競技場の片隅から

フィギュアスケート

唯一無二のスケーター、浅田真央

 昨年末の全日本選手権フリー後、ミックスゾーンの重い空気の中で、浅田真央は来季の現役続行を示唆していた。それから今引退を決意するに至るまで、どんな心境の変化があったのか。  取材対象として冷静に浅田を見るのは正直なところ難しかった。見ているとハラハラしてしまう。おそらく、多くの人に共通する心情ではないかと思う。ひたむきさ、あるいは純粋さ、といった忘れがちなものが、浅田の滑りからは伝わってくるのだ。 ......続きを読む»

ありがとう、アモディオ

フローラン・アモディオの最後の滑りはとても素晴らしく、そして彼らしかった。 欧州選手権をテレビで見る。この試合を最後に引退することを表明しているアモディオが、フリーに臨む表情は鋭かった。近年はジャンプに苦しんでいたアモディオだが、四回転を含む全てのジャンプで着氷。そして何より、彼にしか出来ないステップが圧巻だった。小柄な体を目いっぱいに使い、「俺は俺だ」と語っているようなリズムを刻む小気味の良い滑......続きを読む»

浅田真央、新しい強さ

トリプルアクセルで転倒しても、浅田真央の滑りは強さを失わなかった。 全日本選手権で3位に入り、世界選手権代表に選ばれた浅田真央。今季初めは順調に見えた復帰の道程は、NHK杯・グランプリファイナルと進むにつれて難しいものであることが見えてきた。特にトリプルアクセルが決まらないと、その後の滑りが曇ることが多かった。しかし、ショート5位と出遅れたこの全日本のフリーで見せた滑りは、浅田の得た真の強さをうか......続きを読む»

浅田真央が目指す「大人の滑り」

 浅田真央が現役続行を表明した後、途中までしか見ていなかったNHKのテレビ番組「浅田真央 被災地への旅」を最後まで見た。東日本大震災後に環境が厳しくなったことで、スピードスケートを続けようか迷う被災地の中学生に、浅田は言う。 「自分の目標があったら、それをちゃんと最後までやり切ってほしいなって思います。そうしたら後悔もないと思う」 そして、移動の車の中で更に浅田は言うのだ。 「最後の方は自分にも言っ......続きを読む»

村上大介が見せたもの

 何か大きい存在が与えてくれたような、村上大介の優勝だった。  2年前のNHK杯、テレビで見た涙ながらに棄権する村上の姿は記憶に残っている。うっすらと残っていたその記憶が、フリープログラムで次々とジャンプを決めていく村上の姿と重なる。最後のジャンプを成功させた後の小さなガッツポーズが、村上が歩んできた道程を思わせた。  フリープログラムでも、選手が積んできた練習を思えば決して長いものではない。だ......続きを読む»

浅田真央の「光」

 浅田真央の「光」を表現するエキシビションは、積み重ねてきた競技人生に裏付けられた深い味わいに満ちていた。  アイスショー「THE ICE」をテレビ放送で見る。ゴスペル「This Little Light Of Mine」を使用し、ローリー・ニコル氏が振り付けたエキシビションナンバーで、浅田は弾けるような笑みを見せた。そしてその滑りは、熟成といっていい域に達している。ジャンプの大技がなくても充分に......続きを読む»

羽生結弦、挑戦する王者

 五輪金メダリスト羽生結弦は、新しい挑戦に満ちたショートプログラムで新シーズンに臨む。  「ドリーム・オン・アイス」をテレビ放送で見る。ショパンの「バラード第1番」を使用した羽生の新しいショートは、ソチ五輪で高い評価を得、羽生を頂点へと押し上げた昨季の「パリの散歩道」とは全く趣きの異なるプログラムだ。  個人的には過去の羽生のプログラムで最も印象に残っているのは、震災の年にアイスショーで見た「ロ......続きを読む»

佐藤有香さんの美しいスケーティング

 豪華な顔ぶれが演じるエキシビションナンバーのなかで、佐藤有香さんのシンプルな滑りは静かだが本物の輝きを放っていた。  11日、代々木競技場で「スターズ・オン・アイスジャパンツアー2014」を観る。ソチ五輪のメダリストも出演する華やかなショーの中盤、佐藤さんは登場した。小塚崇彦が彼女のスケーティングに魅せられた経験を交えて佐藤さんを紹介し、氷上に送り出す。  佐藤さんのナンバーは、ジャン......続きを読む»

浅田真央、感謝を力に変えた優勝

 薄紫色の衣装でスタート位置に着こうとする浅田真央を、さいたまスーパーアリーナで見守る多くの人の脳裏を、ソチの悪夢がよぎっていたはずだ。だからこそ、声援だけでなく目には見えない大きな力が、確かにショートプログラムに挑む瞬間の浅田を強く後押ししていた。  ソチ五輪を終え、シーズンを締め括る試合となるさいたまでの世界選手権。冒頭のトリプルアクセルを見事に決めて波に乗り、「(今までの)ベスト3に入る......続きを読む»

浅田真央、最高のフリー

 浅田真央のソチ五輪でのフリーは、最高だった。  前日のショートプログラムでの打ちひしがれた表情が脳裏から離れないままフリーを迎えたが、6分間練習から浅田の表情には強さがあった。冒頭のトリプルアクセルを跳んで着氷、三回転-三回転の連続ジャンプも見事に決め、全てのジャンプをクリアして最後のステップに入っていく。力を出せない苦しみから抜け出して、バンクーバー五輪からの四年間で積み上げてきた全てのジ......続きを読む»

浅田真央、フリーに挑む

 浅田真央のショートプログラムは、信じられないような結果となってしまった。  ソチ五輪のフィギュアスケート・女子シングル、ショートプログラムが行われ、浅田真央は精彩を欠く演技となり、16位と大きく出遅れた。トリプルアクセルでの転倒はまだしも、痛かったのはコンビネーションジャンプが入らなかったことだ。  何が原因だったのか、浅田本人、また私たちにも今は分からない。ただその原因の一つが重圧に......続きを読む»

浅田真央が団体戦で得たもの

 「この団体戦を滑ったのを生かして、今度は同じような繰り返しがないようにしたいと思います」 団体戦・女子ショートへの出場を終え、浅田真央は落ち着いた表情で語った。  直前に演技を終えたロシアの新鋭、ユリア・リプニツカヤへの大声援が響くリンクに出た浅田は、トリプルアクセルへの入り方を確認してからスタート位置に着いた。演技の冒頭でトリプルアクセルに挑むも転倒、しかしその後は大きなミスなく演技を終......続きを読む»

浅田真央、進み続けた四年

 浅田真央は、バンクーバー五輪とは違う目標を持ってソチ五輪に臨む。  報道によれば、ソチに向かう成田空港で、浅田はトリプルアクセルをショートプログラム・フリーで各一回の計二回跳ぶことを明らかにした。時事通信は、浅田のコメントを以下のように伝えている。 「今年に入っていろいろ考えた結果、二回でいくことにした。バンクーバーでアクセル三回という目標は達成したので、前回できなかった全種類の(ジャンプ......続きを読む»

悔しい全日本選手権、浅田真央

 「今日は悔しい思いでいっぱいです」 ソチ五輪代表に選出され、さいたまスーパーアリーナの大観衆の前で挨拶した浅田真央は、率直に悔しさを口にした。  全日本選手権のフリー、浅田は二回のトリプルアクセルに挑戦したが、一つ目は着氷が乱れ、二回目は一回転に終わってしまった。今季はトリプルアクセルを失敗後もその後の演技に気迫が漲っていたが、この日ばかりは落胆の方が強く感じられた。  「アクセルは......続きを読む»

浅田真央が目指すもの

 ショートとフリーで計三回のトリプルアクセルを成功させたバンクーバー五輪から四年、ソチ五輪を前にして、浅田真央は再び三回のトリプルアクセルに挑もうとしている。  優勝したグランプリファイナルのフリー、浅田はトリプルアクセルに二回挑戦した。一回目は転倒、二回目は回転不足をとられたが、浅田はその後の演技を力強く全うした。フリーの後半、いくつかジャンプでミスをしたバンクーバー五輪での演技を超えてみせ......続きを読む»

浅田真央は挑戦し続ける

 磨きがかかった圧巻のステップを終えて浅田真央が見せたのは、口惜しさを隠しきれない表情だった。  NHK杯のフリーで、浅田は確実に進化している姿を見せた。両足着氷とはいえトリプルアクセルを跳び、ダブルアクセル-三回転の連続ジャンプにも成功した。自己ベストを上回る得点がその進化を証明しているが、印象に残るのはやはり、演技後の浅田が滲ませた口惜しさだ。  五輪へと確実に演技を仕上げつつある浅......続きを読む»

完璧なプログラムへ、浅田真央

 浅田真央のフリーには、研ぎ澄まされた洗練がある。  スケートアメリカのフリー、浅田は冒頭のトリプルアクセルで転倒した。ただでさえ過酷なプログラムの最初の転倒は体力面でかなりのマイナス要因になるはずで、実際その後のジャンプは難易度を抑える傾向になったが、プログラムを通して浅田が見せたのは背筋がぞくぞくするような冴えた滑りだった。  磨かれ抜いて、究極的に美しい体のラインといえばここしかな......続きを読む»

浅田真央、総決算のフリー

 ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」は、浅田真央の最後のフリーに相応しい。  バンクーバー五輪で浅田が滑った「鐘」は、個人的には全ての採点競技の演技の中で、過去最高のプログラムだ。しかし、浅田の今季のフリーをテレビで見て、「鐘」をさいたまスーパーアリーナで初めて見たときの「名演技の予感」を思い出した。胸騒ぎがするような最後のステップも、あの時と同じだ。  浅田は世界選手権でほぼ完璧な「......続きを読む»

安藤美姫の「ボレロ」と「アメイジング・グレイス」

 「ボレロ」と「アメイジング・グレイス」、二つの曲を滑りこなした安藤美姫の演技には、深みがあった。  「ドリーム・オン・アイス2013」のテレビ放送を見る。安藤の今までの演技については、個人的には動的な表現に魅力を感じてきた。もちろん「ボレロ」で見せた強さには貫録を感じたが、今回のショーではむしろ「アメイジング・グレイス」での静かな滑りが印象的だった。幅が広がったというのだろうか。試合から遠ざ......続きを読む»

浅田真央、ラストシーズンへ

 今季最後のフリー「白鳥の湖」を滑り終えた浅田真央の苦しげな表情に、胸を衝かれた。  タチアナ・タラソワによる華麗なプログラムは、滑る浅田にとっては過酷なものであることは、理解しているつもりだった。だが、浅田本人の表情からその厳しさをここまではっきりと見せられると、言葉を失う。選手と見る者の間にある距離は、ある意味埋めることが出来ないほど大きなものだ。  だから、浅田が来季限りの引退を決......続きを読む»

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