2009年04月19日
山本優弥のイム・チビン戦
K-1 MAX FINAL16がもうすぐ。 小比類巻太信欠場により 準優勝の山本優弥が本戦出場となりました。 先日行われた公開練習の記事を見ると 「山本優弥が憧れのイム・チビン越えに挑む」 的な取り上げ方になっていましたが これもこれで本当ではあるんでしょうけど 多分、それだけではないだろうと思うので、 試合に向けて、山本優弥本人から聞いたことをもとに 私なりの見方を書いてみたいと思います。 まずはやはり日本トーナメントが終わった後のことを 聞かなくてはなりません。 「結果よりも、自分がやったことをたくさんの人に見て貰えたこと、 そのことについてどう感じたかを、 いろんな人に言ってもらえたことが嬉しかったです」 とのこと。 最近はじまったブログのタイトルも 「みんなのおかげじゃけ〜」な山本優弥。 取材の時にはいつも、周囲の人や ファンに対する感謝の言葉を聞いています。 そもそも、日本人トーナメント参戦前、 クリストフ・プルボーに敗れた後は 選手を辞めるということさえ、頭にあったと言います。 全日本キック内でベルトを失ったばかりの 山本優弥がメンバーとして選ばれるということは、 K−1はK−1というエンターテインメントであって キックボクシングの上位概念ではない ということの証明でもあるのですが まぁそれはおいておいて。 でも山本優弥だったわけですよね。 そして、大会がああなったということは そのチョイスは正解だったということでもある。 本人が思うよりも山本優弥の存在は まだ、価値があった。 いやな書き方してますね。でもそういうことですよね。 では準優勝という結果にはどう思うのでしょうか。 あそこまで行けて満足なのか、 それとも決勝で負けて悔しいのか。 「いやいや、悔しいですよ。 自分、いつもなら練習でやったことができれば、 負けても勝っても、良かったんですよ。 でも、今回は絶対勝つって決めてたんで。 内容はどうでもいいから絶対に勝つって決めてたんで。 決めたら、それが達成できないのは 悔しいのは、分かってたんで。 準優勝って一番中途半端で、いやですよ。 家に帰ったらトロフィーあるけど、 準優勝の記念なんか、いらないですよ」 だそうです。 日本トーナメントの山本優弥は、すばらしかったと思います。 すばらしかったですが、 それは、本人からすると、 「あんまり人に見せたい山本優弥じゃない」 ものでも、あったそうです。 「根性で殴り合うような試合は魅力を感じない。 やろうとすれば、やれることなんで。 自分としては、かっこよく技を出したいというのが一番。 それが出ることは、本当は避けたかったんです。 自分としては人に見せたいものでもない。 いい試合だったっていう意見はありがたいんですけど、 自分では、もう一回試合を見返そうという気にはならない。 素晴らしいっていうのじゃ、ないですね」 でも、そういう試合が求められているのも分かる。 周囲の人に恵まれて、自分がチャンスを与えられているのも分かる。 以前も書いたことですが、ガツガツしてないですね。 これはまぁ 「山本優弥が憧れのイム・チビン越えに挑む」 的な記事になりますよね。 そう書くしかない。 山本優弥にはガツガツした「天下獲ったる」的な思想はない。 かといって、キックボクシングをやりたくないかといえば、 そうじゃない。 煮え切らないといえば煮え切らないのですが 20代ってそういうものかな といえば、そういうものだとも思います。 ただ、 「いただいたチャンスだから生かしたい」 「応援してくれる人のためにも頑張りたい」 そんな言葉だけを見ていたら 煮え切らないなぁとも思うのですが そういう言葉で、山本優弥は 自分をセーブしているようにも感じます。 だって負けたら悔しいわけだし。 悔しいからこそ、勝ち負けじゃなくて、むしろ、 自分の動きをするってことに重点を置いているわけだし。 そして、準優勝という結果ながら 次に上がるチャンスに恵まれたというのは ある意味、もっとも山本優弥の モチベーションを上げる形だったのではないか、 とも思うのです。 優勝してたら、やりきったと思って フェイドアウトしていたんじゃないかと思うんですよね。 まだ叶わない何かがある、それでも次がある、 という、有る意味 もっとも頑張らなきゃいけない環境にあることこそ、 山本優弥が強運だということの証ではないんでしょうか。 さて、今回、山本優弥の対戦相手となる イム・チビンは02年に全日本キックの ライト級トーナメントに参戦。 小林聡をKOして驚かせています。 その後、05年5月のK-1 MAXに参戦。 当時は「韓国の魔裟斗」というキャッチフレーズでした。 韓国では大人気で、ファンクラブは 1万人の会員がいたそうです。 本当かよ。 ライト級時代はともかく、K-1に出ているイム・チビンは 私には、なんか固くて技術も根性もあって やりにくそうなファイター という印象です。 相手の攻撃をかわすのがうまい。 「韓国の魔裟斗」というキャッチフレーズについて どう思うか、と当時取材で聞かれたイム・チビンは 「魔裟斗こそ、韓国では “日本のイム・チビン”と呼ばれている」 と、わりと気の利いたことを言っていました。 そして、魔裟斗vsイム・チビンがメインとなった この2005年5月4日大会こそが 山本優弥がオープニングファイトで 城戸康裕に判定勝ちして 史上最年少(※当時)のK-1デビューを果たした日でもあります。 山本優弥本人は 「いろんな人が引き寄せてくれた運でここまで来た」 と言いますけど オープニングファイトで戦ってた選手が メインで戦ってた選手に追いついた という事実を考えると けしてそうじゃないとも思うんですよね。 やりたくないこと、自分では自分の良さだと思わないこと、 そんなことをやることで 自分のやりたいことや 自分自身が見えてくるような時期は 誰にでもある。 そう考えて、行き着く先を含めて、 通過点としても、到達点として見ても、 楽しみな試合だと思います。 フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ 「ときどきキックアウト」は K-1 MAXと山本優弥選手をときどき応援しています。
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posted by sasakey |01:07 |
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