2009年08月31日
鈴木明子の滑る「ウエストサイド・ストーリー」の素晴らしさが、五輪シーズンの開幕が目前に迫っていることを実感させた。
23日に新横浜スケートセンターで行われた「フレンズ・オン・アイス」で、鈴木が披露したのは今季のフリープログラムだった。ミュージカルの最高峰「ウエストサイド・ストーリー」の曲に乗った鈴木の滑りは、映画の名場面が次々と思い起こされる、良い意味で「美味しいとこどり」の大変見応えのあるものだった。
鈴木は、浅田真央・安藤美姫といったスター選手が名を連ねる日本女子のなかでは、決して目立つ存在とはいえない。私が鈴木の演技を初めて意識して観たのは昨季のNHK杯だったが、日本女性らしいつつましやかな雰囲気と、内面からあふれ出てくる情熱を併せ持つ鈴木の魅力が強く印象に残った。鈴木が滑っているときは目を離せないのだ。日本にはまだこんなに力のあるスケーターがいたのかと、自らの不明を恥じたものだ。
鈴木には、摂食障害で競技生活を中断せざるを得なかった時期があるという。繊細さと芯の強さが同居する鈴木の独特な雰囲気は、辛い経験を乗り越えたことと無関係ではないように思える。
この「フレンズ・オン・アイス」でプロスケーターとして貫禄の滑りを見せていたシェイリーン・ボーンが、鈴木の「ウエストサイド・ストーリー」を振り付けた。きっと彼女は鈴木に、劇的なプログラムを演じられる力を見出したのだろう。鈴木は優しく、ときには激しく、どのパートも見事に滑り切っていた。
どの選手も格別の思いで臨む五輪シーズン。鈴木の質の高いプログラムに、日本女子の華麗で熾烈な代表枠を巡る争いが、今から少しだけ見えたような気がした。
posted by satoko |13:01 |
フィギュアスケート |
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2009年08月24日
怪我による苦難の日々が、高橋大輔に新たな力を与えたのかもしれない。
23日、新横浜スケートセンターで行われた「フレンズ・オン・アイス」を見に行く。荒川静香さんが中心になって開催されるこのアイスショーで、右膝の故障で昨季は試合に出られなかった日本のエース、高橋が復帰した。
新しいエキシビションナンバー「ラブレター」はゆったりとした曲で、派手さはない。しかし、今まで情熱的な演技が印象的だった高橋の、新たな魅力を観た気がした。大人の落ち着きが感じられたのは、手術後基礎からやり直したという練習で技術が磨かれたせいなのか、過酷なリハビリを乗り越えたことによる精神的な成熟のためなのか。
報道によれば、昨年末から四月まで続いたリハビリに耐えかねた高橋は、二月に約二週間姿を消したという。再びリハビリに取り組むまでの二週間、高橋は自分にとってのスケートの意義を問い直したのではないだろうか。そして氷上に戻るという決断を下した高橋には、以前にはない強さが備わったはずだ。
気の良い、でも少し弱いところのある男の子という印象があった高橋が、大人の男性となって五輪シーズンを迎えるリンクに戻ってきた。会場で立ち上がって復帰を喜んだ観衆の姿が、高橋にさらなる強さを与えたのではないだろうか。
posted by satoko |11:46 |
フィギュアスケート |
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2009年08月17日
観客に受ける演技か、否か。それが勝敗を分ける場合もあるのかもしれない。
12日、千葉県国際総合水泳場で、第6回アジアエージグループ選手権大会・シンクロ競技のフリーコンビネーション決勝を観戦した。日本は次代の代表といえるAグループ(16-18歳区分)の選手たちが出場。後半少し同調性が乱れたが、若々しい演技で優勝した。
長い手足の選手たちが優雅に泳ぐ中国の演技を見て、今大会には代表として地域のクラブが出ると聞いていたため、中国のレベルの高さを感じた。今後もアジアでは中国が日本の強敵となるのだろうか。
シンクロを会場で生観戦するのは、5月の日本選手権以来である。今回の会場では、記者席の周りは選手・関係者らしき外国人が多かった。良くも悪くも大人しい日本人に較べ、彼らは感情をあらわにする。高いリフトが成功すると、大きな歓声が上がったりする。競技が進行するにつれ、自分では冷静に観ているつもりでも、演技の印象が周囲の「観客受け」に微妙に左右されていることに少しずつ気づき始めた。
シンクロはあくまでもスポーツだから、きちんとした採点基準に基づいて冷静かつ客観的に採点されるべきなのはいうまでもない。しかし、審判も人間である以上、心を動かされれば高い点を出したくなるだろう。感情に訴える演技が高い評価を受けるのが採点競技の長所でもあると私は考えている。まして、シンクロの種目の中で最もショー的要素が強いフリーコンビネーションではなおさらだ。
この大会に限ったことではなく、概して日本は基本的な力が高い割には、アピールする力が少し足りないように思える。他国は全体的には雑な出来でも、ひとつ高くて印象的なリフトを決めて、それが印象に残ってしまったりするのだ。正しい採点方法とは別のところで、現実的に「印象」というものは確実に存在する。
情熱的なイタリア人が客席を埋めていたであろう、先月・ローマでの世界選手権の会場で、日本のフリーコンビネーションはどんな印象を残したのだろう。ロック「天国への階段」を表現しきったスペインは、きっと大きな喝采を受けたと思うのだけれど。
posted by satoko |11:42 |
シンクロナイズドスイミング |
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2009年08月12日
HC TOCHIGI日光アイスバックスの選手が傷害容疑で逮捕されたという。アイスバックスも謝罪会見をしたようだ。
廃部になった西武に所属していた選手が加わり、今季のアイスバックスには今までとは違う期待もかかる。東京での試合が数えるほどしかないこともあり、日光での試合を楽しみにしていた。事件の真相は分からないが、がっかりしたというのが正直な気持ちだ。
チームスポーツには、一人の選手の行動がチーム全体のイメージを損なってしまう側面がある。大変残念だが、起きてしまったことは仕方がない。アイスバックスがこれからの試合でプロとしての自覚を見せてくれることを期待したい。
posted by satoko |06:03 |
アイスホッケー |
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2009年08月03日
廃部となった西武に所属していた選手たちが、プロチームで再出発する。
アイスホッケー・アジアリーグのHC TOCHIGI日光アイスバックスに、前西武から6人の選手が移籍した。先月23日に行われた会見で、西武の主将だったFW鈴木貴人は
「日本唯一のプロチームで成績を残せば、日本アイスホッケー界のレベルアップにつながる」
と語ったそうだ。
西武最後の試合となった昨季のプレーオフ・ファイナル第7戦で、3点差から追い上げる2ゴールを決めた鈴木の鬼気迫る攻撃は忘れられない。北米でのプレー経験もあり、日本代表でも活躍してきた鈴木が、アイスバックスという新しい形態のチームを選んだことを喜ばしく思う。
地元で愛されながらもなかなか結果を残せずにいるアイスバックスだが、新戦力を得たことでプレーオフで勝ち上がることも期待される。廃部により苦しい思いを味わった元西武の選手たちが、アイスバックスでいいプレーをすることにより日本のアイスホッケーの未来を明るくしてくれることを願ってやまない。
前西武の監督・クリス若林氏が、今季からアジアリーグに参入する東北フリーブレイズのヘッドコーチに就任することも報道された。名門・西武の伝統を受け継ぐ人材が、これからも日本のアイスホッケーを支えていく。
posted by satoko |11:53 |
アイスホッケー |
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