2008年03月14日
3月12日世界最終予選2
帰ってきました、ぼちぼちレポートしていきます。 南アフリカ 0-5 メキシコ 今大会もなかなか勝ち星が遠い南アフリカ対なかなか大会盛り上げ役の座から脱することが出来ないメキシコの一戦。今大会は全体を通して、ホストである台湾がスペイン相手に揉めたり韓国相手に接触事故を起こしたり、なにかと波乱の中心にいるため隠れがちになってしまったカードではありましたが、実はその影でメキシコも何かと話題を振りまいていました。初戦カナダ戦において11-15で負けて取材拒否、と思ったら翌日には昨日はゴメンよと快く応対、8チーム中いまいち強さの値踏みがきかない不気味さもあり、本当国際戦になると彼等の話題に事欠きません。プロ野球ファンの皆様の為にもっと親しみやすいところで言うと、現メキシコ代表監督であるホセ・トレンティーノ氏の動向。かつて西武ライオンズで主にオープン戦で活躍した外野手であった彼は、今現在メキシコ代表の監督に就任しており、審判に食って掛かるタイプの監督としてちょっとした注目の的となっています。国際戦でも何度か審判に出て行けと言われていたようですが、今回もしっかりと台湾が揉めている裏で警告を喰らっており、そういう意味でもなかなか目を離せない試合と言えました。ちなみに氏の名誉の為に言っておきますと、本人はファンサービスにも熱心で情熱に溢れる陽気で紳士なメキシカンです、アミーゴ。 南アフリカは若さ溢れる先発MOSTERT BERTUS、対するメキシコはメキシカンリーグで夏冬共に防御率2点台をたたき出したベテランCAMPOS MACHADO。方やメジャーリーグ経験者、方や昨今南アフリカが行ってきたエリート教育の一番手とあって、この試合も南アフリカが押されてしまうのかという風に見えましたが、初回から南アフリカMOSTERT BERTUSが年に似合わない老獪なピッチングを見せ無失点に切り抜けます。対するメキシコも経験溢れるピッチングで初回からバットにかすりさえさせぬ怪投。試合は予想を大きく裏切り、投手戦の様相を見せ始めます。当然その背景には若い投手を支えられる守備があり、特に4番WILLENBURG BRETTとルーキーリーグのPHILLIPS ANTHONYが守るニ遊間、好リードを見せた捕手のWEITZ KARLは国際戦とは思えない落ち着きを見せていました。前述のとおり南アフリカはここ数年でかなり代表の血の入れ替えをしており、現行チームの若さは他を圧倒するものとなっています。24人の代表のうち23歳以下が10名、70年代生まれの選手が2名という徹底振りで、ほぼほとんどの選手が経験豊富とはいえない中でこうした落ち着いた試合展開を見せられたことは、ちょっとした驚きだったように思えます。 守備においても攻撃においても南アフリカは若い、例えるなら高校球児のような姿勢と呼べるかもしれません。試合中の守備連携に声を出すというのはまぁ当たり前の話なんですが、南アフリカ守備陣はことあるごとに俺がとると絶叫、全力感がにじみ出るプレーもかなり多かったように見受けられました。ベンチからの声かけや励ましあいも抜きん出て大きく、年代が近い連中が多いこともあってか仲間意識も高い様、彼等の野球は素晴らしい意味で青く泥臭いといったところなんじゃないかと思います。ただ惜しむべきなのは、彼等が良い意味でも悪い意味でも若いプレイヤー達だった、というところでしょう。初回、二回と確かに点数的には無得点の投手戦ではあったのですが、徐々にタイミングをあわせられてくるMOSTERT BERTUSに対し、CAMPOS MACHADOは面白いようにバットを空振らせていました。球速も140はでていなかった両者でしたが、やはり場数の分だけメキシコのよみが勝っていたという事なのか。3回に失点を喫したMOSTERT BERTUSは4回にも2点を失い6回途中で降板。3失点ならまだ試合を作れる範囲内と言えなくも無いのですが、その頃には若い南アフリカ打線はとっくにCAMPOS MACHADOの手玉に取られ、なす術が無い状態でした。 といっても今大会どうも今ひとつ覇気が無いメキシコ代表も、先日ライバルカナダがコールド勝ちした相手に対し攻めあぐねる様子を見せます。南アフリカのように、出したバットを止められなかったり、計算できない冒険をしてしまったり、同じ攻めにつられてしまったりといった甘さが無いこと、すなわち経験や実力の差で押してはいるのですが、今まで蹴散らしてきた相手に起爆となるきっかけをつかめないでいました。メキシカンリーグから有数の選手を集めてきたはずなのですが、本国で見せる爆発力のあるプレーが見せられなかったメキシコ。おのずと試合展開は閉塞感漂うものになり、じりじりと削られていく南アフリカを見届けるといった表現がぴったりだったんじゃないでしょうか。実はこの試合僕は記者席近く、フィラデルフィア・フィリーズの極東スカウトの近くに座っていたのですが、彼も含めて観客は皆なんとも煮え切らない表情。それどころかこの試合と同時刻、第二会場である斗六球場では台湾対オーストラリア戦がやっており、オッサン達は会場に設置されていたテレビに群がりまくり、フィリーズのスカウトまでもテレビ見てたし、球場より通路のほうが盛り上がってるという摩訶不思議な空気はちょっと文章にしがたいものがありました。 そういやこのフィリーズ極東スカウトが試合中ずっとそわそわしていたので理由を聞いたのですが、どうも彼はオーストラリアの人なんだそうで、裏でボコボコにされていた自国の事をずっと嘆いていたんだとか。ここぞとばかりにオーストラリア代表に選出されなかった阪神のウィリアムスやオクスプリングの事を聞いてみたのですが、「僕はこのチームの事は何にも知らないんだ、ただこの30人はベストな30人のはずだよ」とうまくかわされてしまいました。しかしよく考えるとわざわざベストなと断ったという事はこいつらがベストじゃないと僕が考えていたと即座に判断できたという事ですし…、そもそも僕は彼等について知っているかと聞いただけでここにいない理由なんて…みたいな勘繰りによる適当な疑惑だけでこのブログは支えられています。まぁとは言っても、台湾戦視察に来ていた星野監督ご一行を「誰だっけ星野さんって」と首をかしげていたので、もしかしたら本当に知らなかっただけなのかもしれません、大丈夫か極東スカウト。 試合はその後もCAMPOS MACHADOがまさに打者を翻弄する投球を続け、8回を終わってなんと2安打の18三振と言う圧巻なピッチングでメキシコ勝利。一方の南アフリカは無四球でバットに当てることもままならずと完全に勢いが空振りし、若さを露呈する良い例となってしまいました。メキシコは今大会、初戦でカナダにやられてから調子が出ないようですが、やはり面白い野球をする面白い存在です。大物を食い小物に隙を与えるその戦いっぷりは、国際戦においていつも波乱を巻き起こす中心にいることからも明らかでしょう、徐々に他国も追い上げてはきていますがやっぱりメキシコは欠かせない、という事を改めて実感したようなゲームでした。歴史の積み重ねのある国は、やっぱり強さが底知れないです。![]()
posted by shoeless |23:28 |
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