2007年02月06日
5種競技とメジャー・リーガーJim Thorpe
野球だけでなく他のスポーツにおいても、速く走ることができるにこしたことはありません。もちろん、競技によって求められる速さは異なることも事実。短い塁間を走る野球やソフトボールの選手に、陸上競技の100m走のような走りは必要ありません。 陸上競技のスプリンターだからといって、アメリカンフットボールの名ランナーになれるかと言えば、必ずしもそうではありません。プロ野球の通算盗塁数の日本記録を持っている福本豊さんが、100mを10秒台で走ることができたかと言えば、そんなことはないでしょう。 もちろん、そんな両方の要素を兼ね備えたスーパースプリンターも、過去に存在したことは確かです。その代表格が、20世紀前半に活躍した最高のスポーツ選手とも称えられるジム・ソープ(正式名はジェームス・フランシス・ソープ)です。 ネイティブアメリカン(サック・フォックス族)の血を引くソープは、ネイティブアメリカンのための職業学校に入学後、スポーツ選手としてのキャリアをスタートさせています。そこでフットボールの名将として名高いグレン・ワーナーコーチに出会いスポーツ選手としての才能を開花させます。 当然のごとく、フットボールだけでなく陸上、野球、バスケットボールなど数々の競技で頭角を現します。陸上では、1912年の第5回ストックホルム五輪にアメリカ代表として出場、5種競技、10種競技で見事に優勝を果たしています。 ちなみに5種競技は1906年に最初の競技が行われています。五輪好きの人ならば、ここで「?」と思われるはず。第1回大会は1896年、第2回が1900年、第3回が1904年となると、第4回は1908年となります。確かに1908年には第4回ロンドン大会が行われています。 となると、記録に残る1906年とは? となるはず。実は、第3回と4回の間に中間大会というものが存在していたのです。場所はアテネでした。正式な回数には数えられていませんが、22カ国から884名の選手が参加し、12競技に力の限りを競ったそうです。陸上の5種競技は、この大会が始まりでした(その後は1912、1920、1924年に実施)。 話がそれてしまいましたので、話題をソープに戻します。五輪で2種目を制した栄光は翌年地に墜ちることになります。五輪出場より前に、セミプロチームで野球をプレーしていたことが発覚したためでした。アマチュア規定に違反するということで金メダルは剥奪されることになります。 このあたりのエピソードはよく出てくる話なので、ここではあまり深くは触れません。ソープは1913年にニューヨーク・ジャイアンツに加わり、メジャー・リーガーとしてのキャリアをスタートさせます。その後、シンシナティ・レッズ、ジャイアンツと渡り歩き、1919年にボストン・ブレーブスで最後のシーズンを送っています。 野球界を引退後、1920年からは8シーズンフットボール選手としても活躍し、NFLの前身ともいえるプロフットボール・リーグの初代会長にまで登り詰めています。 1950年、AP通信社が20世紀前半で最も傑出したアスリートにソープを選んだことは、他方面に渡るソープのマルチな活躍ぶりを、当時の人々が評価していた証でしょう。なにしろ、ベーブ・ルースやタイ・カッブといったMLBのスーパースターたちを抑えてのものなのですから。 ジム・ソープ 出場試合289、 安打176、 本塁打7、 打点82、 打率.252 ベーブ・ルース 出場試合2503、安打2873、本塁打714、打点2211、打率.342 タイ・カッブ 出場試合3034、安打4191、本塁打118、打点1961、打率.367 記録だけ見れば、ルースやカッブには遠く及びませんが、陸上競技、野球、フットボールという異なる3つ競技で残した実績は、類い希な才能を野球において開花させた2人をも凌駕したといえるでしょう。 ボー・ジャクソンやディオン・サンダースがNFLとMLBの2足の草鞋を履いて活躍したことがありましたが、ソープが彼らの先駆者だったことは間違いありません。2001年には、アメリカのABC放送によって20世紀最高のスポーツ選手の栄誉にも浴しています。 これは素晴らしい偉業だとは思うのですが、20世紀後半に活躍した選手には、ソープを超える業績を残せなかったのか・・・と思わず考えさせられました。人々の生活が多様化し、スポーツも多様化している現代社会では、本業以外でも相当な活躍を見せないと、人々の心には長くは残らないのかもしれませんね。
★週刊ベースボール ボールパーク共和国の現在展開中のアンケート・テーマは「球団が選手の服装を制限するのは、やりすぎ?」 応募締め切り= 2月12日(月)です。 http://www.sportsclick.jp/baseball/index.html ★好評発売中の「スポーツキッズアルファ」のSpecial Interviewはニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さん。プレゼントは同選手の直筆サイン入りバット&ボールです。 今号のテーマは「運動偏差値UP大作戦!」です。 http://www.sportsclick.jp/sportskids/index.html ★快適な眠りをサポートするテンピュール商品★ BBM@SHOPにて好評販売中! http://bbm-shop.sportsclick.jp/bbmshop02/9.3/29634/
posted by sclick |18:50 |
コメント(0) |
トラックバック(0)


