常勝紅鹿

「出場試合数」は海外組の評価基準として適切か

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前回の記事では、サッカーを見る側・批評する側の視点の検証、ということで、クラブW杯での鹿島アントラーズについてのコラムなどを取り上げました。 繰り返しになりますが、私は日本サッカーのレベルアップには、サッカーを伝える側、見る側のレベルアップも欠かせない要素だと考えています。

そこで今回は、海外に渡った日本人選手たちについての報道にスポットを当てて、それが果たして的確に行われているかを皆さんと考えてみたいと思います。初めに断っておきますが、私はこの記事で個々の選手自体の良し悪しをとやかく論じるつもりはありません。あくまで、日本のライターやメディアは彼らをどう伝えているのか、という点にフォーカスします。

今回取り上げたいのは彼ら海外組について、「○○試合出場」「出場試合数」というのは、選手の評価として適切か、という点です。 たまたま、スポニチアネックスが良い例となる記事をあげていましたので引用します。「フィテッセ太田が帰国 定位置がっちり、来季は「ステップアップの年に」」という記事です。 http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/12/19/kiji/20161219s00002000291000c.html

太田宏介選手といえば、世界的に不足しているサイドバックというポジションで、質の高いプレーができる選手です。この記事では、今季の太田選手の活躍を、「何を基準に」書いているでしょうか。実に明確です。「左サイドバックの定位置をがっちり確保し、終わってみれば出場停止だった1試合を除く全16試合に出場した。」「5戦連続出場」というところでしょう。 しかし、この記事からは、フィテッセと太田選手の関係はほとんど見えてきません。太田選手の活躍の結果、フィテッセの成績はどれくらい良くなったのでしょうか。太田選手の活躍で勝てた試合はどれくらいだったのでしょうか。たとえ5戦連続出場してもそれが5連敗だったら(実際はそうではないと思いますが)、それは活躍したと言えるのでしょうか?

意地悪なたとえ話をします。あるライターが「柴崎岳は鹿島で今年、第二ステージでは全17試合中、13試合に先発出場するなど、がっちり定位置をキープした」と書いたら、みなさんは違和感を覚えるでしょう。「え、でも第二ステージ鹿島は不調だったよね?」と。それは柴崎岳という選手と鹿島のチーム状況との関係性が伝えられているからです。

なぜか欧州各国のリーグに所属している日本人選手には、Jリーグの報道ではほとんどされないような「出場したからすごい」という基準が設けられています。先のW杯予選のサウジアラビア戦の前にも「海外組でも出場できてない選手は出すべきでない」「出場している選手から出すべき」という議論がおこりましたが、ここでも線引きは「出場しているか否か」です。

当然のことですが、サッカー選手の評価というのは、試合に出ることではなく、試合の中で何をしたか、シーズンの中でどれくらいチームに貢献したか、で決まります。あらゆるサッカー採点においても、連続出場などは加点要素ではありません。出場していない選手には点数すらつかない、文字通り「論外」なのです。出場したことだけで評価されていいのは、十代そこそこの若手選手くらいでしょう。欧州に渡った日本でも屈指の選手たちをそんな基準で評価するのは、かえって失礼とさえ思います。 負けそうな試合を引き分けや勝ちに、引き分けそうな試合を勝利にできたか。または下位のチームを残留へ、中位のチームを上位へ、上位のチームを優勝へ導けたかこそ、選手を評価する指標であり、すでにJリーグではそのように評価が行われています。

前回の記事でも書きましたが、サッカー報道において、どこか欧州サッカーをリスペクトするあまりに、「試合に出してもらえているだけでもすごい」といった変な感覚が存在すると思えてなりません。ですが、Jリーグであろうと欧州サッカーであろうと、選手が果たすべきことにかわりはありません。そして、サッカーを伝える側・見る側は、試合の中身でこそ選手を称え、批判すべきでしょう。これはサッカーを伝える側・見る側が欧州サッカーのレベルになる上で欠かせない思考だと思います。

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