2009年04月27日

アイスダンスの魅力

 アイスダンスは本当に魅力的だ。テレビで世界選手権を観戦して、改めてそう感じた。

 フィギュアスケートのなかでも、特に華やかでお洒落なアイスダンスは最も「スポーツらしくない」印象を与える種目かもしれない。しかしスケーティングのスピードと滑らかさを見れば、まぎれもなくアイスダンスの選手たちはアスリートであることが分かる。

 アイスダンスでは、各組の個性が特に重要である気がする。同じ課題をこなしても、それぞれのカップルにより全く違う演技になる。全ての基礎であるスケーティングをストイックに磨くと同時に、音楽・衣装・振り付けの全てにおいて「私たちらしさ」を追求する姿がアイスダンスの魅力ではないだろうか。氷上で華麗に舞うアイスダンスの選手たちは、実は容姿や能力といった自らの全てを冷静に分析して試合に臨んでいるのだろう。

 なかでも、やはりロシアには素晴らしい選手がいる。個人的にはトリノ五輪で金メダルを獲得した、ナフカ・コストマノフの成熟した演技は忘れられない。比較的選手の年齢が高く、大人の魅力が正当に評価されるのも、アイスダンスの良さだと思う。

 日本ではあまり注目されないアイスダンスだが、目の肥えた熱心なファンがいるのだろう。私自身まだまだ勉強不足だが、出来る限りアイスダンスを見ていきたい。 

posted by satoko |12:02 | フィギュアスケート | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年04月20日

浅田真央、「挑戦のシーズン」を終える

 浅田真央は、五輪プレシーズンを笑顔で終えた。

 世界選手権の記事の中で、「五輪プレシーズンは終わり」と書いてしまったが、世界国別対抗戦の存在を忘れていたわけではない。世界選手権は、その結果がすなわちシーズン全体の結果となる締め括りの大会、という意識が強いためであった。しかし、世界国別対抗戦は浅田にとり、私の予想をはるかに超える意味の大きさを持つ大会になった。

 世界国別対抗戦は選手にとりモチベーションの保ち方が難しい大会だろうとは思っていたが、報道で知る限りその推測は間違ってはいなかったようだ。だが浅田は今大会を、今季一貫して続けてきた挑戦を素晴らしいかたちで結実させる場にした。

 課題だったショートプログラムでトリプルアクセルを決め、フリーでも二回トリプルアクセルを跳んでしっかり下りた。フリーの二回目は回転不足と判定されたが、大会を通して浅田はほぼ完璧だったといえる。

 浅田のことだけ考えて述べることを許して頂ければ、重圧はなく、地元で思い切ってチャレンジできる今大会が、世界選手権後に開催されて本当に良かったと思う。今季の挑戦がしっかりと自分の力になっていることを、浅田は実感出来ただろう。

 来季は浅田にとり初めての五輪シーズンとなる。世界国別対抗戦で得た達成感が、自信となって来季の浅田を支えることを願う。
 

posted by satoko |14:00 | フィギュアスケート | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年04月13日

クラブチームという選択

 西武を、またアイスホッケーを愛する人たちは、東京にたくさんいるということを改めて感じる。

 三月末に廃部した西武に代わるクラブチーム創設の準備が、本拠地西東京市の商店街「東伏見商栄会」と「ラビッツ存続を求める会」を中心として進められているという。不況下で廃部した企業チームを、クラブチームとして存続させる動きには厳しさもあるだろうが、実現出来れば素晴らしいことだ。経営上の困難を抱えながらもHC日光アイスバックスが日光で愛され続けていることを思うと、東京でも西武がかたちを変えて残ってくれればと願わずにいられない。この窮地は、アイスホッケーというスポーツが新たなかたちで生まれ変わるチャンスになるかもしれないのだ。

 アイスホッケーのシーズンがくれば、東伏見でトップリーグの試合が見られる状況が、この先も変わらないでほしいと思う。

posted by satoko |11:46 | アイスホッケー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年04月06日

五輪プレシーズンの結末

 浅田真央が表彰台に上れないとは思わなかった。

 フィギュアスケートの世界選手権・女子シングルで、ディフェンディングチャンピオンの浅田は四位に終わり、好敵手のキム・ヨナは世界最高得点をたたきだし、圧倒的な強さで優勝した。

 はっきり言えることは、この大会でのキム・ヨナは素晴らしかったということだ。特にショートプログラムは、完璧という形容が許される数少ない演技だったと思う。地元での重圧があってか、顔色が優れなかったように見えたGPファイナルの苦い経験も生かしての優勝だったのではないだろうか。

 一方、浅田の表情は大会を通して連覇という重さを感じているように見えた。そのなかでもフリーで二回のトリプルアクセルに挑んだ姿勢はアスリートとして見事だったが、結果としては挑戦したことが裏目に出てしまったと言わざるを得ない。

 五輪プレシーズンは終わり、キム・ヨナは本命として、浅田は挑戦者としてバンクーバーに臨むこととなった。トリノ五輪を思い起こしても、五輪では演技を破綻なくまとめた選手が勝つように思われる。もしこの大会でのキム・ヨナの演技がバンクーバーで再現されれば、金メダルに限りなく近いことは間違いないだろう。ただ、完璧な演技を大舞台で繰り返し行うことは至難のわざだ。絶対的に見えるキム・ヨナの強さにあえて不安材料を探すとすれば、現時点での完成度があまりにも高いことではないだろうか。

 現在の採点はジャンプの失敗に厳しく、難易度の高いジャンプに挑戦するか否かはトップスケーターのなかでも意見が分かれているようだ。もちろんスポーツとしてより難しい技に挑戦することは大事だろうが、個人的には演技全体を通して‘表現’する競技であるフィギュアスケートの採点として、現在の方向性は納得できるものだ。

 浅田の最大の魅力は、大技に果敢に挑戦していく姿勢にあると思う。「攻める気持ち」を今季を通して貫いたことは、本当に立派だった。しかし、最終的な目標がバンクーバーでの金メダルであるならば、来季は演技をまとめる努力も必要になってくる。もちろん浅田もタラソワコーチもそんなことは百も承知の上で、挑戦し続けてプレシーズンを終えたのだろう。バンクーバーで浅田が表彰台の一番高いところに上ったとき、今季の挑戦は大きな意味のあるものとして振り返られることになる。

posted by satoko |12:05 | フィギュアスケート | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年04月01日

西武の解散という現実

 覚悟はしていたが、やはり落胆は大きい。

 年度末である三月から四月にかけては区切りの時期だが、今季限りでの廃部が決まっていたアイスホッケーの名門・西武の解散は「区切り」と言ってしまうにはあまりにも悲しい現実だ。

 三月三十一日の午後、西武の親会社・プリンスホテルの広報さんからリリースを頂いた。チームの引き受け先が見つからなかったことだけは伺ったが、記者会見にはどうしても出席できなかった。各新聞の記事を読ませて頂いたが、特に加藤じろうさんのブログにより会見の詳細を知ることが出来た。ライターとしては忸怩たる思いだが、この場を借りてお礼を申し上げたい。

 引き受け先が見つからなかった大きな要因は、観客の少なさだったという。確かにアイスホッケーの会場は寒さを感じるほど人気が少ないことが珍しくなかったが、その分常連のファンの熱意も感じ、人が群がるところを敬遠しがちな天の邪鬼も手伝って個人的にはさほど気にしていなかった。しかし、スポーツも興行である以上、それではいけないのだと今回のことで痛切に思い知らされた。

 西武の最後の試合となったアジアリーグプレーオフ・ファイナル第7戦の会場では、記者席が一杯だったため観客席で観戦させて頂いた。試合前、西武の前身・コクド時代にリンクでよくお顔を拝見した男性を久々にお見かけし、懐かしさから思わず会釈をしたところ先方も覚えていてくださり、少しお話することになった。新横浜で活躍した名選手の名前などが挙がり思い出話になるなかで、男性は華やかなメンバーを擁していた長野五輪前後のコクドについて「あの頃はお客さんも入ってたしね」というような言葉を口にした。確かに、当時のリンクにはもっと活気があったように記憶する。

 チームの解散を伝える記者会見で、プリンスホテルの小山内幹雄オーナー代行は「(昔は)試合で一万人も観客が入ったが、何故今こういう状況なのか、あの頃に戻すことはできないか、と思う」と漏らしたそうだが、それはコクドの選手だったという小山内氏の本音だろう。私が知るなかで一番盛り上がっていた長野五輪以前にも、更に人気を博していた時期があったアイスホッケーは、今や東京での観戦機会が限られるかもしれないところまで追いつめられた。

 マイナーなスポーツがメジャーになる方法は、結局のところひとつしかない。強くなることだ。現在ウインタースポーツのなかで隆盛を極めているのはフィギュアスケートだが、トリノ五輪シーズン前の2005年夏、インタビューさせて頂いた佐藤信夫コーチから「日本ではフィギュアスケートはマイナースポーツ」という意味の言葉を聞いた記憶がある。トリノ五輪で荒川静香が金メダルを獲得して人気に火がついた日本のフィギュアスケートは、その後も安藤美姫・浅田真央という二人の世界女王を生みだし、空前の人気を誇っている。スケーター一人一人のキャラクターももちろん魅力的だが、人気の最大の理由は日本勢の国際的に通用する「強さ」だろう。シンクロナイズドスイミング関係者の「石にかじりついても五輪のメダルをとる」というすさまじい熱意に圧倒された経験もあるが、昔はマイナーだったシンクロというスポーツを、今は知らない人は少ないところまで押し上げたのは、強くなくてはならないという執念に他ならない。

 リトアニアで開催されるアイスホッケーの世界選手権ディヴィジョンⅠに出場する日本代表は、明日事前合宿地のデンマークへ出発する。猛烈な逆風のなかで大舞台に臨む代表の選手たちには西武所属の選手も多数いる。足元が定まらない中で試合に集中することは本当に難しいだろうが、日本のアイスホッケーに活路を開くのは国際舞台での勝利であることを肝に銘じ、気持ちを強く持って戦ってほしい。こうして書くことは簡単で、実際にプレーする選手にとっては厳しい要求であることは重々承知しているが、根本的な打開策は強くなることだけだと考えるからだ。国内での最後の取材機会である本日の公開練習にも都合がつけられず足を運べないのはお恥ずかしい限りだが、日本代表の健闘を祈ってやまない。



  

posted by satoko |15:34 | アイスホッケー | コメント(0) | トラックバック(0)
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