2007年01月17日

MLBの盗塁記録のお話

 かつて、ビリー・ハミルトンという野球選手がMLBで活躍していました。活躍といっても19世紀から20世紀にかけてという、今から100年も前のことになります。ハミルトンは、通算2163安打を放っただけでなく、937盗塁を記録した名選手で、首位打者2回、盗塁王4回を獲得しています。

 基準が変われば記録も変わる。当たり前のことと言えばそれまでなのですが、2つの基準でプレーし続けた選手の記録はどうなるのでしょうか? ハミルトンが活躍した19世紀末には、一塁走者が次の打者の安打で三塁まで進塁すると、二塁から三塁までは盗塁と記録されたといいます(『メジャー・リーグ紳士録』ベースボール・マガジン社刊 伊東一雄著)。

 MLBでは1901年以降を近代野球と称して、記録はすべてこれ以後のものを採用しているのです。このハミルトンという選手は1901年までMLBでプレーしたため、それ以前の記録も含め公式な記録となっているというのです。

 盗塁に対する基準が違う時代を走り抜けた選手が、MLBの記録を持っているというのはなんとも釈然としないものだったでしょう。前出の伊東一雄さんによると、このMLB記録を塗り替えたのがあのルー・ブロック選手。彼は40歳でこの記録を塗り替えるのですが、彼が長い間現役選手としてプレーし続けなければならない理由の一つがこれだった・・・という表現をされていました。

 もちろん、ハミルトンの偉業にケチなどつけるつもりはないし、そういターニングポイントでたまたま活躍していたためにそうなっただけと言ってしまえばそれまでのことです。当然のことながら1961年に野球殿堂入りも果たしています。

 今日、何の話を書こうかと考えているときに、たまたま袖机に置いてあった『メジャー・リーグ紳士録』が目に入り、開いたページがハミルトンだったというだけなのですが、改めて読み返してみても面白い話でしたので紹介させていただきました。

 実はこの本、私がベースボール・マガジン社の出版部に籍を置いていたときに担当になったものでした。当時、MLB選手の顔写真は、有名選手以外はみんな同じに見えて写真選びに苦労したことを思い出しました。

 その後、月刊メジャー・リーグ編集部に異動になって、いやというほどMLB選手を見たおかげで、今では私が編集部に在籍した当時の選手ならば大体一見すると分かるようになりました。慣れというのは恐ろしいものですね。


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posted by sclick |11:43 | コメント(0) | トラックバック(0)
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