2008年04月15日

K-1 WORLD MAX 2008 FINAL16 感想

放送から一週間ほど時間が経ってしまっていますが、私生活優先のためです。
ご了承下さい。

世界一決定トーナメント FINAL16
○ ドラゴ VS GORI ●
地上波放送なし。
謎の選手、GORI の正体は結局わからずじまい。謎の宇宙猿人ゴリというオチなのか。

世界一決定トーナメント FINAL16
● イム・チビン VS 城戸 康裕 ○
韓国予選を勝ち抜いた実力者チビンと、日本予選を勝ち抜いた城戸の一戦。
日韓対決はどちらが制するか。

相変わらず鋭く重いキックを繰り出す城戸。
体もチビンより一回り大きく、
チビンの苦戦は必至だろう…と思っていたところに、ヒザ蹴り一閃!
よもや、あの間合い、あのタイミングでヒザ蹴りが飛んで来ようとは…。
しかも、チビンのアゴを直撃しています。
チビンも何とか立ち上がろうとしますが、膝から崩れ落ちてしまい、レフェリーストップ。

ラッキーと言えないこともないかもしれませんが、
兎にも角にも城戸がベスト8進出を果たしました。

世界一決定トーナメント FINAL16
● サロ“ザ・シシリアンドン”ブレスティ VS ウォーレン・スティーブルマンズ ○
地上波放送なし。
どちらも聞いたことのない名前の選手。
ウォーレンの方は、ヨーロッパ予選を勝ち抜いてきた選手だそうですが…。

世界一決定トーナメント FINAL16
○ アンディ・サワー VS マイク・ザンビディス ●
実力者同士の潰しあいとなる試合、その1。
総合的にはサワー優位ですが、
序盤でザンビディスがペースをつかむことができれば、チャンスはあるかも。

ザンビディスの方もそれは承知の上らしく、積極的に踏み込んでパンチを放っていきます。
一方のサワーはキッチリとそれをガードし、地味にローを返していくという形で対処。
2Rになるとザンビディスのパンチのタイミングがつかめてきたのか、
サワーがローで先手を取ったり、
ザンビディスのパンチにあわせてのローを当てる場面が目立ち始めます。
加えて、サワーの左ミドルとレバーブローが効果的に入るようになり、
徐々に試合はサワーペースに。
ザンビディスの方もレバーブローを叩き込んでいるのですが、
なかなかサワーのガードを崩せません。
3Rになると、ザンビディスがさらに攻撃的に。
近距離でのボディーブローをガンガン叩き込んでいきます。
サワーは首相撲でこれを凌ぎますが、
守勢に回った印象は否めず、ドロー判定で延長へ。
延長ラウンドでは、サワーはローとミドルを、
ザンビディスはボディーブローを打ち合う展開に。
顔面へ一発いいパンチを入れたことや、手数の面からサワーが若干優勢に立ちます。
そしてラウンド残り1分というところで、この日初めて出したサワーの左ハイが炸裂!

延長ラウンドまでもつれ込んだ接戦でしたが、
最後はサワーが王者の貫禄を見せつけてのKO勝ちを収めました。

K-1 WORLD YOUTH 2008 特別試合
○ HIROYA VS 藤 鬥嘩裟 ●
大晦日からの因縁となる、次代を担う選手同士の一戦。
試合前から何かと舌戦を繰り広げているようですが、
まぁそれもプロの仕事の内でしょうか。
…ところで、大晦日にHIROYAに勝った雄大はどこへ消えたのでしょう。
まさか、そのせいで干されたとか?

地上波での放送順は、この後に行われた 佐藤 VS ディレッキー 戦の次でした。
しかし煽りVTR中に、何故か中継としてHIROYAの入場シーンが…。
編集が間に合わなかったのでしょうか。
それはさておき試合内容。
1Rを見たところでは、パワー(体格)ではHIROYA、
技術では藤がそれぞれ相手に勝っているという印象。
2Rは、藤が細かい攻撃を(効いているかどうかは別として)当てているのに対し、
HIROYAは大振りのパンチを空振ってしまっているというイメージが強く、
HIROYAがやや不利な展開か。
しかし3R、HIROYAはパワー差を生かし、左ミドルとレバーブローで強行突破。
こうしたHIROYAの『本気』の攻撃をボディーに受けた藤は、
ダウンこそしないものの、一気に動きが低下します。
勝負はそのまま判定となり、HIROYAが3-0で勝利。先輩の面目を保ってみせた形に。

世界一決定トーナメント FINAL16
○ 佐藤 嘉洋 VS ムラット・ディレッキー ●
ディレッキーはクラウスをKOしたこともある、トリッキーでパワーのあるファイターです。
良くも悪くも安定感抜群の佐藤ですが、一発をもらうようなことがあれば、
ひょっとしたら、ひょっとするかも…?

煽りVTRと平行して、佐藤の入場する様子が生中継されています。頑張れ佐藤。
しかし1R、佐藤は案外苦戦。
ディレッキーのパンチの間合いが見た目以上に長く、
佐藤からすれば下手にローを打つとカウンターの危機に晒され、
カウンターでのテンカオも狙い辛いため、
得意な間合いである中距離を維持できないという状態。
それでも2R、佐藤は逆に距離を自ら詰め、
密着状態からのヒザと、離れ際のローで攻めることでこの状況を打開。
そして2R終盤以降からは、完全に『いつもの佐藤の試合』に。
結果も3-0で、佐藤の判定勝ちとなりました。

世界一決定トーナメント FINAL16
○ アルトゥール・キシェンコ VS ジョーダン・タイ ●
ダイジェスト放送。
キシェンコは2Rにダウンを奪われたものの、
その後に盛り返し、逆転判定勝ちを収めたようです。
細かい試合内容が全くわからないので何とも言えませんけど、
相手のタイ選手は相当打たれ強いみたいですね。

世界一決定トーナメント FINAL16
○ ブアカーオ・ポー.プラムック VS アルバート・クラウス ●
実力者同士の潰しあいとなる試合、その2。
他の選手達も粒が揃っていて、
その上でこの組み合わせになったのならまだ理解できるのですが、
無名の選手同士を組ませた試合がある一方で、
このマッチメークをする意味がわかりません。
次戦以降を見越した、魔裟斗のライバル潰しでも画策しているのでしょうか。

まずは両者とも静かな立ち上がり。互いに手の内を探りあっているのでしょう。
そんな中、先に攻め手を出していったのはブアカーオ。
左ミドルをガードの上からガンガン叩き込み、クラウスの右腕を潰しにかかります。
2Rも引き続きミドルを打ち込むブアカーオですが、クラウスも負けじとパンチで反撃。
手数と印象では確実にブアカーオの方が上ですが、
有効打数ではクラウスが上回っているかも。
3Rもほぼ同様の展開。
クラウスの右腕には確実にダメージが蓄積されているはずなのですが、
そんな様子はあまり見せません。
こうして3Rが終了。判定はドローとなり、試合は延長ラウンドへ。
最初に見た時は、
両者の内で(あくまで比較的に)魔裟斗と相性の良いクラウスを勝ち残らせたいのか…?
とも思いましたが、今思うと微妙なところかもしれません。
(マストシステムならブアカーオだとは思いますけど)
延長ラウンドもほぼ同じ展開が続きますが、クラウスの手数が増した分、
ややクラウスが優勢と言えるかも。
ところが判定では、3-0でブアカーオに軍配が上がりました。

この判定については、疑惑判定というよりもむしろ、
判定基準について疑問符がつくものだと思います。
延長ラウンドの内容でブアカーオの勝利とするなら、
本戦の時点でブアカーオ勝利とするべきです。
それまでの3Rと延長ラウンドの内容が大差ないものだったとみなせば、
一応の説明はつきますけど…。
今回はワンマッチだったこともあり、それほど尾を引くことにはならないと思いますが、
これがもしトーナメントで起こったことだったならば、その意味は大きく異なってきます。
特に、次戦で魔裟斗と対戦する選手を決める試合で同じような事態が発生すれば、
『魔裟斗のための(対戦相手のスタミナ消耗を意図した)延長判定』
という非難は免れないでしょう。
こういう形で興が削がれることを防ぐためにも、
運営側には判定基準を明確に示して欲しいと思います。

世界一決定トーナメント FINAL16
○ 魔裟斗 VS ヴァージル・カラコダ ●
実力者同士の潰しあいとなる試合、その3…と言いたいところなのですが、
カラコダは最近、若干落ち目。
未知の強豪という訳でもなく、ある程度戦い方も割れているので、
魔裟斗にとっては比較的安全牌の選手かも。

1Rから魔裟斗の猛攻というよりもむしろ、カラコダの消極性の方が目に付く試合展開。
攻め所であるはずのパンチの間合いで何故か亀になり、
必死にガードを固めるという場面が目立つカラコダ。
全く手を出していないという訳ではないのですが、狙いの見えない単発の攻撃ばかり。
魔裟斗相手に、1Rから一発KOのみを狙ってこうしているとしたら、
あまりにも頭の悪すぎる作戦ですし…。
人間サンドバックさながらのその姿からは、魔裟斗の猛攻に手も足も出ないというよりも、
まるで手も足も出してはいけないのではないか?という印象を受けてしまいます。
2Rになると、魔裟斗の猛攻がさらに加速。
キックではローとミドル、
パンチでは顔面とボディーへの打ち分けで、一方的に攻め立てます。
一方のカラコダは、申し訳程度にボディーやローも打ってはいるものの、
相変わらずの顔面パンチ一辺倒。
いくら(マイナー団体とはいえ一応は)ボクシング王者のパンチでも、
顔面にしか来ないとわかっていれば、大概の格闘家は対処できますよ。
打撃系の選手なら尚更そうでしょう。
そして3R開始直後、とうとう魔裟斗が『パンチでボクサーを』KO。
磐石の勝利を収めました。

これまでに書いたように、どうもこの試合からは『アレ』な雰囲気が感じられます。
勿論、両者の実力差や相性の関係で
こういう試合になったという可能性も十分にありますけど…。
私は魔裟斗の試合にケチをつけたい訳ではありませんし、
いわゆる『アンチ魔裟斗』でもありません。
しかし、だからこそ、こういう疑念を抱かせるような試合はしてもらいたくないんですよ。
単純にカラコダが不甲斐なかっただけなのかもしれませんが、
そうだとしても、あまりにもお粗末な試合の運び方だったと思います。
それこそ、不自然さを感じさせるほどに。 

posted by 臣桜花 |07:11 | K-1 | コメント(17) | トラックバック(0)
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2008年03月25日

DREAM.1 感想

興行当日から結構な日数が経ってしまいましたが、折角書いたものなので投稿します。
できれば、同じ旗揚げ興行同士の比較として
戦極の方の感想も書きたかったのですが…。
コメント欄での意見があったら考えてみたいと思います。

○ ミノワマン VS イ・グァンボム ●
試合前日に発表された『超人』ミノワマンの相手は、韓国の元プロ野球選手。
どう考えても苦し紛れのマッチメークで、試合内容もお粗末。
ミノワマンが悪い訳ではないんですけどね…。

○ 桜井“マッハ”速人 VS 門馬 秀貴 ●
マッハは言わずと知れたウェルター級の実力者。
対する門馬は以前、HERO'Sミドル級(70kgリミット)のトーナメントに
無理な減量をして出場し、カルバンにTKO負けを喫してしまっていますが、
本来の体重での実力は果たしてどの程度なのか。

門馬はスタンドでの打撃戦が苦手らしく、
打撃で攻めてくるマッハに対して手も足も出ない状態。
寝技に引き込まなければ勝機をつかめない門馬ですが、
最後までそれができないままに打撃で倒され、
パウンドの嵐を浴びてのTKOを喫してしまいました。

この試合はマッハが実力差を見せつけ、
PRIDEの誇りを示した試合だったという気がします。

ライト級グランプリ1回戦
● 朴 光哲 VS ヨアキム・ハンセン ○
煽りVTRでは『KID一門のNo.2』としてやけに持ち上げられている朴ですが、
打撃ではダウンさせられ、何度も投げられ、
グラウンドでも支配されと、ほぼ一方的にやられる展開。
「ハンセンはスタンド勝負から逃げている」などと言って朴を庇う解説が、
色んな意味で苦しい。

最後はハンセンが3-0で判定勝ち。
ちょっと実力差があり過ぎたのでは?というのが率直な感想です。

ライト級グランプリ1回戦
● 宮田 和幸 VS ルイス・ブスカペ ○
ダイジェスト放送。宮田は一本負けで、またしても結果を残せませんでした。

ライト級グランプリ1回戦
○ 永田 克彦 VS アルトゥール・ウマハノフ ●
ダイジェスト放送。決して上手いとは言えないパウンドで永田が判定勝利。

ライト級グランプリ1回戦
○ 石田 光洋 VS チョン・ブギョン ●
ダイジェスト放送。いつものように塩漬けにして勝った模様。

○ ミルコ・クロコップ VS 水野 竜也 ●
ミルコの対戦相手が決まらなかったため、急遽駆り出されてしまった水野。
田村の弟子で、日本人重量級のホープという話ですけど、かなり可哀想な気が…。
余談になりますが、一時、対戦相手として中尾の名前も挙がっていたらしいです。
しかし、何やら裏の、できる限り関わりたくない世界の事情で流れたらしいという情報が。
実際、こういった興行には多かれ少なかれ
そっちの世界も関わっているものだとは思うんですけど、
でき得る限りは表に出して欲しくないですよね。
戦うのはリングの上だけにして欲しいものです。

それはさておき、試合内容。
まず最初に気になったのは、ミルコの体がちょっとタプついていること。
ガチガチに絞り込むことが常にベストという訳ではないんですけど、
無差別級GPで優勝した時のように、
好調時のミルコは絞り込まれていることが多いですし。
しかしそれでも、両者の実力差は開き過ぎていました。
ミルコが容易に組み付かれているという印象こそ受けるものの、
結局は打撃でアッサリKO。

ミルコについては、連敗を断ち切れたという点ではとりあえず一安心。
しかし次はもうちょっと実力のある選手と戦ってもらわないと、何とも言えませんね。

ライト級グランプリ1回戦
● アンドレ・ジダ VS エディ・アルバレス ○
積極的に攻めていて、手数が多いのはアルバレスの方なのですが、
一発一発の威力はジダの方が重く、
アルバレスの方に絶対的な優位性があるとは言い切れません。
しかしいかに軽いパンチとはいえ、
一方的に浴び続ければ確実にダメージを受ける訳で…。
グラウンドに持ち込まれてからパウンドを浴び続けたジダは、
1R残り3分強というところで無念のTKO。

HERO'Sではカルバン以外には負け知らずのジダでしたが、
思わぬ伏兵にやられてしまいました。
それにしても、ジダってグラウンドで下になったときの防御が
あそこまで下手でしたっけ…?

ライト級グランプリ1回戦
○ 川尻 達也 VS ブラックマンバ ●
PRIDEライト級日本人選手としてはトップクラスの実力者である川尻と、
HERO'S外国人選手の中では知名度の高いブラックマンバを戦わせるという、
わかり易い構図のカード。

徹底してグラウンドに持ち込もうとする川尻ですが、
なかなか倒せない上に、倒しても攻めきれません。
もちろん、ブラックマンバの上手さと力の強さもその要因の一つなのですが、
川尻の試合を見たことがあるだけに、
「川尻何やってんだ!」という印象の方を強く受けてしまいます。
2Rもほぼ同様の展開のまま、勝負は判定へ。
決定打を与えることはできなかったものの、有利なポジションをキープし続け、
極めかける場面を何度も作ったことが評価されたらしく、
3-0で川尻が判定勝利を収めました。

しかし結果そのものよりも、川尻の不完全燃焼という印象の方が強く残った試合でした。
あと、ブラックマンバが判定に文句を言っているそうですけど、
もっとスタンドでもっと自分から攻めることができていれば、
その抗議にも説得力があったんじゃないかな?と思います。

ライト級グランプリ1回戦
△ 青木 真也 VS J.Z.カルバン △ (ノーコンテスト)
跳関十段の異名をとるPRIDE戦士青木と、
HERO'Sミドル級(現在でいうライト級)王者カルバンの一戦。
これまた非常にわかり易い、
PRIDE VS HERO'S の構図。お互いに負けられない試合です。

黄金のスパッツから、
カラフルスパッツに替えてきた青木。気迫の表れ…ではないですね、多分。
慎重に打撃で攻め、決して深追いしないカルバン。
なかなか自分から仕掛けられない青木がようやく足タックルを仕掛け、
ロープ際に押し付けた直後、カルバンのヒジによる攻撃が、
青木の背中から首の後ろといった辺りに当たってしまいました。
偶発的なものとはいえ、
反則に当たるということでレフェリーがここで一旦試合を止めます。
チェックの結果、これにより青木は神経にダメージを負ってしまったとのことで、
ドクターストップに。
仕方のないこととはいえ、大晦日からの因縁のこともあり、
非常に残念な結果となってしまいました。



全体的な印象として残ったのは、
川尻の試合に代表されるような『不完全燃焼感』でした。
実力差が大きすぎるマッチメークがあったかと思えば、
期待できるカードでも両選手の試合運びが上手く噛みあわなかったり、
アクシデントに見舞われてしまったりと、
色々と不運が重なってしまった結果、こうなってしまったような気がします。

トーナメントの方も選手が絞り込まれ、
2回目以降に期待…といきたいところなのですけど、
次回からの地上波は深夜枠だそうで。何だか先行き不安です。

posted by 臣桜花 |11:41 | DREAM | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年02月01日

やれんのか!2試合感想

UFCに吸収されてしまったPRIDEにとって、(戦極はとりあえずおいといて)
その流れを汲む興行としては最後になるであろう大会です。
PRIDEのお通夜だとか、
参戦選手のことを『参列選手』などと皮肉る人もいますが、そんな人は気にしない。

他の試合もネットを介して一応目にはしているのですが、
ここでは地上波放送された2試合についてのみ感想を書きたいと思います。
また、三崎・秋山戦に関してのコメントについてですが、
コメント欄での来訪者同士の討論はご遠慮下さい。

○ 三崎 和雄 VS 秋山 成勲 ●(後にノーコンテストに)
PRIDEウェルター級王者 VS 格闘技界一の嫌われ者 という構図の一戦。
個人的に秋山は大嫌いなので、三崎には何としても勝って欲しいところ。

入場時から物凄いブーイングを浴びる秋山。
ちょっと酷い気もしますが、自業自得でしょう。
昨年の『ヌルヌル事件』が故意ではないと思っている格闘技ファンは
皆無と言ってもいいですし、
結局最後まで(裏には色々と複雑な事情があるのでしょうけど)
過失として押し通してしまいましたから。

それはさておき、試合内容について。
まず序盤(というか、試合を通じて)は打撃戦。
圧力をかけているのは秋山の方ですが、
ローを中心とした有効打を数多く叩き込んでいるのは三崎の方。
秋山は保険のない状態で至近距離になるのを恐れているのか、
パンチの踏み込みが浅い。
ところが1R6分を過ぎた辺りで、ローからのワンツーが三崎を直撃!
三崎は明らかにダメージのある様相でダウン。
もしこれがHERO'Sだったならば、(色んな意味で)止められていたでしょう。
しかし三崎はキッチリとガードポジションを取って体勢を立て直し、致命傷を許しません。
下になりながらも秋山の動きをほぼ完全に封じ、回復を待つ三崎。
逆に秋山は上になりながらも、
これ以上グラウンドで勝負するのは不利と判断したのか、自らスタンドへ。
こうして勝負は再び打撃戦に。パウンドの打ち疲れか、秋山の動きが若干鈍っています。
そして1R終了まで2分を切った頃、今度は逆に三崎の左フックが秋山を直撃!
倒れ方を見た印象では先ほどの三崎ほどのダメージはなさそうだったのですが、
その後が悪かった。
余程グラウンドに持ち込まれたくなかったのか、
ガードポジションも取らず、
あろうことか四つんばいという無防備な姿勢で立ち上がろうとしてしまいます。
当然、まともな総合格闘家であれば
こんな隙だらけの状態の相手を見逃すはずもなく、三崎はキックで追撃。
このキックが入った時点でゴングが鳴り、
三崎が格闘技ファンの溜飲を下げる、見事なKO勝利を収めました。

ところが後日、秋山側が
『スタンディング・ポジション状態の選手による
 グラウンド・ポジション状態の選手への顔面・頭部へのキック・踏みつけは禁止とする。』
というルール条項に関して、最後のキックは反則事項に当たるのではないかと抗議。
PRIDE関係者側からは当初、
反則ではない(あるいはグレー)という意見が数多く見られたものの、
しばらくの沈黙の後、
1/22に突如としてノーコンテスト裁定にするという発表がなされました。
この文章を見る限り、
政治的判断の元に『結果ありきのこじつけ』がなされたとしか思えません。
確かに、厳密にこのルールに照らせばあのキックは反則に当たるかもしれません。
しかし、今まで行われてきた総合格闘技の試合内容を考えれば、
そもそもあの秋山の立ち上がり方そのものが、
ルールの想定外であったのではないかと思います。
ですからこの抗議そのものには、ルールの不備を指摘し、
今後に反映させるという意味で、それなりの価値があったとは思うんですよ。
ただ、それによって『誰の目にも明らかであった三崎の勝利』が消されてしまったことと、
それが『秋山を勝たせたい(負けさせたくない)』というFEGの意向に沿うものであること、
そして上記の文章における説明の不十分さが、
この問題を空虚感のあるものにしている要因でしょう。

…もっとも、興行側が何と言おうが、私の中ではあの試合の勝者は三崎ですけどね。

○ エメリヤーエンコ・ヒョードル VS チェ・ホンマン ●
総合世界最強に、K-1の大巨人が挑むという何とも大晦日らしいカード。 
当初はこれがメインカードの予定だったのですが、
地上波放送の都合で急遽第6試合になりました。

当然といえば当然ですが、ヒョードルは打撃戦を避け、迷わず組み付きに行きます。
しかし、ホンマンは流石シルムの天下壮士だけあって腰が重い。
逆にヒョードルを浴びせ倒し、上を取ります。
それでも下から極められるのがヒョードル。
ガードポジションから流れるように腕ひしぎの形へ。
ホンマンは強引な形(幸運?)でこれを何とか凌ぎ、スタンドへ戻します。
ところが打撃から再びヒョードルに組み付かれると、再び同じような展開に。
お前さっきそこで極められかけただろ!と思っていたら、
今度は本当に極められてしまいました。

ヒョードルから上を取るだけでも凄いとは思うのですが…。
ホンマンはちょっと不注意に過ぎたと思います。

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posted by 臣桜花 |22:44 | PRIDE系列 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年01月27日

Dynamite!!感想

年明けには時間がなく、感想を書くことができなかったために
今更感がありますが、折角書いたものなので感想なので投稿します。

なお、やれんのか!の方に関しても触れたいとは思っているのですが、
それをやると(秋山関連で)確実に荒れるので、今回は扱いません。
コメント欄でもこの件については触れないようにお願いします。



ここより感想

Dynamite!!の中で地上波放送される、やれんのか!の2試合
(三崎・秋山戦、ヒョードル・ホンマン戦)が
いかにもDynamite!!で行われる試合であるかのように
紹介されているのにはちょっと頂けないものがありますけど、
今日は大晦日。細かいことを突っつくのはやめにして、気にせず楽しむことにします。

オープニングファイト K-1ルール
○ 立川 隆史 VS 井上 由久 ●
本来なら地上波では放送されないような試合。
放送時間の尺合わせのために放送されたのでしょう。

体格はそこそこある井上選手ですが、
空手選手とのことで、どう見ても顔面へのパンチに慣れていません。
単純に、キックの練習をしている選手としていない選手を戦わせただけ、
という試合でした。

K-1甲子園U-18日本一決定トーナメント1回戦
○ HIROYA VS 藤 鬥嘩裟 才賀 紀左衛門 ●
当初出場予定だった 藤 鬥嘩裟 選手が中学生という理由で欠場を余儀なくされたため、
リザーバーとして出場予定だった才賀 紀左衛門 選手が繰り上げ出場。
…あまり関係ない話ですが、HIROYAよりも紀左衛門の方がハンサムですよね。

開始早々、バックスピンハイキックやジャンピングハイ、
胴回し回転蹴りなどを繰り出す紀左衛門。
対するHIROYAは…故意ではないと思うんですが、金的で反撃(?)をしてしまいます。
その後はHIROYA有利の試合展開。
紀左衛門は技の一発一発こそ派手なのですが、印象の割には効果が薄い。
逆にHIROYAの方は大技こそ出しませんが、
綺麗にまとめられた攻撃で確実にダメージを与えていきます。
ラウンドが進むにつれ、HIROYAの前蹴りやローによるダメージに加え、
大技を何度も出したことによるスタミナのロスもあるらしく、
紀左衛門の動きが目に見えて低下していきます。
それでも3Rまで戦い抜いた紀左衛門でしたが、
結果はやはりHIROYAの判定勝利。

紀左衛門の回転技は見ていて面白いとは思うのですが、それだけではこの先ちょっと…。
一発の攻撃に頼るのではなく、
それを生かすための基本的な技術を身に着ける必要があると感じました。

K-1甲子園U-18日本一決定トーナメント1回戦
● 久保 賢司 VS 雄大 ○
魔裟斗と関係が深いこともあってHIROYAばかりが注目を集めていますが、
実はこの雄大という選手もHIROYAに負けない程、
キックボクシングに人生を賭けています。
武田幸三に憧れてキックの道に入り、『リトル超合筋』という異名まで持っているとか。

序盤こそ動きの硬い両者ですが、1R中盤辺りには共にエンジンがかかってきます。
手数は久保の方が若干多いのですが、
パンチの技術は雄大の方が上手く、有効打数では雄大がリード。
テレビ放送では2Rがカット。
まぁ…率直に言ってしまうとHIROYAのための企画なので、仕方ないのかも。
3R、久保はパンチでは不利と感じたのか、蹴り中心の攻め方に変えてきます。
これに対し雄大は、カウンター気味の前蹴りを叩き込んで対抗。
地味ですが、これは確実に効くでしょう。

そして勝負は判定へ。
3Rにおいて雄大の前蹴りが効果的に入っており、
またその内の何発かは顔面を捕らえていることが決め手になったらしく、
雄大が勝利を収めました。

HERO’Sルール 
● 宮田 和幸 VS ヨアキム・ハンセン ○
オープニングファイトと同様、放送時間の尺合わせのために放送。
総合の試合としてはそれなりに注目する価値のある試合だと思うのですが、
この優先順位の低さは何故?

両者共にとても総合らしい、いい動きを見せてくれます。
タックルによる組み付きからの投げで宮田が上を取りますが、
下になったハンセンも上手い。
宮田のパウンドが効いてくるのが先か、
ハンセンが下から一本を極めるのが先か…と思っていたのですけど、
この攻防が膠着状態とみなされたらしく、スタンドに戻されます。
これはちょっと早過ぎる気が…。
ラウンド終わり際にはハンセンのパンチで
宮田が腰から崩れ落ちる場面が生まれますが、直後にゴング。
宮田はゴングに救われた形に。
2Rもタックルから上のポジションを奪った宮田でしたが、
下からの蹴りでバランスを崩して倒れたところで上を取られ、
スルスルッとサイド、バックへと移行された挙句、
最後はアッサリと胴締めチョークスリーパーを極められて一本負け。

技量差というよりも、チャンスをキッチリとモノにしたハンセン、
生かせなかった宮田、という印象でした。
この辺りの差が、宮田がイマイチ一皮剥けられない理由なのかもしれません。

HERO’Sルール
○ メルヴィン・マヌーフ VS 西島 洋介 ●
PRIDEで残した惨憺たる戦績を引っ提げて、西島がDynamite!!に参戦。
当初から「PとKを間違えてないか?」と指摘されてきた西島ですが、
今回も総合ルールでの試合となります。

ゴング直後に一気に間合いを詰める西島ですが、間合いの一歩外で突然ストップ。
何故そこで止まる。
そして、パンチを振り回すマヌーフに対してカウンターをとることもできないまま
コーナーに追い詰められる西島。
得意なはずの打撃でも圧され、
グラウンドに持ち込まれると完全に俎上の魚に。最後はパウンドでKO。

「他の格闘技のルールに適応することは確かに難しいが、
 それさえできればボクサーは最強」という
ボクサー最強論の前半部分ばかりを実証してしまっている西島。
個人的には応援しているんですが…。

HERO’Sルール
● ミノワマン VS ズール ○
半ばお約束となっている ミノワマン VS 色物 というカード。
キン肉マンもミノワマンを応援しています。
(わざわざ神谷明氏に演技をしてもらったことにも驚きですが)

前回のミンス戦の敗北から学んだらしく、
正面からぶつかり合うような真似はしないミノワマン。
問題なのは、それによって試合が試合の体をなさなくなったこと。
ズールの周りをミノワマンがひたすらグルグル回る様子は、
ちび(でか?)くろサンボのワンシーンさながら。
これではズールのスタミナ切れを狙おうにも、
マラソンをしているミノワマンの方が先にヘバってしまいます。
頑張って走って(?)いたミノワマンですが、
1R残り1分というところでついに捕まってしまいました。
ミノワマンが一本背負いを決めて場内を沸かせる場面も見られましたが、
基本的にはズールが圧殺。
2Rも似たような展開になり、
レフェリーストップがかかってもおかしくない場面が続きます。
それでも何とかラウンド終了まで凌いだミノワマンでしたが、
3Rにも同様の展開になり、上からパンチを落とされ続けたところでとうとうタオル投入。

無差別級志向の強いミノワマンですけど、
どうも最近はそれが暴走してしまっている感があります。
デカいだけという相手なら何とかなるのですが、
ミノワマン自身に体重差をひっくり返せるほどの技術がないため、
ある程度技術のある相手と戦うと危険な展開に…という試合がここ2試合続いています。
今年はマッチメークの面でも、ちゃんとした試合を見せて欲しいと切に願います。

HERO’Sルール
○ 田村 潔司 VS 所 英男 ●
憧れの人との対決だとか、先輩後輩の対決だとかと煽りVTRでは言われていますが、
そもそも2人の階級が違う(田村の方が一回り大きい)、
という事実が完全に無視されています。
曙のような色物選手ならともかく、この体重での10kg差は相当大きいはずなのに…。
そして試合開始前の睨み合い(もしくは握手)をする場面で、
所が田村に張り手をかまします。
これは(中尾のキス事件とは違う意味で)ヤバい雰囲気です。
プロレス的演出の匂いがプンプンと…。
とはいえ、そういう演出が嫌いな訳ではないんですけどね(むしろ好き)。
ただ、やる場所が違うのではないかと。

この嫌な予感は的中。一応は技の攻防らしきものが窺えますが、
イマイチ緊迫感がない。殺気も感じない。
少なくとも、田村の方には「本気でやって潰してしまうといけない」
という意識があるように思えます。
試合内容も、良い言い方をすればスパーリング、
悪い言い方をすると出来の悪いプロレスにしか見えません。
しかし3Rになると、一転して真剣勝負の様相に。
最後の5分だけはシュート(真剣勝負)と、事前に取り決めでもしていたのでしょうか。
そして真剣勝負となれば、十中八九田村が勝つに決まっています。
結局、順当に田村がアームバーを極めてレフェリーストップ。
所はギリギリまでタップしませんでしたが、
あれもプロレス的演出のつもりだったのでしょうか…。

K-1甲子園U-18日本一決定トーナメント決勝戦
● HIROYA VS 雄大 ○
以前(4年前)にアマチュアで同じカードが組まれており、
その際は雄大が勝利したとのこと。
HIROYAにとってはリベンジマッチとなる一戦です。
それにしても4年前って…2人とも小学生では?

まずはお互いに探りあいから入りますが、そのまま1Rが終了してしまいました。
2Rはカット。武蔵の前例があるだけに、HIROYA劣勢だったのか?と勘ぐってしまいます。
3R開始前、アグレッシブさに欠けるとのことでジャッジから警告。
それでもバチバチ打ち合うという展開にはならず、
慎重な戦い方を変えない両者。でも、ちょっと慎重過ぎる。
そんな中で唯一目に付いたのは、やはり雄大の前蹴り。
HIROYAの顔面を捉えるシーンも見られました。
しかし判定では1-0(雄大に1票)で延長。
微妙といえば微妙ですが、この程度なら贔屓とは言えないでしょう。
2分間のみの延長ラウンドでは、流石に両者とも手数が増します。
手数ではHIROYAで、いいパンチも一発入ったのですが、
やはり雄大の前蹴りが目立ちます。
ラウンド終わり際にはHIROYAがバランスを崩して倒れる場面も。
これはちょっと印象が悪い。
こうして勝負は判定へ。2-1と割れましたが、
順当な判定で雄大が勝利し、優勝となりました。
懸念していたHIROYAへの贔屓判定も発動せず、とりあえずは一安心。

負けたHIROYA選手に関しては、攻撃をまとめるのは上手いのですが、
それを使いこなせていない(使い分けられていない)という印象を受けました。
全体的に目立った攻撃ができなかったのは、
攻撃のパターンがある程度決まってしまっており、読まれやすいからだと思います。
また、勝った雄大選手の方ですが、
前蹴り以外に特に目立ったところがないというのが課題でしょう。
もちろん、パンチやキックが標準以上のレベルであるから
前蹴りが生きてくる訳なんですけど、
前蹴りだけで淡々と相手の体力を削り続ける選手というのは、
いくら強くてもプロとしてはちょっと…。

K-1ルール
○ 武蔵 VS ベルナール・アッカ ●
去年もそうでしたが、大晦日にK-1素人と戦って、武蔵は何がしたいんでしょう???

1R、まず先手を切ったのはアッカ。ガードの上からでもお構いなしに、
総合仕様のパンチを打ち込んでいきます。
数発は武蔵の顔面を捉えていますが、
このパンチではダメージを与えるのは難しいでしょう。
途中から右ミドルなども繰り出し始めますけど、
キレがイマイチ。ダメージはあまり期待できそうにありません。
対する武蔵はカウンターを狙うでもなく、徹底して防御。
たまに「わふっ!」と叫びながらの(相手に届かない謎の)ジャブを出したり、
「はいっ!」と叫びながらのローを出しますが、牽制以上の意味はなさそう。
立ち技初挑戦の選手を相手に、攻めさせてのスタミナ切れを狙っているようです。
プロ意識低すぎ。
しかも1R終盤、スタミナ切れを起こしかけてきた様相を見せるアッカに対して
武蔵は攻撃を仕掛けようとしますが、
意外にカウンターが上手いため、手が出せません。情けなさすぎます。
2Rはどちらも消極的。
スタミナ切れと思しきアッカの方はまだわかりますが、武蔵は何をやってるんだか…。
3R、ようやくアッカが酸欠状態に。
ホーストタイムとは性質がまったく異なる、武蔵タイムの開まりです。
武蔵は突如として人が変わったようにアッカを叩きのめし、
最後には得意のガッツポーズ。お粗末。

K-1ルール
○ ニコラス・ペタス VS キム・ヨンヒョン ●
正直に言って、巨人系選手はもう要らないと思うのですが…。しかも、また韓国系。
ホンマンのように理不尽な厚遇を受ける巨人選手がもう1人…?
と思うと、なんだかめまいがしてきそうです。

巨体を利して攻めるヨンヒョンですが、
K-1参戦2戦目でペタスが相手というのは流石に分が悪かった。
コツコツとローを効かされ1Rにダウンを喫した上、
2Rには顔面へのパンチで立ったままKO。ペタス強し。

K-1ルール
○ 魔裟斗 VS チェ・ヨンス ●
ヨンスはボクシング出身の選手なのですが、
K-1参戦以降から確実に白星を積み上げており、
去年や一昨年のような単なる噛ませ犬ではありません。

ヨンスは魔裟斗に比べて一回り体の厚みが薄いものの、動きは悪くありません。
完璧にとまでは言えませんが、かなりK-1ルールに適応できているという印象です。
一方の魔裟斗はパンチ勝負をすると宣言しておきながら、攻撃の本命は全て蹴り。
ハイ(ミドル?)キックでダウンを奪い、ダメージがあると見るや、徹底してキック攻め。
2Rにはキックを中心に、パンチを織り交ぜるという形で攻め立てます。
パンチ勝負宣言を完全に無視した形(もっとも、去年も一昨年もそうでしたけど…)で
試合を進める魔裟斗ですが、
3Rにヨンスの足の踏ん張りが利かなくなったと見るや、
一転してパンチを繰り出し始めます。
もちろん、これはキックボクシングの戦い方としては正しいですよ。
確かに正しいんですけど…。
王者の肩書きを持つボクサー相手に、足を殺してからパンチ勝負を挑んで勝つ、
というような試合を毎年のように大晦日興行でしていては、
「ボクシングコンプレックス」と揶揄されても仕方ない気もします。
結局試合の方は、3Rにタオル投入でTKO勝ち。何とも微妙な試合でした。

HERO’Sルール
○ ボブ・サップ VS ボビー・オロゴン ●
サップが堕ちるところまで堕ちたな…と思わずにはいられない一戦。
(曙ほどではありませんが…)
入場時からどことなくやる気のなさを感じさせるサップ。
本当はハッスルの方に出たかったのでしょう。
対するボビーは髪を金色に染めて気合十分。
いつぞやのランデルマンにちょっとだけ似ている気も。

格闘技というよりは、サップとボビーの鬼ごっこを見せられているという印象の試合展開。
鬼役のサップがボビーを捕まえてマウントを取り、
アームロックを狙いますが、極めきれません。
そこでサップはパウンドへと攻め方を変更。
しかしこれもまた、狙って打っているパンチではなく、
子供のケンカのようにただ拳を振り下ろしているだけ…。
それでもボビーが何もできなくなってしまったため、レフェリーストップ。

いくら大晦日とはいえ、
これを『格闘技の試合』として放送すること自体に疑問符のつく試合でした。
もっとも、それを言い出すと
曙の試合はそのほとんどが…という話になってしまうのですけど。

HERO’Sルール
○ 山本“KID”徳郁 VS ハニ・ヤヒーラ ●
ヤヒーラは減量に失敗したそうです。その辺りの悪影響がどの程度出てくるのか…。
ただ、そもそもの契約体重(135ポンド=約61.2kg)が
KIDに合わせて設定されたものなので、
元来の体格や準備期間を考えると、ヤヒーラを責めるのも酷だという気もします。

スタンドで戦いたいKIDと、
グラウンド勝負に持ち込みたいヤヒーラ、というわかり易い試合展開。
1Rのほとんどはスタンドで展開しているにも関わらず、
寝技に引き込まれることを警戒しているのか、KIDの手数がイマイチ少ないような…。
それでもラウンド終盤には打ち合いからKIDのパンチが入り、ヤヒーラがグラつく場面が。
KIDにとっては大チャンスなのですが、
ヤヒーラの反撃に戸惑ったのか、仕留め切れません。
一発で仕留めてしまう印象の強いKIDですが、
裏を返せば、一発で仕留められずに打ち合いになるという展開は
(かなり)不得手なようです。
ヤヒーラもそう感じたのか、2Rには自ら打撃を仕掛けていきます。
しかし、これはマズい。
いくらKIDが打ち合いを苦手としているといっても、付け焼刃の打撃では分が悪い。
最後はパンチによるダメージを蓄積させてしまったヤヒーラがコーナーに追い込まれ、
KIDのパンチラッシュで崩れ落ちたところにサッカーボールキックを2発叩き込まれてKO。
後にこのサッカーボールキックは反則とみなされ、KIDに減点1が科せられました。

個人的には、内容についてこれといった印象が残らなかった試合でした。
KIDファンにとっては面白い試合だったかもしれませんけど、
終始スタンドでの微妙な攻防を見せられてもあまり面白くない…
というのが率直な感想です。

HERO’Sルール
○ 桜庭 和志 VS 船木 誠勝 ●
長く現役を離れていたとは思えない船木の肉体にまず驚き。
体の厚みは桜庭よりも上では?と感じるほどですが、
実戦感覚はどれほど戻っているのか。

まずは探りあいから入る両者。なかなか試合が動きませんが、先に仕掛けたのは船木。
打撃で桜庭をコーナーに追い詰めます。
ここで、桜庭は待ってましたとばかりに足タックル。勝負はグラウンドへ。
グラウンドになっても動きの安定している船木ですが、
一本を狙えるような緊張感のある場面もほとんどなく、
ダメな意味でも安定してしまっています。
結局最後は桜庭が上からアームロックを極めて一本勝ち。
これというアップセットもなく、順当な決着となりました。

船木は今後本格的に現役復帰をするそうですけど、大丈夫なんでしょうか…。

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posted by 臣桜花 |22:10 | Dynamite!! | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年12月09日

K-1 WORLD GP 2007 FINAL 感想

とりあえず、前回の記事で触れた心配事が杞憂に終わって一安心。
少なくともリング外のことで落胆させられることはなく、
純粋にK-1を楽しめる決勝大会となりました。

準々決勝
○ ジェロム・レ・バンナ VS チェ・ホンマン ●
選手の格としてはバンナの方が上とはいえ、
ホンマンが一発で決める可能性も捨て切れません。
一方のホンマンに関しても、モー戦でのKO負けにより、
パンチによってKOすることが決して不可能ではないということが実証されました。
もしかすると、ホンマンのKO負けも有り得るかも???

まずバンナは試合開始直後に左のボディストレートをホンマンに打ち込んで
パンチの威力を意識させます。
そうしてホンマンを前に出にくくさせてから、スピード差を生かし、
ホンマンの前蹴りの間合いの外から一気に踏み込んでロー、そして離脱といった具合に、
ローを中心としたヒットアンドアウェイで攻める戦法で攻め立てます。
ホンマンはこれに全く対処できないまま、1Rが終了。
2Rにはバンナの攻撃がさらに加速。左ミドルが何度もホンマンのレバーをえぐります。
追い詰められたホンマンは、最終ラウンドになってようやく自分から攻め始めますが、
皮肉なことに、これによってボコボコにされたのはホンマンの方でした。
駄々っ子パンチとも揶揄されるホンマンのパンチは全くと言って良い程クリーンヒットせず、
バンナのパンチが面白いようにホンマンの顔面を捉えます。
ホンマンはこれで気持ちが切れてしまったのか、目に見えて動きが低下。
後半からは立っているのも辛そうな様子に。ミドルも効いているのかもしれません。

こうして勝負は判定へ。結果は3-0で、バンナが文句無しの判定勝ちを収めました。
KO負けこそ避けられたものの、3Rは事実上サンドバッグ状態になり、
バンナの攻めに背中を向けてしまう場面も作ってしまったホンマン。
前回以上の完敗を喫してしまいました。

準々決勝
○ セーム・シュルト VS グラウベ・フェイトーザ ●
下馬評ではシュルトの圧倒的優位とされていますが、
極真代表としても一格闘家としても、
グラウベは同じ相手に3度負ける訳にはいきません。
グラウベがシュルト対策をどれだけ練り上げてきたか、という点に注目の一戦です。

ホンマンと比べ、遥かに攻撃的かつ動きが速いシュルト。
圧倒的な攻撃でグラウベを1Rから圧倒します。
さらにあの巨体でバックスピンキックまでも撃ってみせたのには、驚愕の一言。
2R、このままズルズル行ってしまうのか…と思い始めたその刹那、
グラウベのブラジリアンハイキックが、
まさに美しいとしか言えないような理想的な形でシュルトに炸裂!!
しかしシュルトは倒れない。
一瞬崩れ落ちたものの、ロープを助けにしてダウンを逃れます。
グラウベもここぞとばかりに追撃を試みますが、仕留めきれません。
逆にシュルトは全く効いていないぞ、とでも言わんばかりの猛反撃。
コイツはバケモノか。
3Rにも何とかブラジリアンハイキックを当てようと試みるグラウベですが、
シュルトは一度喰らった攻撃を何度も喰らうような選手ではありませんでした。

そして最後まで2度目のアップセットは起こらず、
そのままシュルトが3-0で磐石の判定勝利。
結局、グラウベのシュルト対策って、
ブラジリアンハイキックの一撃に全てを賭けるってことだったんでしょうか…。

準々決勝
● バダ・ハリ VS レミー・ボンヤスキー ○
試合前から舌戦を繰り広げている両者。
両者共にスピード&テクニック系の試合巧者なだけに、面白い試合が期待できそうです。

序盤から手数を多く出して攻めているのはハリの方。流石に早い。
もちろんレミーも負けておらず、1Rには見応えのある攻防が繰り広げられました。
このラウンドを見たところでは、
一発一発のスピードと威力ではハリでも、コンビネーションの技術はレミー。
中距離~遠距離戦はハリの間合いでも、近距離戦はレミーの間合い、という感じ。
1Rは若干ハリが優勢という印象でしたが、続く2Rでは逆にレミーが優勢に。
ハリは何故か動きが落ち、手数が一気に減ります。
1Rで勢いに乗って攻め過ぎたのか???
レミーがプレッシャーをかけ、
ローをガンガン叩き込んでいくという展開でこのラウンドは終了。
そして勝負の3R。
ハリは逆転を期しての攻勢に出ますが、
攻めれば攻める程に動きからキレが失われている、
即ち、レミーのローが効いてしまっているということがわかってしまいます。
手数こそハリの方が上回るものの、ダメージが色濃いのも明らかにハリの方。

こうして3R戦い抜いた両者。
判定では2-0と1人がドローをつけたものの、レミーが貫禄の勝利を収めました。

準々決勝
○ ピーター・アーツ VS 澤屋敷 純一 ●
余裕のアーツに不敵な澤屋敷。何が起こるかわからない雰囲気が漂っています。

しかし試合が始まってみると、
澤屋敷はカウンターを狙うことさえ許されない程に圧倒されてしまいます。
強烈なローで動きを止められると、ガードの上から刈り取るような豪快なハイキック、
そしてワンツーからの右ストレートで続けざまにダウンを喫し、無念の1RKO負け。
まさに為す術無し。

それでも澤屋敷が若手の有望株であることに変わりはありません。
これを糧にしての、さらなる飛躍を彼には望みたいと思います。

準決勝戦
● ジェロム・レ・バンナ VS セーム・シュルト ○
底の見えないシュルトに対し、2度目の挑戦となるバンナ。打倒シュルト成るか!?

絶対に受けに回らないよう、常に先手を取って攻め続けるバンナ。
これはシュルト対策の基本戦法ですが、
その際に一番気をつけなければならないのはヒザ。
バンナもそれは重々承知だったと思うのですけど、
それまで押していたため攻め気に逸ってしまったのか、
ラウンドの終わり際にヒザをもらってしまいます。
これでフラついてしまったバンナでしたが、
ゴングに救われる形で何とかダウンだけは回避。
しかし、バンナにとって直接の致命傷となった攻撃はヒザではありませんでした。
2R開始時、1R終わり際にもらってしまった右ヒザへのローキックによって
ヒザに致命的なダメージを負ってしまったのか、
バンナが右足を引きずっているのが確認できます。
どう見ても試合を続行できる状態ではありませんし、まして相手は最凶王者シュルト。
ここでタオルを投げなければ、何のためのセコンドなのかわかりません。

結局、2R開始から1分といった辺りでローをもらったバンナが倒れ、
タオル投入となりました。

準決勝戦
● レミー・ボンヤスキー VS ピーター・アーツ ○
レミーとアーツという、王者経験者同士が準決勝で激突。
この組み合わせは初対決だそうです。
ハリ相手にフルラウンドの激闘を繰り広げたレミーと、
澤屋敷を圧倒して1RKOに仕留めたアーツ。
体力的にはアーツが有利と思われますが、果たしてどうなるか。

決勝戦のことを見越しているらしく、両者共に序盤から飛ばしていきます。
1Rはパワーで上回るアーツが優勢。
レミーはやはり、ハリ戦のダメージが色濃いように見えます。
2Rにはレミーも反撃を試みますが、やはり圧力で勝るアーツ。
レミーにとっては苦しい展開に。
しかし2R残り1分といったところで、レミーがラッシュ!
ガードの上から強引にパンチを打ち込んでこじ開けようとしますが、
これに対してアーツは何と、自らガードを下げてニンマリと笑って見せます。まさに不敵。
3R、ボディーとローを効かされてしまっているレミーはかなり苦しそう。
それでも何とか一発逆転を狙おうとするレミーですが、
蓄積したダメージが響いて思うようにいきません。

こうして最後までアーツ優勢のまま、3Rが終了。
3-0の判定勝利でアーツが決勝へ駒を進めました。

スーパーファイト
○ 武蔵 VS ソーレイマン・コナテ デビッド・ダンクレイド ●
ソーレイマン・コナテの負傷欠場により、デビッド・ダンクレイドが代替出場。
放送時間の尺の調整のためなのか放送されましたけど、正直言って、どうでもいい試合。

相変わらず、パンチの届かない間合いから
「わふっ!わふっ!」と叫びながらジャブを出す武蔵。
知識が浅いせいか、私にはこの行動の意味が未だにわかりません。
もしかして、牽制なのか…???
さらに得意のはずのキックの攻防でも先手を取られてしまう武蔵。
急遽出場が決まったため、ろくに調整もできていないような相手にこれでは…。
こうした試合展開が続き、
ひょっとしたら武蔵負けちゃうのでは?と思い始めた1R終了間際、
武蔵の左ミドル一発でダンクレイドが崩れ落ち、そのままKO。
思わず呆気にとられてしまいました。

武蔵は何やら勝ち誇っている様子でしたが、
それ程良い内容の試合だったとは思えませんでした。

決勝戦
○ セーム・シュルト VS ピーター・アーツ ●
昨年と同カードになった決勝戦。
とはいえ昨年はアーツがリザーブファイトからの連続KOで決勝進出を決める一方、
シュルトは判定2つでの決勝進出というアーツ有利の状況だったのに対し、
今年はアーツ、シュルト共にKO1つと判定1つで決勝に勝ち上がって来たという状況。
さらにそこまでの試合内容も考えると、
この状況はむしろアーツにとって不利と言えるでしょう。

若干の諦念感と、それでもアーツなら…という淡い期待感が漂う中、試合開始。
ダメージの影響がチラホラと見て取れるものの、意地と誇りで奮戦するアーツ。
しかし、決着は思わぬタイミングでやってきました。
シュルトのジャブを受けてバランスを崩した際、
アーツが叫び声をあげながら不意に崩れ落ちます。
どうやら右足を捻るか何かして痛めてしまったらしく、立ち上がることができません。
流石にこればかりは如何ともし難く、アーツは無念の負傷KOを喫することに。

こうしてシュルトは前人未到のGP3連覇を達成。その強さには圧巻の一言です。



総括
最も見応えがあったと思われるのは、ハリ VS レミー戦で、次点はレミー VS アーツ戦。
ハリの実力の高さと、レミーの復調、
そしてアーツの強さが良い意味で印象に残った大会でした。
一方、悪い意味で印象に残ってしまったのはホンマン。
バンナがスピード勝負を仕掛けたせいもあるのかもしれませんが、
動きが異常に遅く感じました。
しかもあの巨体を誇りながら、自分から攻めたら逆に劣勢になる、というのは致命的。
また、グラウベに関しては…強いとは思うんですよ。
トップファイターであることに間違いはない。
ただ、何と言うべきか、シュルトが相手では相手が悪すぎるとしか…。
とにかくシュルトが強すぎるんですよ。
しかも圧倒的過ぎて、試合内容があまり面白くない。
かといって、強過ぎるから出場禁止!とすることもできない訳でして。
決勝大会を面白くするという意味でも、シュルトを倒せる選手の登場が切に望まれます。 

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posted by 臣桜花 |23:51 | K-1 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年12月05日

このタイミング、嫌な感じ…

セフォーとハリッド欠場、リザーブはモーvs.スロウィンスキーの1試合に

>レイ・セフォーとハリッド・“ディファウスト”の欠場が決定。
>リザーブファイトはそれぞれの対戦相手同士となる
>マイティ・モーvs.ポール・スロウィンスキーの1試合となった。
>セフォーは右眉の負傷、ハリッドは虫垂炎(盲腸)のためドクターストップとなった。
>また、第8試合のスーパーファイトで武蔵と対戦が予定されていた
>ソーレイマン・コナテも負傷欠場となり、
>チームメートのフランス人ファイター、デビッド・ダンクレイドが出場する。

セフォーやハリッドの欠場自体は、まぁ仕方がないと思うんですよ。
しかし、その発表が何故このタイミングなの?と。
以前にもKIDやホーストの欠場を似たようなタイミングで発表し、
『出る出る詐欺』とまで揶揄されたこともあるというのに。
(中には欠場自体が仕込みだ、と言われる方もいるでしょうけど、
そこまで言い始めるとキリがないですからね…。
とりあえず今回は、その線についてはスルーで。)

もっとも、所詮はリザーブファイトのカード変更なので、
これ自体にはそれほど大きなバッシングは起こらないと思うんです。
気がかりなのは、

本戦で負傷者
↓
リザーバーも両者共に負傷
↓
仕方がないので、スーパーファイトで勝った武蔵が本戦へ!

…なんてミラクル展開が起こったりしないか、という懸念があること。
我ながら深読みし過ぎだとは思いますが、
武蔵に関しては、一時期のある意味では最強(?)と言われた程の贔屓判定こそ
鳴りを潜めたとはいえ、今年も横浜大会や香港大会などで一悶着を起こしていますし。
開幕戦でのホンマンの一件もあって、
ここ数年の流れを見るといまひとつ安心できないですよね…。残念なことに。

こうならないことを切に祈ります。

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posted by 臣桜花 |17:25 | K-1 | コメント(10) | トラックバック(0)
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2007年11月15日

過去ログ掲載:K-1 WORLD MAX 2007 ~世界一決定トーナメント決勝戦~

前回に続き、K-1ヘビー級決勝トーナメントまでの間繋ぎとして
ここには掲載していない過去の大会の感想をコピペしました。
今回は、先月頭のMAXの決勝トーナメントの感想です。
前回と同じく、「今更こんな大会の感想なんか載せて…」と思われる方は、
迷わず『戻る』をクリックして下さいませ。(もしくはブラウザを閉じる)

見識のある方から、何かしらのご指摘を頂ければ幸いです。

世界一決定トーナメント準々決勝
● ブアカーオ・ポー.プラムック VS 魔裟斗 ○
魔裟斗の指名で、初戦から豪華なカードが実現。
とはいえ、ちょっと別の部分で気になるところが。
というのも、実は去年、一昨年と3年続けて、魔裟斗はトーナメントでは
一番有利とされる(試合時間の関係で休憩時間がより多く取れるため)
第1試合にエントリーされてるんですよね…。
第1試合に魔裟斗が出れば盛り上がる、という狙いもあるのかもしれませんが、
3年連続というのは流石にいかがなものかと思います。
結果的には魔裟斗有利に働く訳ですし。

それはさておき試合内容へ。
蹴り合いではブアカーオが圧倒的に有利なため、
徹底してパンチの間合いに持ち込もうとする魔裟斗。
対するブアカーオは、ボクシング技術が上がったことへの自負があるのか、
打ち合いに応じます。
いつも通りにミドルと前蹴りで距離を保って削る戦い方をすれば、
磐石だと思うのですが…。
トーナメントのことを考えてKOを狙っているのか、
ホームタウンデシジョンのことを考えて、
パンチでも圧倒する必要があると考えているのか…。
しかしこれが裏目に出てしまい、
1R終わり際にブアカーオはフラッシュダウンを喫してしまいます。
一方、ダウンの代償として、
1Rに魔裟斗はブアカーオのローを何発かまともに受けてしまいました。
そのため2R以降でのブアカーオ逆転の余地は、充分に残されるという形に。
とはいえダウンを喫している以上、
削る戦い方ではいくら圧倒しても勝てそうにありません。
おそらくこうした理由があり、2Rもパンチ主体の攻防に。
ブアカーオにとってはローに活路を見出す(ローでダウンを奪う)しかないため、
パンチの撃ち終わりに積極的にローを織り交ぜていきます。
魔裟斗の方もパンチでの攻防に意識を集中させているため、このローをカットできません。
これが効いてしまい、2R終了時には魔裟斗の左足は半壊状態に。
魔裟斗は細かいパンチをコツコツと当ててはいますが、足がこの状態では…。
それでも3R、魔裟斗は気力を振り絞ってパンチで攻勢に出ます。
ブアカーオはスタミナが切れたのか、パンチのダメージが大きいのか、防戦一方に。
頼みの綱であるはずのローもほとんど(一発も?)出さないまま、ラウンド終了。

結果は、3-0で魔裟斗の判定勝利。
しかし勝利の代償として、魔裟斗は左足に深刻なダメージを負ってしまいました。

世界一決定トーナメント準々決勝
● マイク・ザンビディス VS アルトゥール・キシェンコ ○
鉄の拳 VS 家族愛の好青年、という構図の対決。(意味がわからない…)

何故か3Rからの放送。
キシェンコはリーチ差を生かして、ザンビディスの間合いの外からチクチクと削ります。
ザンビディスも踏み込んでのパンチを狙いますが、
キシェンコのガードが堅く、なかなか有効打を叩き込めず。
その流れで淡々とラウンドが終わり、判定へ。結果は1-0で、延長ラウンドへと突入。
1Rと2Rを見ていないので何とも言えませんけど、それが放送されていない以上、
もしかして魔裟斗の次の相手の体力を削ろうとする意図があるのでは?
と勘ぐってしまいます。
延長ラウンドでは両者共に手数を出すようになります。
この結果、有効打数ではザンビディスが上回ったように見えたのですが、
判定では何故か3-0でキシェンコ勝利。
やはりどうしても、次の魔裟斗戦への配慮があるのでは?
という疑念が拭えない判定内容に。

世界一決定トーナメント準々決勝
● 佐藤 嘉洋 VS アルバート・クラウス ○
佐藤にとってはリベンジマッチとなる一戦。同郷出身者としても、頑張って欲しいところ。

序盤からテンカオを積極的に狙い、パンチも繰り出していく佐藤。
前回のクラウス戦で喫したような印象負けを繰り返さないために、
戦い方を変えてきたらしい。
しかしこれが逆に、間合いに入らせないままローで一方的に削る、
という佐藤本来の恐ろしさを消してしまう結果に。
ボクシング技術が低い相手であれば、この戦い方は効果的なのでしょうけど、
クラウスを相手に自らパンチの間合いに飛び込んだり、
更にはパンチの打ち合いに応じてしまうというのは、正直に言って愚策としか…。
3Rにはローをクラウスに効かせるものの、
パンチの打ち合いでダウン寸前まで圧される場面を作ってしまい、
結局3-0でクラウスが判定勝利。

佐藤のこの新しい戦い方は決して悪くないとは思うのですけど、
もう少し使うタイミングを考えなくては…。
下手をすれば、佐藤の戦い方そのものを崩してしまうことにもなりかねないと思います。

世界一決定トーナメント準々決勝
○ アンディ・サワー VS ドラゴ ●
ドラゴは開幕戦で負けたにもかかわらず、推薦枠で決勝トーナメント出場。
とはいえ、小比類巻とTATSUJIが開幕戦での推薦枠査定試合で
あまり評価できない内容の試合をしたため、
この2人よりはマシ…という訳で、仕方ないのかも。

1R、攻め手を出しているのはドラゴでも、
有効打数ではサワーが上回っているという印象。
2Rになると、両者共に本領発揮。
強引な攻めでガードをこじ開けていこうとするドラゴに対し、
サワーは的確な攻撃を返していきます。
結果的にこれがKOとなったサワーのカウンターに繋がり、
サワーが貫録勝ちを収めました。

世界一決定トーナメント準決勝
○ 魔裟斗 VS アルトゥール・キシェンコ ●
左足のダメージと決勝戦のことを考えると、優勝するためにはKOを狙うしかない魔裟斗。
序盤からパンチとローでガンガン手数を出していきます。
しかしこれは逆に、キシェンコの方が精神的に優位に立っているということ。
手数や有効打数では魔裟斗が上回るものの、
キシェンコは的確にローを返していき、
ラウンド終盤にはパンチで魔裟斗をグラつかせる場面も。
しかし2Rになると、1Rで魔裟斗が打ち込んだローのダメージが表れてきます。
足が動かなくなったキシェンコはパンチ主体の攻め方に変更。
こうなれば、パンチの得意な魔裟斗にとっては占めたものです。
2R開始から30秒が過ぎた頃、パンチの打ち合いから
魔裟斗の左フックがキシェンコのテンプル辺りを捉え、そのままKO。

この辺りの勝負強さはさすが魔裟斗という感じ。

世界一決定トーナメント準決勝
● アルバート・クラウス VS アンディ・サワー ○
魔裟斗と同様、準々決勝でのダメージが大きいクラウス。
KOを狙いパンチで積極的に攻めますが、サワーの堅いガードを崩せません。
一方のサワーは徹底してパンチには付き合わず、ローで着実に削っていきます。
2Rになると佐藤戦から蓄積してきたローのダメージが顕著に表れ始め、
クラウスのパンチは手打ちに。こうなれば試合はサワーのもの。
パンチの打ち合いでもサワーが優位に立ち、
効果的なレバーブローを何発も叩き込みます。
3Rにはクラウスが意地の攻めを見せますが、手数はあっても威力が…。
こんな威力のない攻撃では、いくら手数を出そうとサワーのガードは崩せません。
結局、2Rからの試合の流れをひっくり返すことはできず、2-0でサワーの判定勝ちに。

…ところで、あの試合内容でドローにしたジャッジって…。

世界一決定トーナメント決勝戦
● 魔裟斗 VS アンディ・サワー ○
ローのダメージが致命的に蓄積してしまっている魔裟斗に対し、
かなりダメージの少ないサワー。
短期決戦に勝負を賭けるしかない魔裟斗は、
玉砕覚悟と言っても良い程の攻撃一辺倒という戦法に。
しかしこれへの対処法がサワーのトップファイターたる所以なのでしょう。
顔面へのガードだけはしっかり固めて致命的な一撃だけは防ぎつつ、
ローを確実に返していきます。
これをやられてしまっては、
既にジリ貧の状況に追いやられている魔裟斗に打つ手はありません。
2Rになると、サワーが魔裟斗を仕留めにかかります。
これは魔裟斗にとって、貴重な逆転のチャンス。
…しかし如何せん、魔裟斗の足に蓄積したローのダメージが大き過ぎました。
ただでさえサワーは一発で倒すのが難しい選手である上に、
ローによるダメージまであっては…。
そこへ更にサワーがローで削ってくるのだから、堪ったものではありません。
ラウンド終盤には魔裟斗のパンチも手打ちになり、ローのカットすらできない状態に。
さらにラウンド終わり際にはローのダメージにより、
ダウンと紙一重の場面を作ってしまいます。
ここはゴングに救われたものの、
インターバルに入ると同時にセコンドに対して首を横に振る魔裟斗。
魔裟斗はインターバルの間も座りません。
おそらくは、一度座ったらもう立てないという状況なのでしょう。
そして…とうとう、魔裟斗は座り込んでしまいました。
苦渋の表情で、もうやれないと訴える魔裟斗。
その表情(というよりむしろ眼光)からは
「辛いからもう嫌だ」という心が折れたような雰囲気ではなく、
「続けたいけれど続けられない(体が言うことを聞かない)」という
無念の気持ちが感じ取れます。
そして3R開始直前…とうとうタオルが投げ込まれました。
魔裟斗、決勝戦にして無念の敗北。

こうしてサワーがブアカーオに続き、2度目の戴冠。
魔裟斗の気持ちの強さが印象的な大会でしたが、
総合力ではやはりサワーが上回っていました。 

posted by 臣桜花 |22:50 | K-1 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年11月12日

過去ログ掲載:K-1 WORLD GP 2007 IN SEOUL FINAL16

K-1の決勝トーナメントまで大分時間がある上に、
大晦日での曙とサップの件くらいしか話題がないので、
ここには掲載していない過去の大会の感想をコピペしてみました。
なので、「今更こんな大会の感想なんか載せて…」と思われる方は、
迷わず『戻る』をクリックして下さいませ。(もしくはブラウザを閉じる)

見識のある方から、何かしらのご指摘を頂ければ幸いです。


○ バダ・ハリ VS ダグ・ヴィニー ●
ヘビー級王者のハリと、最終予選でリザーバーから勝ち上がって来たヴィニーの一戦。
誰もがハリが勝つと思っている中、ヴィニーは大アップセットを起こすことができるか?

意外なことに1Rはヴィニーが善戦。
ハリは様子見をしているのか、それほど攻撃的ではありません。
しかし2Rになると、徐々にハリの本性が表れてきました。
パンチの打ち合いをしたかと思うと、次には鋭いローを叩き込んでいきます。
そして2R中盤、ハリの右ストレートがカウンターでヴィニーを直撃。
ヴィニーは10カウント以内に立ち上がることができず、ハリは文句無しのKO勝ちを収めました。

○ セーム・シュルト VS ポール・スロウィンスキー ●
開幕戦で王者シュルトに挑むのは、
最もレベルが高いといわれるヨーロッパ予選を勝ち抜いてきたスロウィンスキー。
しかしそれでもやはり、シュルトが圧倒的優位というのは変わらず。

なかなかいい動きを見せるスロウィンスキーですが、
シュルトが前に出始めるとあっとういう間にシュルトペースに。
最終的にはロープ際に追い詰めてのヒザを決め、シュルトがKO勝ち。
まさに圧倒的。本当に圧倒的過ぎて、この言葉以外のコメントが思いつきません。

○ レミー・ボンヤスキー VS ステファン“ブリッツ”レコ ●
昨年の決勝トーナメントでボンヤスキーに2度の金的を喰らわせ、
ダメな意味で戦闘不能に追い込んでしまったレコ。色んな意味で、因縁の一戦です。

試合開始から、ボンヤスキーの攻撃一発一発に殺気がこもっています。
気持ちはわかるぞ、ボンヤスキー。
若干ながらもボンヤスキー優勢という試合展開でしたが、1R終了30秒前、
ボンヤスキー渾身の(金的の恨みを込めた)右飛びヒザ蹴りがレコに炸裂。
レコは立ち上がってファイテングポーズを取るものの、何故かジャッジはここで試合をストップ。

レコのファイティングポーズは確かに中途半端といえば中途半端でしたが、
止めるほどのダメージを受けたがためにそうなった、というようには見えなかったのですが…。
プロであるジャッジの目には止める必要があると映ったのか、
それともちゃんとしたファイティングポーズをとらなかったレコの態度を問題視したのか…。
どちらにせよ、何かしらの説明が主催者側から欲しいところです。

○ グラウベ・フェイトーザ VS ハリッド“ディ・ファウスト” ●
蹴りのグラウベと、パンチのハリッドという一戦。
相性的にはグラウベが有利と見られますが、どうなるか。

徹底的に間合いを詰めてのパンチを繰り出すハリッドですが、グラウベのガードが堅い。
逆にカウンターのヒザを合わせられ、ダウンを奪われてしまいます。
しかしそれでも、前に出続けるハリッド。もしかして、これ以外に武器がないのか?
そしてこれが功を奏したのか、グラウベのガードが徐々にこじ開けられていきます。
ところがハリッドが攻勢になり始めた瞬間、グラウベの左正拳突きがカウンターでヒット。
ハリッドは2度目のダウンを喫します。ひょっとしてグラウベ、ガードを緩くして誘ってた?
2Rは、両者共に激しく動く展開に。
ほぼ互角の、見応えがある攻防が続き、あっという間に3分が経過してしまいます。
ダウンを喫しているのに前に出続けるハリッドの気持ちの強さには、圧巻の一言。
そして3R。今度はハリッドが優勢に。グラウベはやや消耗しているという印象。
一方、グラウベの攻撃も良い形で入っているのですが、ハリッドは倒れず、勢いも止まりません。
こうして勝負は判定へ。徐々にハリッド優勢になっていった試合展開とはいえ、
1Rに喫した2度のダウンが大きく、結果は3-0でグラウベ勝利。

ハリッドは試合に負けて勝負に勝った、という印象の残った試合でした。

○ ジェロム・レ・バンナ VS ルスラン・カラエフ パク・ヨンス ●
カラエフが一週間前に交通事故(!)に遭ったとK-1サイドから発表があり、
急遽、『武蔵に金的を連発した挙句にKOされた選手』として有名なパクが
代替選手として立候補。
正直、パクのこの行為は自殺行為としか思えないのですが…。無理矢理やらされてるのかも…。

そして試合は予想通り、バンナの圧勝。
公開処刑という展開にはならず、パンチ一発でのKO決着だったのがせめてもの救いでした。

● 藤本 祐介 VS 澤屋敷 純一 ○
日本人最強決定戦。決勝戦に日本人を残すためのカードという声も聞かれますが、
このカードを組むのにベストな時期は今をおいて他にないのではないでしょうか。

1Rは藤本が優勢に試合を進めます。
ローで先手を出し、懐に踏み込んでのパンチ連打で
澤屋敷のカウンターを封じようという作戦らしい。
しかし、澤屋敷はこれだけで攻撃を封じることができる程度の選手ではありませんでした。
2Rになると、踏み込んでくる藤本に対しテンカオを4発、5発と叩き込んでいきます。
これが致命的に効いてしまった藤本は、急激に失速、そしてダウン。
何とか一発逆転を狙おうとパンチを振り回す藤本ですが、足がついていかず、スリップダウンに。
2Rに2度のダウンを喫し、3Rではダウンと紙一重のスリップダウンを連発してしまいます。
このスリップダウンは明らかにダメージから来ているものなので、
流石にジャッジも3、4回目のスリップダウン辺りからはこれをダウンと判定。
その後も藤本は立て続けにダウンを喫し、3ノックダウンでのKO負け。
先日の金戦とは違い、文句のつけようがない程の完敗です。

金戦に引き続き、10歳近く年下の澤屋敷相手にこれでは…。
藤本はそろそろ引退を視野に入れた方がいいのかもしれません…。(武蔵は言わずもがな)

○ ピーター・アーツ VS レイ・セフォー ●
ベテラン同士の一戦。最近登り調子のアーツに対し、
セフォーはシュルト戦以降、パッとしません。
今回、(ブレギーに査定試合で負けたのに)主催者推薦で出してもらった以上、
セフォーはここで負けてしまうと、来年は予選からの再挑戦となるのは避けられないでしょう。

戦前には、セフォーの腹筋が割れていたら勝負は五分、
そうでなければアーツ、と思っていました。
そして試合当日、リングに立ったセフォーのお腹は…タプついていました…。
(普段からこんな感じだったという気もしますけど)
試合はやはり予想通り、アーツが圧倒する展開に。
セフォーは動きが鈍く、ほとんど手が出せません。
1R終盤にはローでダウンも喫してしまいます。
それにしても、セフォーの動きの鈍さと消耗の激しさはちょっと異常。
インターバル中には吐き気をもよおしている様子も見られ、結局ここでタオル投入。
アーツのTKO勝ちとなりました。

試合後のインタビューによると、セフォーは熱があって体調が非常に悪かったとのこと。
しかしプロとしてリングに上がる以上、そんな言い訳には意味がありません。
プロの格闘家ならば、体調管理も仕事の内です。
さらに、セフォーは以前にも敗戦後、同じような言い訳を口にしているんですよね。
確かにそういった試合での動きを見れば、セフォーが万全の状態でないことはわかります。
とはいえ、これだけ頻繁に起こるということは、何かしらの原因があるのではないでしょうか?

○ チェ・ホンマン VS マイティ・モー ●
今年3月の横浜大会でこそモーが驚きのKO勝ちを収めたものの、
体格差と相性の問題上、やはりホンマンが圧倒的に有利なことには変わりません。
しかも開催地はホンマンのホームである韓国。判定になればホンマンの勝ちは堅いでしょう。
ある意味では結果よりも、ホンマンが判定狙いで逃げの試合をせず、
リスクを冒してでも攻める姿勢を見せられるか、という点の方が重要な意味を持つ試合です。

それで、試合内容なんですけど…。一言で表せば、

アレがまかり通るなら、
韓国開催の大会では
誰もホンマンに勝てんわ。

という感じ。この試合については、それ以上のことを語る価値はありません。
あえて言うなら、せめて決勝トーナメントのリザーバーにはモーを採用してくれ、
ということだけです。

posted by 臣桜花 |17:39 | K-1 | コメント(5) | トラックバック(0)
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2007年11月04日

HERO'S KOREA 2007

テレビ放送で見ることのできた試合のみの感想です。

● ベルナール・アッカ VS ポアイ菅沼 ○
正直言ってポアイ菅沼という名前を聞いた時、アッカの相手ということもあり、
「どこの色モノ選手を連れてきたんだろう?」と思っていたのですが、完全な見当違いでした。
実はパンクラスの現役ヘビー級選手で、師匠はあのBJペンという選手。
成長著しいアッカとはいえ、ポアイはかなり厳しい相手となるでしょう。

そしてやはり、試合開始直後にグラウンドでの攻防に移ってからは、
一方的にポアイが試合を支配し続けてしまうという展開に。
アッカも粘りますが、実力差は如何ともし難く、最終的には腕ひしぎを極められての一本負け。
残念。

○ ホ・ミンソク VS 柴田 勝頼 ●
上半身の筋肉の付き方に明らかな差がある両者。
オフィシャルサイトのプロフィールを見ると、ミンソクは83.0kg、柴田は87.0kgとなっていますが、
どう見てもミンソクの体躯の方が一回り大きいような…。とにかく柴田にとっては分が悪そうです。

トリッキーな動きで先制攻撃を仕掛ける柴田ですが、冷静さ、打撃のスピードと正確性、
さらには間合いの取り方など…と、あらゆる面で劣っていることがすぐにわかってしまいます。
打撃では分が悪いとわかったのか、組み付きから倒しにかかる柴田ですが、
ミンソクは倒れない。
これはなかなか良いストライカーなのでは…と思い始めたその時、
柴田のヒザがミンソクの顔面にヒット。
このヒザが上手く入ってしまったらしく、ミンソクは足元がおぼつかない状態に。
しかし柴田の方もかなりダメージを受けているため、効果的な追撃を加えることができません。
その後、攻防はグラウンドへ。
ミンソクが上からパウンドを落とし、柴田が下から関節を狙うという展開に。
柴田はミンソクに対して正面を向いていないために致命的な一撃を受けることはありませんが、
関節を狙っているため一方的にパウンドを浴び続けてしまいます。
これは止められてもおかしくない状況。
ところがここで何故かブレイクがかかり、スタンドからの再開へ。
結果的に柴田を助ける形になったために何だか釈然としませんが、
動きがあるから膠着状態ではない、とも言い切れない状況だったので、
仕方ないのかもしれません。
ここから先は両者共にスタミナ切れを起こし、ややグダグダ気味な展開に。
しかし、ミンソクの方が基本的な能力が高いため、有利な状況にあることは同じです。
1R終了間際には柴田がTKO直前まで追い込まれ、
ゴングに救われるという場面も生まれました。
そして2R開始から1分半後、
1R終盤の再現のような形で崩れ落ちてしまい、柴田は無念のTKO負け。

柴田にはまだまだ足りないものが多いということを、明確に示した試合でした。

● ミノワマン VS キム・ミンス ○
HERO'Sに移っても相変わらずのミノワワールドを展開させているミノワマン。
花火はスポーツと言ってみたり(危険性があるから、とのこと)、
ミンスを悪魔超人のザ・魔雲天と表現したり…。(天然とはいえ、これはかなり失礼なのでは…)
さらに驚かされたのは、ミノワマンの方が選手名のコール時に起こった観声が大きかったこと。
韓国開催の大会で、加えて日韓対決なのにも関わらず、
日本人であるミノワマンの方に大きな歓声が上がるとは。超人パワーに国籍は関係ないらしい。

兎にも角にも、ミノワマン VS ザ・魔雲天 の試合は始まりました。
並んでみると、両者の体格差がハッキリとわかります。本当に大丈夫か、ミノワマン?
とにかく何とかしてグラウンドへ持ち込み、
上を取らないと勝ち目は薄いぞ…と思っている傍から、
猛然と打撃で仕掛けるミノワマン。これがリアルプロレスラーの生き様なのか。
それでもミンスの打撃技術が攻防共に低いため、何とか試合になってしまうという不可思議。
そして、いつの間にやら場内からはミノワコールが。凄い人気だミノワマン。
しかしそんな声援も空しく、ミノワマンはミンスのパワーに圧されての
ラッシュをもらってしまいます。
そのまま崩れ落ちたところでジャッジが試合を止めた…と思いきや、
何故かミンスにイエローカード。
ミノワマンがヒザ立ちになっていたところへのヒザが、
4点ポジションでのヒザとみなされたらしい。
ルールがそうであるなら仕方ないのですけど、
これは流れの中で入ってしまっただけのような気が…。
こうしてミノワマンは首の皮一枚で勝負を繋げますが、
結局ダメージと体格差をひっくり返すことはできず、
再開から程なくTKO負けを喫してしまいました。

ミノワマンは面白くて大好きな選手なんですけど、
こんな戦い方をしていては寿命を縮めますよ…。

● 金 泰泳 VS ゼルグ“弁慶”ガレシック ○
開始早々、弁慶の左ハイで金の右目じりがサクッと切れてしまい、ドクターストップ。
勝負が始まる前に試合が終わってしまいました。

● デニス・カーン VS 秋山 成勲 ○
正直言って、あまりここでは触れたくない試合。
秋山に関しては、擁護する人も叩く人も極端な傾向があって、荒れやすいんですよね…。
とはいえ、臭いものには蓋、というわけにもいかないので書きますけど。

なお、この試合に関してはコメント投稿者同士での討論は遠慮して下さい。
荒れる原因にもなりかねないので、削除対象にもするつもりです。

さて、肝心の感想に移ります。
試合前の釈明(?)VTRの内容が見苦しいというか、言い訳がましいというか…。
本当に悪いと思ってるいるのならば
こんな形で同情を請うような姑息な真似はせず、黙って戦うべきだと思うのですけど。
…まぁもっとも、黙ってリングに上がったとしても「反省してない!」って言われるんですけどね。
あと、格闘の神々が大論争を繰り広げたって…
笑いを取りたいのか、視聴者をバカにしてるのか…。

序盤はカーンペース。寝て良し立って良しのカーンに対し、秋山は攻め手が出せません。
一方で、カーンの方は打撃で優位に立ちます。やはり実力的にはカーンの方が上らしい。
しかし試合開始から2分が過ぎた頃、
秋山の左ストレートがカウンター気味にカーンの顔面にヒット。
これでカーンは妙な所から出血してしまい、これ以降、動きが急におかしくなります。
具体的には、苦し紛れのタックルを仕掛けたり、
打撃の手数があからさまに減ったり、といったところ。
カーンの異変を察知した秋山は、一転して攻め手に回ります。
そして試合開始から5分頃、
コーナーに追い詰められたカーンの顔面を秋山のアッパーが捉え、KO。
個人的には望んでいなかった結末ですが、
一応は(運も込みの)実力で、秋山が勝利を収める形に。

posted by 臣桜花 |03:53 | HERO'S | コメント(29) | トラックバック(0)
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2007年10月26日

金的問題と角田発言

K-1競技統括プロデューサーである角田信朗氏が、
香港大会後に自身の日記において金的問題について触れられていました。
細かくは以下を参照して下さい。
角田信朗ウェブサイト > dialy > 8/5の記事
これを読んだとき、確かに角田氏の言ってることは
間違ってないと思いつつも、どこか違和感を感じたんですよ。
それで、何故今頃この話題を引っ張り出してくるのかというと、
この違和感の正体が先日の 内藤 VS 亀田 戦でわかったからです。

この試合において、亀田擁護派は試合後に
「内藤は亀田の圧力に押されてまともなボクシングができなかった」
などという意見を出しています。
まず、これについてよく考えてみます。
例えば亀田の頭をグローブで押さえつけるなど、
確かに内藤もボクシングらしくない動きをしているのは事実。
では、何故そうしなければならなかったのか。
極端な亀田信者とでもいうような人たちでない限り、これは自明ですよね。
即ち、カット狙いのバッティングを警戒していたからです。
要するに、この試合において内藤が
まともなボクシングをすることができなかった理由は、
相手が反則攻撃をしてくることを前提に戦っていたからということ。
これが重要なポイントなのです。

これを頭に置いた上で、上記の角田氏の発言について考えてみましょう。
この発言の根幹には、「金的を喰らう方も悪い」という考えがあります。
彼の日記にあるように、勝負師、武道家としてならこれは間違いなく正しい。
喧嘩で最初に狙われるのは目と金的ですから、
これを防御できない武道家は、武道家としては失格でしょう。
しかし、あくまで競技としてのリング上でも
これをそのまま適用することができるかと言えば、そうでもありません。

例えば、先日行われた開幕戦におけるホンマンがモーに与えた金的ダウン。
あれを見て、選手はどう感じるでしょうか。
恐らくは、
「ホンマンと戦う際には金的に気をつけないとヤバイ」
と警戒するでしょう。
ここで、冒頭に挙げた内藤の例を思い出してみて下さい。
内藤は亀田の反則を警戒していたので、
まともなボクシングをすることができませんでした。
同様に、次にホンマンと戦う選手(バンナ)がホンマンの金的を警戒し、
その分だけ戦い方が制限されるということは想像に難くありません。
このことから何が言えるのかというと、
モー戦での金的が故意か否かとか、
次のバンナ戦で金的を打つか撃たないかということに関わらず、
相手が警戒することで結局ホンマンは有利に立てるということです。
要するに、対戦相手に対して
「アイツは反則をしてくるかもしれない」
と思わせることに成功した時点で、その選手は優位に立てるという訳。
ひょっとしたらホンマンは、
決勝トーナメントでのバンナ戦で前蹴り(金的)を打つと見せかけて
パンチで顔面を狙う、なんてことをするかもしれません。

加えて、ありとあらゆる格闘技において、
その競技としてのレベルの高さを維持する役割を持っているのがルールです。
ミルコは総合に専念したことにより立ち技のみでの技術が低下し、
スパーリングでボンヤスキーにボコボコにされた、という情報がありますし、
内藤も反則を念頭に置いて戦った故に、「ボクシング」ができませんでした。
このように、ルール外のことを相手がやってくるということを前提にして
試合をすると、必然的に競技としてのレベルまでも下がってしまいます。

つまり「金的を喰らう方も悪い」という考え方は、
突き詰めるとK-1(及び、リング状で行われる格闘技)の競技性を否定し、
そのレベルを低下させる危険性を孕んでいるということです。

posted by 臣桜花 |21:10 | K-1 | コメント(16) | トラックバック(0)
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