2007年02月19日

文字でスポーツを説明する難しさ

子供向けのスポーツ競技の説明原稿を作っていたため、なかなか更新ができませんでした。
普段、何気なく楽しんでいるスポーツを、文字にして説明しようとするとこれが意外に大変。
たいていの競技は、色々な書籍や雑誌とにらめっこしながら原稿を考えていきます。

例えばテニスは、「コート中央にはったネットをはさんで、ラケットを使ってワンバウンドかノーバウンドでボールを打ち合うスポーツです。試合には、男女のシングルス、男女のダブルス、混合ダブルスがあります・・・」となりました。

バレーボールの場合は、「1チーム6人でおこなうボールゲームです。ネットをはさんだ2チームが、ボールを床に落とさないように打ち合います。ボールには3回までタッチすることができますが、1人の選手は相手の攻撃をブロックした場合をのぞき、ボールに1度しかタッチできません・・・」となりました。

中には、何も参考にせずにいきなり書き始めた競技もありました。その中の1つがサッカーでした。ちなみに、サッカーは次のように表現しました。

「サッカーは1チーム11人で行うボールゲームです。ゴールを守るキーパー以外は、手や腕を使うことはできません。フィールドプレーヤーとよばれるそのほかの10人の選手は、キックやヘディングなどでボールをパスしながら相手ゴールをめざし、シュートを決めると得点になります・・・」

確かに、オフサイドなどを説明する場合は、多少の工夫はいるのかも知れませんが、競技そのものの持つシンプルさは、競技の普及に大きな役割を果たしているのかも知れません。

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2007年02月06日

5種競技とメジャー・リーガーJim Thorpe

 野球だけでなく他のスポーツにおいても、速く走ることができるにこしたことはありません。もちろん、競技によって求められる速さは異なることも事実。短い塁間を走る野球やソフトボールの選手に、陸上競技の100m走のような走りは必要ありません。

 陸上競技のスプリンターだからといって、アメリカンフットボールの名ランナーになれるかと言えば、必ずしもそうではありません。プロ野球の通算盗塁数の日本記録を持っている福本豊さんが、100mを10秒台で走ることができたかと言えば、そんなことはないでしょう。

 もちろん、そんな両方の要素を兼ね備えたスーパースプリンターも、過去に存在したことは確かです。その代表格が、20世紀前半に活躍した最高のスポーツ選手とも称えられるジム・ソープ(正式名はジェームス・フランシス・ソープ)です。

 ネイティブアメリカン(サック・フォックス族)の血を引くソープは、ネイティブアメリカンのための職業学校に入学後、スポーツ選手としてのキャリアをスタートさせています。そこでフットボールの名将として名高いグレン・ワーナーコーチに出会いスポーツ選手としての才能を開花させます。

 当然のごとく、フットボールだけでなく陸上、野球、バスケットボールなど数々の競技で頭角を現します。陸上では、1912年の第5回ストックホルム五輪にアメリカ代表として出場、5種競技、10種競技で見事に優勝を果たしています。

 ちなみに5種競技は1906年に最初の競技が行われています。五輪好きの人ならば、ここで「?」と思われるはず。第1回大会は1896年、第2回が1900年、第3回が1904年となると、第4回は1908年となります。確かに1908年には第4回ロンドン大会が行われています。

 となると、記録に残る1906年とは? となるはず。実は、第3回と4回の間に中間大会というものが存在していたのです。場所はアテネでした。正式な回数には数えられていませんが、22カ国から884名の選手が参加し、12競技に力の限りを競ったそうです。陸上の5種競技は、この大会が始まりでした(その後は1912、1920、1924年に実施)。

 話がそれてしまいましたので、話題をソープに戻します。五輪で2種目を制した栄光は翌年地に墜ちることになります。五輪出場より前に、セミプロチームで野球をプレーしていたことが発覚したためでした。アマチュア規定に違反するということで金メダルは剥奪されることになります。

 このあたりのエピソードはよく出てくる話なので、ここではあまり深くは触れません。ソープは1913年にニューヨーク・ジャイアンツに加わり、メジャー・リーガーとしてのキャリアをスタートさせます。その後、シンシナティ・レッズ、ジャイアンツと渡り歩き、1919年にボストン・ブレーブスで最後のシーズンを送っています。

 野球界を引退後、1920年からは8シーズンフットボール選手としても活躍し、NFLの前身ともいえるプロフットボール・リーグの初代会長にまで登り詰めています。

 1950年、AP通信社が20世紀前半で最も傑出したアスリートにソープを選んだことは、他方面に渡るソープのマルチな活躍ぶりを、当時の人々が評価していた証でしょう。なにしろ、ベーブ・ルースやタイ・カッブといったMLBのスーパースターたちを抑えてのものなのですから。

ジム・ソープ  出場試合289、 安打176、 本塁打7、  打点82、  打率.252
ベーブ・ルース 出場試合2503、安打2873、本塁打714、打点2211、打率.342
タイ・カッブ  出場試合3034、安打4191、本塁打118、打点1961、打率.367

 記録だけ見れば、ルースやカッブには遠く及びませんが、陸上競技、野球、フットボールという異なる3つ競技で残した実績は、類い希な才能を野球において開花させた2人をも凌駕したといえるでしょう。

 ボー・ジャクソンやディオン・サンダースがNFLとMLBの2足の草鞋を履いて活躍したことがありましたが、ソープが彼らの先駆者だったことは間違いありません。2001年には、アメリカのABC放送によって20世紀最高のスポーツ選手の栄誉にも浴しています。

 これは素晴らしい偉業だとは思うのですが、20世紀後半に活躍した選手には、ソープを超える業績を残せなかったのか・・・と思わず考えさせられました。人々の生活が多様化し、スポーツも多様化している現代社会では、本業以外でも相当な活躍を見せないと、人々の心には長くは残らないのかもしれませんね。


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2007年02月01日

伝説の黒人名捕手と2月1日

 いよいよプロ野球がキャンプイン。東北楽天イーグルス期待の新人・田中将大投手などは、さっそくブルペンで熱のこもった投球を見せていたようです。公式戦までは少々間がありますが、野球好きにとっては、話のネタが増えたことは確かです。

 前出の田中選手を筆頭に、憧れのプロ野球選手としての第1歩を踏み出した各チームの新人選手たちにとっては、期待と不安が入り交じるキャンプ初日だったに違いありません。

 そんな自らの憧れを実現できた選手がいる一方で、海の向こう米国では、人種差別のために実力がありながらメジャー・リーガーになれなかった名選手がいました。そんな選手の一人に、黒いベーブ・ルースの異名をとったジョシュ・ギブソン捕手がいます。

 通算で800本以上の本塁打を放ったとされる伝説の名選手でしたが、ついにメジャー・リーグの大舞台を踏むことはありませんでした。もう少し生まれるのが遅ければ、活躍するチャンスは大いにあったのかもしれません。

 ところで、なぜギブソン選手を取り上げたと言えば、64年前の今日、つまり1943年2月1日に、ギブソンは神経衰弱の状態がひどくなり短期間ですが入院し、治療を受けています。映画“Soul of the Game”(邦題「栄光のスタジアム」)では、その模様が描写され、精神的に病んでいたというその時の記録が、のちのメジャー入りの障壁の1つになっていたと記憶しています。

 結局、それから4年後の1947年1月20日にギブソンは脳卒中で亡くなっています。享年35歳という若さでした。日本のプロ野球選手にとってはお正月のような期待に胸膨らませる日は、偉大なる黒人選手が下降線をたどるきっかけとなった日でもあるのです。


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2007年01月31日

マイナー球団訪問の思い出・・・

 エイトメン・アウトという映画があります。1919年に起きたブラックソックス・スキャンダルとしても有名な、野球賭博に絡んだ八百長事件を題材にした映画で、首謀者はチック・ガンディルというホワイトソックスの一塁手だったと言われています。一連の事件によって、後年、前出のガンディルだけでなく、天才打者“シューレス”ジョー・ジャクソン選手ら8選手が永久追放処分になっているのはご承知の通りです。

 学生時代、スポーツ都市の調査でアメリカのインディアナポリス市を訪れた際に、当時、モントリオール・エクスポズのAAA級チームとして同市に本拠を置いていたインディアナポリス・インディアンスの球場(球団事務所)を訪れたことがあります。現在の本拠Victory Fieldはダウンタウンから徒歩圏に位置しているのですが、当時は町外れに位置していました。

 私のつたない記憶では、球団職員の1人が「この球場ではエイトメンアウトが撮影されたんだぜ…」と話していたような気がします。ことの真偽はともかく、町はずれに位置した球場で、なんとなくノスタルジーを感じさせる雰囲気が漂っていました。

 球団職員の方と話をしていると、さまざまなイベントなどを企画・実施し、いかにして地元ファンに球場を訪れてもらうかを、苦心しているようでした。これと同じようなことは、当時訪問した他のプロチーム(アイスホッケー、バスケットボール)の関係者も話していました。

 マイナー球団のイベントは本当に多岐に渡ります。月刊メジャー・リーグ編集部在籍時に調べたものの中には、試合前に洗濯物を持って観戦にくると、帰りにはきれいになった洗濯ものを受け取ることができる「洗濯デー」と題したアトラクションや、事前に球場にグローブを埋めておき、アトラクションとしてその地域の大学の考古学部の学生といっしょに掘り起こすという、嘘のような本当の話も現地の新聞には掲載されていました。


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2007年01月28日

ちょっと心配? 子供たちの野球選手への憧れ

 ほぼ毎日更新を目指していたのですが、先週はなかなかその時間を取れませんでした。気を取り直して、今週からまた気の付いたことを書いていきますので、よろしくお願いします。

 さて、昨日、次男坊の通う幼稚園でお誕生会がありました。12月と1月生まれの子供たちが舞台にあがり歌やダンスを披露してくれました。年長さんになると、それに加えてお父さんかお母さんが舞台に上がり、子供が将来の夢を発表してくれます。

 男の子ならスポーツ選手、女の子ならお花屋さんやお菓子屋が一般的でした。長男が舞台に上がったのは今から6年程前でした。そのときに男の子で一番多かったのは野球選手。それが今年はサッカー選手だけで野球選手と答えた子供は一人もいませんでした。

 サッカー選手の比率も、当時と比べると低いような印象を受けました。これからのスポーツ界を担うのは、ゴールデンエイジ真っ只中のこの子たちなのに、彼らの心の中に占めるスポーツの割合は決して大きくはないの・・・? 老婆心かもしれませんが、心配になってしまいました。

 個人的には、スポーツ選手の割合が減ったことよりも「こんな選手になりたい」と自分のお気に入りの選手名を挙げた子供がいなかった点の方が気になりました。6年前は松井秀喜選手や松坂大輔選手の名前を挙げて、彼らのような野球選手になりたいです・・・話していました。

 サッカー選手も同様で、当時は中田英寿選手らの名前を挙げていたように記憶しています。スター選手への憧れは、子供たちのスポーツへの関わりに大きな影響を及ぼすはず。前出の野球選手たちは、すでにMLBに活躍の場を移していることを考えると、国内の選手たちのもうひと踏ん張りの活躍を期待せずにはいられません。

 ちなみに、一人の女の子が「スケート選手になりたいです」と発表していましたが、これなど6年前だったらまずありえないこと。個人名は出てきませんでしたが、荒川選手をはじめとする女子フィギュアスケート陣の活躍は大きいというのが伺えますね。



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2007年01月23日

スポーツクリック1月23日更新コンテンツ!

すいません、昨日アップした情報はタイトルが2月23日となっていました。

格闘技/技の大辞典
今回は取り上げたのは日本拳法。蹲踞、前拳、後拳など基本の紹介です。
http://www.sportsclick.jp/combat/index.html

格闘技/小林由佳日記
今話題の女子空手家小林由佳さんの日記。今回はDVD撮影会のお話です。
http://www.sportsclick.jp/combat/index.html

テニス/FromEditor 第9回
「テニスマガジン・マッキー編集長のぐうたらDIARY」でお馴染みのテニスマガジン編集長の編集後記です。
http://www.sportsclick.jp/tennis/index.html

バドミントン/技術スペシャル
前回に引き続き、「攻撃でミスをしない! ~ラリーポイント制を戦うために~ その2」を掲載します。
http://www.sportsclick.jp/badminton/

陸上/NARUHODOthe HISTORY~歴史を知れば、もっと競技が楽しくなる~
今回は、かつては五輪種目でもあった『五種競技』を紹介しています。
http://www.sportsclick.jp/track/

陸上/陸マガ記録室
お待たせしていました陸マガ記録室が、PDF形式となって再スタートです。
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2007年01月23日

エピソード満載のラグビー熱血監督

 お正月休み明けの深夜、照英が主演する『スクールウォーズHERO』を見る機会がありました。私の世代だと、人気を博した山下真司主演のTVシリーズがお馴染みでしたから、どのくらい違うものなのだろう・・・などと思いながら眠い目をこすって見ていました。

 TVを見ながら、ふと思い出したのは、昨夏に取材でお会いした札幌山の手高校ラグビー監督・佐藤幹夫先生(取材の模様はCoaching119やスポーツナビでも掲載していますので、そちらをご覧ください)。「こんなことあるわけないじゃない・・・」と思えるような映画のシーンも、佐藤先生の話とそんなに変わらないかも・・・と思えるような、楽しくて興味深い話が思い出されたのです。

 佐藤先生といえば、教員試験の勉強中に地元の漁師にスカウトされて漁師をしていたり、ラグビー部を作りたくて、その前に赴任していた中学校の生徒で、その学校に入学していた教え子たちの名前を15名書いて「こんなにラグビーをやりたい子供たちがいるんです」と校長先生に直訴するなど、面白いストーリーがたくさんあります。

 その中に1つに、停学をした生徒は絶対にラグビー部へ入部する、などと言う漫画のような逸話もあります。ちょっと悪ガキだけど、いろんなタイプの子供たちが集まったラグビー部はさぞや楽しかっただろうなぁと勝手に想像を巡らしたものです。

 ところで、『スクールウォーズHERO』のモデルは、いわずと知れた山口良治伏見工業総監督ですが、その山口先生は、2005年に、朝日新聞社などが主催する「VICTORYスポーツ教室」の講師として、佐藤先生が指導する札幌山の手高校を訪れています。

 佐藤先生も山口先生は憧れの指導者。2人の熱血監督はどんな会話を交わしたのでしょうか? とても興味が沸いてきます。実は、Coaching119の取材をセッティングしてくれたのは私の弟で、佐藤先生の教え子の1人。この次に帰郷する際は、そのあたりを取材してみたいものです。


ラグビーマガジン3月号は1月25日(木)発売です。
第43回全国大学選手権のレビューをはじめ盛りだくさんの内容です。
http://www.sportsclick.jp/rugby/index.html

今週末からスタートするインターネット投票  LET'S VOTE!は
Q1 新たに選ばれたスコッドで最も期待する選手
Q2 是非スコッドに加えてほしい選手
Q3 今シーズンのベストゲームは です。

皆様のご意見をドシドシ応募ください。
https://www.bbm-data.com/sportsclick/rugby/letsvote/index.html

Coaching119
http://www.cc119.jp/archives/2006/08/25/170000.php

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2007年01月22日

名前が分からなかった金メダリスト

 スポーツには、心に残るシーンがたくさんあります。五輪やワールドカップなど、舞台が大きくなれば、そのシーンを共有する人たちは増えることになります。昨年のトリノ冬季五輪女子フィギュアスケートで見事に金メダルを獲得した、荒川静香選手のイナバウナーなどはそんなシーンの1つです。

 ところで、そんな五輪ですが、草創期にはメダリストの名前がわからないということもあったそうです。JOCのHPにも掲載されていますが、時は1900年、第2回パリ大会のボート舵付きペアでそんな珍事が起こりました。優勝したオランダチームは、急きょコックスが必要となったため、フランス人の少年を代役に立てたのです。

 表彰式でも記念写真に写っていたこの少年ですが、その後の消息が分からず、記録上はunknown French boyとなっています。ちなみに、2、3位となったフランスチームもコックスは不明になっています。

 この大会は、万博博覧会に吸収される形で開催されたため、5ヶ月間以上もの長期に渡り各種競技が実施されたのです。そのため、前出のボート以外にも記憶にすら残らなかった多くの選手が存在したと言われています。メダルについても、2年後に渡された陸上競技以外はよく分かっていないそうです。

 蛇足ですが、この当時は五輪への参加は個人単位でした。各国の五輪委員会が初めて参加選手を選出したのは、この大会から8年後の第4回ロンドン大会から。今や世界最大のスポーツイベントの1つに数えられる五輪も、のどかな時代があったんですね。


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2007年01月21日

子供を取り巻くスポーツ環境について

 週末は時間のある限り、近所の小学校の体育館でスポーツを教えています。朝の9時から11時までの2時間なのですが、いろんなことを考えさせられます。バリバリとスポーツをしている子供たち、という訳ではなく、時間の半分は友達同士でおしゃべりをしたり、カードやDSやPSPなどのゲームをしている子供もいます。

 統計的に有効と思われるデータを収集したことはないので、はっきりとしたことは言えませんが、私の子供時代に比べて、立派な体格の割には体力がありません。また、経験則であり断言はできませんが、上手な子とそうでない子の中間に位置していたような子供が、減っているような気がします。

 もちろん、彼らに能力がないわけではありません。技術だって体力だって、最初に会った頃に比べると格段の進歩を遂げています。結局、今まではそんな機会に恵まれていなかったか、積極的にスポーツに携わるような環境ではなかっただけなのかも知れません。

 インターネットの発展など、今の方がスポーツに関する情報が豊富なのに不思議ですね。まあ、氾濫しているという言い方の方が適切かもしれませんし、スポーツ以外の楽しい情報も同様に氾濫していますから、趣向が多様化していることも一因かもしれません。

 スポーツは人々の心を豊かにする万能薬ではありません。万能薬という幻想にとらわれている人も少なくないでしょうが、そんなことを声高に発言したところで、最近のスポーツ選手が引き起こす事件を見ていると、崩壊しかけているかつての社会のロールモデルでは説得力に欠けます。しかし正しい処方で使えば、地域コミュニティの再生、コミュニケーションの促進、体力の向上など、様々なプラスの恩恵を私たちにもたらしてくれます。

 そんなスポーツに触れる機会を作っていくことは、少なくともスポーツに関わる仕事に従事する私たちだけでなく、スポーツを楽しんでいる大人たちの大切な役目なのかも知れません。そういう志を持った大人は世の中に少なくないはずですが、一方で活動する場が見つけにくいということは言えるかもしれません。

 そういった活動を自ら立ち上げるとなると、もの凄いエネルギーが入ります。自分の子供が通う小学校の体育館を借りようとしても、限られたスペースを限られた時間帯の中で確保するのですから、すでに活動している団体の方にお願いして譲ってもらったりなど、非常に煩雑な手続き発生します。学生ならともかく、社会人が仕事の合間にこんなことを行うのは至難の業です。

 ところで、私が体育館でスポーツを教え始めた頃、私自身がインターネットに関連した仕事に携わっていましたから、ネットを使って参加者を増やして・・・など色々と考えを巡らせていました。しかし実際には、参加してくる子供たちは、友達に誘われたケースと、親御さんが連れてくるケースがほとんどです。友達がやっているからという安心感は、スポーツを始めようとする子供やその親御さんにとってはとても大切なポイントなのかもしれません。

 そこそこにスポーツを齧っている子供ならば、有名選手が教えてくれるからや、かつてバリバリプレーしたお父さんが教えてくれるということも、スポーツへの参加を導く大切なポイントなのでしょうが、その前段階の子供たちにとっては、同年代の友達が、スポーツとの関わり持たせてくれる大切なポイントに違いありません。


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2007年01月20日

後出しジャンケンと動体視力

 Coaching119というサイトがあります。ベースボール・マガジン社が運営するサイトで、スポーツの指導者のための情報を掲載しています。実はこの運営にも携わっているのですが、このサイトの中にアスリート通信というコンテンツがあります。ここでは、コーチや選手に限らずスポーツに関わる仕事で活躍している人たちにお話を聞き、彼らのスポーツ指導に対するノウハウなどを紹介しています。

 このコンテンツで最初に紹介した人物が、動体視力ソフトウェア『武者視行』を開発した藤川陽一さんでした。藤川さんにお話を聞いたときに、まず最初に切り出されたのが後出しジャンケンでした。どちらか一方が負け役になるのですが、これが意外に難しく、なかなかテンポよくスムーズにとはいきませんでした。

 相手が出してくる一手を素早く判断し、それに対応する次の一手を素早く出す。これが、藤川さんが高めようとしている動体視力でした。どんなに反応の速い素晴らしい筋肉を持っていても、相手の技やプレー、飛んでくるボールへの対応を的確に判断するのは脳なのです。

 この判断が鈍ると、一瞬でも動きが止まることになります。特に格闘技のようなスポーツでは、一瞬でも動きが止まってしまっては、相手の攻撃をまともに受けることになります。それ以外のスポーツでも、プレー中にのんびりと次の行動を考えている暇はありません。常に相手の動きや、ボールの動きを目で見て素早く判断することが要求されるのです。

 最初に藤川さんに動体視力の話をお聞きする際は、目の前を通り過ぎる特急列車に乗っている乗客がはっきりと見えるようになる・・・のような能力を連想させたのですが、眼から入ってくる情報を瞬時に判断し素早く行動に移すことも、動体視力の大切な要素であることを知った次第です。

 ところで、藤川さんがこのソフトウェアを作ろうと思った遠因には、空手の選手時代、顔面パンチへの「首を鍛えろ」という対応に、疑問を持ったことがあるそうです。製品開発のヒントはいろんなところに転がっているものですね。

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