2008年09月16日
今年の7月23日、東京江戸川で行われた少年軟式野球世界大会にパラグアイがチームを送り込んできていました。もちろんほかの中南米諸国の例に漏れずパラグアイでも野球の主な担い手は日系人の方々、大会自体は見せ場少なく負けてしまったパラグアイチームでしたが、自分達のルーツでありながら故郷でない土地を踏めた気持ちというのはどのようなものであったのでしょうか、アイデンティティの在り処というお話は言われてみないと意識することがありませんし、人によっては気分を害することもあったりでなかなかどうして気になるところです。7月13日に強豪イグアスを破ってラパスが優勝したばかりであったパラグアイ少年野球、今年の世界大会も強豪日本チームが台湾チームに負けてはしまいましたが、それと同じような心意気を日本の少年たちからも感じ取ってくれたのならばうれしい限りです。現在世界にいる日系人の方々総数は役300万人弱、主に南米では野球を持ち込んだ先駆者としてずっと彼らの元で野球は保護され行われてきました。パラグアイならば入植からすでに71年、日系人はいまや世界の野球でも見逃せない野球の担い手となりました。
ここ最近ではあまり見られませんが、日本のプロ野球においても日系人の方々は大切なピースのひとつと言えます。有名どころでいうならハワイの与那嶺、元カープのブラジル玉木、パラグアイなら元ヤクルトスワロースエース岡林洋一が唯一にして無二の有名なプレイヤーかもしれません。パラグアイアルトパラナ県イグアス市で日系二世として生まれ育った岡林は、パラグアイ少年野球リーグで前出の強豪イグアスのエースとして国内をなできりにし、その成績を引っさげて高知商業に入学すると今度は甲子園ベスト8、専修大学入学後にはエースとしてベストナインにも選ばれました。ドラフト1位でのヤクルト入団後もチームを日本シリーズに導くなど堂々の成績を残し、日本球史にも名前が残る大選手として今は後発の指導にあたっておられます。彼に限らず、ラテンのコミュニティは野球人材資源の宝庫と言っても間違いはないでしょう。ウォーリー与那嶺から続く世界各国の日系人の野球の歴史は、彼らの入植の歴史と時を同じくする、決して一朝一夕で作り上げられた文化ではないのです。
日本人の移民の歴史は、1881年、ハワイ国王カラカウアの来日から公式にはじめられました。それを皮切りに19世紀末にはアメリカ向けに政府も後押ししての大規模移民が行われるようになりましたが、現地のコミュニティとの関係の悪化や市民権の取得者数の伸び悩み、見合い結婚などの異文化的な理由による渡米者の増加等問題を多く抱え、1924年には排日移民法が成立しアメリカ移民は完全にストップ。その後は目下経済活性化を目指していた満州や中南米にシフトしていき、パラグアイには1937年に最初の入植が行われています。今でこそパラグアイにおいて重要な地位を占める日系の方々ではありますが、入植直後の伝染病の蔓延や第二次世界大戦、パラグアイ内戦にストロエスノル将軍による独裁経済封鎖時代などなど平坦な道とはいえないパラグアイの歴史同様、その土地への安定した定着は難しいものでありました。野球もそんな中で彼らがパラグアイの土地で守り根付かせてきた、そう思うと今パラグアイで野球が行われている事への歴史の重みを感じてもらえるかもしれません。
野球好きの日本人・米国人のスポーツとしての野球は、南米において100年近い歴史の下で育てられてきたある意味ではすでに彼らの文化と言ってもいいような文化です。しかし良いのか悪いのか、パラグアイにおいて野球は日系人によって「育て守られてきた文化」でした。欧州において野球が広く認知されていてなお「アメリカ人のやるスポーツ」という地域スポーツの枠から出られていないのと同様、パラグアイにおいて野球は日本人のやるスポーツに近く考えられていると言ってもいいのでしょうか。日系の方々が二世三世と代替わりして野球が外のコミュニティへ染み出すのと同じくして、野球を守り続けてきた日系人のコミュニティ自体も世代交代の中で徐々に周りのコミュニティと同化しています、両者ともにその境が時を経て薄まりつつあるのです。この傾向はハワイや東南アジア、ブラジル等で顕著に見られるものなんだそうですが、もちろんパラグアイも例外ではありません。野球が日本人だけのものであったこともあってか、高校大学とそこまでリーグが整備されているわけではないパラグアイ、その基盤は日系人の方々が主体となる少年野球リーグにあるのですが。ここは世代的に一番三世のコミュニティ離れが響く部分と言う事ができます。
実際一時期パラグアイ野球リーグはプレイヤー数の低下に悩んだとも言われており、首都のアスンシオンにおいては人口比からか存続さえ危ぶまれる状態にあったとされています。大体パラグアイの人口600万人に対し日系の方々の人口が7000人程度、守るパイも奪うパイもそこまで多いようには見えません。一世二世の手によってまたパラグアイの野球は元の状態に戻りつつあるとは言われていますが、話は元の鞘に戻っただけで刀自体の状態の解決にはかなしいかな至ってはいないでしょう。国際的なスポーツとなるためにローカルスポーツ扱いからの脱却を目指した野球ですが、ローカルに自分たちで保護するようにして続けなくてはそれを存続させていくことが難しく、かといって国際的なスポーツへなんとか押し上げなくてはこの先自らのコミュニティの中でさえ停滞もしくは衰退へと至ってしまう。野球振興のためながら継続のためにはそこまで参加国数を増やせないWBC、いつまでたってもアメリカ「のやる」スポーツであり続ける野球、まさにここには今現在国際野球が抱える問題があらわれています。
今各地で野球を振興させようとがんばってくださっている日系の方がや、ローカルスポーツと野球を見ずにプレーしてくれている現地の人は確かにたくさんいらっしゃいます。しかしこれから国際化が進み時も流れ、時代も世代も替わった現代の日系の方々に、ルーツである日本のアイデンティティを「無理に」背負わせる形になるのならそれは酷な話ですし、だからといって彼らが野球を自分たちの独自の文化と見ずに1スポーツとしてパラグアイの野に放った時、ほかのパラグアイの人々が今後群がってくれる可能性はそこまで高くありません。「日本人のやるスポーツ」としての野球は、日本人としての性格が消えうせつつある中で他の競技やコミュニティと輪郭を接し、溶けて消えるか朱を混ぜるかの狭間を漂っています。守れば薄まっていき、守らなかったとしても染み出す機会に乏しい。野球を守ってそこにパラグアイの他のコミュニティの人が参加してくれるようにすればいい、しかしIBAFに加盟しているパラグアイ野球連盟も無ければとうのIBAFでさえそこまでのケアは難しい現実は、野球が染み出して赤く染められるほど綺麗でもなければ無色透明でもありません。
長いときの中、野球は大勢の人々の手によって輸入され、そこで新たな文化として自立を目指してきました。次に五輪を通してローカルスポーツから姿をかえ、世界のスポーツへと歩みを進めてきました。そして今、野球は「ローカルであろうとする野球」と「危険を冒してでも国際化を目指そうとする野球」の目には見えない穏やかな対立によって、進退を決めあぐねています。WBCにシフトするのか再度五輪を目指すのか、アジアリーグとして固まるのか日本プロとしてアジアの市場を開拓するのか。シンガポールでの会議にて五輪から削除された2003年からまだ数年、野球はまたも大きな岐路に差し掛かりました。
そこに幸福だけ見て海の向こうへ渡っていく決断をできるのか、いまになって少しだけ日系人の方々の気持ちがわかったような気になりました。すいません、調子に乗りました。
posted by shoeless |13:26 |
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2007年07月12日
7月13日より、南米ブラジルのリオデジャネイロにてパンアメリカンゲーム2007が開催されます。パンアメリカンゲームというのは南北アメリアにおけるアジア競技大会のようなもので、前回の日記でお話したSEAgamesが東南アジア諸国における五輪ならばこちらは南北アメリカ諸国における五輪という事が出来るでしょう。リオデジャネイロは2016年度の五輪の候補地として東京やシカゴと並んで有力視されている都市ですので、言ってみればこのパンアメリカンゲームはその予行テスト。この大会の成否に2016年度の結果が左右されるかもしれないとだけあって、ブラジルはこの大会にLLサイズのやる気を見せています。ノーマルより300円割り増しのやる気だ!
もちろん野球競技も例に漏れることはありません、2012年から消えてしまったとは言え、ここブラジルでの成功は五輪誘致成功の際に復活する糧となります、となれば是が非でも結果を出さなければならないのでしょう。ブラジル自体は野球を行っている方の国ではありますがもちろん国内人気があるわけではなく、ただ単純にマイナーというよか競技分布が日系人達に偏っているという言い方が出来ます。決して多くない競技人口、しかしそのなかでブラジル野球は今日に至るまで長きに渡り努力を続け、NPBやマイナーへプロ選手を輩出、遂には自国で大会のホストをつとめられるようにまでなりました。北京五輪予選を既に敗退してしまっているブラジル野球にとっては、この大会は一つの「集大成」でなくてはならない大会でもあるのです。
プレイヤーの供給基盤を保ち、外国の機関が参入し、近隣諸国とも強豪国とも交流を重ね、トップリーグに選手を送り込み、あらゆる手段を使って前進してきたブラジル野球。徐々に成長を遂げてきていたブラジルではありましたが、北京五輪予選においては同リーグにカナダ、プエルトリコ、アメリカ、ベネズエラ、メキシコ、アルバと強国がひしめき合う不運に見舞われリーグ敗退。それでもめげずに名立たる強豪たちと渡り合ったブラジルとしては、当然周囲に成長を見せ付ける事のできるリベンジの場が欲しいところだったはず、そしてそれに見合う舞台こそまさにパンアメリカンゲーム、ブラジルにとってはそういった意味でも集大成となって欲しい大会となっています。あらゆる手段を用いていたブラジルだからこそ、次こそ勝って飛躍のきっかけを見つけたいのは当然な話でしょう。
このページからパンアメリカンゲームのブラジルの出場参加選手と思わしき文章が言葉の壁をはさんだ向こう側に見え隠れしています、どなたかポルトガル語の分かる方翻訳をお願いします。
http://www.cbbs.com.br/noticias.php?id=3766
先ほども話したとおりブラジルは日系の人たちによって野球が行われているところが強く、野球競技自体が非常に日本と親密な関係にあります。何人ものブラジル人野球選手が日本プロにも所属していたりもしていまして、代表団の中でもヤマハ所属の佐藤ツギオ選手とか元プロ組、もちろん彼以外にもブラジル代表には多くの日本の団体に所属しているプレイヤーが見受けられます。予想以上に多いのはマイナーリーグ所属のブラジル人選手の数、なかなか想像は難しいですが、日本人社会人チームよりという程度の実力構成になっているのではないでしょうか。ブラジルの試合結果から目が離せません、同郷のよしみですので皆さん是非応援してあげてください。
さて、全力でヨイショしたところで、6月末にとっくに発表になっていたこの大会の野球競技のグループ一覧がこちら。
Aグループ ブラジル、アメリカ、ドミニカ、ニカラグア
Bグループ キューバ、ベネゼエラ、メキシコ、パナマ
総当りリーグ戦の後上位二国がトーナメント式に戦う方式。北京五輪アメリカ予選はたしかに偏っていましたが、別に今回も全然楽な試合にはなっていませんね、というか強豪犇くアメリカでうまく楽な組み合わせになるなんて未来永劫無いです、阪神の濱中の肩が仕上がるのを待つくらいにエターナルありえません。ただ印象としてはグループAの方がBに比べていくらか楽かな?といった印象でしょうか、マイナーリーグ若手主体で来るであろうアメリカ・自国の若手とマイナーOB選手で来るであろうドミニカを考えたら、自国のトップ選手を持ってこれる下位二国にはチャンスが無きにしも有らず、は流石に都合が良すぎるか。
Bグループはプエルトリコ・ドミニカに実力が肉薄するほど成長してきたと言われているメキシコ・ベネズエラのカリビアンシリーズ下位争い国による、2位のポジションの争奪戦が熱そうですね。毎度お馴染み天かける公務員軍団キューバが一位通過なのはほぼ確定として、残り一枠となったときにこういう場ではどちらが強いのか。単純な実力で言えばベネズエラが紙一重で上でしょうが、カリビアンシリーズはMLBプレイヤー参加の大会ですので、こういう国際試合では自国にリーグを持ってトップ選手をひっぱってこれるメキシコのほうが有利な気もします。後はパナマ、横取り40萬をひたすら狙い続けてれば抜けるかもしれない。
僕の予想を聞くくらいならキバヤシにこじつけさせたほうがいいという方もいらっしゃられるかとは思いますが、ぐだぐだ語っても85キロバトルなのでここで僕の予想を簡潔に書きたいと思います。
1キューバ
2アメリカ
3メキシコ
4ドミニカ
五輪予選でアメリカに上回られた雪辱に燃えるキューバ代表が決勝でアメリカを潰し優勝、一方メキシコはWBC参加選手を惜しげもなく注ぎ込みドミニカを圧倒し勝利。この展開になると予想してキューバ・アメリカのワイドに全額です、うわーはらたいらに全額以上の鉄板、ガンダニウムより硬い。
こんな予想をしてはいますが、僕個人としてはブラジルの勝利をコパアメリカよりも願っています。僕はいつも普及の形は一通りではないとかナントカ言ういまいちピンとこない奇麗事を並べ立てていますが、結局のところ「勝利」に勝る普及はありません。成長を遂げているとはいっても実際に勝たなきゃ国民がピンと来ないのも事実、あらゆる手段で前進を続けてきたブラジルだからこそ、今回の大会は勝って結果に残る成長を見せて欲しいですね。
そういや野球とまた違った普及を進め始めているともっぱら噂のソフトボール、ブラジル内でも「普及のやり方はまだ勝つしか残されていないわけではない」と言わんばかりに野球と一線を画すアイディアを見せ付けてくれました。それがこちら
http://www.nikkeyworld.com.br/esportes/esportes_171.php
その手があったか!まさかアジアンビューティーかつアメリカンビューティーで来るとは!セクシー!!!けしからんセクシーだ!セクシーには恐れ入った!!
ちなみに文中に出てくるサブリナ・サトウとはブラジルで超大人気とい言われているお馬鹿番組'Panico na TV'のレギュラーをつとめるお色気のあふれ出る日系人女性タレント、今までの日系人タレントとは違った幅広い層からの支持で日系人の星とさえ言われるサブリナ・サトウに勝ったこともあるってんだから、勝ったシンチア・タカハシさん、これを利用しない手はやっぱり無かったんでしょう。
よし、ブラジル代表も手始めにツギオ選手あたりから脱いでいこう。
posted by shoeless |10:39 |
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2007年07月01日
野球というスポーツを語る上でいつも語っている事の一つに、野球が「地域格差の大きいスポーツ」であるという事があります。もっと簡単に言うと、野球というスポーツは色々な国においてやる人間や地域が大きく限られている事がある、という事です。一番の理由としてはやはり野球の盛んな地域からの影響という事があるのでしょう、伝わったところで根を張った例で行けばイタリアでは野球が伝えられた街ネットゥーノや南アフリカの南部海岸沿い等があげられます。単純に野球プレー国が近いという事なら、台湾や韓国なんかはまさに日本の影響といって良いのかもしれません。
とくに南北アメリカはその影響がかなり顕著で、その普及した地域を見ていくと野球が長年かけてどのような道を歩んできたかを読み取ることが出来ます。まずアメリカから始まり、メキシコでも野球が盛んなのは北部。そしてカリブの島々に波及し、そこから円をかくようにしてニカラグア、コスタリカのリモン、パナマ、コロンビアの沿岸部等へ伝わり、南米ベネズエラと普及がされています。ブラジルは日本人入植者によって普及がなされた側面が大きいので一概に「立地の影響」とは言えませんが、北にあるベネズエラの影響というのは少なからず受けています。
その理論でいけば南米の南部にはまだ野球が全然伝わっていない、という話の流れになるはずなのですが、何故かそんな流れを無視して南米南部でありながらちゃんと野球を行っている場所も存在してしまっています。そんな奇特な地域の中の一つに、南米チリの北部の町々があげられます。チリといえばあの細長い事で有名な国で、日本人の移民も多くいる国です。その北部にはペルー、東部にはアルゼンチンと野球をしない国が鎮座されており、まるで今までの話の流れからは野球が普及していく要因が見当たりません。しかし現に行われてしまっている、よのなかふしぎ、ぼくじしんなくなったよ。
南米一の先進国と言われているチリは、政治の面でも経済の面でも優等生と言われている国で、比較的安定した国とされています。インフラが整備されており、南北に広い国土に観光資源も多く保有しているということで、観光客もどんどん伸びてきており、確かに野球をやる上で困ることはそこまでないのかもしれません。ただちょっとしつこくなってきましたがもちろんのこと国土は南北に長いため、南部はそれこそジャングルですが、先ほどあげた野球が盛んだとされている北部は乾いた砂漠が多く、野球をやるのに絶妙な環境が揃っていたため野球が行われているという訳でもありません。ますます不思議な話で謎がつきません。
北部に広がる2000キロものアタカマ砂漠、そこに点々と広がる町々でチリの野球は行われています。最も代表的な町はアントファガスタ、鉱山入植者達によって拓かれた32万人の人口を持つ大きな都市なのですが、実質チリの野球はこの町によって動かされているといっても過言ではありません。アメリカからの視察もあるほどで、役場をもってして野球の街と言わしめるほどです。続いて野球の競技人口が他競技と比べても多いトコピージャ、国境の近くに位置するイキケなどでも野球は盛んに行われています。野球がチリに持ち込まれてほぼ100年、数千人と言われているチリの野球人口ですがそのほとんどは北部に存在しているのです。
ただ「北部で盛んにプレーしていただけている」、それが良いことなのかと言われると難しい部分もあります。皆さんご存知の通り、チリは国際大会であまりお目にかかることが出来ない、というよかまず目にすることができない国です。現にチリのチーム数は野球連盟所属で行われているとされている数で行くとたっ100未満、そしてまたそのほとんどが北部に集中しています。リーグ優勝チームも50年代から始まって未だに歴代優勝チームのその5分の4がトコピージャなのですから格差は尋常じゃありません。地理的に言って野球は北部に最初に伝来したスポーツである、というのは確かなのですが、それにしたってチリの野球は北部ばかり盛り上がっているスポーツといえるのです。
首都付近や南部の町では行われていない状況、チリの野球連盟そのものよか北部の町々の連盟のほうがよっぽど盛んに活動を行えている状況、そうとなれば北部の町々は彼ら独自で勝手に野球を展開していく道を選びます。おのずと浮かび上がるのは国内で一つにまとまっていない組織の図、先ほどあげたチーム数100未満も実は現状ではあまり正確な数字ではありません、ナショナルチームを作るにも普及度合いや発言力、積極性の格差によってそれをなしうることが出来ない。順番や規模は違えど、今のチリの野球界では日本の野球界や世界の野球とMLBに似た事が行われています、中身と外見が食い違っているのです。それにしてもまさかここでまで同じ事いうはめになるとは。
大なり小なりにせよ、足並みを揃えられずに世界に出て行けないというのは褒められた話ではありません。木を見て森を見ずとは確かな話です、ただし森を見るために木の一本一本を見ていかないのならば、それは森を見た木になっているだけで実際は見ていないのと同じことでしょう。一本一本におきている問題を解決していく、一本一本に注意を払っていく、そうでなければ森を復活させることは出来ません。森を見て木の状態が分かっているのならば、木の一本一本ではなく森自体が慢性的な何かに犯されているのです。
幸運にも、その何かは徐々に改善に向かい、チリにもついに道は開かれてきました。今のIBAFならば彼らを表舞台に引きずり出す、そんな事も可能に思えます。他の日記でも話したとおり、野球の削除で一番苦しんでいるのは野球を守ってきながら表舞台に立つことが少なかった国々です。彼らを見ずして全体の利益を考えていては、結局野球はかわる事は出来ません。今まで野球がなかったところに野球を根付かせるのは素晴らしいですが、本当の意味で野球が評価される基準というのは、彼らのようなある程度野球を守り続けてきた国が自由に表舞台に立てるようになる、それを成し得るようになったかどうかなのではないでしょうか。
とまぁここで日記は終わりなんですが、いつも通り最初に話した「なんでチリ北部では野球が行われているの?」という話題提起がなんら解決されることなく終わってしまっています。伏線張っといてそりゃねーよな、という事で今回はちゃんと伏線を回収できるように「こうではないかとされている模範解答」を導き出すヒントを文章中にばら撒いておきました。さて皆さんお分かりになりましたでしょうか。解答はコメント欄です。
posted by shoeless |08:22 |
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2007年05月03日
MLBで波に乗っているベネズエラ、ついにマイナーリーグに選手を輩出することに成功したブラジル、世界で一番野球と近く世界で一番野球から遠かった大陸に野球の明るいニュースが続いています。カリブ海の野球が徐々に南米に染み出しつつあるということなのでしょうか、考えてみればアメリカで育まれた野球は歴史を追うごとに徐々に徐々に南下を繰り返してきました、そしてついにその波が南米大陸の北海岸にたどりついたという事なのかもしれません。カリブ諸国と南米諸国との境目にある海岸、そこにはコロンビアという国が位置しています。
コロンビアは次回WBC参加が有望視されている程度の実力を持っている国で、前回WBCの際にキューバがアメリカとの政治情勢を理由に参加を見送られかけたときも変わりに名前が挙げられたのはここコロンビアでした。まぁそれほどまでの国なので当然メジャーリーガーを数人ながら輩出していますし、2011年にカリビアンシリーズ参加が予定されていることでも分かるとおり国内にセミプロリーグも所有しています。むしろ何故ここコロンビアに今までカリビアンシリーズのお呼びがかからなかったのでしょうかという程の歴史も持ち合わせており、「ぽちょぽちょお風呂」の意味とあわせて僕の中では人生における二大ミステリーとなってしまっています。認知されているとは言えマイナーな競技ですが、コロンビアにも国際進出の波は押し寄せてきているのです。
とは言え波が押し寄せてきているという表現通り、コロンビアの野球はほぼその国土の北半分主に海岸部でばかり行われています。お隣にベネズエラという野球大国があるのでそちらから影響を受けているかと思いきや、ベネズエラとの国境付近はサッカーの名門クラブが立ち並んでおりスポーツ=サッカーという程のサッカーの地。リーグもほぼ海岸部で行われており、コロンビア人達にとっては野球は大体誰もが知ってるスターの存在しているマイナー・地域スポーツといったところ。分かりやすい例を出すなら今まで出ているコロンビアンメジャーリーガー全員がカリブ海に面した都市の出身だという事があげられるでしょうか。
今まで8人のメジャーリーガーを輩出しているコロンビアですが、コロンビアの仁村兄弟ででお馴染みのオルランド&ホルベルト・カブレラ兄弟を含め5人も輩出しているカタルへナ、コロンビアの英雄レンテリアの故郷バランキジャとその全ての街はカリブ海側。ようやく南米内部への普及浸透をしようと思われ始めてきた野球ですが、実際はコロンビアの海岸の波に押し戻されて思いは海の藻屑へと消えていっています。南米に野球を普及させるためにはどうしてもこの玄関口であるコロンビアに野球を認めてもらわなくてはなりません、そしてそれを行うにはコロンビアの海岸に押し戻されないような今までに無い強い波が必要なのでしょう。
文面にすれば簡単な話ですが実際はそう簡単ではありません。かつてコロンビアが生んだ英雄とまで謳われたレンテリアがマーリンズをワールドシリーズ制覇に導いたときもコロンビアは大いに沸きましたが、結局時が過ぎ去ってみれば野球のムーブメントというよりはその後のレンテリアの株が大いに上がる出来事に留まりました。2004年のワールドシリーズもカージナルスのレンテリアVSレッドソックスのオルランドというコロンビアンショート対決が注目を集めましたがこちらも一時のムーブメントどまり。一時のムーブメントよりひっそりでいいので浅く長く広く浸透する事こそが望ましいのですが、たった一人のヒーローでそれを望むことは容易なことではないのです。保坂が出家したから僕も出家する!ぐらいのカリスマを一人の人間に過度に望むことは酷な話です。
もちろん新たなもっとでかい波を望むことも愚かしいことではありません。事実コロンビアはマイナーリーグに多くの有望な若手選手を抱えており、つい最近ではエミリアーノ・フルート投手という投手が23歳の若さでメジャーのマウンドにのぼっています、少数ながら精鋭揃いのコロンビアはこれからスターが出る可能性を山のように抱えているのです。今現在は巧打堅守タイプの内野手と若いピッチャーに人材が偏っているコロンビアですが、数年でマイナーにいる若手が伸びてこればこの偏りも解消されて国際大会でいい成績を収めることも夢ではありません、まだ現実でもないけど。ただそうした一時のムーブメントがイナゴの大群のように後に何も残さないことは、僕達日本人が一番よく知っているはずだと、そう思うのです。
コロンビアに押し寄せる波は今、さざ波のように水面を静かに揺らしています。
みなもはしずかにゆれている…なみのりをつかいますか?
posted by shoeless |00:58 |
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2007年04月16日
野球のシェア拡大のため日夜せかいのあっちこっちに支援を始めたMLBですが、あちこちにむけられておきながら結局のところ彼の熱視線はラテンアメリカに向いているようです。MLBが試算したところによれば、近い将来MLB加入の外国人選手の割合が現在ナンバー1のプレイヤー数を誇るドミニカを抜いてベネズエラがシェアトップに躍り出るんだそうで、選手供給先としてもコンテンツの売却先としても有能なベネズエラはMLBとまさに相思相愛ってとこでしょう、いやー妬けちゃうね。流れが来つつあると毎度のように記事に書く当ブログではありますがことベネズエラにいたってはほぼポロロッカ級の流れが来ているとみて間違いありません、あれ、逆流じゃん。
ベネズエラは南米の中では珍しいほどの野球人気を誇り、国内にもプロリーグを保有するなど圧倒的な市民権を得ている国です。かつてはアマチュア野球ワールドカップで優勝した経験もあり、それがきっかけで爆発的普及を見せるに至りました。今ではドミニカに次ぐ二番目の数のMLBプレイヤーを輩出する程に成長しており、2005年にはホワイトソックス監督カルロス・ギーエンが外国人として初めてワールドシリーズを制するなど国内の野球人気はとどまるところを知りません。国内にMLB球団のアカデミーをいくつも保有し長いスパンで実力を保持することも可能、人口も3000万人近くと褒めちぎりすぎてこっちが恥ずかしくなってくるほどの明るい未来っぷりです。
ベネズエラ野球の好調な流れを日本人に分かりやすいところで言うなら、ここ最近日本のプロ野球に所属していたベネズエラ出身の外国人選手が簡単かもしれません。ヤクルトの看板打者ラミレスと嫁に存在感を吸い取られたペタジーニ、西武の主砲アレックス・カブレラ、そうそうたる面子、こんな面子は小学生の作るパワプロのチームぐらいでしか拝めません。MLBではベネズエラ出身の選手は好投手が多いといわれていますが、野手陣も若手が勢いをつけてきておりベネズエラが世界の野球のトップシーンに躍り出る日も近い事を予感させます、次回WBCはベネズエラが投手力で勝るベネズエラが頂点に躍り出る…なんてこともあるかもしれません、考えただけで胃に穴があきますね。
前途が明るいベネズエラ野球、指をくわえてみているのではなくベネズエラ国内にはいて捨てられる程にふんだんに隠されている「野球が普及する為に必要な条件」を探し出し、そいつを他国での普及の教訓としてリサイクルする必要があります。ベネズエラにあって他国になかったものとはなんなのか、我々は果たしてそれを提供することが出来るのか、それを知らなければ野球の普及などいくら口にしてみたところで絵に描いたおもちです。
はいはいまとめにはいったんでしょ感はぬぐえませんが、実際これは普及を促進するための活動に当たっている人々にとっては深刻な問題で、支援をしようにもどういった形でサポートをしたらいいのか分からないという事はたびたび聞かれる話です。ところによってはお金よりも道具を作るノウハウを必要としているし、ところによっては普及のためのモデルプランを必要としているところもあります。決して大国というわけでも裕福というわけでも野球国に近いというわけでもないベネズエラ、21世紀の野球の発展の鍵は、その好調な野球の流れの激流の底にうずもれているような気が、してならないのです。
そういえばちょうど留学先にベネズエラ人がいるはず、ベネズエラ人が何故野球が好きなのかを聞けば野球普及の鍵が見つかるかもしれない!野球狂の詩のアニメのオープニングの歌詞より単純な英語しかしゃべれない僕ですが、せめてルとラしかない歌詞には勝ちたいと死ぬ気で単語を並べベネズエラの留学生に何故ベネズエラ人は野球が好きなのかを聞いてみました。
まぁ意訳すると「好きなものは好きだからしょうがない」という答え。
中身は秋口のオリックスの存在感くらい薄い割りに説得力だけはやたらとありやがりますね。
posted by shoeless |00:32 |
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2007年03月24日
サッカーの日本対ペルーだとかアイスホッケーアジアリーグプレーオフだとかフィギュアとかシンクロとか亀田とかスポーツファンにはよだれものの毎日が続きますが、ブログに野球と銘打ってしまった以上気まずくってなかなか話せません、どんより。ですがやっぱりこうしてみると他のスポーツに比べて野球は参加国が少なく見えますね、それも含めてしょんぼりしてしまいます。
野球も加盟国だけなら100国以上あるのですが、その野球協会のいくつもが団体として普及の体力の無い形だけとなってしまっています。なかには代表チームどころか役員の選出が難しい国まで、道具不足や認識不足で本来野球普及に働くべき人達が動くに動けず誰かの力に助けを求めざるをえない事もままあるほどに連盟の形骸化傾向は強くあります。
そんな理由もあって世界で野球の普及が遅れる中、少しづつながら野球が国際化に向かって進む傾向をとっているのは、その屋台骨を海外協力隊やボランティアの人達が支えているからと言っても過言ではありません。事実東南アジアの中ではそのナショナルチームの大半に協力隊が関わっているという事実、市場や戦力として魅力が薄い地域、言わば野球で孤立した地域を支えているのは彼等の努力と熱意だと思えば彼等のいる国には足を向けて寝られません、世界中にいるから基本的に逆立ちで寝ればいいよ。
しかしながらいくら熱意があるとは言え経済的貧困や政情に不安を抱える国なども多く、野球が無い国で野球を普及する事はスポーツを教える難しさ以上に文化の違いが障害となります。ほとんどが個人の活動同然であったりする彼等野球の伝道師にとって、その敵は手に負えるレベルの問題を超えているのです。物不足、場所の無さ、政情、文化的貧困を救うという建前で行われるスポーツが結局このような問題にプレーを阻害されている、これは全てのスポーツが抱えるジレンマでしょう。
今回サッカーで日本が対戦したペルーなどはまさにその典型のような国で、今までもこれからも現地に行った協力隊員達を悩ませてきています。試合ができるスタジアムが国中で3つしかなく練習場所に困り、グローブ一つ買うのに月給一月分がいる貧困。それに付け加え彼等を悩ませたのはペルーの政情にありました。
ペルーで日本人と言えばかの有名なフジモリ大統領。フジモリ大統領の政策を不満に思う人々達のフラストレーションが日本人に向けられるのは不思議な話ではありません。91年の農技術者3人殺害事件、96年のペルー日本大使館立て篭もり事件、続く政情の不安定に日本人のほとんどがペルーでの支援を諦め戻って来てしまったのです。日本人という人種にとって、それは仕方が無い事だったとも言えます。
そんな中、当時ペルーで野球の普及に尽力していた海外協力隊大森雅人隊員は一人ペルーに残り普及を続けていました。ペルーの野球についた火も支援を続けなければ消えてしまう程のもの、支援は続けなければ意味が無い事を考えたのかもしれません。その後すぐに東京都高野連の理事長を務めたこともある佐藤道輔氏と話し合い「ペルー野球を支援する会」を設立しました。熱意ある人達がペルー野球を滅ぼすまいと立ち上がったのです。
以後今に到っても野球道具の提供や少年野球の交流は続いている事を見れば、一番の辛い時期を諦めなかった事が今のペルー野球を形作っていると言えるでしょう。これはそのまま動くべき人がうまく動けていなかった事の裏返しでもあります。飽くなき情熱が絶えなかったからこそ数々の問題を乗り越える糸口が見つかってきた、そんな綺麗事も事実となれば綺麗事にはなりません。
競技が衰退の危機に追い込まれ、ようやく国際化が本格化し始めた野球。表面からは派手に見える国際化の波が来る前にそこで地道に種をまき続けた彼等の目には、野球のこれからがどう見えているのでしょうか。
自分で言うのもなんですが、まさか今日という日にペルーを題材にしてまで野球を語るとは。
posted by shoeless |23:43 |
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2007年03月10日
野球人の天国と言えばキューバですが、別に深夜アニメのファンからナイター延長の文句言われないだとか女の子にしつこく野球の話をしても引かれないだとか「種田のものまね」が一発で通じるだとかそういう訳ではありません、しょんぼり。世界の野球の舞台に定期的にあらわれては圧倒的な力で相手を葬りさっていき、そのうえ国内の情報は一切入ってこず「国民はみんな野球ばかりしている」だとか「エースは100マイル投げる」だとかみたいな近未来通信の事業内容より信憑性のない噂ばかりが蔓延する…そういう言わば「ジパング」みたいな扱いの野球の楽園でした。ですがそんなキューバも最近の情報化社会の力や野球の進化によって徐々に神話が壊れ始め、WBCやアテネ五輪からキューバ代表を見始めた野球ファン達はあんまりキューバ野球が怖くなくなっているようです。
アテネ五輪もWBCも日本は確かにキューバに勝っているのでイメージが変わってきた事もあるのでしょうが、王者キューバの王道野球もここ数年で確かに転換期を迎えているのでしょうか。そんな事を考えながらWBCのキューバの試合を見ていたらキューバに脅威を感じなくなった理由を多少感じました、キューバ野球が進化して、ベテランが抜けてしまったのです。キューバ戦の野球も国際試合の舞台で金属バットを使わなくなって以降スモールベースボールの流れに巻かれつつあり、それ以前にあった「手に負えない」感覚が投打ともに薄れてきている事は否定できません。パチェコ・キンデラン・リナレスといった90年代に活躍した「手に負えない」選手層が抜け、精神的支柱に欠けるキューバナショナルチームは百戦練磨のキューバに似合わない程に若いのです。
キューバはカリスマであるカストロ議長がスポーツを重要視している事からスポーツが非常に盛んな国。ボクシングやバレー、中でも野球が特に盛んで、社会主義国家である特性を利用して選手の育成を行い国内リーグの日程を変えたりと、全てを国際試合での勝利に狙いを定めています。キューバ野球リーグは興行目的のリーグではないので選手は全員公務員扱い、国による管理の中で「セリエ・ナシオナル」という14州+2地区の合計16チームによるリーグ戦を行った後、セリエ・ナシオナルの有望選手のみで行う国家代表選考リーグ「スペール・リーグ」を戦います。彼等は幼い頃から国に徹底管理されてきた言わば野球エリート、世代交代が急に行き過ぎてもベテランが若手を支える事が出来ない、今のキューバ代表は代表の精神を受け継がせる状況が整っていないのです。
今の最強キューバ代表はかつての最強キューバ代表ではありません、例を出せばWBCは圧倒的な力で勝ち上がった反面、まさかのコールド負けをくらったようにメンタル面の脆さも露呈させています。しかしながらキューバはWBCにおいて一度負けたチームには絶対に次のリーグでの復讐をはたしています、キューバ代表はただでは倒れてくれません、試合の間にも代表として成長しているのでしょうか、映画エイリアンみたいな話だね。新生最強軍団はWBCでの屈辱を返上すべく、北京五輪までに経験と実績と実力を持った完全体となってあらわれるのでしょう、映画エイリアンみたいな話だね。
化け物に成長しなおしたキューバ代表、見たいような見たくないような。昔のパワプロをやっていたらかつてあれほどたどり着くのが困難だったキューバ戦が簡単に辿り着けてしまい、何故だかあっけなく感慨深くなってしまいました。
野球の天国、近くなったよなぁ…。
posted by shoeless |23:51 |
南米野球 |
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2007年03月02日
ブラジルでもごくごく一部が泣いた大ニュースが入ってきました、前に当ブログでも紹介したブラジルの日系エースことジョー・マツモトが23日、ブルージェイズとマイナー契約し、招待選手としてメジャーキャンプに参加する事になったそうなのです!うおーこいつはすげー!まぁ確かに世界的に大々的なニュースでもなければ野球界にとっても大々的なニュースでもありません、画面の前の皆さんの大部分はキョトーンでしょうが、これは野球界をとりまく現状から見てみればユメマボロシのような話なのです。マツモト投手本人はこの件に関して「まだ夢を見ているみたい」と話したそう、僕の口からでは軽く聞こえますがブラジル野球の屋台骨を支えて来た男の口からは非常に重々しく聞こえます。
野球のプレイ国の実力は、今のところアメリカ国内に在住している選手達による部分が大きく、そうした選手達はメジャーの影響の傘下で野球をやっています。国際的な試合をあまり行わない野球では野球選手達の実力の基盤となる母国のリーグの力をはかる事が容易ではありません。実際母国のリーグにプレイの基盤を持つ選手達のメジャー挑戦は非常に困難、メジャー定着はなおさら困難、しかし周りから無謀無謀と言われる開拓者達の第一歩は確かに後をひっぱります、彼の存在は母国の野球のレベルをはかる上での一つの目安になり目標になるのです。
ジョー・マツモトはサンパウロ出身の36歳ベテラン左腕、ストレートこそ衰えたものの揺れるスクリューを武器に2005年の南米野球大会ではベネズエラに勝利をあげ、かつては日本の社会人野球でもプレイしていました。彼の所属するブルージェイズは素晴らしい先発陣を誇っていながら、硝子のエースハラデーを筆頭にDL皆勤賞バーネット、左ひじを痛めたシャシーンと怪我しやすいタイプばかり。セットアップも万全とは言えず、左腕と言うだけで価値が三割増しのメジャーならば、彼のメジャー昇格もあながち無い話ではありません、メジャーの舞台で松坂相手にマツモトが投げるのを今年中に見ることも、この時代にはもはや夢では無いのです。
話によれば、どうも開幕は2Aか3Aで迎えることになりそう、マイナー契約の彼はキャンプだけはメジャーに招待選手として参加しています。キャンプの組みあわせでは今年ブルージェイズに先発として獲得された大家投手と同じ組だそう、日本を飛び出してひっそりとアメリカではい上がった大家とブラジルの代表として挑戦するマツモト、そんな二人がカナダでアメリカNo.1を目指す…何がなんだかわかりませんがとにかく楽しそうってのだけ分かったよ、えへへ。
日本も野球選手がメジャーに向かい始めたのなんてつい最近、それもこれも世間から夢を見てるなと言われ続けた村上や野茂という開拓者がいたからこそ。マツモト選手は夢を見ているみたいと言ったらしいですが、それはあながち間違ってはいません。彼は今、昔見た夢のど真ん中でまだ夢を見ているんでしょう。
贅沢な話だなおい。
posted by shoeless |23:54 |
南米野球 |
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2007年02月07日
北京五輪野球本選、アジア予選は今年の11月だが早々と決まっている枠もある、それはアメリカ大陸の二枠だ。アメリカ予選が行われたのは昨年8月、ちなみに決まったのは一位二位のアメリカとキューバで三位四位のカナダとメキシコが最終予選に回ることとなった。強豪ひしめくアメリカ大陸の五輪は、そのほとんどの人達にとって終わってしまった事になる。
とかなんとか言ってまた小難しい事並べた後に「頑張れなんとか野球!」とか書こうと思ってたのですが、今回はそんな事を書けるような感じではありません、何故なら、もうすでにめちゃめちゃ頑張っていたからです。これ以上頑張れって言ったら逆効果に成る程に成長が見られる国、その国こそサッカーのエルドラド、サッカーのキングダムブラジル、ブラジルの話でまさか野球の話に繋げる事になるとは、とは!ちなみにたまに聞かれますが野球大好きなダサい男みんながみんな飲み会で女の子に野球の話するとか空気読めない事するわけじゃないよ!主に部屋の角にあるテレビで野球見てるから!ナイス俺!グッジョブ俺!
そんな話は居酒屋の片隅に置いといてブラジル野球の発達の経緯を説明すると、ブラジル野球はその基盤を日系人達に持ち、彼等とともに発達してきたと言える。プロ野球ファンならファームでとんでもない飛距離を見せていたカタカナ名の若手を思い出してもらえるだろう、彼等がブラジル野球の言わばトップの人材、野球ファンで無い人ならブラジル野球のエースの名前はジョー・マツモトって言うんだよ親近感湧くでしょ?まぁ何が言いたいのって、今現在のブラジル野球を引っ張っているのは日系人達なんだよと言う事が言いたかった訳だ。ブラジリアン柔術のように日系人達以外にまで浸透しているとはまだ言えない普及率だが、彼等日系人達の娯楽として親しまれる競技であったブラジル野球はついに国際舞台で試合を作れるだけのレベルにはなった、と見ていいだろう。
北京五輪アメリカ予選はまさにブラジル代表にとっては死のグループと言えた。ブラジルと同リーグはカナダ、プエルトリコ、アメリカ、ベネズエラ、メキシコ、もともと強豪揃うアメリカ予選、ブラジルはまさに大海にぶちあたるしかない蛙のような状況だったと言える。しかし失う物も背後も無かった挑戦者は負けを畏れる必要が無かったようだった、結果は一勝四敗、当然予選敗退ながら並み居る強豪相手に冷や汗をかかせる内容がいくつもあったのだ。
初戦メキシコ戦は敗北したものの2-1の接戦、安牌では無い事を証明するのには強烈なスコアだ、並み居る強豪国達にとってはここから壮絶なババ抜き、いや地雷ゲームが始まった。格上に挑むのではなく格下をいかに取りこぼさないかがリーグ戦の考え方、ブラジルに負けたところは他に負けた時の数倍手痛い。しかし野球王国アメリカも延長戦へもつれこんでのホームランでの勝利、アメリカがかいた冷や汗はブラジルが挑む大海よりしょっぱかったはずだ。
もちろんプエルトリコやカナダには10-6、7-3と力負けしてしまったが十分に健闘したスコア。それどころかパワフルな打撃のベネズエラ相手に10-5と二桁得点で打ち勝つまでしてしまったのだからこの地雷ゲーム、相手にとっては非常に嫌なゲームだっただろう。メジャーリーガーを多数排出している強豪国達相手に真夏の野球場で冷や汗をかかせられたのなら、これは完全な快挙と見て間違いない、涙まで流させられたなら完璧すぎた。
ブラジル野球はこの次、自国開催のパン・アメリカ野球大会を控えている。自国開催にとどまらず、存在感を見せ付ける可能性がここへきてグンと高まっているのを感じてしまう。ブラジル野球は今後アメリカ大陸野球界にとって、嫌でも目につく存在感を持つのではないだろうか。
ヤンキースタジアムの読売新聞の看板みたいな、そんな、存在に。
posted by shoeless |23:28 |
南米野球 |
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