すき間ベイスターズ

ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(7) 黒幕なき球団赤字

このエントリーをはてなブックマークに追加

近年赤字体質と言われる(株)中日ドラゴンズと、そこから使用料を受け取る(株)ナゴヤドーム。両者の各年度の損益を示す。

中日ドラゴンズは1997年のドーム開業後、2001年までは大幅な黒字だった。この時期は活発にFA選手を獲得している。

1994 金村 義明 1998 武田 一浩 2000 川崎 憲次郎 2001 谷繁 元信 2007 和田 一浩

また、2003年11月にはナゴヤ球場敷地に新選手寮・室内練習場を完成させており、資金面の充実を伺わせる。

しかし、2002年に申告所得を11億円も減らし、以降はおおむね赤字である。なお申告所得は税引き前利益とほぼ同義である。

球団が赤字でも親会社が補てんするし、節税にもなるから問題ないはずという見方もある。しかし、それを否定するのが愛知県による資料である。

それによれば、(株)中日ドラゴンズは2006年から2011年の間に純資産を17億から2億まで減らしている。つまり、この間、球団単体で累積赤字である。中日グループが積極的に節税しているようには見えない。一切補てんしていないとは言わないが、少なくとも赤字をカバーし切れていない。

中日グループに余裕があればこのような決算にはしないだろう。中日新聞社の営業利益はたった43.6億円(2015年3月期)であり、ドラゴンズの赤字が年10億、20億と拡大したらかなりの重荷だ。中日新聞社にとって少々の赤字なら新聞の販促費だが、大幅な赤字は本末転倒である。

昭和の時代の国税庁通達を過剰に解釈して、プロ野球の球団の赤字は節税のため当然だという見方があるが、それはよほど余裕のあるオーナーに限った話である。節税で手元のお金は増えない。余裕がない会社は節約や投資が優先である。

親会社も余裕がない、球団も赤字と来ると、いよいよドラゴンズファンの鬱積はナゴヤドームに向かうわけである。何やら異様に高額な球場使用料を払っているらしいと。実際、ナゴヤドームはドラゴンズが赤字に転落した後もおおむね黒字を続けている。

確かに単純に両者を足せば赤字は減る。しかし、「ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(4) 阪神より横浜に近い一体度」で示したように、(株)ナゴヤドームは、中日グループ外の株主が多くを占める関連会社に過ぎない。納税の観点からは別会社であり、恣意的な利益の付け替えは難しく、現状ではそれもままならない。例え何らかの方法で一体化したとしても、10億を超える赤字は吸収しきれない。

また、「ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(5) 使用料40億円説の真偽」で述べた通り、近年の使用料は8億~17億円と推定され、他のドーム球場と比較して法外とまでは言えない。球団赤字を一掃するほどの値下げ余地があるとは思えない。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営
タグ:
中日新聞社
ナゴヤドーム

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(7) 黒幕なき球団赤字

すっとこどっこい様、いつもコメントありがとうございます。

球団自体の収支の分析は確かに重要なテーマですが、私の手には負えないというのが正直なところです。知る限りでは、ダイエー、楽天の多少詳しい数字が世に出ている程度で、中日は最難関というくらい数字を見かけないです。今後、混乱が続くとメディアも数字に目を向けるのかも知れません。そのテーマはいずれ機会を得た時にということで、今回はご容赦ください。





ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(7) 黒幕なき球団赤字

先ずは、推定にせよ、確定資料に基づくにせよ、球団収支明細表を作成し、不要支出の有無、あり得べき収入を見出し、経営健全化とチーム力強化になすべきが何かを検証することではないでしょうか?

球団事務経費として処理されている親会社派遣者の人件費負担を何れが行っているのか、どちらが負担すべきものか、事務処理要員数は適切か、球場使用料圧縮策は無いのか、ネーミングライツ売却を含め球団収入増を図る手段は無いのか等々検討して行けば、自ずと答は出るような気がします。
その中に球団の外部売却という選択肢があるか、否かは、それら検討の結果次第でしょうか?

こんな記事も読みたい

9/18対日本ハム戦(札幌ドーム)&マリンで見れるぞ!【千葉県旭市生まれのロッテ好き。】

ロペス一人にやられた試合。 広島 3-6x 横浜【二つの歓喜をもう一度!】

カープのタイトル争い【プロ野球好きのカープファンが思うこと】

神宮で小笠原の勝利~!【中日の優勝を俺は見たい・・・・】

小笠原慎之介殿!未来のドラゴンズを託すぞ!【春夏秋冬ドラ応援】

なぜまたもビデオ判定の末に誤審が起きたのか【プロ野球の魅力を語る】

* 落合サン、GM辞めたら3軍監督じゃなく、12球団巡回打撃コーチをやっておくれよ(笑)【ブラッサム・ウェイダーの戯言。】

落合GM進退は“本人次第”と雑感【いろいろ所持雑感】

ブロガープロフィール

profile-iconshinrin

最古の記憶は、高木豊がライトファールフライでタッチアップした3走をホームで刺したプレイ。長崎の打撃成績を確認するために新聞を読むようになった典型的な横浜大洋世代。90年代は主に草薙球場で郭源治、アライバ、福留、岩瀬を擁する中日との苦戦に耐えていたが、進藤・谷繁・佐伯の3連弾に立ち会えた。

ブログ移転先:http://skimabaystars.blog.jp/
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:614381

(01月16日現在)

関連サイト:twitter @skimabaystars

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(1) 意外な資本構成
  2. 広島東洋カープの配当推移
  3. 池田ベイスターズ社長、初めてファンクラブ会員数を明かす
  4. ハマスタ2017年1月期決算、まさかの営業減益
  5. ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(7) 黒幕なき球団赤字
  6. ナゴヤドームと中日ドラゴンズの微妙な一体経営(5) 使用料40億円説の真偽
  7. DeNA包囲網を突破せよ
  8. 絶後にしてほしい大行列
  9. ファイターズの札幌ドーム修繕費年5億円負担というデマ
  10. 筒香のドミニカでのインタビュー

月別アーカイブ

2017
12
09
07
05
03
2016
12
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2015
12
11
10
06
05

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2018年01月16日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss