2008年02月18日

回想カリビアンシリーズ2008最終戦

2月8日、カリビアンシリーズ最終戦、とくしくもなってしまった試合の総括です。



アラグア 5-7 ヤキス

先日ドミニカ勢を打ち破りながら、結局今年も優勝に絡めなかった二球団の親善試合マッチ、だったもののやはりこうした試合こそ面白く見られるのがカリブの野球の真骨頂といったところ。両チームここへきてようやく本調子が出せるようになったのか、ヤキスはベタンコート・バルデスコンビが、アラグアは先発サンティアゴが好調のスタートを切り、要所要所を締める鋭いピッチング合戦を披露して試合は2-2のまま9回までもつれこみます。

アラグアのマウンドには前回から引き続いてあがっているリリーフロレーヌ、ここまでいまいち調子があがらないヤキス打線でしたが、四球という形で突如隙を与えられると空腹のピラニアのようなものでした。爆発する機会を失っていたヤキス打線はロレーヌが揺らいだところにすかさずくらいつき、そこからまさかの4連続タイムリーで一挙に5点を追加、ゲームを決めにかかってしまいました。しかしこの大会打線が爆発の機会を失い続けていたのはヤキス打線だけではありません、その裏、やはりアラグアもその打線に火をつけようとしていました。

意気揚々と抑えに出てきたメキシコカステヤーノに対し、さっそく出塁を決めると、犠牲フライで一点返上。その後もタイムリーを続け、この土壇場で3点を返す攻撃を見せます。もうあと少しでアラグアの打線は完全に爆発する、しかしアラグアにはもうそんな時間的余裕は残されてはいませんでした。ヤキスはこの9回、駄目そうならすぐに投手を替えを繰り返し、結局3アウトをとるのに3人の投手をつぎ込む超過密リレーを決行。結果、そんな奇策にこの短時間で打てる手などなく、せっかくのチャンスもダブルプレーでゲームセット。

これにて両チームは2勝4敗同士の同率最下位で大会が終わり、来年への課題を残しての帰国となりました。ほとんどのプレーヤーはそのまま自主トレーニングへ向かうために帰国、いや本当お疲れ様です。



アギラス 2-8 リセイ

歴史あるカリビアンシリーズ、そのちょうど節目に当たる第50回大会優勝決定戦、となりかけの試合。ドミニカンシリーズの再現がなされるのか、それともアギラスの天下はたった3日のものなのか。星取りでリセイに一歩で遅れ追い詰められる形での一戦となったアギラスは、この大一番にレンジャーズのアルフレッド・シモンを立て、対するリセイはここで試合を決めんとブリュワーズのホセ・カペランをぶつけてきます。地元の都市の人口そっくりそのままの期待をその肩に背負ったシモン、50回という歴史の重みを背負ってしまったシモン、今から考えると彼が折れてしまう要因は山のようにありました。

立ち上がりから危なっかしい投球をおっぱじめたシモンに、それを盛り立てるかのようにこちらも危なっかしいプレーを見せる守備陣。2回2番ペレスにさっそうとタイムリーを浴びると、3回にも一点を失い、調子の悪さをごまかす展開が続きます。そこはいつも投手陣を守ってきた打線ががんばる番だと、アギラス打線も3回2番ファーカルが同点ホームランを叩き込みシモンを援護はしましたが、残念ながら肝心のシモンは援護がなかったから荒れていたというわけではありませんでした。結局その裏4回にもシモンは崩壊し、かわったファビオ・カストロまでもが炎上。アイバーとフランシスコの2・3番に4点を奪われ、試合の手綱をもぎとります。

こうなれば後はリセイにとって敵はアギラスのその打線のみ、アギラスにとって苦手であり、実績があり、こういう大舞台でも勝てる投手、これはもう今大会直接対決で好投したラモン・オルティス以外に選択肢はなかったのでしょう。そして予想通り、アギラス打線はオルティスの前に赤子の手をひねるように転がされていきます。あれほど前評判で恐ろしいと評されていたアギラス打線が、気づいてみれば5回を費やしてたったのヒット4本無得点。そして9回、投打両方の羽をもぎ取られもがくアギラスに、リセイは追い討ちをかけるようにして2点を追加し、土壇場に復活する意欲や奇跡さえも踏み潰しました。

試合終了、スコアは8-2でリセイのカリビアンシリーズ10度目の優勝。リセイはドミニカンシリーズでの屈辱を見事に晴らし、このカリビアンシリーズの歴史において誰が最も強かったのかを世に知らしめる勝利をあげました。一方のアギラスは、ただただカリビアンシリーズの歴史の前に、そしてホームの大観衆というプレッシャーの前に、からまわりして自滅していった、終わってみればそんな印象を残す大会となりました。優勝はリセイ、カリビアンシリーズ最強の古豪。プエルトリコの参戦中止、新たなメンバーの増加、新しい制度の中で節目のときを迎えるカリビアンシリーズにおいて、変わらない強さを見せ付けたリセイの優勝は、どこかロマン漂うような結果だったように思えます。

リセイファンの皆さん、優勝おめでとうございました。

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2008年02月15日

回想カリビアンシリーズ2008第五戦

2月7日、カリビアンシリーズ第五戦。

リセイ 4-7 ヤキス

優勝を今日中にでも決めたかったリセイに対して、ここまでいいところがなかったヤキスまさかまさかの大金星!先発はヤキスがシルビア、リセイがベルトレで始まった試合、シルビアは初回から失点を喫し6回までに4失点と、スタートだけ見れば今大会におけるいつも通りの暗いヤキスに見えましたが、本日はここからが違いました。幾度と無くリセイのピンチを救ってきたリリーフ陣が、やられてしまったのです。特にリセイが切ったカードは制限つきのクローザーマルモル、試合は9回にてようやく劇的な一戦となりました。

3点ビハインドの9回、緊迫した場面においてその糸を切ってしまったのはリセイのセカンドベリヤード。この場面でエラーを犯してしまった彼にヤキスはすかさずつけこみ、すかさず3点を叩き込んで同点とします。もちろんリセイも名のある強豪、その裏きっちりチャンスを作り上げはしますが、ヤキスはここへ今大会調子のいいフィゲロアを投入しこのピンチを乗り切ってしまいます。まさに総力戦となったこの一戦、ここでリセイはマルモルにかえてペレスを投入、しかしこの計算こそが間違いでした。

10回、かわったペレスの球をヤキス打線は逃さず、4番ロベルト・サウセドが期待にこたえる形で3ランホームランを叩き込み大逆転。もうリセイには反逆する力も残っておらず、そのまま今大会初の黒星となりました。マルモルというカードが制限つきでなければ彼を引っ張ると言う選択肢もあったかもしれませんが、それでもヤキス相手に躓くとはリセイの選手達も思ってはいなかったでしょう。一方のヤキスはメキシコチャンピオンの面目躍如といったところ、お互い上を目指すには思わぬ試練があるもんです。



アギラス 5-8 アラグア

ドミニカとしては助かったのか嫌な一日になったのか、地元アギラスここでアラグア相手にまさかの逆転負け。アギラスのコロン、アラグアのメルカドという両先発で始まった試合でしたが、両投手あまり前評判が高かったわけではなく、試合開始前より不穏な空気は漂ってはいました。試合は序盤なかなかの堅調なスタートを見せますが、中盤にはいってくると予想いていたと言っていいのか悪いのか、メルカドが4回途中1失点で降板すると、コロンも5回途中2失点で降板。乱打戦を徐々に匂わせ始めます。

このゲームの直接の勝敗因となったのは、両チームの2番手ピッチャーの出来。アラグアのブランコが2回を無失点で切り抜けたのに対し、アギラスのクルセタは1失点。ここだけ見ればその程度の違いがと言えなくも無いのですが、アギラスはその後に出てきたリリーフ全員が彼の流れを引き継いだかのように打たれまくり、ついには8回まで連続失点を犯すまでに乱れます。アギラスも自慢の打線が乱打戦へもつれ込ませようとしますが、先手先手を打ってきたアラグアを捉えることは遂にありませんでした。

強豪アギラスとは思えない残塁の山を築き上げ、見せ場らしい見せ場は8回のエンカーナシオンのホームランぐらい。リリーフが打たれて逆転負けといえばリセイも同じなのですが、内容に天地ほどの差の開きがあります。この試合をこういう形で落としてしまったことは、これまで続いてきたアギラスの勢いを完全に止めるのに十分で、もしかすると、カリビアンシリーズ史上初めてリーグ優勝チームでないチームのカリブ制覇もあるんじゃないかという気配が漂ってきました。

posted by shoeless |17:44 | カリブ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年02月12日

回想カリビアンシリーズ2008第四戦

2月6日、カリビアンシリーズ第四戦。


リセイ 2-1 アラグア

最後の希望を胸にトップに挑むアラグアを振り切ったリセイの逃げ切り勝ち。4試合連続で続く投手の粘っての勝利はリセイが調子のいい証拠と見ていいのか大崩壊の前触れと見ていいのか。お互い先発投手が非常に素晴らしい働きを見せる以上に守備が安定しており、6回を終わって動きが無しと苦しい展開だったがやはり最初に点を入れたのはリセイ。七回裏、元広島ティモ・ペレスが送りバントに成功し満塁の場面を作ると、ジョルダニィ・ラミレスが内野ゴロを打ってその間に先制点が追加されました。

しかしそんな苦しい点の取り方ながら一点は一点、点が入ったことにほっとしたのか、その裏すぐにアレックス・デルガドにソロホームランを打たれ同点。繰り返すようで申し訳ないですが、苦しい点のとり方ながら一点は一点。ベネズエラの緊張の糸もきれたようで、またもやその裏ネルソン・クルスがソロホームランを叩き込みリセイがリード。このままボコスカ打ち合う展開になるかと思いきや、9回リセイがこの試合でカブスのカルロス・マルモルというカードをきってしまいました。

カルロス・マルモルはこの大会契約上たった4イニングしか投げることが出来ず、昨日既に1イニング使っているため、これから先を考えると使いにくいカードでしたが、目先の一勝には勝てませんでした。これにてアラグアは沈黙し試合終了。両チーム合わせて11本しかヒットの出ない試合でしたが、守備の大事さを知ると共に、守備ではどうにも出来ないホームランの大切さのほうが身にしみたゲームでした。



アギラス 4-1 ヤキス

昨日負けてこれでのびのびと野球が出来るはずだったヤキスの面々VS昨日負けてより必死さが際立つ試合となったアギラスの対決でしたが、やはりと言っていいのか悪いのか、アギラスの圧勝。ヤキスは先発にダン・セラフィニを立てたものの、バックが盛り立てるどころかエラーを連発した上四球を選べず、終始苦しい展開とされて圧倒されてしまった感じでした。唯一の利点は失点後すぐ点を入れて盛り返すムードを作ったことでしょうが、ムードだけじゃ負けます。

2回にトニー・ペーニャ・Jrが2点タイムリーを放つと、その後もどこからでも点が入れられる打線の厚みを見せ付けて追加点を重ね、結局4-1でアギラスは付け入る隙を与えませんでした。アギラスはテハダとエンカーナシオンの4番5番が不調を引きずっていますが、この大会まったくそうした弱みが見られないほどに打線が日替わりで主役を見つけています。これがリーフトップの力なのか。

負けたヤキスは打率や点数等の数字以上に、打線のつながりや守備の連携がまずかったようで、初戦でつまづいた悪い流れをいまだ引きずっているのかもしれません。これでヤキスの最下位はほぼ確定したようなもの、カリブへの参加も長いメキシコ勢ですが、いまだ何かの壁にぶち当たっているようで勝てません。どうしたんだヤキス、それがリーグトップの力なのか。

posted by shoeless |00:40 | カリブ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年02月09日

回想カリビアンシリーズ2008第三戦

2月5日、カリビアンシリーズ第三戦。

アラグア 5-0 ヤキス

ドミニカ勢に押され黒星スタートとなったベネズエラ・メキシコの蹴落としあいマッチ、結果は過去大会の実績どおりベネズエラのアラグアに軍配が挙がることとなりました。アラグアの先発は元西武のジョバンニ・カラーラ、メキシコの先発はレッズ3Aのジャスティン・レア。最終的に彼等の出来の違いがそのまま試合の出来の違いになってしまい、カラーラが5回を4安打無失点で切り抜けた裏でレアは5回もたずに3失点と渋い内容で、お互いの打線の調子を決める一因になったのかもしれません。

ヒット数はかわらないものの、ようやく打線がつながってきたアラグアが点数の全てをタイムリーヒットで決めているのに対し、ヤキス打線はこの試合なんと四球ゼロ。与えなかったアラグア投手陣が凄かったのももちろんあるのでしょうが、ここ三試合で一回も先手を取れていない上つながってもいないヤキス打線の調子の悪さが伺えます。単に打率や面子だけ見ればヤキス打線も決してドミニカ勢に見劣りするわけじゃないはずなんですけれど。

しかし優勝の目がほぼ立ち消えた今となっては時既に遅し、ただまだ大会自体は終わっていませんので、最下位が指定席と呼ぶ両国に一泡ふかせられるような試合を見てみたいところです。勝ったアラグアはヤキスを踏み台にして打線が調子を取り戻してきた感があり、優勝争いの戦線へ舞い戻る可能性が再び見えてきました。



アギラス 2-5 リセイ

ドミニカ勢対決は、さっそく大波乱。ドミニカシリーズで涙をのんだ名門が、リーグチャンピオンを倒して単独一位へ浮上、このままカリブの頂点へつかんとする勢いです。リセイ先発はコロラドのラモン・オルティス、アギラスの先発はフィラデルフィアのファビオ・カストロ、先に崩されたのはアギラスのカストロ。両者3回を無失点で切り抜けたものの、4回、リセイ3番ネルソン・クルスがタイムリーで先制しゲームを動かし始めました。

しかしこの大会、リセイが強かったのは、単なる打線の厚みではありません。ここまで三割後半の打率を維持してきた789の下位打線が、むしろ中軸にかわって仕事をしていたことにあります。この日も7回、8番のマット・タップマンがツーベースで2点を叩き込むと、続く9番ジョルダニィ・ラミレスがまさかのツーランホームランで計四点の大暴れ。対するアギラスは無死満塁に内野ゴロの間に点を追加する程度の反抗しか見せられず、あえなく敗戦。ここへきて、ついに集中力がとぎれようとしています。

地元のアギラスはホームでの試合ながらライバルともいえるリセイに惨敗、他の2チームがリセイ相手に勝ち星を挙げてくれることを祈るのみですが、自らも昨日アラグア相手に苦戦を強いられチームは疲弊、いつ足元をすくわれてもおかしくない状況なだけに俄然気がぬけなくなってきました。一方のリセイはこのまま事が可能性の高い方向へ転んでくれれば、史上初のリーグチャンピオンでないカリブ王者の座へ一直線。この試合どおり、ドミニカでの屈辱をリベンジできるのでしょうか。

posted by shoeless |21:40 | カリブ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年02月06日

回想カリビアンシリーズ2008第二戦

2月4日、カリビアンシリーズ2日目、両試合ともにアジアで野球をやってきた投手がカリブで日の目を浴びることとなりました。日本に限れば西武のカラーラ、中日のサンティアゴ・ラミレス、ロッテのセラフィニってところですが、台湾韓国も含めるとカリビアンシリーズってかなり参加プレイヤーがアジアシリーズとかぶってくるんじゃないかと思います。



リセイ 2-1 ヤキス


ヤキスが自慢の投手陣が粘りに粘ったものの、結果は延長11回で一点差負け、カリビアンシリーズ生き字引の強豪相手に奇跡起こらず。ヒット9本を全て散発に抑え込んだのにもかかわらず、パイレーツ所属の7番ホセ・バティスタに先制ソロを叩き込まれた後犠牲フライで勝ち越しとたった一人にやられてしまった感じバリバリ。メキシコ先発のネルソン・フィゲロアは9回以上を1点に抑えたのに勝ちがつかず、勝ったリセイよかネルソンがすげーって感じの試合になりました。

もしかしたら名前に聞き覚えがある方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、このネルソン・フィゲロア、今年統一ライオンズの大黒柱としてアジアシリーズまで参加している投手で、台湾シリーズを風邪の高熱の中で投げたあげくアジアシリーズも大車輪と、台湾の酷使投手として有名な存在でした。そうとわかっていながらオフシーズンまでまだ投げるのか、っていう感じでしたがその努力実ってメッツが唾をつけにかかったようで、試合後にスプリングトレーニングへの招待が決まったようです。おめでとー。

ヤキスもリセイもヒットが出てはいるのですが、どうもチャンスに打つという一点のみにおいてメキシコ勢はカリブ諸国に後れをとってしまうような気がしてなりません。なによりリセイは活躍すべき人間が活躍しており、昨日から引き続いてやはりムードがいいのでしょう。メキシコシリーズからの勢いを昨日今日で完全に殺されたヤキス、最高のスタートとなったリセイ、ドミニカシリーズの逆襲が始まる予感がしてきました。



アギラス 3-1 アラグア

打ち疲れって言葉はいまいち信用していないのですが、やはり感覚がずれるということはありえるのかもしれない、と思わせてしまう苦しい試合展開でした。アラグア先発は同日のもう一方の試合同様、台湾リーグでの先発経験のあるアンドリュー・ロレーヌでしたが、エドゥイン・エンカルナシオン、メンディ・ロペスに続けさまにタイムリーを決められ2点を奪われます。しかし、そこで試合はぴたっと止まってしまいました。

アラグアは一番ルイス・ウゲットが3回浴びせる様にホームランを叩き込みましたが、その後は続かず、アギラスのアウトカウントごとの継投策の前にチャンスを作れども得点をすることができず。残塁癖が昨日から残っているアラグアと、それを押さえ込みにかかるアギラスの豪勢とはいえないリリーフ陣、まさに泥沼で殴りあうような死闘に回はあっという間に進み、3点目がアギラスに入ったところで試合は決定しました。

大会前はやはりドミニカ勢が優勢かと見られていた大会ですが、やはりベネズエラもメキシコも侮ることはできないと、改めて認識させられたかのような投手戦でした。特に今年は投手で勝ってきた感のあるヤキスとアラグアですので、打線の強いドミニカ勢とでは戦っている舞台を変えてきた感がしなくもありません。どっちが先に崩れるかのチキンレース、短期決戦では一介打線が湿ると戻ってくることができませんし、まだまだ下位2チームに分はあると見た。

posted by shoeless |17:05 | カリブ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年02月03日

回想カリビアンシリーズ2008初戦

今年もまたこの季節がやってきてあっという間に過ぎ去っていった、2月2日、ドミニカのサンティアゴにて、第七十回カリビアンシリーズが幕を開けました。今年は70回という節目の年、そしてコロンビア・ニカラグアの大会参加の内定が決まった年だけに、特別な盛り上がりを見せ大会となったようです。しかしその裏ではやはり年々とMLBのスター選手が動きづらい環境となってきているのも事実で、ついには野球王国とさえ称されたプエルトリカンリーグが経済的問題からリーグ存続を断念、人々の必死の動きももはやまにあわず三カ国での争いという寂しいものとなってしまったりもしました。しかしながら、彼らが戻ってこれる場所を守るという意味でも、新たな面々を迎えるという意味でも、カリビアンシリーズまさにここが正念場。そんな感じで、遅ればせながらカリビアンシリーズの総括をしていきたいと思います。



まずは出場チームのご紹介

ドミニカ アギラス・シバエーニャス
またか、としか言いようがないほどの強豪。カリビアンシリーズにおいてはミゲール・テハダの一人舞台ともなりうる昨年の優勝チーム。

ドミニカ ティグレス・デル・リセイ
ドミニカ最古の名門リセイ。ドミニカンシリーズで敗れたもののプエルトリコの枠にて復活、創立100周年を勝利で飾りたい。

ベネズエラ ティグレス・デ・アラグア
二年連続出場のベネズエラ最強打線を抱える強豪。しかしメジャー・海外組の参加規制をもろに受け、例年よかリーグ戦よか弱体化。

メキシコ ヤキス・デ・オブレゴン
久しく優勝から遠のいていたメキシコのかませ犬脱却。投手力で守り勝つのが勝ちパターンながら、枚数で見劣りするのも確か。

と、こんなところでしょうか。もっと詳しく知りたい方は、公式ホームページからうんざりするほど読みつくしください。

http://www.seriedelcaribe.com/


リセイ 6-4 アラグア

開幕第一試合、ドミニカのリセイVSベネズエラのアラグア。昨年はようやくカリビアンシリーズで作り上げてきた「ベネズエラとメキシコの台頭」の風潮を「ホームだったから勝利」という理由にかき消されてしまう敗北を喫し、一年間ドミニカの背を眺める羽目になったベネズエラ、アラグア。この大一番にはプレーオフMVPであるエースホセ・サンティアゴをぶつけて臨みはしましたが、マイナー降格処分で一年腐りきっていたとはいえメジャーリーガーのホセ・カペランに、名前で勝つことはできなかったようです。

3回に二点を奪われると、4回、5回と立て続けに点を奪われる不安定さで、5回を終えると同時に交代、一方のカペランは持ち前の速球を武器に5回を一点に抑えて降板。試合巧者と言うだけならホセの方が上手だったような気もしますが、なにせリセイの打線は強力そのものでした。ワシントン・ナショナルズのロニー・ベリヤードが1本塁打を含む4打点の活躍。といって彼8番打者ですので、いかにリセイの打線が気の抜けないものであるかが分かるでしょう。

ちなみにこの試合ヒットだけ見ればリセイは10本でアラグアは7本となかなかいい勝負なのですが、四球の数はなんと3個と10個という開きがあります。必然的にアラグアは残塁ばっかりの展開で、投手も崩れていないのに打たれてばっかりというように見えてしまいました。これはアラグアがどうとかいうより、ドミニカの野球の積極性と荒さの分かりやすい例なんじゃないかと思います。やはり中南米とアジアじゃやってる野球が違う、カリビアンシリーズって面白いです。


アギラス 13-6 ヤキス

地元のアギラスVS前回最下位のメキシコ代表ヤキスの対決。方や昨年もシリーズで優勝を飾った地元の強豪で、方や27年間どころか27年前の優勝時にはカリビアンシリーズが中止になっていたというほど縁が遠いチーム。おのずと結果は見えてきていた、といっては失礼ですがやはり大方の予想通りと言う展開になってしまいました。もし初戦がアギラスでなければヤキスは国内リーグの勢いをそのままシリーズに持ち込めたかもしれなかったのですが、出鼻をしっかりくじかれた形です。

1回に急に打者一巡の猛攻で一挙6点を奪ったアギラスは、2回には3番ミゲール・テハーダがカリビアンシリーズ通産ホームラン記録単独トップとなるホームランをぶち込み、試合開始たった数十分で試合を決めてしまいました。ヤキスもその後もちろん反撃はしたのですが、まさに追いつかない程度の勢いを作る反撃しかすることはできず、投手陣も出れば出ただけ失点を重ねる最悪のムード。先発ベタンコートが一回持たなかったのを筆頭に中継ぎも総崩れで、国内線戦で活躍してきた投手達が潰された影は大きく蝕みそうです。

逆にアギラスは国内リーグでの戦いとおり、投手戦にも連れ込む前に打線がぼんぼこ点を入れてくれる戦いで計17安打の乱れうち。全員安打どころか猛打賞が三人もいらっしゃいますが、それでも四球は4つとドミニカの野球というものをありありと見せ付ける結果となりました。アギラスの連覇ありうるありうる!ヤキスの最下位ありうるありうる…。

posted by shoeless |17:45 | カリブ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年11月07日

冬季リーグナビゲーター

最近ついにごまかしきれなくなりました。今までは海外生活が長引いているからとか言って自分を納得させてはいたのですが、どうもおかしいと気付いてしまいました。枕から漂うこの匂いは99%うちのオヤジの臭い、加齢臭を止めて誰か止めて僕を逃がして、僕の深層心理が日を追うたびに一歩一歩オッサンへと近づいているのです。思えばフィッシュアンドチップスを食べたときに「なんだこの白身魚は、魚は焼いたその内蔵がうまいんだろうが」と思ってしまったのが始まりでした。NHKを見たくてたまらない自分、甘いものをそんなに欲しくなくなった自分、こうして活字にするとリアルすぎて恐ろしさで震えが止まりません。先日までティーンエイジャーだったというのに何たるオッサンっぷり、20を過ぎると後は進むだけと言うのが事実だったという事でしょうか。特にお酒は呑める年になってまだまだだというのにもかかわらず、もうお腹にたまるお酒を呑むのが面倒になってきました。若者ってもっとこうのんでのーんでのんでーとか奇声を上げて安酒をつめこむもんじゃないのか、間違っても肝臓の事を気にしながら野球をつまみにホッピーの焼酎割りとか呑まないはずだ。という事で今日は開き直りと悪あがきが入り混じった「お酒を呑めるウインターリーグ特集」後編、MLB公式サイトに載っていないウインターリーグ編です。



6パナマ

http://fedebeis.com/

かつてはカリビアンシリーズにも参加していたパナマベースボールリーグ、他のウインターリーグと違ってマイナー選手達がどんどこ参加しているわけでもないようで、開催時期も他のリーグより遅かったり世代別に別れていたりと野球連盟の色が強いリーグです。10球団2リーグ制によって争われているリーグですが、ここ数年はBグループの強豪Herreraが三連覇をとげており、その前はAグループの強豪Chiriquiが天下だったため、リーグはほぼこの2球団によって争われているといってもいいでしょう。1940年ごろから続いているリーグですが1990年のリーグ編成ぐらいからChiriquiは頂点を守っていたので、遠目に見れば古豪Herreraの本格的復活と言えるかもしれません。パナマの国際戦での妙な勝負強さはこのリーグによって培われたもの、という事でいけばこのリーグでの成績を参考にしてもらえるとパナマ代表及び国際戦がより分かりやすくなるんじゃないかと思います。そういや昔日本の社会人チャンピオンが遠征した事とかありましたね。



7コロンビア

http://www.teamrenteria.com/

リンク先は滅法陽気な音楽が流れます、注意!2012年まで運営が安定すればカリビアンシリーズ参加は間違いなしとあって俄然注目度のあがってきたコロンビアリーグ。設立からやっては休止やっては休止となっていましたが、ここ数年は熱狂的ファンに支えられているのか運営も安定してきました。コロンビアでも野球が熱狂的なのは沿岸部とあって、リーグは海沿いの町から4球団、40試合程度のリーグ戦+プレーオフの数十試合によって争われます。リーグはコロンビア内の野球の熱狂度がそのままあらわれたか、Tigres de CartagenaとCaimanes de Barranquillaと言う二つの野球の街のチームがチャンピオンを独占している状態。しかしながら今年は昨年まで4連覇の強豪Tigres de CartagenaがIndiosとなって初めての年ながら出遅れを喫し、9試合終わった現在初優勝を狙うCardenales de Monteriaが単独首位に立っており、ついにその均衡を破る者があらわれたかといった展開に。コロンビアリーグにもようやくプロらしい新しい風が吹き込んできたという事でしょうか、史上初とあっては何事も目が離せません。



8ニカラグア

http://www.lnbp.net/

こちらも2012年のカリビアンシリーズ参加へ向け復活し、経営が安定してきたニカラグアリーグ。Fieras del San Fernando、Indios del Boer、Leones de Leon、Tigres de Chinandegaという4球団によって50試合程度のリーグ戦を戦い勝敗を決めるので、規模が多少小さい以外はほぼ他のウインターリーグと同じだと思ってもらってもいいでしょう。リーグは元マイナーリーグの選手が多数在籍しているようで、かつてトッププロスペクトと言われていた選手もチラホラ。有名なところだとボストンのデバーン・ハンサックなんかが蟹漁しながらプレーしていました。2004年に戻ってきて数年は昨年がBoer、一昨年がChinandega、その前がLeones de Leonとリーグチャンピオンの座どころかリーグ内順位でさえも行ったり来たりしていますが、国内での歴史や人気度合いを考えると一番の強豪と言えばBoerと言われたりもしています。今現在は8試合終わり首位がChinandega、二位がBoer。チーム名がコロンビア王者Cartagenaの前後の愛称IndiosとTigresであるため、もんのすごく紛らわしいです。



9フィリピン

http://www.baseballphilippines.com/

カリブカテゴリなのにも関わらず堂々出場のフィリピンベースボールリーグ。今年から始まったリーグですが、どうも5月から始まる春季リーグと10月から始まる秋季リーグの前後期制となっているようで、今回はもちろん10月から始められている秋季リーグの紹介です。前にお話したときもまだ誰も注目してないとか書きましたが、本当にできてまもないリーグであるため、見れば見るほどに新しい発見があるというところがこのリーグの面白いところでしょう。前回春のリーグ時点では5球団による1リーグ制でしたが、今回からは1球団の参加があったため6球団2リーグ制に進化。南地区では前回リーグ一位通過を果たしたCebuがさっそく独走をしており、逆に北地区では前回リーグ制覇のMatakiが最下位に沈んでいるなど、徐々にチームのカラーも出始めてきました。12月に東南アジアゲームを控えていると言う意味でも、このリーグは興味深く見ることが出来るはずです。そういや以前このブログへ「12月に日本の球団関係者とフィリピン政府官僚とでIBAF職員を交え会談の場を設ける予定」という情報をいただいた事がありましたが、情報通り行っているとするならばなおさら熱いぜフィリピン。



10オーストラリア

http://www.users.bigpond.com/goreds/

プロがあるんだかないんだか分からないオーストラリアリーグ、厳密に言えばプロはあります、いや厳密に言えばありません、簡単に言うとプロを自称していた集団が休止しているというものなんだそうです。今現在のオーストラリア野球は各地域ごとに別れてクラブや社会人によって行われているリーグが基盤となっており、そこでもまたクラブからお金がとかあれやこれやでプロという言葉の定義のあいまいになっているのかもしれません。基本的にオーストラリアの野球シーズンは夏場である、つまり北半球のウインターシーズンに秋から春先にかけて行われるというもの、オーストラリア代表やマイナー・独立出戻り組がプレーしているのがこの時期といわれていますので、レベルは大体想像してもらえるでしょう。その中でも最も大きい大会が1月に行われるclaxton shieldという大会で、各地域リーグごとの代表が集まって行われるオーストラリア地域の頂上決戦です。オーストラリアは野球の強化方策に積極的にマイナーへ選手へ送り込むという形をとっている国な為、代表は強い強いといわれながら、どうも国内外を問わずオーストラリア内での野球自体には注目が集まっていない気がしてなりません。実際どうなんだろう、オーストラリアのクラブって。



はい、以上裏5国に前回の5国を合わせた全10国のリーグが、冬の間野球を楽しめるウインターリーグです。やはり酒がうまくなるポイントが高いのは来期を考えてニヤニヤ出来るハワイや外国人選手マニアにはスルメなみの味を誇るメキシコリーグあたりでしょうか。去年のカリビアンシリーズは初のネット放送を試み、日本や欧州などからも観客者を得ることに成功したと言われています、このネット社会、スポーツファンももう国境はあまり関係ない時代に突入しているのです。日本語版ページが作られているハワイアンリーグにしろ放送を行っているカリビアンシリーズにしろ、遠い日本の地も今や彼らのセールスの地の一つといって差し支えはないでしょう。



「日本の野球が見れないのならばウインターリーグを見ればいいじゃない」「はいじゃあ見ます」とかいう時代が来るなんて、もう時代の流れには完全に置いていかれました。今年の冬はウインターリーグで乗り越えろ、皆さんお気に入りのリーグは見つかったでしょうか。

posted by shoeless |23:04 | カリブ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年11月06日

カリビアンアットコム

ついに今年も野球シーズンが終了、野球が終わってしまいめぼしいお酒のつまみがなくなった今日この頃、これから春先まで続く寂しさを紛らわすために、いつもと違うお酒を買ってきました。野球が終わり寂しさを感じているであろう日本の普通の野球ファン達に、「日本の野球が終わったならウインターリーグを見ればいいじゃない!」とか適当なオチをつけた日記でウインターリーグを推そうと、まずはウインターリーグにあうお酒であるコロナビールを探してきたのです。まぁ酒のつまみにとは言ったのですが映像も情報も少ないウインターリーグの話でしたので、僕自身でさえ友人達にもそうそう毎度映像を送ってもらうわけにもいかかないため、実際にやるとなると薄暗い部屋で更新ボタンを連打しながら一球速報を見守るという陰の香り漂うノリが精一杯といった有様。よくよく考えればそんなん放送のない日本じゃそうなるのが当たり前だったのですが、野球が無いシーズンも一杯やりながら楽しく乗り切ろうというアイディアも、いつの間にやらパソコンの前で酒もってにやつく至高のフェティシズム溢れる企画に成り下がってしまいました。



今更こんなブログで新規のお客様とか言ってる方がいかれてるという事かもしれません、これを機にウインターリーグをおすすめとか偉そうな事ほざくのではなく、マニアならマニアらしく皆に趣味を押し付けていくべき。という事で今日は秋口から始まっているウインターリーグをいくつか紹介し、記録や活字だけで現地に想いをはせて酒を呑むというタモリ倶楽部より客層限定の日記をお送りしようと思います。一口にウインターリーグと言ってもカリブ地域の物を指す人たちもいれば宮崎のフェニックスリーグまでいれてしまう人もいるため、ここでは他国で秋口から冬の間にかけて行われている野球リーグを対象としていきます。



1ベネズエラ

http://www.lvbp.com/

ウインターリーグの華と言えばカリブ4大リーグでしたが、今年はカリビアンシリーズ節目の年ながら王者プエルトリコ野球リーグが経営難で休止、多くの対策も考えられましたが結局来年度にお見送りと言う事に落ち着いてしまったようで、常夏のカリビアンリーグもどこか秋風が吹きつつあります。そんな酒染みる現状のカリビアンリーグの中にあって逆に最も国内での人気が高いといわれているのがこのベネズエラリーグ、今季は東西ディビジョン制から全8チーム総当りリーグ戦に変更され、10月から12月までの全63試合を戦うこととなりました。そのうち上位5球団がプレーオフ進出で、ファイナルで4勝すればカリビアンシリーズという道筋なのですが、今年は06、04、03のチャンピオンTigres de Araguaが出だし不調、05年チャンピオンでリーグ1の伝統的強豪Leones del Caracasも最下位争いスタートとへなへなで波乱といっていい幕開けを遂げています。変わりに今現在単独首位に立っているのが1990年創立で初優勝を狙うCaribes de Anzoátegui、そして二位が昨年Pastora de los Llanosと並んでぶっちぎりの最下位だったAguilas del Zuliaとまさに大動乱、酒がうまくなること間違いなし。ちなみにLeones del Caracasは今年野茂が所属しているというのも酒がうまくなるポイントですが、あんまり調子は良くないみたいです、魚の内臓好きな人におすすめしたいリーグ。



2ドミニカ

http://www.lidom.com/

プエルトリコが休止し、ついに本当にカリブ地域の独裁者となった感のあるドミニカウインターリーグ。このリーグが強いことはもちろんドミニカ自身の野球の普及度もありますが、リーグ自体が他の3国と比べて少ない6国構成となっていること、そしてなによりAguilas CibaenasとTigres del Liceyという二大球団に牛耳られているという事があげられるでしょう。実はドミニカンリーグ自体はメジャーロースターにはいっているような選手達がぼんぼこ参加しているようなリーグではないためにその分国内リーグでは選手資材の偏りが見られ、何よりいい証拠にはほぼ毎年のように優勝争いがAguilas CibaenasとTigres del Liceyというニ球団によって行われています。10月からの50試合+上位4国によるプレーオフですので一波乱起こってもおかしくはない長丁場なのですが、今年も案の定首位を争っている2チームはAguilas CibaenasとTigres del Licey、ここ十数年のカリビアンシリーズのドミニカ勢圧倒は、ドミニカと言うより彼らの力と言う部分が大きいのです。しかしこちらのリーグもゲーム差1で3位にしがみついてきたのは1996年創立の球団Gigantes del Cibao、もちろん優勝経験はなしのバージン球団でどことなく楽天にユニフォームが似ているチームです。もし今後彼らが上位2球団を出し抜いてカリビアンシリーズ出場となると、プエルトリコがいない今年は下位二国との競り合いは必至、キャンプ中まで面倒を見てもらえます。



3メキシコ

http://www.ligadelpacifico.com.mx/cms/content.asp?company=137

3A級と言われるサマーリーグとメキシコ内では夏よりか人気の高いメキシカンパシフィックリーグことメキシコウインターリーグ。ホームサイトを見ていただければ分かるとおり、Liga Invernal de Sonora設立の1957年から今年でもう50周年を迎えました。カリビアンシリーズ内で徐々に立場が上昇してきたメキシカンリーグ、今年は02、04優勝のTomateros de Culiacanがカリビアンシリーズ制覇の02年のような勢いで独走を続けています。二位にはCaneros de Los Mochis、三位には昨年度王者Naranjeros de Hermosilloと05年カリブ王者Venados de Mazatlan、五位にMayos de NavojoaにYaquis de Obregonと久しくカリビアンシリーズに名前が見られなかったチームが並び、3ゲーム差内での団子状態の潰しあいが続いています。メキシカンリーグはその混沌具合が面白いと以前ブログに書いたような気がしますが、まさに次の年どうなってるかが分からないこの不安定感こそがメキシカンリーグの魅力でしょう。意外と日本とも多く関係しており、マックや藪、入来などどこにいったかが不安になっていた選手達は大抵メキシコでプレーしていたりしました。他にもアリアスとかホワイトとか思い出深い連中が一杯で、日本プロ野球しか見ていなくても酒に涙がにじむ選手がわんさかちらほら、阪神はもしかしたらメキシカンリーグにはまっていたのかもしれません。



4アリゾナ

http://mlb.mlb.com/mlb/events/winterleagues/?league=afl

10月から11月にかけておこなわれるアリゾナウインターリーグ、という事で実際には紹介した今既に佳境を迎えています。こちらは他のウインターリーグとは毛色が違い、各球団に選手派遣義務がつけられているMLB直轄の選手品評会のようなリーグです。メジャー1年未満の3A選手及び2A、そして1Aの特別選手が参加する、言ってみれば後のMLBを担う黄金の卵たちが集まった激戦区。メジャー5球団が1チームに組み込まれ合計5チームでのリーグ戦となりますが、毎年どのチームにどの球団が派遣するかは決まってはいませんのであんまり優勝争いを追うことに意味はないかもしれません。メジャーリーグっていうかマイナーリーグ大好きって言う人たちには涎物の選手達ばかり出ていますが、今年は国際戦におけるアメリカ代表と中国代表も10試合程度参加を義務付けられているようで、そちらの方面でも楽しめるという二度おいしい構成に。2チームとも優勝争い等に食い込めるわけではありませんがシーズン記録としては残されているようです、今現在中国チーム1勝5敗、アメリカチーム4勝2敗。中国チームはこのままアジアシリーズへ、そしてアメリカチームはこのままワールドカップへ、いろんな意味でチェックしておくべきおつまみだと思います。



5ハワイ

http://www.hawaiiwinterbaseball.jp/

アリゾナに続くMLB第二のウインターリーグ、こちらも開幕が9月のリーグですので残すところほぼ優勝決定戦のみ、今が一番野球として面白いところです。4チーム2リーグ制をとっているハワイウインターリーグですが、西地区はNorth Shoreが夢と希望に溢れる勝ち方でWest Oahuを突き放し既に決まり、面白いのは一勝差での争いを続けるHonoluluとWaikikiの東地区でしょう。日本人選手とマイナーリーグ選手がここまで入り乱れて試合をしているリーグはないので普段日本の野球しか見ない皆さんも面白がって見てもらえることうけあい、なのですが、こうやって改めてリーグを振り返ってみると本当日本人と海外の人って野球のタイプが違います。野手陣は本塁打はさっぱり出ておらず打率も低調、一方の投手陣はチームの中核となっている安定感、眺めれば眺めるほどに日本において「四番は天性の才能によって決まる」と考えられている事が頷けるリーグといえるでしょう。もともと日本人は野球ファンであっても二軍と名づけられたプロ野球下部組織をあまり見ることがありません、制度を真似ればいいってもんじゃあないですが、日本でもトッププロスペクト達にもっと目を向けるという意味を込めても、このリーグは見やすいリーグだと思います。こうMLBとNPB両方知っている人は終始ニヤニヤ出来る通好みで素人受けもしやすい奥の深いリーグ、黒糖焼酎みたいな。



これだけ書きましたが、実は上の5つのリーグは全部MLBのウインターリーグ特集というページで確認することが出来ます。言ってみればウインターリーグ界の表舞台、次回はウインターリーグ界の裏舞台のリーグを紹介します、知っているだけで誰にも言えない情報満載!

posted by shoeless |10:34 | カリブ野球 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年10月26日

鋼鉄の処女

台湾ワールドカップの事について全日本野球会議サイト上でなんの音沙汰も無いよ、という日記を書いたのが22日の朝なのですが、なんとその日の夕方にカウンターパンチのように台湾ワールドカップについての更新がなされました。単なる偶然だよね、じゃなきゃ怖いよ、怖すぎるよ。

http://www.japan-baseball.jp/news/news_0193a.html

日程や要綱と一緒に展望も書いてあるのですが、ワールドカップスペインやオーストラリアなどの最終予選組がベストメンバーを変遷してくる可能性が高い事等は感じていましたが、まさかアメリカがトップマイナーリーガー編成で来る気とは。流石はプロ、情報網が半端じゃありません、素人解説が真っ向から捻り潰された形です、皆さん是非御一読ください。まぁとりあえず記事によれば10月末に代表候補も発表されるようですし、これでようやくファンが自分オールスター代表候補考えたり代表候補を見てブーブー言ったりできる準備ができたという事でしょう。



こういう代表戦の楽しさは、ファンにしてみればやはり「オールスター」という部分にあります。日本中から代表候補を選んできてこれがベストとか言い張りあったり、調子に乗って野球分かってねーなとか偉そうな事言っちゃったり。まぁそんな事言ってられるのもなーんの責任もファンだからこそで、実際選択の権利なんか与えられたら嫌でたまらないはずでしょう。日本はまだ国内リーグに戦力は山のようにあるのにそんな想像が出来てしまうのですから、この時期の海外の国々なんてそりゃもう選手選考に煮詰まっているんじゃないかと想像してしまいます。WBCの時が非常に分かり易い例でしたが、地域によって実力格差の激しい野球では、強国と競り合っていくために代表を「補強」する事が通例。野球強国に住んでいる自国籍人や野球の盛んな地域の領土の選手達を呼んできたり、野球がそんなに強くない国々にとっては、代表選考は本当に世界中規模での人探しをやらされているようなものなのです。



昔のプロレスじゃありませんが、長らく見ていても「誰こいつ?」という得体の知れない選手が選出されることは少なくありません。最近の例で言うと前回スペインを訪れた時のイギリス代表なんかがいい例でした。得意げな顔して現地行ったら全然見たこともねー奴がプレーしていた時のあの衝撃、イギリスはヨーロッパチャンピオンシップに向けて、本当に世界中から選手をかき集めてきていたのです。出自だけ見てもカナダ系、アメリカ系、オーストラリア系と様々ですが、プレーしているリーグとなるとアメリカ・カナダの独立リーグから大学リーグ、オランダ・フランス・ドイツ・ポルトガルとアストロ球団並の運命の巡り合わせ。中には現役ハーバード大学の学生とかクロアチアリーグの猛者とか、なんだかどういう選考基準だったのかは分かりませんが、漫画のような集団であったという事だけは間違いありません。



こうして漫画みたいな代表が出来上がっていることは、それそのまま野球の世界でこの方法が最も簡単な強化の方法と認められていること、そしてそれはすなわちそういったコネクションを多く持っている国の優位性を物語ることとなっていると言ってもいいでしょう。こうして世界中から選手をかき集めることを余儀なくされている国がいる中、もし仮に簡単にそれを得ることが出来るのならそこに差は大きな溝ができるという事。それが全てとは流石に言いませんが、くしくも欧州野球の現実は東欧よか西欧の方が強く、中年米移民が多いスペインがフランスに競り勝ち、中南米に領土を持つオランダがイタリアを圧倒しつつあります。系列的に海外に自国ルーツの人々が多く、より野球が盛んな地域により多く、最終的には野球が盛んな地域に領土を持っている事という風に、御丁寧に順序までつけて現実が示してしまっているのです。



さて、もうこのあたりで皆さん「そんなうまくいってたまるか馬鹿、中南米に領土もってたって弱い国あるわ」と思っていただけているんじゃないかと思いますが、実際その通りでこれからこの法則の例外となる事例を出して急速にオチへ向かっていきます。しかしそうなると疑問なのは「何故反対例を出せるのか」という事。もちろん僕の考えでしかありませんが、その答えは実はそう難しいことではありません、上に書いてあることぜーんぶ嘘だからです。嘘と言うと語弊があるかブログやってる意味無いか、もっと厳密に言うと「結果と原因が逆転している」からということ。西欧諸国が中南米に入植したのは野球誕生よりも随分と前、中南米には野球が強い国が多く犇いていますが、当たり前の話で最初から強かったわけではありません。二つの事をあわせて考えられるのは、今現在野球強国として残っている中南米の地域は、その当時から野球がのびる環境があったという事。逆に言えば今現在野球が弱い地域には、それが伸びないなんらかの要因があったという事でしょう。



一面から物を見ただけで事象の起承転結を想像できるとは思えませんが、ここで一つ例を挙げてみましょう。今現在中南米にあるヨーロッパ領土で野球人気が無い地域、英国領バージン諸島なんかが分かり易い例じゃないかと思います。中南米に位置しながら今回のイギリス代表候補にも全然選手が選出されなかった英国領バージン、そうした部分でも分かるとおり、この地域は野球においてはこれといった人気もなく、代表どころか活動すら見られない地域となっています。プエルトリコやアメリカ等野球強国にも立地的に近いのですが、西側に位置する米国領バージンや蘭領キュラソーと比べると後塵をむしろ拝せないレベルまで差がついてしまっていると言っていいでしょう。そもそも人口が二万人程度しかいない地域なのですが、それでもなお隣のアメリカ領バージンと比べれば大きく違う。違うことはただ一つ、統治している文化圏。英国領バージン諸島が今日英国の野球シーンにおいてオランダにおけるアンティル諸島のような役割をはたせていない要因は、そもそも英国領だったという背景が大きく影響していると見て間違い無いんじゃないでしょうか。



スポーツを語る上ででこうした話をするのは決して気持ちのいい話ではありませんが、人口が一定しか無い以上、各スポーツはお互いに競技人口と言う限られたパイを奪い合う立場にいます。アメリカ文化とイギリス文化のせめぎ合いのど真ん中ともいえる英領バージン諸島はクリケットやバスケットなど人気スポーツが多く、サッカーでさえその総競技人口は多く見積もって千人越えといったところと言われている状況、入ってくるニュースさえも野球は女子スポーツとして確立しているソフトに負ける程のパイしか持ててはいません。アメリカに近い影響もあってリーグなども行われているのですが、メインは春先から行われる全クラブ対抗のリトルリーグ戦と言え、成人による野球リーグの話は情報すら聞いた事がありません。単なる僕の調べ残しと言うなら杞憂なのですが、成人によるリーグが無いという事はすなわち、大成しつつあった子供は皆やめるか海外へ流出してしまっているという事。といって大人になった時目指す先が簡単にあるかと言うと、遠きメジャーや組まれることの無い現地代表とそうそう簡単でもありません。



2006年、英領バージン諸島内のリトルリーグに参加していたチームは総数22。総勢数百人のなかから、この年彼らリトルリーグはリトルリーグワールドシリーズカリブ予選への代表団派遣を果たしました。まぁリトルとは言え激戦区のカリブ地区とあって強豪ベネズエラやキュラソーにもまれて結果は4戦全敗、結果は全敗ではありましたが、これこそこの土地で子供たちが細々ながらも野球をやっている理由なのでしょう。これだけで成人となって続けられないスポーツと言うのはそれこそ原因と結果のはき違いでしょうが、この島々の野球は、大人になるとぱったり情報が聞かれない、目指すべき先も簡単には見当たらない状況が続いています。そんな中、僕たちが想像出来る範囲内でかろうじて「彼らが大人になっても野球やっていける理由」としてあげられる目標、それこそが今現在スポーツの世界、特に実力格差の激しい団体スポーツで行われている「代表補強」でした。



世界中に人々が簡単に行き交いできる時代が到来してもう数十年、スポーツの代表も人種は交錯し、ラグビーや野球などに至っては本当に軽いつながりで国家代表に選ばれることも少なくありません。しかしチャンスが増えるのと同時に、あやふやなところには批判も生まれます。WBCに対するアメリカ人とアメリカ人の代表戦と言う批判、ラグビー国際戦の代表選出のファジーさへの懸念、そして果たしてそれを代表と認めていいのかという考え、どれもアイデンティティーという事を考えると難しい問題でしょう。蘭領アンティル諸島にしても本来は属している連盟によって選手が派遣されるべきだとは言えるのですが、口ではいえても実際そこにあるのは道義上の問題だけで、現実仮に分化したとしてもデメリットの方が多い事は容易に想像できます。前回のベネズエラビザ発給拒否に引き続き、この手の問題に意見を提起できるほど僕は賢くありません。しかし1スポーツファンとして言える事はあります。選手がどこに誇りやアイデンティティーを感じ目標を持ったのか、それを尊重したいということです。



そういえば今回の五輪最終候補において、二大会連続で国家代表に選ばれながら選出から漏れた選手がいました。その名はマイケル中村、日本ハムの守護神、オーストラリアとのハーフである彼はオーストラリアにて二度の代表を経験、故郷オーストラリアをさしおいて今回の日本代表選出を心待ちにしていたそうですが、結果は涙を見るものでした。何故彼が日本代表の為に悔しい思いをしてくれているのか、それはすなわち野球日本代表と言う集団が、人によってそれだけ目標としての価値を見出されているという事にほかなりません。それを理由に野球が続けてもらえ無いならば、そうなれる可能性を知らないか、そこに価値が見出せていないか、どちらかということでしょう。バージン諸島によって英国が強くなるのも違う、英国の代表を目指してバージン諸島が強くなるのも違う。遥か彼方の理想形は、今よりもっと目標とされる英国代表がバージン諸島の選手達によって補強され、互いに切磋琢磨して強くなるという姿しています。アンティル諸島とオランダ、オリウンド(他国育ちのイタリア人)とイタリア、どこにしてもその理想形はかわりません。



涙を流す選手がいるからこそ代表選手の選考は難航する、人を蹴落として選ばれた代表達なのだからこそ、彼らは可能性のある全ての人から目標にされ、多くの選手から涙を流されるような存在にならなければならないし、その事実を忘れたり裏切るようなことをしてはならない。そうして考えれば英国代表も日本代表も、抱えている問題に大きな違いはありません、人から泣かれる存在になれ、人の涙を無駄にしない存在になれっていう事。

英国代表は、長い時を経て徐々に選手に泣かれる存在に近づいてきました。

日本代表は、人が涙までした場所を大切に出来る存在になれていますか?



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posted by shoeless |05:28 | カリブ野球 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年09月13日

創造は生命

気付けば9月、今年の夏も胸踊ることなく緩やかに終わり、一人夏の終わりを悔やむばかりです。夏の甲子園が終わり、イチローが毎年のように200本を打ち、ローズが本塁打王争いに怒り、夏の終わりとともに今年の野球も終わりを迎えに来ました。夏が終わらなければいいのに、と考える人は多いでしょう、休み的に。しかしそんな人々を尻目に、地球の裏側では夏が終わらなくなった人たちもいました。8月16日、プエルトリコでは、夏が終わらなくなったのです。



プエルトリコのプロ野球はウインターリーグと言う秋から冬にかけてのプロリーグ体型を取っています。夏の間MLBで活躍した地元のヒーロー達が帰って来る、ウインターリーグはプエルトリコにとって冬の始まりを告げる風物詩とも言えます。ウインターリーグの始まりとともに始まるプエルトリコの冬、しかしながら、そのプロリーグが財政面の問題を理由に今シーズンの休止を発表しました。ウインターリーグ会長ホゼ・ガルシア会長はこの日を「プエルトリコのスポーツが喪に服する日」と例え、今シーズンの休止を嘆きました。言葉どおりプエルトリコのウインターリーグがやってくることはなくなりました、今年の夏が終わることはなくなったのです。



プエルトリコウインターリーグが始まったのは今から70年前の1938年、プロリーグはそんな当時から絶大なプエルトリコの野球人気を支え続けてきた屋台骨となっていました。カリビアンシリーズ優勝計14回、プエルトリコのファンにとっては郷土のスターを間近で見られる絶好の機会ですし、選手達にとっても来シーズンへのステップアップ、アピールの場としてプエルトリコに根付いてきたのです。今現在のプエルトリコでの野球人気は絶大な物ですが、このリーグ休止が長く続くようならばそんな70年が一気に崩れ去る可能性もあります。国際化を推し進めるMLBにとっては強豪の一角プエルトリコが崩れるのは大打撃、メジャーリーグ機構の国際部門を担当するルー・メンデス副社長はこの事態を大変遺憾とし、さっそく再建へ応急処置に動いてきました。



いくら今現在まだ「休止」とは言え、2009年に拡張を考えているカリビアンシリーズとしても50周年の記念すべき今年に3国戦になるのは避けなければならない事態であるはず。そんな中浮上している案は、デービッド・ベルニエ氏の唱える国内リーグのアマチュア有力チームを集め、そこにメジャー選手会参加のプロ9人を加えて20試合程度の短期リーグを行うというもの。規模が小さくなってしまった感は否めませんが、ここが精一杯の落としどころといったところなのでしょう。今ある資源で可能な限り行う、言い方は悪いですが多少守りにはいった感は拭えません、プロ機構を支援してリーグを存続させると言う手を取らなかったというのがいい証拠でしょう。もともとMLBにとってウインターリーグは、無くても困るしありすぎても困ると言う、矛盾をはらんだリーグでした。



このリーグが再建可能かという部分を語る前に、このリーグにはどういう需要があって何故休止になったのかを考えていきましょう。リーグの需要は突き詰めて言えば二つに分かれます。「若手のステップアップの場」というメジャーにとっては育成リーグとして、ファンにとっては地元出身のスターの卵を送り出したいという需要。もう一つは「スターの凱旋の場」という選手達にとっての帰郷、ファンにとってはスターを間近で見たいという需要です。これまで半世紀以上続いてきたのは、ルー・メンデス副社長の言うとおりの「選手育成の場」としての需要と、ロベルト・アロマー選手の言うとおりの「母国のファンに自分の姿を見てもらう場」としての需要を満たしてきたからなのでしょう。簡単に言えば今休止に追い込まれているのならば、つまりはそれを満たすことができなくなっているのです。



プエルトリコWリーグの球団オーナー達が全員一致で中止を決定したその理由として、近年のリーグの観客動員数をあげていました。プロ側から直接言われる事は結局ありませんでしたが、ほぼほとんどの人たちがその背景には「選手の不参加」があると見ています。そもそものふれこみが「メジャーで活躍している地元選手が間近で見られる」であるウインターリーグ、それからも分かるとおり、リーグの参加選手達の権威や人気をメジャーリーグでの実績に依存している部分があります。メジャーで大きく活躍している選手が参加しなければリーグそのものの権威も人気も落ちる、たしかに言われている通り、過去に比べて近年のウインターリーグでは選手参加において「けち」がつくことは多くなってきています。



かつてプエルトリコ出身の英雄と言われたイゴールことフアン・ゴンザレスは、近年プエルトリコがドミニカやベネズエラに押され気味なのに対し、「地元の選手がウインターリーグに参加しなくなった、プエルトリコの若手に向上心が足りない」と言うコメントを出したりしていましたが、不参加という点を取ってみれば問題は向上心だけではありません。1990年代から始まった選手の労使交渉によって、ここ十数年でMLBの契約体型は大きく変わってきました。年俸の高騰が起こり市場規模も拡大、それにともなって複数年契約や代理人制度も発達し、チームが契約によって商品である選手を強く管理するようになっていきます。MLB球団からすれば選手は自チームの商品なのですから、ケガや疲労の恐れのあるリーグへの派遣を快く思うわけがありません。選手価値の高騰に伴い、MLB球団は選手の出し渋りをするようになったのです。



もう一つの需要、若手のステップアップについてもMLBとの関連でうまくはいっていません。一年内春から秋だけ動く精密機器と称されるメジャーリーガー、選手育成ならばマイナーリーグがあることもあって、MLB球団は若手に関しても選手派遣にあまり言い顔をしてくれないのです。調整や施設、故障等世界トップのMLBから見ればけちならばいくらでもつけられますが、実際に上でゴンザレスが言っている通り、あまりウインターリーグでの結果が結びついているとは見えない部分が最大のウィークポイントでしょう。



スターが抜けていっているとしても、世界にはそれでしっかりとやっているスポーツリーグがたくさんあります。しかしプエルトリコウインターリーグにそれらのリーグを重ね合わせてみると、このリーグの特殊性に否が応でも気付かされます。南米サッカーや他のウインタリーグのように、リーグ出身の選手が抜けてもリーグが冷めないリーグは多く存在しています。それらの理由は「自分達のリーグの選手がトップリーグで活躍することは誇りである」、「チームそのものを愛している」といったようなものが主でしょう、地元の若い選手が地元のリーグをステップに世界のリーグへ挑戦する、ありな話だと思います。しかしながらこのプエルトリコ、残念ながらアメリカ本土に非常に近い自治領でもあります。プエルトリコの選手はもちろんMLBのドラフトに引っかかるため、めぼしい有名有望選手達は若いうちから既にMLBに指名されてしまっているのです。



よくよく考えてると一国のプロリーグの行き着く先が他のリーグでの成功というのはおかしな話なんですが、選手の人気も選手の目的もMLBにリーグの価値を置いている以上、プエルトリコWリーグはMLB球団の厚い協力を受けられないならば、それら無しでも観客をひきつける独自の価値を作っていかなくてはいけません。プエルトリコはアメリカの一部、夏だってメジャー球団が興行を行う事もありますし、一年を通してメジャーが放送されています、市場の活性化として球団移転の話などもあった程です。プエルトリコファンには野球の需要を満たすインフラが完全に供給されている、悲しいことではありますが、Wリーグ休止によって差し迫って野球が無くなるのかと言われると「微妙」と言うのも事実でしょう。プエルトリコの人たちの思い入れがつまったリーグを無くしてはいけないとは強く願いますが、今のところはまだ延命策を超えるようなアイデアは出されてはいません。



今まで通りの形でプエルトリコのウインターリーグを復活させるならば、メジャーリーグ機構はチームに対しプエルトリコに選手を「集客が見込めるレベルで」派遣させることを認めさせなくてはいけません。あちらを立てればこちらが立たず、選手資源が被っている、プロといいながらMLBに価値を委ねている、プエルトリコはまだまだ矛盾を抱えたまま夏を続けています。プエルトリコの崩壊は、一角と見たほうが賢明でしょう。矛盾を多く抱えている野球は時に砂上の大楼閣にも見えます、夏が終わって波に消えるか、冬を迎えて硬固なものとなるか、ここ数年で本当に、野球はいろんな意味で節目の次期を迎えているのかもしれません。

夏が終わるのを悔やむくらいなら夏の間に悔やまない選択をしておく、今年の夏に僕が得た教訓です。今年もまた胸躍らない夏の閉幕だ!今年の夏!完!

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