世界の野球

WBCで中国代表が侍ジャパンに勝つ方法を本気で考えてみよう

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「初戦は中国がいいんですよねー。初戦からキューバってのは・・」

去年11月の強化試合のメキシコ戦の解説を聞いていると、初代WBC4番打者として解説に呼ばれていた松中信彦さんがそう言っていた。似たようなことを中継中にもう一回くらい言っていた気がする。 中国とはWBCでは4大会連続で同じ組になっている。その理由は置いておくとして、野球における中国代表は日本にとって「まず負けることはない相手」として認識されている。 ごくたまに野球の弱い国の代表格として中国が使われるところも目にしたことがあるような。そしてそれは現場レベルでも同じ認識のようで、過去二大会WBCで守備走塁コーチとして活躍した高代延博さんは著書で、初出場のブラジルにさえ慎重論を唱えながら中国には負けることはないと断じていた。しかも先入観に騙されずにしっかりスコアラーを送り込んで分析した上での結論だからぐうの音も出ない。

わりと中国野球を贔屓目に見てきた自分としてもその手の意見を見た瞬間はむっとしてしまうものの、客観的に見れば当然の認識だと考える。 WBCには16カ国が出場するが、議論の余地はなく戦力は16番目。15-13番目にあたるのは台湾、オーストラリア、イタリアの3カ国になるでしょうか。 前回大会で日本を土俵際まで追い詰めた台湾、アテネ五輪で長嶋ジャパンを二度破ったオーストラリア、WBCではイタリア系のメジャーリーガーを擁し、前回大会は二次リーグ進出を果たしたイタリア。この3カ国は一発勝負では日本を倒す可能性は十分に秘めている。 前回大会で「15番目」の位置にいたブラジル(今回は予選で敗退)も、日本とあれだけの大善戦を見せているし、予選ラウンドが前回大会から導入されて以降、どれだけ戦力が揃っている国からしても「勝って当たり前」という相手は本来は淘汰されて存在しなくなっているはずなのですが、その中で中国はエアポケットに潜り込むように本大会に生き残ってきた。 2009年大会は辞退者続出だった台湾からアップセットを奪い、2013年大会は「15番目」にあたるブラジルが日本戦、キューバ戦で好投手を消耗していた隙をついて勝利。 幸運を味方につけたという要素があったことは否めない。ただ一方で、台湾やブラジルに勝利できるレベルに到達していることも事実であって、日本ともゲームを壊さない程度の試合ができるようになっていることもそれまた事実だと思う。

国際試合というのは実力差・戦力差というものが結果に反映されにくい。6:4の力関係だったらほとんど国際試合の一発勝負では実力差はないに等しく、7:3だとようやく差として現れ始めるものの、それでも「7」が「3」に楽勝とはならない。 プレミア12で日本が苦戦を強いられたメキシコ、ドミニカ、ベネズエラは7-3の関係性だったはずだ。

日本と中国とは8:2とか9:1の関係性といったところになるだろうか。 そんな力関係にあっても過去2大会のWBCの日中戦の結果は4-0(2009WBC)、5-2(2013WBC)とゲームそのものは成り立っているのも国際大会の面白いところ。 特に2009年のWBCは日本は結果的に優勝しており、その日本が中国から奪った4点のうち、1点はボークによる失点なので、事実上中国の失点は3点に抑えている。 前回大会や2006年のWBCでは中国打線は日本から2得点を記録しており、つまり「ありとあらゆる全ての条件が整ったら」中国が勝つチャンスが生じるということも言えなくはない。

その「ありとあらゆる全ての条件」というものをポイント別に掘り下げながら、なにが起これば中国は日本から勝利することが出来るのか。 中国と日本の現有戦力、過去の前例などを照らし合わせながらその可能性について迫ってみたいと思う。

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