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国際野球ニュース 2016年 9月・10月分 U18アジア選手権、欧州選手権、WBCブルックリン予選総括など

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※この国際野球ニュースはfacebookにリアルタイムで掲載されたものをベースに作られています。

●U18アジア選手権 総括(9月5日)

ご覧になってた方も多いと思いますが、日本が決勝で台湾を破って優勝いたしました。

最終順位は

優勝 日本 2位 台湾 3位 韓国 4位 中国 5位 香港 6位 フィリピン 7位 タイ 8位 インドネシア

という結果に。 一応3位までが来年カナダで行われるワールドカップの出場権を獲得ということになります。他の大陸との兼ね合いでもう1枠増える可能性もありますが。 全ての国の試合を見たわけではない(特に日本と台湾のいなかったB組、下位チームが出る方の二次ラウンドの中継はなかったもので) のですが、ざっと感想を書いてみたいと思います。 アジア4強の以外の4カ国は全てチームに日本人の方が帯同していらっしゃいます。 インドネシアは全敗、日本戦だけでなく同じアジア第二グループ勢相手にも全てに大敗という厳しい結果がつきつけられました。 国内の諸事情でメンバー的にも、大会前の練習でもベストな準備ができず、このような結果になってしまいました。 今回もチームに帯同した野中監督も長年、インドネシア野球連盟のガバナンス能力に悩まされているという話をされており、それが今回は目に見える結果に出たという言い方もできると思います。 この大会の結果を盾に野中監督がどのようにインドネシアの野球をさらに変えていくか、そしてインドネシア野球が変わっていくか、そこに注目したいと思います。3年後にはジャカルタでアジア競技大会もあります。 前回大会の開催国であるタイの野球は現在苦境に立たされています。2017年のワールドベースボールクラシックからは除外。 さらにタイの野球をスポンサーとして長年支えてきた日系企業であるミネベア社が撤退しました。 これまでのように日本の指導者を招いたり、国際大会に参加したり、地元で国際大会を開催することも難しくなってくるでしょう。 そんな中でタイは今回参加し1勝を挙げました。 スポンサーはいなくなったかもしれませんが、長年現地に住みながらタイの野球を少年野球の底辺から支える青山監督がいてこその結果だと思います。お金には変えられない青山監督のような存在こそタイ野球の大きな財産なのかもしれませんね。 フィリピンはアジア第二グループの王者として、第二グループ勢相手に全勝、あわよくば中国を下してスーパーラウンド、といったあたりが目標だったと思います。 結果的には中国には完敗し、二次リーグでは香港に敗れてしまいました。今回のメンバーがどのような面々だったかは分かりませんが、中国にもできるだけ良い試合をしてアジア第二グループという枠を超えるポテンシャルを持った国としての飛躍に繋げてほしいと思っていただけに残念です。 香港は第二グループ勢に全勝。 日本戦を見ていても、第二グループ基準でいうといい選手多いですよね。フィリピンに勝ったのも不思議ではありません。 これ以前の年代別代表も同じような印象です。彼らがみな野球を長く続けていける環境があれば、第二グループの旗頭としての期待がもっとできるのですが、それが出来ないからこその野球後進国である、というもどかしさも感じました。今回のチームも高校3年生は少なく、1、2年生中心で作られたチームだったようです。 中国はこれまでこの大会には消極的でしたが、今回はMLBアカデミーの選手+中国野球リーグでプレーしている選手ら世代のベストメンバーで構成されるチームでした。 前回ベスト4のフィリピンを一蹴し、韓国とは1-3の善戦。昨日行った台湾戦でも7回まで同点とアジア3強と粘りの戦いを見せていました。特に守りがしっかりしており、3強とここまでがっぷりよつに戦う中国を見たのは久々だった気がします。 ここまで緊張度の高い試合を続けてこなした経験も国内ではないでしょうから、ちょっと大会の終盤にバテってしまった側面もあったのですがね。 こういった経験を今後に生かせるのも、世代のベストメンバーを組んで参加した意味の1つだと思います。得られた経験値は日韓台より絶対に多い。MLBアカデミーに所属する15歳の怪物中学生、趙倫という136キロ右腕が大会の年齢規定で出られないことが台湾入り後に分かるなど、不運な面もありました。投手が1枚減ってしまったわけで。彼には2年後期待しましょう。 守りが良かったと書きましたが、特にショートを守っていた楊晋(上海)は素晴らしい守りをしていました。特にスローイング。 中国代表は張玉峰という北京五輪でキャプテンを務めた選手が代表から退いて以降、守りだけでもまともなショートが育ってこなかったのですが、彼は日韓台のショートともそん色ないポテンシャルを見せていました。打順も3番でしたし、来年のWBCにも連れて行ってほしいくらいです。既に国内リーグでは試合にもバリバリ出ている選手ですね。 韓国は連覇ならず。タイブレークで負けた台湾戦も大接戦でしたし、日本とも互角の勝負。日台とも差はない3位と言っていいでしょう。3年生組は全員プロ入り予定、2年生の選手もいて彼らは来年のワールドカップに出てくる可能性が高い。それぞれの舞台で悔しさを晴らしてもらいたいと思います。 台湾に関しては、もうすっかりおなじみとなった「台湾の大谷」ことチェン・フー選手が印象に残った方も多いと思います。 中信兄弟からドラフト一位指名を受け、高卒史上最高額の契約金で加入が決まっている選手ですが、前触れ通りのパフォーマンスを見せていたように思います。台湾は有望なアマチュア投手の海外流出が続いており、彼も大会を見る限り本人が望めばMLBのチームと契約出来たはずです。そんな選手が国内に残ったという事は台湾球界にとって素晴らしいことだと思います。兄弟では投手に専念するとのことですが、いずれは韓国プロ野球のように即戦力として評価を受けた彼がメジャーに行くようなことがあればなお素晴らしいのですが。 優勝した日本は前評判の高かった投手力が大会を通じて1失点と期待通りの活躍を見せて優勝。 個人的には、ロースコアを守り切るというチーム設計は思わぬ失点を重ねてしまったときにリカバリーが利かないのではないか。台湾の球場も荒っぽいし、とか思っていましたが、設計通りの野球で頂点を勝ちとりました。そういった野球を貫ける投手力があったということですね。 最後に、なかなかアジアの野球というものもスポットライトが当たりにくいのですが、今大会を通じてアジアの野球に興味関心を持ってくれる人が増えたらこれ以上のことはないなー、とも思う大会でもありました。一人でもそういった方がいることに期待しながら、この総括を締めたいと思います。

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