ではなく、アンティル諸島キュラソーと言うカリブ海に浮かぶ島々の代表チーム、アメリカの野球エリート達が手を焼いているのは、よりによってこれまた野球国際戦で名前を聞かない地域の選手達なのです。



オランダ領アンティル諸島キュラソー、カリブ海に浮かぶ島々をまとめた呼称で、キュラソーと言うのはその中核となる島キュラソー島の事を指しています。他のカリブ地域と同じく野球は非常に盛んで、MLBにもアンドリュー・ジョーンズなど一線で活躍できる選手を多数輩出、日本人に親しみやすいところで言えば史上最強の安全牌ミューレンとかがこのキュラソー島の出身、オランダの代表ではこのアンティル出身の選手がかなりの割合を占めており代表経験も豊富、今後のWBCなどではオランダ本国と分離しての参加を考えられているほどの実力国でもあります。とは言え人口は全島合わせて20万人程度しかなく、オランダ本国との兼ね合いやMLBの選手管理の問題もあって、最近ではまず国際戦の舞台に顔を出すことはありません。



しかしこの少年野球という分野に限っては、アンティル諸島の活躍は目覚しいものがあります。2001年のチームエクスパンションから激戦区カリブを抜けて6年連続の出場、そしてそのうち優勝一度に準優勝一度、そして三位が三度、いくらなんでも上位の常連にもほどがある、流石にここまで顔を出せば覚えるよそりゃ。アンティル諸島自国リーグを見渡してみても、少ない人口の地域であるにもかかわらず世代ごとにリーグが作られ運営されており、少年達が世界を目指し残ったエリート達がMLBを目指すと言う野球を行っていく上での筋道がうまく整備されています。国際舞台で見ないとは言え、数少ない人口のアンティルが他の地域より野球で成功しているのは、やはりそうしたモチーベーションを維持できる環境が揃っているからなのでしょう。



さて今年の大会は8月17日開幕、日本は直通枠を持っていますので参加は確定、7月現在カリブ地域はまだ出場チームは決まってはいませんが、おそらくはキュラソーがまた日本の前に立ちはだかることになるのでしょう。リトルリーグワールドシリーズは一次リーグがアメリカリーグと国際リーグとに分かれていて、決勝か三位決定戦にたどり着くまではアメリカのチームと勝負が出来ません。出てくる以上はどう転んだって戦わざるをえないのです。くしくも時期は北京で開かれるプレ五輪と重なり合っています、両方とも後の世代の代表選出への前哨戦と見ると決してへらへら見てられる様なもんじゃありません。いやへらへら見るんですけど、結局は。



野球は一般的にユース世代を大切にしていないと言われています、確かにユニバーシアードとの問題やIBAFのAAA級の大会の問題と同じように、少年野球部門でもあまり規模は大きくありません。特に日本は野球に限らずそれが顕著で、事野球に限っては国際戦をあまり主眼におくことがありません、ましてやAAA級や少年野球ともなるとその注目度は更に低くなります。次世代の代表を大切にしていく考え方、次世代の選手達に日を当てる社会、スポーツに対するそうした姿勢だけ見れば、アンティル諸島のほうが日本よかよっぽど進んでいるという気もします。非難が出ることの多い日本人のスポーツに対する姿勢、欧州や米国に対して遅れを取っているといわれるファンの姿勢、アンティル諸島のリトルリーグに対する姿勢はそういう意味じゃいい先生なのかもしれません。



五輪から立ち消えてようやくスポーツの代表らしくなってきた野球日本代表、その発端である星野監督が率いるプレ五輪も注目ですが、その裏で縦縞を背負わない日本代表が戦っていることも忘れないであげてくださいね。



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2007年07月20日

勇ましい弱音

世界中にある野球の大会の中で、予選ひっくるめてとかIBAFの幹部会の決起大会とかは除いた時、最も参加国数が多いのはどういう大会でしょうか。野球最大規模の大会WBCで16、IBAF最大の大会であろうと思われるワールドカップで18、にゃんたんの本より見え見えの引っ掛けですね。答えは意外と分かりやすく、世界少年野球推進財団の行っている世界少年野球大会がそれにあたります。平均して20国以上を集め、最高のときは第二回大会に33ヶ国という数字を残しました、上の二大会の数を見てもらえれば野球でこの数字を集めてくることがいかに難しい事なのかと感じていただけると思います。



こちらが公式ホームページ

http://www.wcbf.or.jp/

といってこれはひっかけ問題、ここまでの人間を集める事が出来るのには簡単な裏があって、一つは世界少年野球推進財団が招待してくれる大会であるため金銭的負担が少ないという事、そしてもう一つはこれが試合をしてタマとったりあうような大会ではないという事があります。世界少年野球大会はスポーツで競い合うというよかは「世界の野球少年達が集まって交流を深める」という事に主眼を置かれたイベント、文字通りの大きな会、国際的に野球をしていく上で大きな障害である経済や実力の格差を完全にとっぱらった大会だからこそ、これだけの地域数が集められているのでしょう。



サッカーやバスケなどのスポーツと違って野球は非常に初心者がとっつきにくいスポーツです。道具の面でもそうですが、なにより他のスポーツより危険でそれでいて基本動作に高度な技術を要します、決して子供が簡単にはいっていけるスポーツではありません。それならそれで積極的に将来への投資となる子供達へどんどん門戸を開放していく必要があると思うのですが、学校でのスポーツとしてもプレーの簡単さからも他のスポーツに遅れをとっている野球、なにより「野球をやっていく上で目指すもの」が子供達からあまりに遠くにあります。こうした誰にでも参加できる機会はそうした方向から見ても、彼らに野球をやる理由を与えるのに一役買ってくれているのかもしれません。



今までの大会累計でもう何十カ国、平均して20~30国も集められればなかなか珍しい名前も多く聞かれます。その珍しさといえば野球連盟がIBAFに所属していないカタールやマーシャル諸島も参加、サッカーでさえ姿を隠していた北朝鮮もこの大会には計6回も参加しているというレベルなのですから、この大会はまさに世界の野球の縮図と言えるんじゃないでしょうか。本当カタールとかどうやって連絡取ったんだろう、ドーハの時には野球連盟がないとさえ言われていたのに、そして一体どこの誰がきたんだろう、疑問はつきません。



そんなフレンドパークの友人関係みたいな不思議な幅広さを持つ世界少年野球財団、もともとこの団体は王貞治とハンク・アーロンという二人の野球のヒーローによって「世界に野球を広めていく」という目的で設立された団体で、その主幹行事であるこの世界少年野球大会は1990年から行われています。以前このブログで語ってくださった広瀬さんも仰っていた通り、少年世代をもっと積極的に囲っていかなければ野球はいつまでたっても進歩をすることが出来ません、世代交代の早いスポーツ業界にとって子供は大票田、十数年後のことを考え基盤を作っていく、ユース世代や少年野球世代と言う世界の野球の弱い部分の多くをこの大会が支えているとなかなか壮観です。この大会を見れば今後の世界の野球が見えてくるといっても過言ではないのですから当たり前の話でしょうか。



僕の口から放たれるとすげー陰気くさいけど奇麗事を言う赤毛のアンみたいになってしまいますが、実際にWBCの際には現在キューバ代表で主力を張っているフレデリック・セペダ選手がこの大会のOBとして初めて王監督の前に立ちふさがりました。あの時といったら日本の野球ファンはキューバの昔のパワプロみたいなスイングに血の気がうせていましたが、団体の設立者であった王監督は敵の正体を知って大変喜ばれていたのだそうです。国中からほぼトップの選手が集まってくる少年野球世界大会、世界は意外と狭く、ここでの出会いは人によっては本当に一生もの。漫画みたいな話ですが、競争の激しさが国によってまちまちな野球では珍しい話でもないのかもしれません。



さてそんな世界少年野球大会、今年は7月29日からプエルトリコにて開催されます。ちなみにこの大会、実は毎年NHKにて一時間の放送枠をもらっていて、今年は8月25日に教育で放送されます。世界中から将来の代表候補集まる大会、是非zipで送ってください、以上宣伝でした。



キャプテン翼を放送する欧州諸国、アイシールド21を放送するアメリカ、子供へ普及していくやり方ってやはりとっつきやすさや分かりやすさなのかしら、とそんなこと考えていたらこんなもん見つけました、IBAFの野球の歌なんだそうです。

http://www.wcbf.or.jp/wcbf2007/ibaf_song.html

バットが踊るあたりは九十九神の類いかな。世界の野球に興味がある人はみんなで覚えよう。

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2007年07月19日

君が僕で僕が君で

パソコンがストに突入していました、メジャーリーガーじゃないんだから困るよ、電圧でも上げてやればいいのか。パソコンがお釈迦になっている間といえばメールがてんこもりにきてたらどうしようとか、コメント欄が「更新してください」とかで埋もれてたらどうしようとかそわそわしていたのですが、こういう前振りですので当然のごとく結果は皆無、凪、メールボックスもこのブログも高野山のような静寂に包まれていて、僕としては嬉しいと悲しいの間で反復横とびを繰り返しているような気持ちです。



その上たった一つ届いていたメールの内容ときたら「昔お前に借りたジーコサッカーいっぱいでてきたけどやっぱり返したほうがいい?」とかいうむしろタイムリーなことこの上ないショッキングアンドビッチングなものでしたので、僕のテンションはパソコンが直った今でさえどんぞことなっています、しかしガッツが足りない、これ違うゲームだった。といって何もせずにちんたらしているわけにもいかないので、せこせこと校内の無料インターネットで接続していたのですが、日本語がタイプできたり表示できたりという環境で無く勉強という意味も込めて英語のサイトばかりを見て回っていたら、こんな珍しい話を見つけました。



7月21・22日はアイルランドの首都ダブリンで国際野球トーナメントが開かれる日なのだというのです。アイルランドといえばイギリスのお隣の国で、それもあってか所謂イングリッシュスポーツが盛んなお国柄、国内の野球などそうそうお目にかかれるものではありませんし、ましてや国際大会などとなるとまずありえません。グラウンドとか遠征国とか審判とか心配をすればきりが無いのですが、それでも行われるというのだから気にしないでというのは無茶でしょう。まぁ国際大会といってもイギリスから一つクラブチームをよんで数チームで争うといった、どちらかといえば親善試合と呼んだほうが近い規模なのですが、数少ないアイルランドの対外試合の舞台と見れば国際大会といって過言ではありません。



WBCでは今後参加する可能性があるとして見られているアイルランド、しかしもし仮にアイルランド代表がWBCに出ることになれば、それはもちろんアメリカ国内のアイルランド系アメリカ人選手達によるチームになると考えられます。WBCの参加資格が甘いことを利用しての参加国家、アイルランドはそれらの代表格とも言える国と言えます。アイルランド自体の野球のマイナーさもそうですが、何よりアイルランド系市民というのはアメリカで大きなパーセンテージをしめている集団、スター揃いのこの集団を「アメリカ代表」という狭い集団におしこめてしまうのはあまり効率のいい話ではありません。となればアイルランド代表を作ってそこに実力派の選手達を参加させたほうがはるかに有意義なのは分かりきったこと、アイルランドという選択は対外的に見れば歪んではいますが、割りきりまくって話を進めると「最善の選択肢」ともいえるんじゃないかとも思えます。



とは言え本来ならば国際戦なのですからきちんと国籍別で分けるべき、なのでしょうが、では実際のアイルランド代表がWBCの試合に耐え抜けるレベルなのか、というと言葉に詰まってしまいます。アイルランド自体の野球の歴史は古くおおよそ100年、イギリスで最初に行われた時期にかなり近い時期に行われていたとされていますが、実際に野球連盟が設立されたのは五輪云々が言い出された1989年、IBAF加盟の年は1994年、こんなの僕達ゆとり世代にだってそんなに昔のことじゃありませんので、実力を調べる対象すらあまりないのが現状です。国内リーグも他の西欧諸国に比べてチーム数が格段に少なく、トップリーグで6チーム、世代別の段階分けも多くはされていません。MLBの放送が始まったのもまだまだ最近、歴史は長いですが、そこに残ったものはあまり多くないのです。



全競技人口で見ても1000人にもまだまだ及ばずといったところですので、おそらくは国際基準で言うところの強豪に相対する力は持っていないでしょう、しかしそれさえもここまで国際経験が少ないとなると単なる妄想にすぎなくなります。上の国際戦はそういう意味ではアイルランドの実力を知るいい機会と言えるでしょう。WBCの参加国予想において、彼らは非が無いにもかかわらず予想国に挙げられていたことについて「何故アイルランドなのか」と皮肉交じりに言われていました。それはすなわちWBCの制度を批判しているその表裏一体としてアイルランドの野球を軽んじている発言とも言えます。本当にアイルランドは選出されたことに疑いを抱いて失礼に当たらないレベルなのか、それを再考できるきっかけこそ「アイルランドの本当の野球を見つめなおす」ことにあるでしょう。

「本当のアイルランドの野球の実力」が垣間見られる機会などそうそう多くはないのですから。この大会は数少ないチャンスとも言えるのです。



WBCという大会は設立どころか発案してまもなくからこの手の問題がいつもついてまとっていました。今は野球の国際戦として話題を集中させる必要があるのではないか、だからといってアメリカ人を他国の代表として選出して国際戦と呼べるのか、この手の答えの出っこない問題はみなさん自身で自問自答するなりして解決してもらうとしても、WBC、産まれてすぐに籍があやふやになった赤ん坊のような状態です。人種系列が同じなだけで諸外国の人がアメリカ人を国家代表として受け入れられるのか、いくらなんでもアメリカ国内のアドバンテージだけで参加国が決められる事は国際大会としてあるまじき姿ではないか、WBCが設けた「参加資格」の緩さはWBCの存在意義そのものにさえ覆いかぶさってきています。



もちろんWBCはMLB主催の1つのゲームの種類であって、IBAFが指導している「国際戦」ではありません。プレミアリーグが所属外国人選手で国籍別にチームを作って国家間のゲームを行うといった例えがわかりやすいでしょうか。国際戦の様相は確かにありますが、そもそもの基本はそのリーグ所属の選手達によって行われる興行、他国リーグからの選手達はあくまで「招待された選手達」ですし、試合を行う国でさえ「招待された国家達」です。出たい国があっても招待制という事もあって出られなかった通り、それ以前の実績や何かしらの基準が明示されているというわけでもありません。そういう風を割り切って考えれば、MLBで一大勢力を持つアイルランド系と言うカテゴリが「MLBの興行」に姿を見せないのはむしろおかしい事だと考えることさえ出来るのです。



本来の国際戦のような来るもの拒まずの全員参加が普通の大会であることが望ましいのですが、現実が上記に書いたとおりの考え方をすればおのずと出場が出来る国は限られてきます。限られるからこそ普段野球で聞かない国家名が挙がると不満があがり、疑惑の念がわくのでしょう。この問題は根っこの部分まで戻っていくと、「野球プレー国間の格差」という部分まで掘り下げることが出来ます。WBCに限らず、アメリカ系選手を補充したギリシャやスペイン系移民が多く代表に在籍するスペイン、海外領土選手が主だった戦力であるオランダ等野球が「表面上強くなっていく方法」という存在を容認してしまっている。いくらかの人しか通れない近道を残すことは、超迅速な実力強化と中身の伴わない成長を生み出します。それは手っ取り早い強化への道筋であり、野球を更に「自分達がやるものではない」という方向へ向けていく足枷でもあります。



簡単に代表の実力を強化できる、野球関係者にとってはいい競争材料が産まれる、四方にとって「最善の選択肢」であるこの方法、ですがたった一箇所だけこの方法で割を食ってしまう人たちがいます。戻ってきて早々奇麗事を並べるようでもうしわけありませんが、この流れによって割を食うのは、マイナーながらその国で細々と野球をやってきた人達です。代表を追われるという事、参加を取り消されるという事、話をWBCに集中させれば、アイルランドにとってのWBC参加とは「アイルランド系選手の大量補充」でWBC参加見送りとは「アイルランド現行代表が軽んじられた」という事にほかなりません。いやな言い方をすればそれはすなわち表面上の国際戦で表面上の代表が戦うという事です。野球界の形がいびつであることのとばっちりは、ほぼ選手達の身ばかりに降りかかってくるのです。



幸か不幸かまったく野球で姿を見せないアイルランドという事もあってか、我々の憶測は明確なソースが無い「アイルランドは多分よく聞かないしマイナーだろうから弱いんだろうなー」という妄想の域を脱してはいません。真のアイルランド代表たちは、自分達の知らないところで勝手に批判され勝手に心配されている事を知ったら、どのような反応を返すのでしょうか。



そういや最初に出てきたジーコサッカー、あれも表のラベルだけはジーコサッカーでなかのゲームはよく分からない違った代物という不思議ものでした。ジーコサッカーの上っ面だけ借りて中身を他のゲームと差し替えて作った改造ゲーム、当時の僕はそのダーティな感じに目を奪われていました。ただ今になって思うこともあります、ジーコサッカーはもともと中に入っていたジーコサッカーの方が面白かった、という事です。WBCもアイルランド代表も、かなりジーコサッカーに似ています。外見を借りて中身がそっくりそのまま入れ替わっているのですから。

外見で勝負するのもいいでしょう、しかし中身を知らないまま見限ってしまうことほどつまらないこともありません。WBCにおいて本当のアイルランド代表が試合に出てくる、そんな話があってもいいじゃない。まぁとりあえず、ジーコサッカーは返せってことですね。



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posted by shoeless |10:11 | ヨーロッパ野球 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年07月12日

大いなる奥地

7月13日より、南米ブラジルのリオデジャネイロにてパンアメリカンゲーム2007が開催されます。パンアメリカンゲームというのは南北アメリアにおけるアジア競技大会のようなもので、前回の日記でお話したSEAgamesが東南アジア諸国における五輪ならばこちらは南北アメリカ諸国における五輪という事が出来るでしょう。リオデジャネイロは2016年度の五輪の候補地として東京やシカゴと並んで有力視されている都市ですので、言ってみればこのパンアメリカンゲームはその予行テスト。この大会の成否に2016年度の結果が左右されるかもしれないとだけあって、ブラジルはこの大会にLLサイズのやる気を見せています。ノーマルより300円割り増しのやる気だ!



もちろん野球競技も例に漏れることはありません、2012年から消えてしまったとは言え、ここブラジルでの成功は五輪誘致成功の際に復活する糧となります、となれば是が非でも結果を出さなければならないのでしょう。ブラジル自体は野球を行っている方の国ではありますがもちろん国内人気があるわけではなく、ただ単純にマイナーというよか競技分布が日系人達に偏っているという言い方が出来ます。決して多くない競技人口、しかしそのなかでブラジル野球は今日に至るまで長きに渡り努力を続け、NPBやマイナーへプロ選手を輩出、遂には自国で大会のホストをつとめられるようにまでなりました。北京五輪予選を既に敗退してしまっているブラジル野球にとっては、この大会は一つの「集大成」でなくてはならない大会でもあるのです。



プレイヤーの供給基盤を保ち、外国の機関が参入し、近隣諸国とも強豪国とも交流を重ね、トップリーグに選手を送り込み、あらゆる手段を使って前進してきたブラジル野球。徐々に成長を遂げてきていたブラジルではありましたが、北京五輪予選においては同リーグにカナダ、プエルトリコ、アメリカ、ベネズエラ、メキシコ、アルバと強国がひしめき合う不運に見舞われリーグ敗退。それでもめげずに名立たる強豪たちと渡り合ったブラジルとしては、当然周囲に成長を見せ付ける事のできるリベンジの場が欲しいところだったはず、そしてそれに見合う舞台こそまさにパンアメリカンゲーム、ブラジルにとってはそういった意味でも集大成となって欲しい大会となっています。あらゆる手段を用いていたブラジルだからこそ、次こそ勝って飛躍のきっかけを見つけたいのは当然な話でしょう。



このページからパンアメリカンゲームのブラジルの出場参加選手と思わしき文章が言葉の壁をはさんだ向こう側に見え隠れしています、どなたかポルトガル語の分かる方翻訳をお願いします。

http://www.cbbs.com.br/noticias.php?id=3766

先ほども話したとおりブラジルは日系の人たちによって野球が行われているところが強く、野球競技自体が非常に日本と親密な関係にあります。何人ものブラジル人野球選手が日本プロにも所属していたりもしていまして、代表団の中でもヤマハ所属の佐藤ツギオ選手とか元プロ組、もちろん彼以外にもブラジル代表には多くの日本の団体に所属しているプレイヤーが見受けられます。予想以上に多いのはマイナーリーグ所属のブラジル人選手の数、なかなか想像は難しいですが、日本人社会人チームよりという程度の実力構成になっているのではないでしょうか。ブラジルの試合結果から目が離せません、同郷のよしみですので皆さん是非応援してあげてください。



さて、全力でヨイショしたところで、6月末にとっくに発表になっていたこの大会の野球競技のグループ一覧がこちら。

Aグループ ブラジル、アメリカ、ドミニカ、ニカラグア
Bグループ キューバ、ベネゼエラ、メキシコ、パナマ

総当りリーグ戦の後上位二国がトーナメント式に戦う方式。北京五輪アメリカ予選はたしかに偏っていましたが、別に今回も全然楽な試合にはなっていませんね、というか強豪犇くアメリカでうまく楽な組み合わせになるなんて未来永劫無いです、阪神の濱中の肩が仕上がるのを待つくらいにエターナルありえません。ただ印象としてはグループAの方がBに比べていくらか楽かな?といった印象でしょうか、マイナーリーグ若手主体で来るであろうアメリカ・自国の若手とマイナーOB選手で来るであろうドミニカを考えたら、自国のトップ選手を持ってこれる下位二国にはチャンスが無きにしも有らず、は流石に都合が良すぎるか。



Bグループはプエルトリコ・ドミニカに実力が肉薄するほど成長してきたと言われているメキシコ・ベネズエラのカリビアンシリーズ下位争い国による、2位のポジションの争奪戦が熱そうですね。毎度お馴染み天かける公務員軍団キューバが一位通過なのはほぼ確定として、残り一枠となったときにこういう場ではどちらが強いのか。単純な実力で言えばベネズエラが紙一重で上でしょうが、カリビアンシリーズはMLBプレイヤー参加の大会ですので、こういう国際試合では自国にリーグを持ってトップ選手をひっぱってこれるメキシコのほうが有利な気もします。後はパナマ、横取り40萬をひたすら狙い続けてれば抜けるかもしれない。



僕の予想を聞くくらいならキバヤシにこじつけさせたほうがいいという方もいらっしゃられるかとは思いますが、ぐだぐだ語っても85キロバトルなのでここで僕の予想を簡潔に書きたいと思います。

1キューバ
2アメリカ
3メキシコ
4ドミニカ

五輪予選でアメリカに上回られた雪辱に燃えるキューバ代表が決勝でアメリカを潰し優勝、一方メキシコはWBC参加選手を惜しげもなく注ぎ込みドミニカを圧倒し勝利。この展開になると予想してキューバ・アメリカのワイドに全額です、うわーはらたいらに全額以上の鉄板、ガンダニウムより硬い。



こんな予想をしてはいますが、僕個人としてはブラジルの勝利をコパアメリカよりも願っています。僕はいつも普及の形は一通りではないとかナントカ言ういまいちピンとこない奇麗事を並べ立てていますが、結局のところ「勝利」に勝る普及はありません。成長を遂げているとはいっても実際に勝たなきゃ国民がピンと来ないのも事実、あらゆる手段で前進を続けてきたブラジルだからこそ、今回の大会は勝って結果に残る成長を見せて欲しいですね。



そういや野球とまた違った普及を進め始めているともっぱら噂のソフトボール、ブラジル内でも「普及のやり方はまだ勝つしか残されていないわけではない」と言わんばかりに野球と一線を画すアイディアを見せ付けてくれました。それがこちら

http://www.nikkeyworld.com.br/esportes/esportes_171.php

その手があったか!まさかアジアンビューティーかつアメリカンビューティーで来るとは!セクシー!!!けしからんセクシーだ!セクシーには恐れ入った!!

ちなみに文中に出てくるサブリナ・サトウとはブラジルで超大人気とい言われているお馬鹿番組'Panico na TV'のレギュラーをつとめるお色気のあふれ出る日系人女性タレント、今までの日系人タレントとは違った幅広い層からの支持で日系人の星とさえ言われるサブリナ・サトウに勝ったこともあるってんだから、勝ったシンチア・タカハシさん、これを利用しない手はやっぱり無かったんでしょう。

よし、ブラジル代表も手始めにツギオ選手あたりから脱いでいこう。

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posted by shoeless |10:39 | 南米野球 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年07月10日

アルジュナは味を求める

全日本野球会議のブログで改めて北京五輪アジア予選の日程を確認して、その後の大会の予定を確認してとやっていたらちょっと珍しいことに気付きました。北京五輪アジア予選の決勝リーグの日程が12月の1日から3日、日韓台の三国はスケジュール的にどこもシーズンが終了した後の段階なので、時期がアドバンテージやハードルになる事は無いだろうと思っていたのですが、じゃあ残り一カ国、予選リーグから勝ち上がってきた国はどうなるだろうと調べていた時です。アジア予選リーグの4国は香港・タイ・パキスタン・フィリピンの4カ国、この中から順当に勝ち上がってくるとすればタイかフィリピンのどちらかでしょう。しかしながらこの東南アジアの二国、実はこの五輪予選以外に12月にもう一つ大きな大会を控えています。



SEAgames、東南アジア競技大会とも東南アジア五輪とも呼ばれる大会で、今年はタイで開催される、東南アジアの最大のスポーツの祭典ともいえるビッグイベントです。

http://www.2007seagames.com/eng/Home/tabid/191/Default.aspx

もちろん野球も競技種目の中の一つに数えられているのですが、このSEAgames、開催は今年の12月6日から15日にかけて、アジア予選とかろうじてかぶってはいませんが時期的にかなり肉薄です。タイもフィリピンも金メダルが楽に狙えるこの競技に手を抜いてくるとは思えませんし、といって五輪予選に手を抜けるとはもっと思えません。いくら毎日のようにできる野球とはいっても五輪予選リーグを含めれば11月26日からの長丁場、選手層が厚いわけではない二国ではエース級の酷使は必至で、選手が出し惜しまれることさえ予想されます。



SEAgamesが控えている以上、万が一両国のうちの片方が二敗を喫するようなことがあれば、消化試合を選手休養にあててくる事も十分考えられます。両国にとってSEAgamesでの勝利とアジア予選での善戦、どちらに価値を感じるのかは分かりませんが、次戦の舞台が用意されている以上結果を出さなければならないのですから、そういう事も考えられなくは無いでしょう。もしそういう事になれば、優勝の目が完全に無かった香港・パキスタンにも決勝リーグ行きの目が生まれてきます。そもそも今回の予選は開催国中国抜きの予選、空いた一枠を狙いやすい状況にありました。出るかまさかのパキスタン対日本、考えるだけで涎が止まりません。漁夫の利三昧とまりません。



さてその流れで五輪予選その後に行われるSEAgames、東南アジアというあまり広いわけではないくくりの競技大会ですので、全体での参加国数も11国とあまり多くありません。その内訳は、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、東ティモール、このうち野球連盟が存在している国はカンボジア、ラオス、ベトナム、東ティモールを抜いた7国、そしてそのうちブルネイの参加の見込みが少なく、野球競技は今回は6国で争うことが予想されています。もちろん優勝候補はフィリピンとタイ、最近になって一進一退を繰り広げつつある二国にとっては、時期的に言っても場所的に言っても最終決戦の地と言えるでしょう。彼らにとっては、五輪予選と価値を分かつような大事な大事な大会、むしろ五輪予選よかその注目度は高いといえるのですから。



野球界の中では東アジア四国に押されてあまり目立つ存在ではない東南アジア、しかしここ数年での成長は他の地域に迫らんという勢いをおびています。なんと言っても現地で頑張ってきた人々の努力の賜物、というやつでしょうが、手前味噌って僕は別に何もしていないんですけど、やはり日本から指導に行かれた方達の力は大きかったのでしょう。改めて見返してみると、タイ、インドネシア、シンガポール、ミャンマー、確認が取れているだけで4つの国に日本人指導者は出向いてナショナルチームをサポートしています。江本タイランドを筆頭に、努力や熱意の背中を押してあげられる日本人がいる事を、僕らはもう少し誇りに思っていいんじゃないかと思います。



今年から日本人がナショナルチームの監督になったアジアの国としては、やはりネームバリューからいって江本監督率いるタイがよくあげられます。エース白倉投手の大学野球リーグでの最優秀防御率受賞もあって、ライバルフィリピンに一歩差をつけたかという感じ。一方ライバルであるフィリピンも本来の実力で行けば、新興国にそうやすやすと連敗を喫するほどのやわな野球経歴ではありません、復讐のチャンスを虎視眈々と狙っているはずです。五輪予選と東南アジアゲームをまたぎ白熱する上位二国の戦い、それを見守っているかのように見えるアジア下位国、さてじゃあさっきからまったく話に出てこない東南アジア三位の国は一体どこなのといいますと、それは今現在の実力だけで見ればインドネシアがそれに当たります。



インドネシア、アメリカに次ぐ四位の二億四千万という圧倒的な人口を誇る大国です。その一方で野球競技人口は1000人程度、膨大な人口に引き上げられて数を保ってはいますが、インドネシア内の野球を見渡せば他の野球後進国と同じく完全な一部地域のスポーツとなってしまっています。国内野球は各州から代表を出して争われる形ですすめられており、代表もその中から選出されているのですが、皆さんご存知の通り国際大会には出られたり出られなかったり、アジアAAAにも選手を派遣していないという事である程度規模は想像してもらえるかと思います。東南アジア三位という地位は、その人口によって支えられている砂のお城に近いところがあるのです。



かつては野球場をつくろうとかインドネシアの選手をプロ野球キャンプに招待しようとか景気のいい話もあったインドネシアでしたが、前回SEAgamesで銅メダル、2003年にはアジア予選決勝リーグに後一歩と迫ったインドネシアも2004年度はアジア下位グループの大会でタイに華麗に追い抜かれ、2006年には出場すらしていませんでした。ともすれば決勝リーグ進出も夢ではなかった今回のアジア予選も、2006年に欠席した今では参加すらすることが出来ません。更に言えば、地理的な影響を受けてか最近のインドネシアのクリケットの伸び率は高い数字を示しているらしく、競技として競合するところの多い野球はその普及の道を追い込まれてきています。



インドネシア野球しょんぼりすることしかないね…このまま国際大会から姿を消してしまうのかインドネシア…、と思っていた矢先、意外とも取れる話が舞い込んで来ました。一つはこのインドネシアがSEAgamesに野球競技をしかと派遣するという事、そしてもう一つはインドネシア野球連盟が代表の強化に取り組み、そこに日本人が監督として選ばれたという事。監督に選ばれた野中寿人氏はインドネシアで野球クラブを開き指導に当たっていた人物で、そんな活動の実績が認められての選任だそうです。そして彼の任期は今年一年、つまり年末のSEAgamesまで。野球連盟幹部曰く、インドネシアは最初からこのSEAgamesを本番と位置づけその計画を進めていました。インドネシアは決して姿を消したわけではありませんでした、自分達の目標へ向かって静かに調整を進めていたのです。



大会の価値は人それぞれ、日本ではなかなかお目にかかれない大会もところによっては何にも変えがたい価値を持っています。そしてそれはおそらく前述のフィリピンにとってもタイにとっても変わらないはず。いかなる野球のあり方が彼等の望むあり方なのか、それは一振りでは分けることは出来ません。真上から見ていただけでは、本当の「普及の進み方」「実力のつき方」なんて分からないという事なのでしょう。たまにはそういう視点からという意味でも、SEAgames及び野中インドネシア、応援してあげてくださいね。



あ、そういや書き忘れてたけど最初に気付いたちょっと珍しいことね。星野監督と江本監督の因縁、無理やり探してたら一つだけ見つかりました。江本監督が投手として「ベンチがアホやから野球がでけへん」ってブチ切れてた同日に、その裏の試合でショートの宇野にフライをヘディングされブチ切れてた投手が星野監督。再来にならないといいですね、五輪予選で。



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posted by shoeless |07:25 | アジア野球 | コメント(10) | トラックバック(0)
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2007年07月09日

28番目の競技

僕がyoutubeでドアラの動画を見て更新をサボっている間に、いつの間にやらIOC総会が開かれており、いつの間にやら夏季五輪実施競技の選定方法というものが決められていました、いやー世の中の動きって速いですね、ドアラも速かったですけど。その詳細を簡単に説明しますと2012年のロンドン五輪にて行われる26競技全てを「中核競技」として継続実施したうえで、09年の総会で最大2競技まで追加するとの事。これは今後の選定方式として作られた「7年前までにIOC理事会が25の中核協議を決め、総会の投票で3競技までの追加を行う」というシステムを施行する前の試験運転的な意味を込めての処置なのでしょう。今更何を言ってものれんに百烈張り手かますぐらい無駄ですが、ロンドンから消えた事は目に見えた以上に深刻だったようです。おっそろしい、話題にするだけでもおっそろしいですが、やるしかありません。



こうなると中核競技に残れなかった野球・ソフトボールが五輪に戻るためには、残りの2枠に選ばれるしかありません。じゃあその2枠の選出方法はというと、追加に必要な賛成票が従来の三分の二での可決から過半数に改定され、そこに開催都市の意向もプラスして選ばれるのだとの事。あれ、なんだ、三分の二から過半数というのはかなりハードルが下がってんじゃん!万歳!思ったより怖くない!と考えることも出来るのですが、実際はどうなのだろうというとそうそう簡単ではありません。更年期障害みたいな怖さです。現実日本の野球・ソフト関係者が揃ってしけた発言をしているように、現実はあますとこなくしけています。



順を追って考えていきましょう。中核競技に選ばれなかった競技はまずIOCの総会にて三競技に残る決選投票を行います、ここでの投票はハードルが過半数と下げられたことや開催都市の意向が加味されるという事もあって、開催地に野球で程度力を持った南北アメリカや日本が有力視されている次回大会は野球・ソフトは意外と他の競技に比べ優位に立っています、復活ということに関して言えばかなり目は高いでしょう。しかしそれは単純に一時復活というだけの話、本当の問題は2016年の五輪が終わった後、次回五輪の中核競技の選定が始まった頃から苦境が始まります。



今現在五輪に残っている26の競技はIOCにそれなりに認められているからこそ中核協議に残っているのであって、裏を返せばとりたてて削除する粗が無い競技達であるという事が言えます。もちろんIOC理事会によって毎回五輪のたびに新しく中核25競技が選出されるのですが、先ほどもいったとおり外す理由が特段見つからない競技、新しく入れ替える必要はまずありません。スケールはだいぶ違いますが、毎年クラス委員やっている奴をあえてわざわざ不信任投票にする奴なんかいないといったところでしょうか。テコンドー、近代五種、レスリング各種階級、中核競技の中にももちろん削除対象となっている競技はありますが、逆に野球やソフトに中核25競技に残るアドバンテージがあるというわけでもありません、漏れる可能性は依然として高いままです。



となれば当然また新たに残り3枠をかけてIOC総会に回らなくてはならないのですが、地域によってあまりにも実力格差のある野球、次回もまた野球実力国に五輪開催地が回ってくるなどという都合のいい事はありません。中核競技はほぼ変わらないことが予想される、他の競技は毎回のように投票に参加させられることが予想される、そしてその追加競技は毎回のごとく変わっていく事が嫌でも予想される。言わばそれらの競技は五輪競技といいながら存在が非常に不安定な浮いた競技、不定期にしか行われないことが予想されるフロート競技です。中核競技から外された野球は、五輪の中でいつの間にかそのランクを一段下げられ、いつの間にか本来の目的であった「五輪で継続的に生き残っていく」という事の芽を失ってしまっていました。



僕は以前「復活はまだ目があるが継続して残っていくとなれば道は険しい」という書き方をしましたが、いつもは外れる予想もネガティブな予想だけは東スポ並に当たります。シラー会長はレポートの中で「五輪競技としての野球へ」という書き方をしていましたが、中核競技に入り込むことが簡単な道ではないことなど僕でさえ分かります、これを読んでくださっている皆さんはもちろん競技の管理運営を行っている人たちにも当たり前に分かっていることでしょう。毎大会のごとく繰り広げられる熾烈なロビー活動に打ち勝っていかなければ、野球もソフトも生き残ってはいけません。一時は蘇る事が出来たとしても、そんな調子が続いていけば、勝負に負けて4年を重ねるたびに忘れられていきます。



このやり方にはもちろん地域によって特性に合わせた競技が選ばれるであろうことを見越してという部分が含まれているのでしょう、しかしだからといってIOCは利己的に競技を二分したのかといえばそういう訳では無いはずです。目に見えて枠を狭める事でそこに生まれるのは競争の激化、ホースの口をつまむように今後この少ない枠を争って熾烈な競争が繰り広げられることでしょう。競技同士が競い合う、それはすなわち切磋琢磨です。野球にとっては失われたチャンスも他の競技にしてみればふってわいたチャンス、競うあうべき分かりやすい目標も生まれ、野球にとっての「最低限をしなくても許されていた」モラトリアムは終わりました。これからは、生き残るために戦わなくてはなりません。IOCは、今一歩といった競技達のお尻を蹴りにきているのです。うわーあずきバーが柔らかくなったみたいな優しさー。



オリンピックから今後野球が見られなくなる、ということはまず無いでしょう。しかし繰り広げられる熾烈なロビー活動、開催国に左右されない地盤作り、今までの通りの動きならば野球は徐々に徐々に衰退の一途をたどる事になります。良い言い方をすればIOCは野球に動くきっかけ、いやそんなあまっちょいもんじゃない、もう動くしかないといったくらいのきっかけを与えてくれました。考えようによってはこの救いがたい状況も、今までに無いチャンスとも考えられるのです。



野球にしろソフトにしろ、失ったチャンスをとりもどすには長い長い戦いが必要となります。野球は今はまだ衰退という衰退はしてはいません、野球が世界でマイナーなことなど昔から変わっていません、むしろここ10年で徐々にながら成長さえ遂げてきていました。それはもちろんソフトも同じこと、しかしソフトは野球ほどぼやぼやしてはいません、IOCへのアピール、普及活動、同じ削除組でも既に競争は始まっています。ピンチでチャンスのごとく動き、チャンスでピンチのごとく考える。自分で言ってちょっと感動したぐらいうまい表現。

美しく死んで奇麗な思い出になるより、醜く足掻いて汚く生きながらえる方が考えようによっては美しい、今回のピンチも考えようによってはこれはチャンスだ、IOCも考えようによってはツンツンデレデレに見えなくも無い、もう考えようによってはって言い出したらきりが無い。



僕が更新の頻度を落としているのも、考えようによっては記事を絞ることで質を向上させるためと言えなくもありません。ていうか実はそうでした、いつの間にやら。

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posted by shoeless |03:20 | 国際大会 | コメント(13) | トラックバック(0)
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2007年07月07日

恐怖の大王様々

北半球が野球シーズンである6月から9月にかけては世界の各地で野球の大会が行われています。統一大会が無いといわれている野球も、そんな事にめげずに地域大会だけは意外と盛ん、特に陸続きで国の数が多いヨーロッパでは条件的に国際試合がやりやすいのか、あっちこっちで国際大会が行われています。6月の半ばのクラブ選手権から始まって9月のヨーロッパ選手権までわんさわんさと大会が開かれているのですが、こうして改めてそれらの大会の結果を見て感じることは、「クラブ単位なら結構どこの国も善戦ができている」という事。これらの大会ではルーマニアだとかブルガリアだとかベラルーシだとか、それはもう聞いただけで干ばつを救う程の涎が出そうな野球マイナー国の名前が見られるのですが、ところがどっこい、クラブ単位で行けば意外と彼らもそれなりの活躍を見せているのです。



な、なんだってー!?代表戦ではスッコスコにやられる事の多い国々もクラブチームで実力の差が埋まる、もちろん層が厚くないから個々のクラブ戦になると善戦できるようになるということもあるのでしょうが、それにしたってこの傾向は顕著にあります。これを額面に通りに受け取っていいならば、考えられる理由としては、「クラブ戦に出てくる欧州上位国は代表よか弱体化しているが、クラブ戦に出てくる欧州下位国は代表と比べてそこまで弱体化していない」という理由が考えられます。代表よりか個々のクラブの選手が強くなっていたら代表の意味がありませんし、持っている実力の定数は代表にしてもクラブにしても変わらない、それなのにクラブで善戦できているのなら「代表とクラブで実力差があまり変わっていないから」と見て大きな間違いは無いでしょう。



確かに欧州で下位グループに属している国々の国内野球に目を向けたとき、その実力のほとんどが国内のたった一つのクラブに集中していることは少なくありません。10年レベルで変わらずに何度も何度も同じチームが優勝を果たす国内リーグ戦、完全自由競争で選手が市場に出ているような大規模なプロでないにも関わらず膠着する実力、もちろん野球の層が全体的に薄い欧州ですからほとんどの国でそうした傾向は見られるのですが、下位グループの国は特にその傾向が分かりやすい状態にあるといえます。それだけで「これが全ての理由だったんだよ」とは言いませんが、こうした国内状況が野球後進国の典型的な状況というのもまた事実です、他の部分は多分ノイズなので落とせます。不毛です、そりゃあこういう結論を出すのは不毛です、今更いいとも選手権の金曜日の有利性について語るぐらい不毛です、しかし仮定してしまった以上それを考えていかなければいけません。



分かりやすく話すため例を挙げれば、※以前お話したCEBカップに参加していたルーマニアなんかがその典型例と呼べる国と言えます。ルーマニアは黒海に面した人口二千万ほどの国で、言語体型から東欧唯一のラテンの国といわれています。ラテンのノリといえば野球の本場のノリなのですが、ルーマニア自体の野球と言えば人口や経済で勝る西欧諸国に勝てず、ヨーロッパ全体では下位グループといった扱いに収まっています。気候的に寒いはずのノルウェーやフィンランド等の北欧諸国より名前が聞かれることが少なく、そもそもまず国際戦にでようにも連盟にそれだけの体力があまり残っていないという事もあって、なかなかお目にかかれません、選手が自費で出費を賄うという事も少なくないのです。

※以前お話したCEBカップ…6月17日クロアチアの片隅からを読んで下さいね、めんどくさい人の為に説明すると「次はこの辺から力士でそう」って感じの国々ばかりが集まった野球大会のことだよ。



ルーマニア国内の野球に目を向けると、流石はヨーロッパ諸国といった多くのカテゴリーに分かれた大会が開かれていたりはするのですが、肝心のカテゴリー内のチーム数はせいぜい5つか6つ、それでいてそのチーム数でさえも予算等の問題から欠けることがあると言われているのですから国外への進出は並大抵ではありません。そんなル-マニアの中で唯一国外への進出を果たしているのが首都ブカレストのチームであるDinamo Bucharest、裏を返せばルーマニア内最強の野球チームでもあります。何年も前からルーマニア内でトップに輝き、その地位を確固たる物として守り続けています。そういう言い方をすればポジティブに聞こえますが、裏を返すと彼らを脅かすような存在がまったく育っていないという事に他ならないのですから、難しい気持ちになります。ついでに言えばDinamo Bucharestの監督はナショナルチーム監督と同一の人物、最初に言ったとおり、ルーマニアの野球はほぼ彼らの存在に集約されてしまっているのです。



これは他の同じような状態になってしまっている国々にも通じることでしょうが、そういう状況になってしまったのには一つよく分かる流れがあります。まずスポーツのチームを作るとなれば、どう贔屓目に見ても人口や経済で大きな基盤を持った地域が有利になるということ。このDinamo Bucharestに限って言えば多種のスポーツチームを抱えるクラブですので、ちゃんとしたバッグボーンがあるというその点でも彼らは有利だといえるでしょう。国内で優勝すれば、いくらマイナーなスポーツとは言え「国内最強」というお墨付きがもらえます、そしてそうなればスポンサーからお金は出してもらえる、一応は五輪競技の国内最強だからとりあえず潰されることも無い。そしてそれを支える勝ったとしても遠征費用が捻出できるかさえもが怪しい他のクラブ、自ずと周りとの差が開いていってしまう事は火に顔突っ込むより明らかでしょう。



俺達は大きな思い違いをしていたのかもしれない、クラブが善戦しているからといって国内一極集中はもちろんのこと良いことではありません。まぁDinamo Bucharestでさえルーマニアの野球の規模を考えたらその足場は非常に不安定なものなので、今の成績を残せなくなったら立ち消えてしまう可能性も無いわけではありませんが、今のままDinamo Bucharestの一強が続けば他のチームの消滅、そして国内最強の称号の形骸化は確実なものとなります。どちらが良いかと言われればじりじりと衰退を待つよか競争が激しくなっていくのを期待したほうがいいのは当然と言えます。しかし、それが当然でもなおルーマニア国内においての野球の状況は変化していません。待てよ、今現在までこういう状況が続いてしまっているということはすなわち、国内において競争がうまく行われていないのです。



競争が行われない、これは多くの野球後進国が抱える大きな「課題」です。一強という姿が多く見られる野球後進国では、それに抗っていこうというチームが見受けられないという事も多々あります。一強が強大すぎてはなから諦めてしまっているという事もありますが、多くの場合それは「野球の競争に価値を見出している人が少ない」という事が理由となっている気がしてなりません。野球で指導を進めていくという事は、狭い範囲内ながら国内でそれなりの地位を築く事ということであります。競争の範囲が狭かろうが広かろうが二位は二位、国家代表だって輩出できるのです。地域によっては五輪種目である野球の指導の資格を持つことは、指導者として一定のアドバンテージとなったりまでしています。



つまり、一番にならなくとも野球を行っていく目的を果たしている、結果、競争に必死に目を向ける必要が無い。勝ちの重みが人によって地域によって果てしなく変わっている、野球で勝ちあがることへの明確な価値や意味づけを野球界が提供できてない今、野球というスポーツの重みの違いは国家間にとどまらず一国内においてもばらばらに認識されているのです。



明確な目標、そしてそれを行う普遍的な価値、それがなければ人間は全身全霊をかけて物事に打ち込む事はできません。権威を借りていた五輪から削除され、WBCは参加を目指せる大会ではなく、IBAF主催の大会はその権威が軽い。野球界は足並みを揃えなかったことによりその権威を分散させてしまい、結果として満足に掲げられる「野球で勝つ価値」を失いました、野球をやっている人たちに競争への意欲をかりたたせるような勝利の価値を提供できなくなってしまったのです。その弊害は、野球界のこんな細部にまで染み渡っています。



五輪から野球が無くなったことについて、野球界の反応といえばおおむね「世界にアピールが出来なくなる」というものでした。しかしそれは落ち着いて考えてみると、どちらかというと上から見下ろした、管理運営していく人間達の目線から見た発言と言えます。野球選手や監督が五輪から野球が消えたときに「アピールできなくなっちゃったね」とは思わないはずでしょう。本当にこの問題で大切なのは下から、つまり彼ら選手からの目線で「目指すべきものが無くなった」という部分です、野球をしているのはIBAFでもMLBでもファンでもなく野球選手たちなのですから。単刀直入にきっぱりといってしまえば、我々はこの段階にきてもなお「選手のことを第一に考える」という事ができていない、そういう事なのです、そういう事だったんだよ!



世界の野球のブログを書くにあたってほぼ毎回のように出くわす「野球界の足並みの揃わなさ」の問題、どこかMMRにおけるノストラダムスとかナチスドイツとかレジデントオブサンに近いものを感じるようになってきました、あなたは一体どこまで私達の前に立ちはだかるというのか!!ワールドベースボールクラシック!!みたいな。思い起こしてみればこのブログもほとんどの記事がこじ付けといっていいほどに最終的にこの問題に触れられます、トンデモ理論でこじつけられています、ちょっと前まではやりすぎかなと思っていましたが、最近では言ってみればこのブログはMMRなのかもしれませんとさえ思うようになってきました。

今は「俺達はもう…手遅れだったんだ」と言わなくて済むよう願っています、まぁ言ったところで本家は全然滅ばなかったんだけどね。



残り8

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posted by shoeless |03:45 | ヨーロッパ野球 | コメント(5) | トラックバック(0)
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