2007年03月15日

義足のメジャー・リーガー

お昼休み、何気なく机に置いてあった書籍(『メジャー・リーグ紳士録』伊東一雄著)を開いたとき、目に飛び込んできた選手がピート・グレイでした。グレイと言えば、第2次世界大戦中の1945年にメジャー・リーグ(セントルイス・ブラウンス=現ボルティモア・オリオールズ)に登場した隻腕の外野手として有名です。

隻腕と言えば、カリフォルニア・エンゼルス(現アナハイム・エンゼルス)やニューヨーク・ヤンキースなどで活躍したジム・アボット投手が思い浮かびます。アボット以外では、やはりヤンキースなどに在籍したカーチス・プライド外野手が、聴覚に障害がありながらも見事なプレーを見せていました。

他にはどんな選手がいたんだろう・・・などと思いはじめると調べずにはいられなくなり、仕事が一段落した夜に、ウェブや書物で調べてみることになってしまいました。そこで見つけたのがバート・シェパード(Bert Shepard)という選手でした。

シェパードは、マイナー・リーグを渡り歩いた投手でした。第2次世界大戦に従軍したシェパードは、搭乗していた戦闘機がクラッシュし右足を失ってしまいます。戦時捕虜となったシェパードでしたが、捕虜収容所で義足歩行を習得し、投球練習まで始めています。

帰還後、再びメジャー・リーグの大舞台を夢見てワシントン・セネタース(現ミネソタ・ツインズ)の春季キャンプに参加しています。そこでオーナーの目に留まりピッチングコーチの職を得ることになります。これだけでも凄いことなのに、その年(1945年)の8月4日には1試合だけですが、メジャーのマウンドに立っています。

ちなみに62年前(1945年)の今日3月5日は、シェパードがセネタースのトライアウトを受けた日でした。本当に世の中には凄い人がいるものです。選手としての実績は輝かしいものではなかったかも知れませんが、同じような障害を持つ人たちにとっては、ジョー・ディマジオ選手(ヤンキース)やボブ・フェラー投手(クリーブランド・インディアンス)に優とも劣らない輝きを放っていたに違いありません。


皆様にご協力いただいている週刊ベースボールのアンケート「ボールパーク共和国」がアンケート内容を変えて再スタートを切っています。現在は下記2アンケートを実施中です。
https://www.bbm-data.com/sportsclick/baseball/ballpark/index.html

第1回ベースボールアンケート 
いよいよ開幕が近づいてきましたが、さて、パ・リーグで今季新人王を取るのは誰だと思いますか? 
応募締め切り= 3月19日(月) 

第2回ベースボールアンケート 
セ・リーグで今季新人王を取るのは誰だと思いますか? 
応募締め切り= 3月26日(月)

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2007年03月14日

スーパースターを凌ぐ存在感を放つ松坂投手

メジャー・リーグの記事やインタビューの中で「adjust」という言葉を目にしたり、耳にすることがあります。適応という意味ですが、月刊メジャー・リーグ編集部時代から、英字新聞やネットでよく目にした言葉でした。

メジャーに挑戦する日本人選手は、野球をプレーする以前に食事や生活習慣など日本と異なる環境を克服しなければなりません。そこで重要とされるのが、野球だけでなく身の回りので起こる様々な事柄に対してadjust(=適応)する能力の高さです。

野茂英雄投手以後、続々と海を渡った日本人選手たちは、皆、そういった環境にadjustしながら成功を収めてきました。なかなかヒットが出ずに苦しんでいるデビルレイズの岩本明憲選手なども、そんな環境の違いに苦しんでいるのかも知れませんね。

注目度No.1の松坂大輔投手(ボストン・レッドソックス)もそうなのかも知れませんが、プレーぶりを見る限りではそんなそぶりすら見えません。レッドソックスのメディア部門の関係者は、「これほどまでに興味を抱かせる選手は見たことがない・・・」と語っています。

この関係者は、かつてテキサス・レンジャーズでも同じ職種についていたそうですが、記事の中では、彼がレンジャーズ時代に出会ったスーパースターたちよりも、松坂投手からはインパクト感じているというのです。

そのスーパースターとは、ヤンキースの主軸アレックス・ロドリゲス三塁手と、メジャー通算5714奪三振、7度のノーヒッターをはじめ、数々の大記録を持つノーラン・ライアン投手。まだ公式戦で一度も登板していないのに、彼らを引き合いに出すほどの存在感を示しているのです。

どんなに才能溢れる選手でも、努力なくして成功はあり得ませんが、努力さえすれば誰もがスーパースターに成れるのかと言えば、そんなこともありません。野球に限らず、スーパースターと呼ばれる選手は、生まれながらにそういった雰囲気を持った人たちに違いありません。

一方で、ここまで高く評価された記事を読むと、逆に心配になってしまうのは私だけでしょうか。まあ、小さな頃から大舞台で活躍し、プロ球界入り後も安定した実績を残してきた投手ですから、そうそう大きく崩れることはないのかも知れませんね。

ところで、サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ選手が、2007年シーズンがまだ開幕してもいないのに、今季のことではなく2008年シーズンのことを聞かれて、「体調が万全ならばプレーしているかも・・・」という発言をしていました。もちろん今シーズンの活躍が前提にあってのことでしょうが、こちらも楽しみです。


皆様にご協力いただいている週刊ベースボールのアンケート「ボールパーク共和国」がアンケート内容を変えて再スタートを切っています。現在は下記2アンケートを実施中です。
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第1回ベースボールアンケート 
いよいよ開幕が近づいてきましたが、さて、パ・リーグで今季新人王を取るのは誰だと思いますか? 
応募締め切り= 3月19日(月) 

第2回ベースボールアンケート 
セ・リーグで今季新人王を取るのは誰だと思いますか? 
応募締め切り= 3月26日(月)

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2007年03月07日

予期せぬ動きが魔球の秘訣!?

日本時間の7日未明、ついにボストン・レッドソックスの松坂大輔投手がフロリダ・マーリンズとのオープン戦に登板しました。前回は大学生(ボストン・カレッジ)が相手でしたから、あまり興味は湧かなかったのですが、さすがにメジャーが相手ですからことの行方が気になりました。

ウェブなどでは、「魔球ジャイロボールを1球は投げた・・・」。などという記事が紹介されていました。魔球と聞いて連想するのは、子供の頃に見た「巨人の星」や「侍ジャイアンツ」といった漫画の中でのお話だったのですが、最近の米メディアの熱狂ぶりを見ていると、今まで接点すら持たなかった漫画と現実がグッと近づいたように感じます。

予期しないような動きに出くわすと、私たちはその対応に苦慮します。スポーツをプレーしている場面で、どうしてこんなところにいるの・・・とか、こんなに曲がるとは思わなかった・・・といったイメージを持ったことがある人は少なくないはず。

かつて、動体視力ソフト『武者視行』の開発者・藤川陽一さんを取材した際に、「プロボクサーにとっては、一番怖いのは見えないところからもらうパンチなんです(=予期しないところで繰り出されるパンチ)。見えていれば、普段から鍛えているのでダメージを最小限にできるんですよ・・・」と話してくれたことがありました。

19世紀後半、ウィリアム・カミングスが最初にカーブを投げたときに対戦した打者は、今まで見たことのないような変化球に驚いたに違いありません。カーブが普及し、誰もが投げることができるようになれば、打者の目も慣れることになります。ある程度変化を予期することができるようになれば、プロ野球選手のような技術を持った打者ならば対応できるようになることは想像に難くありません。

カーブ以後、八百長疑惑で永久追放になったエド・シーコット投手が投げていたナックルボール、史上3位となる373勝を挙げている左腕のクリスティー・マシューソンが投げていたフェイド・アウェイと呼ばれたスクリューボール、マイク・スコットの活躍で有名となったスプリット・フィンガード・ファストボール、近年ではフォークボールやカットボールなども魔球のような威力を発揮してきました。

私たち人間の能力は日々進化していますから、100%打者を討ち取れるボールなどないでしょう。当然のごとく、打者も日々の努力でそれらの魔球を克服してきました。実際にジャイロボールを投げているのかどうかは別にして、松坂投手の投げるボールが、公式戦でどのくらい強烈な印象をメジャー・リーガーたちに与えることができるのか、それに対してメジャー・リーガーたちがいかに対応していくのか、今から開幕が楽しみです。


ベースボールアンケートvol.89 
テーマ=「今季、セ(D)・パ(F)のどちらか一方でも連覇をする?」 
応募締め切り= 3月12日(月) 

ドシドシご応募下さい。
https://www.bbm-data.com/sportsclick/baseball/ballpark/index.html


ラグビーマガジン読者アンケート
今年もやります、ファン投票。「BEST OF 2006-2007」 
https://www.bbm-data.com/sportsclick/rugby/best_of/index.html

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2007年03月06日

SportsClick3月6日更新情報

SportsClickの本日更新のコンテンツは下記の競技になります。

■悩めるビギナーをスパッと診断 第10回:アジャスティングについて教えてください
http://www.sportsclick.jp/bowling/07/index10.html

■技術スペシャル~TECHNICAL SPECIAL~ 第19回:ダブルスに効く配球術 その1
http://www.sportsclick.jp/badminton/04/index19.html
 
■女子空手家 小林由佳のWeb日記 由佳一丁! 先週は昇段審査のお手伝い*
http://www.sportsclick.jp/combat/column01/index23.html


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2007年03月05日

夏冬両五輪で初めて金メダルを獲得した男

3月1日配信のメールマガジン「BBMニュース!Vol.19」の冒頭でも紹介したのですが、今年は世界最高のヨットレース「アメリカズカップ」の年。日本は過去3回(1992、1995、2000年)アメリカズカップに参加しています。日本が挑戦した公募によって選ばれたクルーの中には、ヨット競技の出身者ではない人がメンバーに入って頑張っていたことを憶えている人は多いはず。

自分がトライしたことのない競技に挑戦するというのはある種の冒険ですが、それぞれの競技で名を成した人にとっては、競技が違えどステップアップの方法は共通しているのかもしれません。陸上競技のスプリンターが、冬季競技のボブスレーに参加したりするのはよく聞く話です。

スケート選手が自転車競技に挑戦するという話も知られています。橋本聖子選手(現参議院議員)などは、日本における先駆者と言ったところでしょうか。男子選手の中には、競輪選手に転向する選手もいます。プロとして競技が確立している自転車は、選手にとっては魅力的に写るのかもしれませんが、スケート選手のセカンドキャリアがしっかりと確立していないことも原因でしょう。

ところで、五輪史上初めて夏冬の大会で金メダルを獲得した選手の競技の取り合わせは、ボクシングとボブスレーでした。1920年のアントワープで開催された夏季五輪のボクシング・ライトヘビー級で優勝していたエディー・イーガン(米国)は、1932年のレークプラシッド冬季五輪にはボブスレー4人乗りの米国代表メンバーの1人として出場し見事に優勝しています。

普通は予想しない取り合わせですね。もちろん、イーガン選手の運動能力が優れていたことは間違いのないところです。調べてみるとイーガン選手はコロラド州デンバーの出身。雪の降る地域ですから、冬季競技には慣れ親しんでいたのかもしれませんね。ちなみに、選手引退後は弁護士になっていますから、文武両道の選手とも言えるでしょう。


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2007年02月28日

ワグナーと古田のスポーツカード

今日のスポーツ紙に、ホーナス・ワグナー選手のスポーツカードが、史上最高額で取引されたことが掲載されていました。当時はタバコのおまけだったこのカードが、235万ドル(約2億8800万円)というから驚きです。ワグナーはタバコを吸わなかったため、早々に回収されたことによって市場に出回った枚数が少ないことなどがプレミア感を高めているようです。

スポーツカードの話では、必ずと言っていいほど紹介されるカードの中の1枚です。そのためか、日本ではワグナーの野球選手としての傑出した実績よりも、非常にレアなベースボールカードとして紹介されることの方が多いような気がします。

ホーナス・ワグナーは、1874年生まれ。1897年にメジャーデビューを果たし、1900年から17シーズンをパイレーツで過ごしています。その間、首位打者を8回、打点王を4回、盗塁王を5回獲得するなど、メジャー・リーグを代表する強打の遊撃手として鳴らしています。

当然のことながら第1回の野球殿堂入りメンバーで、書籍などでよく掲載されている2列に並んで撮られた記念写真では、ウォルター・ジョンソン投手や、ジョージ・シスラー選手らに混じって、後列の左端に立っています。ちなみに椅子に腰掛けた前列は、サイ・ヤング投手、コニー・マック監督、ベーブ・ルース選手、エディ・コリンズ選手でした。

ところで、入社したての頃、ベースボールカードの制作にほんの少し携わったことがあります。カードに使用する原稿が、手書き原稿で印刷所に入稿されていた時代です。そのときに作業台にしていた机の引き出しから、古田敦也捕手(現東京ヤクルト監督兼選手)のカードを見つけたことがあります。

よく見ると左利きの古田捕手。そう、ポジフィルムが裏焼きされ、それがそのままカードになったものでした。カードコレクターの方ならよくご存じの1枚だったのですが、当時の私にはこれが非常に価値のあるカードだとの認識はありませんでした。

もちろん、ワグナーほどの高値は付くはずはないのですが、無造作に放置されていた状況から察するに、その当時、制作を行っていた人たちにとっては校正ミスの1枚という認識の方が強かったような気がします。価値の基準をどこに置くかは人によって異なります。カードを制作していた編集者にとっては、校正でミス(写真が裏焼きだったこと)してしまったことの方が、印象に残った1枚だったに違いありません。


ベースボールアンケートvol.88 
テーマ=「松坂はメジャーで新人王を獲得する?」 
応募締め切り= 3月 5日(月) 
 
ベースボールアンケートvol.89 
テーマ=「今季、セ(D)・パ(F)のどちらか一方でも連覇をする?」 
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2007年02月27日

縦縞のユニフォーム

 縦縞のユニフォームといえば、日本ならば阪神タイガースを真っ先ににイメージされる方が多いはず。とはいえ、広島東洋カープ、東京ヤクルト・スワローズ、千葉ロッテ・マリーンズも縦縞のユニフォームを持っていますから、縦縞が阪神だけの専売特許ではないとも言えます。

 阪神は1936年の大阪タイガース創設時から縦縞のユニフォームを使っていましたが、1948年頃、縦縞はいったん姿を消します。その理由をBBM社から出版されている「プロ野球ユニフォーム物語」(文・綱島理友/綿谷寛)では、戦後の物資不足が原因では・・・紹介しています。ちなみに、縦縞が復活するのは1953年です(詳しくは同書をご覧下さい)。

 海の向こうメジャー・リーグならばピンストライプのニューヨーク・ヤンキースが有名ですね。もちろん、昨年のワールド・シリーズ王者のデトロイト・タイガースも縦縞のユニフォームを持っていますから、こちらもヤンキースの専売特許というわけではありません。

 ヤンキースの前身ニューヨーク・ハイランダーズのユニフォームにピンストライプが使われたのは1912年4月11日の地元開幕試合でした。もっとも、それより以前に縦縞のユニフォームを着たチームは存在していましたし、ヤンキースもピンストライプはこの年だけで、翌年から2年間はピンストライプが入っていないユニフォームを着てプレーすることになります。

 1915年にピンストライプは復活し、今のような形になったのは1936年からと言われています。ベーブ・ルースがヤンキースに加わったのが1920年ですから、それよりも8年ほど前に、今やトレードマークともなっているピンストライプのユニフォームがお目見えしていたのです。このあたりの情報はWEB上ではたくさん紹介されているので、ご存じの方は多いはずですね。

 ルース入団後、ヤンキースは全盛を迎えることになります。強いヤンキースとピンストライプは人々の脳裏に強く焼付けられたに違いありません。もし、ルースが入団せず、チームも爆発的な強さを見せることがなかったのなら、ピンストライプ=ヤンキースのような刷り込みは起こらなかったのかも知れません。

 阪神も、草創期に活躍した酒仙投手西村幸生、強打の景浦将、松木謙治郎らスター選手の活躍によって巨人と覇権を競っていた当時のイメージが、脈々を受け継がれているのかも知れません。私たちは良かった頃のイメージをいつまでも持っているものです。運動不足のお父さんが、久々にプレーしたソフトボールで肉離れを起こすことがありますが、昔のイメージのまま体を動かしてしまうことは多々あるものです。

 例えは良くなかったかも知れませんが、それくらいイメージは私たちの体に染みついているものですから、縦縞のイメージが人々に阪神やヤンキースを連想させてしまうのは、当然と言えば当然なのかも知れません。


 話は変わりますが、今日はスポーツクリックのコンテンツ更新日です。ためになる内容が詰まっていますので、是非一度ご覧になってください。
・ソフトテニス:グレードアップ技術特集 第10回:ストロークの打ち分け楽勝レッスン! 
 http://www.sportsclick.jp/s_tennis/index.html
・ボウリング:The Big Shot! 第8回:ピート・ウエーバー
 http://www.sportsclick.jp/bowling/index.html
・ラグビー:ナワル塾 第4回:Let’s play!Try it!スキルアップ講座
 http://www.sportsclick.jp/rugby/index.html
・水泳:萩原智子 特選「ポイントレッスン」第10回:スタート台からの飛び込み
 http://www.sportsclick.jp/swimming/index.html
・柔道:これで君も柔道博士 第10回:「選手権」と「選士権」
 http://www.sportsclick.jp/judo/index.html
・格闘技:由佳一丁☆ 筋肉痛 
 http://www.sportsclick.jp/combat/column01/index22.html


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2007年02月23日

よいプレーを見抜く眼を持とう!

素人が見てもよく分からないけれど、見る人が見れば素晴らしいプレーというのが、スポーツには多々あります。特にチームスポーツにおいては、華やかシュートなどに目がいくことが多いのですが、それを引き出した他の選手の動きは、表だって評価されることはありません。

確かにスポーツニュースなどでは、解説者がそういったプレーを解説してくれるケースはありますが、スタジアムで観戦中にそんなことを気にする人はそれほど多くはないはず。もちろん、雰囲気を楽しむこともスポーツの楽しみ方の1つですから、そのことを否定するつもりはありません。

以前、順天堂大学サッカー部監督の吉村さんを取材したことがありました。吉村さんのオランダ留学中の話の中で、オランダのファンは、目立たないが素晴らしいプレーを引き出した選手の動きを、評価する目を持っているという指摘がありました。

そういったプレーに対する評価は、サッカースクールで教えられるというよりも親から子へと受け継がれてきているとのこと。スタジアムからの帰り道、日本人の親子ならロナウジーニョの素晴らしいフェイントが話題になるのでしょうが、オランダでは、それよりも相手の素晴らしいプレーを引き出した選手の動きを話題にするというのです。

吉村さんは“この差が大きいんだよ”と力説されていましたが、サッカーに限らず、華やかプレーを支える地味だが大切な動きを知るということは、特にこれから大きく成長する子供たちにとっては、とても重要なことに違いありません。

もちろん、私たちファンの側にとっても学ぶべき大切なポイントであることに変わりはありません。なぜなら、スポーツの発展はプレーの華やかさや地味さを抜きにして、よいプレーを見抜く眼を持ったファンによって支えられているからです。

うわべだけのニュースに左右されない、本当のスポーツに対する眼力を持つことで、私たちのスポーツの楽しみ方は何倍にも膨らむのではないでしょうか。

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2007年02月22日

2月2日生まれた名選手は?

何かを書こうと思ってもなかなか筆が進まないことがありますが、今日はまさにそんな日。とは言えブログは継続することが大事と頭をひねった結果、今日が誕生日のアスリートを捜すことにしました。

2月22日に生まれたアスリートを調べていくと、まずはメジャー・リーグのスパーキー・アンダーソン(1934年)を筆頭に、サッカーのデニス・ロー(1940年)、F1レーサーのニキ・ラウダ(1949年)、バスケットボールのジュリアス・アービング(1950年)、ゴルファーのビジェイ・シン(1963年)、テニスのマイケル=チャン(1972年)らをリストアップできました。

スパーキー・アンダーソンは、ナ・リーグ、ア・リーグの両方で初の800勝を記録し、75、76年にはレッズで、84年にはタイガースでワールド・シリーズを制し、両リーグで世界一となっている名将です。特に76年は、プレイオフ、ワールド・シリーズ共に無敗で制しています。最初の監督就任の記者会見では、記者たちがどんな人物なのか知らなかったというのは有名な話です。

デニス・ローは、スコットランドを代表するストライカーで、「ジャックナイフ」の異名を取った鋭いヘディングが有名。ワールドカップは1974年大会の1試合のみの出場でしたが、1964年にはスコットランドで唯一の欧州年間最優秀選手(=バロンドール)に輝いています。

ニキ・ラウダは、フェラーリやマクラーレンなどで活躍し、ワールド・チャンピオンに3度輝く名ドライバーでした。1976年のドイツGPではクラッシュで大やけどを負いますが、僅か6週間でレースに復帰した話は有名です。引退後は航空会社(ニキ航空)を経営しています。

ジュリアス・アービングは、1970~80年代にかけてのABAやNBAで活躍したスーパースターでした。Dr.Jのニックネームで親しまれたダンクシュートの名手が、1976年のオールスター・ゲームのハーフタイムで見せたフリースローラインから跳躍してのダンクシュートは、バスケットボールファンならずとも知っている方は多いはずです。

まだ現役で活躍しているビジェイ・シンは、今年1月に行われたPGAツアーで優勝し、40代にしてPGA通算18勝を挙げるというツアー新記録を樹立しています。シンよりも若いマイケル・チャンは2003年に31歳で引退していますが、1989年の全仏オープンでは17歳3カ月という史上最年少でグランドスラムを制しています。

それぞれのスポーツが好きな方なら、個々の選手のことはもっとよくご存知かも知れませんが、誕生日をもとにスポーツを見ていくだけでも、これだけの名選手がリストアップできました。スポーツは話題に事欠かない分野だと、改めて感心させられた次第です。


・『ベースボールマガジン春季号』では、「今季の順位はこうなる!!」と題した読者アンケートを募集しています。
https://www.bbm-data.com/sportsclick/baseball/baseball-q/index.html

・ベースボールアンケートvol.87のテーマは「楽天・田中は今季先発ローテ入りする?」 です。
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2007年02月20日

マラソンの距離が42.195kmになったのはいつから?

 2月18日に行われた第1回東京マラソンでは、東京の街中を約3万人のランナーが走り抜けました。42.195kmも走るんだから大変だなぁ~とTVを見ながら感心していると、家人から、「マラソンっていつから42.195kmになったの?」という質問。即答はできず、結局調べるはめになりました。

 皆さんご存じの通り、マラソンは今から2500年ほど前、地中海の小国アテネがマラトンの戦いで大国ペルシャに勝利したことを伝えるために兵士がマラトンからアテネまでを走り、勝利を伝えて息を引き取ったという故事にちなんで、1896年の第1回アテネ・オリンピックを実施する際に、マラトンからアテネのパンティアナ競技場までの約40km走る競技として行われています。

 ちなみに第1回は約40km。第2回のパリ大会が40.26km、第3回のセントルイス大会が40kmでした。第4回ロンドン大会で初めて42.195kmとなっています。この大会でも40km程度にする予定だったと言われています。スタートはイギリス王室所有のウィンザー城。このとき、イギリス国王ジョージ5世のお妃メアリーが、皇室育児室の窓の下にスタート点を移してほしいと要望したため、端数が出てしまい、結果として42.195kmとなったのです。

 第5回ストックホルム大会は40.2kmでしたから、ロンドン大会が契機となってマラソンの距離が42.195kmとなったかと言えば、そんなことはありませんでした。結局、1924年の第8回パリ大会の時に、マラソンの距離は正式に42.195kmとなっています。

 2000年のシドニー大会・女子マラソンは高橋尚子選手が優勝していますが、猛烈な勢いで追い上げてきたリディア・シモン選手の姿を今でも覚えている方は多いと思います。マラソンの距離が大会によって異なり、シドニー大会が43kmだったとしたら、順位が入れ替わっていたのかも知れません。あるいは、1964年の東京大会での男子マラソンが40kmだったら、円谷幸吉選手はベイジル・ヒートリー選手に抜かれず銀メダルに輝いていたのかも知れませんね。


・『ベースボールマガジン春季号』では、「今季の順位はこうなる!!」と題した読者アンケートを募集しています。
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