2009年01月19日

日本アイスホッケーの将来像

 15日、バンクーバー五輪最終予選に臨む日本代表選手発表会見後、日本アイスホッケー連盟の富田正一会長は、西武の廃部を受けてチームの在り方を検討する委員会を設置したことを明らかにした。企業に依存してきたチーム運営を見直し、日本の環境の中で出来る組み立てを考えていくという。

 過去に古河電工・雪印が廃部した際にも突き付けられた、企業の経営状況によってチーム存続が危うくなる日本アイスホッケーの問題が、西武の廃部決定でまたも明確になった。個人的には、東京で取材してきたため西武の廃部によるショックは特に大きい。

 アジアリーグのなかでHC日光アイスバックスは、地域密着型の新たなかたちのチームとして存在している。慢性的な資金難という現実に立ち向かいながらも、日光で確かに愛される存在であり続けていることが、年明けに久々に訪れた霧降アイスアリーナで実感できた。

 西武も、近年地元での交流イベントを増やし、企業のチームにとどまらない存在を目指していた。現在も引き受ける企業を探している状況だが、東伏見が「アイスホッケーの試合が行われている街」であり続けることには大きな意味があるだろう。
 
 企業に支えられてきた日本のスポーツが、急激に方向転換することは現実的に難しい。しかし、チームが地元でなくてはならない存在になることが、新しい方向への道筋であることは間違いないと思う。東京にアイスホッケーのチームが存在し続けることを願ってやまない。

posted by satoko |13:55 | アイスホッケー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月13日

アジアリーグアイスホッケー2008-2009 (1月11日 西武 4 - 3 王子 DyDoドリンコアイスアリーナ)

 廃部を惜しむようにホームリンクを埋め尽くした大観衆の前で、西武は前日大敗を喫した王子に見事な逆転勝利をおさめた。

 西武線が止まっていた影響で、東伏見に着いたときには既に第2ピリオド10分を過ぎていた。慌てて走り込んだアリーナで、一瞬目を疑う。観客席は満員で、立ち見も出ている。記者席も一杯で、背の低い私はゴール裏で立ち見をすることにした。曖昧な記憶だが、東伏見でのホッケーの試合にこんなに多くの観客がつめかけたのは、コクドと西武の頂上決戦となったプレーオフファイナル以来ではないだろうか。

 西武は、その観客にプレーで応えた。アリーナ到着時には2 - 1と王子にリードを許していたが、第2ピリオド終盤に主将・鈴木貴人が同点、第3ピリオド開始早々には小原大輔が逆転のゴールを決める。更にパワープレーゴールも決まり、1点差に追いつく粘りを見せた王子を最終的には振り切った。

 西武のFW・内山朋彦は勝因について語った。
「昨日も1ピリは良かったんですけど、2ピリに自分たちのミスに失点重なってああいう結果になったんですけど…今日はそういうことはなかったんで、その辺は良かったと思います」
観客の入りもプレーに影響したという。
「やっぱお客さん入ると気持ち的にも乗れるし…いいことだと思います」
レギュラーリーグも大詰めを迎えている。
「今日いい試合したんで…韓国で多分順位決まっちゃうと思うんで、韓国が山場だと思います。この調子で行けば問題ないと思います」
レギュラーリーグ1位でのプレーオフ進出を狙うのか、という筆者の凡庸な問いにはこう答えた。
「やっぱり、何事でも1位は一番いいことですから」

 西武のFW・小原大輔は、セットを変えたことが勝因だと分析した。
「選手もちょっとびっくりするくらい急な変更だった」としつつも、「気持ちの面でみんないい方向にいったって感じ」「モチベーションが全然昨日とは違った」と語った。
 第2ピリオド序盤の逆転ゴールについては「ちょっとラッキーな部分もあったかなって思ってますけど」。
「綺麗にとれなかったのが、逆にキーパーのタイミングずれて良かったと思います」
手首の怪我については「大丈夫です」。
観客の多さについて、小原にも聞いてみた。
「やっぱり選手のモチベーションが…練習するときから『今日こんな入ってるの』って感じでやる気も出ますし。それもあって1ピリからいい動き出来た」

 西武の主将の鈴木貴人も、大観衆の前でプレー出来たことを喜んでいた。
「たくさんのホッケーファンが来てくれて、うちの選手だけじゃなく王子の選手も、気持ちよく楽しくプレーできたと思う」
「チーム全体の雰囲気はそんなに悪くない」とも語った。
「リンク以外では個々に考えることがすごいたくさんあると思うし、ほんとに苦しい時期だと思うんですけど、リンク来たとき…今日の試合見てもらっても分かると思うんですけど、ほんとにみんな全力でプレーしてる」

 西武の勇姿を見ておこうとホームリンクに駆けつけたファンの気持ちは、しっかり選手に伝わっている。

posted by satoko |16:40 | アイスホッケー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月05日

アジアリーグアイスホッケー2008-2009 (1月4日 西武 4 - 2 バックス 日光霧降アイスアリーナ)

 昨年末は廃部決定という衝撃的なニュースに揺れた西武だが、今季の西武らしい逆転勝ちで2009年のスタートを切った。

 今季限りでの廃部決定が公にされてから初めて取材する西武の試合は、日光での対バックス戦である。バックスは第1ピリオドに2点を先取、新年早々アリーナにやってきた熱心な地元のファンを喜ばせた。しかし、アウェーで先行されても西武が負ける気はしなかった。第1ピリオドで打った17本のシュートは得点にならなかった西武だが、第2ピリオド以降はパワープレーできっちりゴールを決めていく。第2ピリオドで3点取って逆転、第3ピリオド序盤にはバックスを突き放す4点目のゴールが決まる。全てパワープレーゴールによる得点で、西武が現在首位のチームらしい堂々とした勝利を挙げた。

 2アシスト・1ゴールと活躍した西武のFW・小原大輔だが、実は故障明けだという。
「手首怪我する前はずっとあのポジションでパワープレーとかやってたんですけど、12月韓国戦の後ぐらいに手首痛めてシュート打てなかったんで、あのポジション外されて…今日久々に出て結果出せたんでよかったです」
今は、手首は痛みが出るほどではないという。
「何本も打って枠外したりとかもあったんで、感覚を取り戻したらもう少しいけるかな」
パワープレーで出場したときには、「役割をきっちり出来るようにと思って」プレーしているとも語った。
廃部については、「もうなくなるのは決定してるんで、あんまりそこにはこだわってない」と言う。
「後はいいアピール…メディアも来てくれてるので勝って勝って、会社が『こういうチーム欲しいな』って思ってくれるような試合をしていかなきゃいけないんじゃないかなと。選手はみんなそう思ってると思います」
「最後は優勝して…このメンバーでやるの最後かもしれないんで、それだけ意識して優勝狙いたいです」

 西武のFW・内山朋彦は、2点先行されても「結構攻めててただ足りなかっただけだったんで、そんな心配はしなかったです」と振り返った。「負ける気はしなかった」
廃部について、内山にも聞いてみた。
「もうみんな受け止めてますし…でも最後、やっぱりこのメンバーで優勝して終わって、後はどうなるか分かんないですけど、いい方向に行けばいいかな」
―廃部の発表があってから連勝していますね
「みんなやる気出したんじゃないですか(笑)」
―その前に調子が悪い時期がありましたけど、もやもやしている部分があったんですか
「毎年一回は下がる時期っていうのは絶対あるから、たまたまその時期と重なって、廃部っていうの聞いてみんな気持ち入れ替えていい方向に行ったんじゃないかなと思いますけど」
―年が明けて、全日本選手権・プレーオフと大事な試合が続きますが
「廃部はもう決まってますけど、ほんとに最後西武で全部勝って、有終の美じゃないですけど、最後全部勝って終わりたいです」

 厳しい現実を受け止め、西武の選手たちは優勝だけを目標に走り始めた。 

posted by satoko |17:12 | アイスホッケー | コメント(0) | トラックバック(0)
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