2008年09月28日
今日、いまさら週プロを読んで
諏訪魔と雷陣の話の詳細を知って
プロレスはいいなぁと思ったりしました。
週プロと携帯サイト「プロレス格闘技DX」を参考に
状況を整理して書き出してみます。
シリーズ開幕戦の9.13後楽園、
諏訪魔の攻撃で雷陣が意識不明の状態に陥る事故がありました。
結果は重い脳しんとうで、命に別状はなかったのですが
雷陣を事故にあわせてしまった諏訪魔の心のダメージはかなり大きく
シリーズ中も重い攻撃がいっさい出せなくなった。
ついに「プロレスをやるのが怖くなった」と諏訪魔が
休場願いを出す→武藤が破り捨てる という事件が9.19長崎であって。
その翌日、試合で精彩を欠く諏訪魔に対し
欠場して療養中のはずの雷陣が試合中登場し
リングサイドから呼びかけた。
「いい加減にしろ!行け!」と。
これを受けて諏訪魔が目覚めたように猛攻、試合に勝利する。
試合後、ふたりは握手を交わして抱擁。
バックステージで雷陣は
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。検査の結果、
特に異常もなく帰ってくることが出来ました」と
関係者にわびた後、諏訪魔に語りかける。
「ずっと強い諏訪魔でいてくれよ。
俺がライバルとして追ってきたお前は、もっと強いやろ?
俺がTNA行っても、おまえは
強い存在でいてくれよ。俺も追いかけていくから。
だから今度の三冠戦、絶対勝てよ。強い諏訪魔に戻ってくれよ!」
雷陣のゲキを受けた諏訪魔は「分かったよ」の言葉に続けて
「上、目指すよ。負けねぇからな」と雷陣に告げる。
そして雷陣が去った後「戻ってきて良かった」と、涙を流したのでした。
雷陣が無事でよかった。
まずはそれが一番大事なことなのですが
次に、相手をそんな目にあわせてしまった
諏訪魔に、こういう形で救いがあって、よかった。
そう思ったのでした。
あの事故でショックを受けていた人は少なくないし
実を言えば私もそのひとりです。
雷陣が無事と知って安心して、
次に心配だったのが諏訪魔でした。
8.31両国の三冠戦が60分ドロー防衛という結果に終わって
ブーイングあびたり鈴木みのるに怒られたりしながら
次はグレート・ムタ戦と、必要なこととはいえ、
次々に課題が突きつけられる中、
起きてはいけないことが起きてしまった。
リング上の物語うんぬんではなく
ホントに諏訪魔は混乱していたと思いますし
プロレスをやめようと思ったのも本当のはず。
徹底的に落ち込んで、雷陣のゲキを受けて、
その上で立ち上がるという、再生の物語を
大会と試合の中で展開できるというのは
プロレスだからこそ出来るダイナミックな賭けのドラマ。
いちどきりの、やり直しがきかない賭けです。
だけどそこには苦しんでいた人と
生死の境から戻ってきてくれた人がいる。
どちらにも、これからのためにこの賭けが必要だった。
ふたりが無事で、ほんとうによかったです。
フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
全日本プロレスもときどき応援しています。
posted by sasakey |01:13 |
全日本プロレス |
2008年09月13日
7月大会に続いて、9月21日大会も
女子総合格闘技大会である
スマックガールの延期が発表されてしまいました。
不渡り手形じゃないけど、2回はアウト感があります。
これからのことは、これからのこととして
正式な発表を待つとして。
9月12日はシュートボクシング後楽園に
フジメグこと藤井恵が参戦しました。
藤井恵といえば柔道、サンボをべースとした
確かな技術を持つ女子総合格闘家。
現在、15戦15勝中でしたが、
初の立ち技ルールで判定負けを喫する結果となりました。
相手はシーザージムの富田美里。
おそらくシュートボクシングを相当熱心に見ている人で
なかったら知らない選手だろうと思います。
藤井は前回のスマックガールで、
打撃の強さを見せた韓国のハム・ソヒと対戦、
寝技に引き込んで腕十字で一本勝ちしています。
藤井恵が寝技の選手だということはもちろん知ってましたが
打撃が不得手という印象はなかったし
なにしろ運動能力の高い人なんで
正直、あっさり勝つのだろうと思っていました。
立ち関節、投げが認められるSBルールなんで
むしろ、どこまでフジメグが投げまくって極めまくるか
期待していたくらいでした。
ところが、試合は富田が終始優位の展開に。
圧力をかけて前へ前へ出る富田に対して
タックルしかけたり、蹴りで距離を取ろうとする藤井は
攻撃を止めることが精一杯に見えました。
富田も攻めきることは出来ず、ダウンは取れなかったけど
3R終わりには富田がフロントチョーク取りにいったりする場面も。
判定は30-28、30-30、30-29で富田でした。
大会9日前というタイミングで発表された
初の立ち技ルール挑戦と敗北。
試合を終えた感想をどうしても聞きたくなって追いかけてみました。
「手が動くけど、足が動かないという感じでした。
今年は試合が決まっていたんですけど、それが延期になって、
何もしないで、終わるのがイヤだったんで。
打撃は苦手な分野だったんですけど
タイミングが重なって、逃げたくないって思って。
負けてしまったけど、スッキリした気分です。
これからやらなきゃいけない課題がたくさん見えました」
話の中で、幾度も「打撃は苦手」という言葉が出てきました。
見ている側からすると「寝技が得意」とは感じますが
「打撃が苦手」と思ったことは、特になかったような気がする。
ただ今回の試合は、正直「苦手」と言う意味が分かった内容でもあった。
逆に、総合であれだけ出来る人であっても
立ち技だけのルールとなると、これだけ難しいというか、
苦手意識が出てしまうものなのだとも思いました。
「(SBルールは)なにしろ打撃が苦手なので、
総合やってる以上、打撃は避けて通れないんで。
殴られるのが、イヤなんで。それが一番です。
(苦手でも楽しかったとかは?)怖いほうが強いです。
パンチに目をつぶっちゃうことが多いんで
今回思い切ってやってみて、成長したかなと思います」
でもせっかくコスチュームも新調したんだし、またやってみては? と言うと
フジメグは笑顔で「タイミングがあえば、また」と言いました。
フジメグの言葉を聞いていて
そういえば、この人は
今年に入って、2度試合のチャンスを流されているのだ、
とあらためて思って。
試合が7月から9月に流れて、9月の詳細もなかなか発表されなくて、
その中で決まった試合でしたけど、それまで、
思い詰めるというか、気持ちの面で、
きついと思う部分が、あったりしましたか。
と、整理されてない言葉で聞いてみたところ。
「AACCは、赤野仁美さんも一緒なんで」と。
これまた、そういえばそうなんです。
藤井恵はライト級トーナメント、
赤野仁美は、無差別級トーナメント。
ともに準決勝は7月、決勝が9月に行われる予定だった。
「今年はトーナメントに参戦するって決めて、
今年の最初から毎日毎日、試合のこと考えてて、
2回勝った後も、次は準決勝って思って、気が抜けなくて。
試合のことを考えない日はなかったです。
7月が延期になって、9月になって、
9月も延期になってしまって、
自分の中で思い続けていたものがあるので、
けじめをつけたい、というのがあったんです。
勝ちたいとはもちろん思っていたけど、
勝っても負けても、気持ちよく
リングを降りたいというのがあった」
藤井恵は、もちろんプロであり
高い実力を持つ選手であるゆえなのですが
国内の試合に関しては、決して腰が軽い選手ではない。
それでも選んで自分で決めたトーナメント参戦。
参戦に向け、アメリカでトレーニングを行っていたとも
以前、語っていました。
さまざまな事情ゆえに延期は仕方ないことかもしれない。
だけれども
延期という残念な結果になったとき、やっぱり
そのために準備をしてきた「思い」は
どうしようもなく、行き場を探していた。
私は選手ではないけれど
大事な一戦に向けて自身を鍛え、コンディションを
整えていくというのは
薄紙を毎日重ねていくように
時間がかかるし、根気も根性も使う行為だと思います。
そうして作ってきたものを
大会が延期になったからといって
無駄にしてしまうのは、もったいないと思って当然だし。
突然の立ち技ルール挑戦という
無謀とも言える冒険をしてみないことには
藤井恵の思いは
行き場がなかった。
結果、戦績に思わぬ黒星をつけてしまったけれど。
それでも聞いてみなくてはいけない。
「気持ちよくリングを降りることはできましたか?」
そう聞いたところ
「そうですね。悔しい気持ちより、楽しかった気持ちのほうが、いま大きいです。
今回、試合の機会を与えてくださったシュートボクシングさんには
あらためて、ありがとうございましたとお礼を言いたいです」
そう答えて笑ってくれたので。
よかったなぁって。
いや、よくないことがあったんだけど、
ちゃんと試合できるのが一番いいんだけど、
それでも、まだ少し、
彼女になにかが残ったのだとしたら、
よかったなぁと思ったのでした。
プロレスも格闘技も毎日のように大会が行われているけれど、
それでも、やっぱり
試合が行われているということは、
そこに、大会を支えている人がいて
選手を迎え入れる準備をしているということ。
それが叶わずに試合のチャンスを逃してしまうということも、
とっておきだった試合が、いつできるか分からなくなるということも、
あったりする。
藤井恵という、キャリアを積み重ねた選手の身にも
そんな事態は、起きてしまったりもする。
試合ができるということが当たり前のようであっても
実は、リングに立てているという事実じたいが
その選手が、とても多くの人に支えられていることの証でもある。
普段は、その当たり前のようなことが
当たり前に行われているのを前提とした上で、
選手がどれだけ、いい試合をするかとか
大会の進行や演出がどうこうとかいう
いわば「ケーキの上の飾り」について徹底的にこだわるべきだけど。
時々は、いつも喧嘩する恋人のことを
好きな人に好かれている奇跡という視点で見てみるとか、
太っていることを、体が元気であることとか
憎たらしい家族でも、事故にあわなくて良かったと思ってみるように、
土台がある幸せという形から、考えてみることもしてみないと
いけないのかなと思います。
プロレスと格闘技に関わるすべての人に、
お疲れ様と、いつもありがとう、を。
あなたのその当たり前のことが、
かけがえのないことなんだ、と、声を大にして伝えたい。
そして、立ち技ルール挑戦でさらに発展のきっかけを掴んだ藤井恵と
まだ「思い」の行き先が決まっていない赤野仁美をはじめとする、
トーナメント参戦決定選手たちの全力を受け止められるリングが、
どうか、早く見つかりますように。
フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
女子格闘技をときどき応援しています。
posted by sasakey |02:44 |
女子格闘技 |
2008年09月09日
丸藤正道の全日本プロレス参戦に仰天してるそばから
K-1 60kg級のカードが発表されました。(会見記事はコチラ)
前回は日本人vs外国人、3対3でしたが
今回は、いきなり日本人対決!
・大月晴明 vs 梶原龍児
・大宮司進 vs 上松大輔
の2カード。
これは……。
面白そうです。面白そうですが、
2回目にしてもういきなり、60kg級が試されているんだと思いました。
舞台は、魔裟斗 vs 佐藤嘉洋が行われる10.1武道館。
K-1 MAXとしても、近年ど真ん中に分かりやすい、
かつ、とっておきのカードが行われる日。
それを見に来る観客を相手に、
60kg級が何を見せられるのか。
だって。外国人選手だって、
60kg、いないわけじゃないと思うのですよ。
いないわけじゃないけど、
あえてこのカード。
勝ったって、次にどうなるってことも見えないじゃないですか。
まぁ勝者同士がやればいいんですけど、そのくらいしか浮かばない。
次より何より、いいから今回、しっかり見せてみろ、
K-1 60kg級を残す必要があると分からせてみろ、と、
そういう課題が突きつけられているんだと思うのです。
死にものぐるいになれ、と。
“上松、負けたら丸坊主”の提案なんて、まさにその
必死感のあらわれに見えるし。
個人的な提案ですけど、K-1の爆発するきっかけには、
いつもトーナメントがあったように思います。
わたしが印象深いのはK-1 MAXのはじまり、
決勝で魔裟斗と小比類巻が対戦した2002年2月11日のMAXです。
それまでにも魔裟斗はワンマッチでK-1に出場したりしていましたが
「はじまり」は、この日だったと言っていいのではないでしょうか。
K-1 60kg級、日本人トーナメントの開催。
それをやってからでも、60kg級に見切りをつけるのは
遅くは、ないと思うのです。
というか、やってほしいんです。
やってもらうまでは、K-1 60kgに対する
やりのこした感は、消えないと思うし
その「やりのこした感」は
キック界にいつまでも呪いのように残ると思う。
ただこれも個人的にひとつ「うーん」と思うことを書かせてもらうと、
MAXが出来た時や、いまのK-1甲子園と比べてみて、
60kgを目指す選手は、あまりにも
帰るところがありすぎるようにも見えます。
当時と今とでは立ち技業界を取り巻く環境も変わったので
いちがいに選手をせめるわけにはいかないし、そんなつもりもないけど
「人がなんと言おうと、俺はこの場をなんとかしないと」
と言うような、せっぱつまり感は誰にもないですよね。
退路を断って来ている人はいない。
魔裟斗には、その「せっぱつまり感」は、
誰よりも、あったはず。
別に団体やめてこいとは言いませんが
K−1甲子園のキッズたちの
「10代」っていう、かけがえのないものに背を向けてきてる様が
谷川さんのハートを捕まえているのも、間違いはないと思う。
そして、問題なのは、せっぱつまってないわりに
「もう少し、頑張れたんじゃないのかな……」
と、発言にしろ、試合にしろ、思わせてしまうものがあったんじゃないか、
という点なんです。
だとしたら、当面どうしたらいいのか。
とてもありきたりですけど、すごい試合をするしかないですよね。
魔裟斗vs佐藤嘉弘を超えるような、すごい試合を。
おんなじ日本人同士って条件で、年齢もそんなに変わらなくて、
人生かかってるのだって同じなはず。
魔裟斗は、本気で人生かけて試合に挑んでるだろうし、
佐藤だって、一生一度のチャンスに、死にものぐるいで挑んでくるはず。
魔裟斗のことばかり例えに出してしまいますが
(だってK-1 MAXの創世者であって象徴だし!)
彼は、武道館の観客全員を、自分ひとりで満足させようと思って
試合に挑んでるはずなんですよ。
結果がどうなろうと、それはやっぱ、会場にいる人にも、
番組を作ってるスタッフにも、テレビの向こう側にも届いている。
10月大会は、K-1 60kg級が
K-1 MAXと並ぶコンテンツとして発展するきっかけになるか、
それとも、K-1 JAPANのように
毎回奮起を期待されるコンテンツとなるのかが
問われる日に、なるのだと思います。
私は、どっちになったとしても、トーナメントはやってほしいです。
フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
K-1をときどき応援しています。
posted by sasakey |01:49 |
K-1 |
2008年09月07日
9.6NOAH武道館を客席で観戦していました。
印象に残ったものを羅列
・ダニエルソンの吊り天井
・三沢光晴のエルボー(と、吹っ飛んだ青木)
・田上明の後ろ跳び(と、それでどよめいた客席)
・中嶋勝彦の蹴り(意外と全部えげつないところに入っている)
・飯伏幸太全般と飯伏幸太のその場跳びファイアーバードスプラッシュ
(と、ブリスコ兄弟のものすごく早いカットワーク)
・森嶋猛のガウン
・途中から自分の体を自分で持て余しているように見えた森嶋
森嶋のガウンは、ロングガウンで全身を隠していたこともあって、
その柄も柄で派手だったし、また森嶋が髪が長いので
すごく大きな女子プロレスラーに見えなくもなくて。(スポナビ写真)
長い髪、似合っていると思うんですけど、
みょうに女性的にも見えて、
それで戦い方が怒った女性のそれにも見えてきて、
そこで平手打ちとかもするものだから、
女っぽい、いや、だけど男であることは間違いない、
性別を超越したつまりこれは森嶋猛と言う生き物なのだ、
と思っているうちにだんだん、森嶋がしんどそうになってきて、
健介のノーザンライトで敗北。
びっくりでした。
この悔しがる様とかもなんか女性的です。(スポナビ写真)
だけど、それであんなにデカくて強いってのも、他にはない個性だし。
健介の気合いの入りぶりは、前哨戦の有明でも感じられました。
6人タッグで森嶋とあたってたんですけど
試合そっちのけでがつんがつんやりあってて
「あんな殴り合いしたら、俺、もう待ちきれない」
と汗まみれで意気込んでいて、
試合じたいは健介組が負けてるんですけど、それどころじゃない。
俺、もう待ちきれない。
漫画とかで見た言葉ではあるけど実際に言う人ははじめて。
さすが佐々木健介だな、と思っていたら、
タイトルマッチは確かにその言葉通り、それ以上の気合いで
ラリアット打ちまくり、勝利後は
「みんな、俺がGHCチャンピオンだ!」と絶叫。
「みんな」がポイントだと思われます。
実際に口に出してみていただければ分かりますが
これを堂々と言える人はなかなかいないです。
でも大会ベストバウトはブリスコ兄弟vs中嶋&飯伏かなぁ。
中嶋&飯伏は文句なしにいいタッグだし、
ブリスコ兄弟がその敵役として、
あくどくて強かった。
あの2人に決勝戦の武道館で土を付けるのは
ブリスコ兄弟じゃなきゃいけなかったのだと思います。
中嶋&飯伏は安定感という点で圧倒的に劣るので、
KENTA&石森が優勝なのは全然納得なのですが、
ただあの試合のあとだと、金丸&鼓太郎vsKENTA&石森に対する
ハードルは必要以上に高くなってしまって、かわいそうでした。
平柳玄蕃が介入してきたのを見て、そうか、これに対するお返しの形で、
決勝できっとリッキー・マルビンが鈴木鼓太郎の足を引っ張って
いつだったかの無念を晴らすんだ!と思いこんでしまったのですが、
マルビンはそんな卑怯なマネはしなかったです。考えすぎでした。
飯伏幸太については、安定感のなさ、あぶなっかしさが魅力でもあるし、
それでも本屋でプロレスやったりしてしまうのが
面白いところでも、オタクを惹きつける部分でもあります。
インディー出身の選手がメジャーで活躍、と言う図式が
あまり当てはまらない気がするのですよ。
よけいな気負いは感じられない。
メジャー>インディー の図式が狂ってて
どっちが幸せかなんて本人しだいになってしまったし
飯伏幸太自身がその枠を越えてしまっているようにも感じる。
いまの飯伏幸太は、前例がない。
どうなるんでしょうね飯伏幸太。
着地点というか、彼のゴールがまったく予想つかないので、
とりあえず飯伏幸太の速度についていくのが精一杯で、
それがまたおもしろいです。
試合後はまた来年もこのタッグで出たい、と言っていたようですが
飯伏が安定感を身につけるのか、それともいまの「速度」を圧倒的に高めて
あぶなっかしいまま実力を高めてしまうのか。
でも、来年へ向けていい種が植わったと思います。
フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
NOAHと健介オフィスと飯伏幸太をときどき応援しています。
posted by sasakey |02:04 |
NOAH |
2008年09月04日
8.31は全日本プロレスで
王者・武藤敬司と挑戦者・後藤洋央紀による
IWGPタイトルマッチと
王者・諏訪魔と挑戦者・太陽ケアの
三冠タイトルマッチが行われました。
そしてもうひとつ。
北千住マルイ1010(せんじゅ)シアターで
NWAライトタッグのタイトルマッチがありました。
王者・日高郁人&澤宗紀が持つ
NWAライトタッグのベルトに
バトラーツの石川雄規と吉川祐太が挑戦したのです。
ここでは、その3つめのタイトルマッチについて書きます。
吉川の挑戦表明によって実現したこの試合。
吉川にとってはじめてのバトラーツのメインであり
はじめてのタイトルマッチでもあった試合でした。
バトラーツルールは
通常のプロレスルールと異なり
フォールによる3カウント決着がありません。
ですがこれはNWAタイトルマッチなので
当然プロレスルールで行われました。
しかし誰もフォールにいくことはなく
最後の最後まで相手の顔を殴り
相手を蹴り続けたのでした。
先発で出てきたのは澤と吉川。
平手と蹴りの応酬。
べつに3秒止まってたら死ぬとかいうわけでもないし
相手がそんなに憎いというわけでもないだろう
という打撃の応酬。
鼻血を出した吉川に
日高がローを放って膝を崩させてから蹴り、
掴んでイグチボム、
ヒザ蹴りの連打からローキック、ヒザ十字。
厳しい。
日高の攻撃で痛めた吉川の足を殴る澤。
これは痛い。
澤が吉川に極めたヒザ十字を
顔面へ渾身のグーパンチを放ってカットする石川。
そこまでしなくてもいい。
日高はもともとバトラーツの出身。
石川にとってみれば、時期は違えど3人とも自分の教え子です。
日高はもうバトラーツにいた頃の日高ではないけど、
だからといって否定する過去ではない。
石川へローを放ってソバット、
さらに石川の延髄斬りを野良犬ハイキックでカット。
ジャストのタイミング。
石川の技を読んで、あえて放ったハイキック。
そんなの分かってるんだ、
いつまでもそれをくらって倒れる自分でもないんだと。
倒れ、立ち上がる石川。
そして、まだまだ倒される石川雄規でもない。
最後は吉川が、澤の卍固めに捕まって敗北。
敗れて涙を流す吉川の頭を、笑顔でなぜて抱き留める石川。
勝ったけどフラフラの澤をなにやら怒鳴りつけている日高。
敗者と勝者の対照的な姿。
マイクを持った澤が
「今日はどうもありがとうございました。
バカな上司、バカな後輩、バカな先輩に囲まれて
僕はすごく幸せです!」
と挨拶し、最後は「1、2、3、ナーシャ!!」でフィニッシュ。
日高「40も過ぎてあんなバカな人(※石川)のもとを巣立って正解でした」
澤 「そして戻ってきたじゃないですか(笑)。もう、バカとしか
出てこないですね。長生きする気ないんですかね、4人とも」
日高「俺は長生きしたいよ!(笑)俺はバカじゃないって信じてるんですけどね」
澤 「いや、バカですよ。俺はバカな人たちのところにしか行かない。
大谷さんだって、バカですから!」
最後、澤に何を怒っていたのかを聞いてみました。
日高「おまえが勝ったんだから、先に立てって言ったんです。
勝ったほうが先に立ち上がらなくてどうするんだって」
澤「いやぁ、見下ろすの慣れてなくて……(ゲップ)」
日高「おまえ、コメント中にゲップする奴があるかよ!
もう、こんな団体2度とこない!(笑)」
石川雄規にも話を聞いてみました。
「今日は吉川が主役だね。自分は一歩引いてた感じだった。
(最後は)よくやった、って。まだまだアイツの伸びしろはあるから。
(日高は)すごい。さすがチャンピオンにまでなった選手だなって。
坊主頭の時から考えたら、えらい成長ぶり。
(ハイキックは)エグイことしやがる。ちゃんとアゴに
入りやがったからね。
(澤は)バカタレが(笑)。ちゃんと成長してやがる。
いいことですよ。
いいチームだよな。ゼロワンまで追いかけていくぜ!
俺はしつこいからな。覚悟してろ!
もう1回、引きずり戻してやる」
やるといったらやる人なので、多分本当に追いかけていくでしょう。
そして吉川祐太。
「日高さんも澤さんも、練習で普段手を合わせてて、
正直、こういけば、こう攻めればとか思うときがあるんですけど、
チャンピオンってのは、強さが増すんだなと分かりました。
分厚い壁がありましたね。それを、崩せなかった。
正直、応援してくれる人たちの言葉の中に、
負けるだろうけどいい試合してねとか、
負けるだろうけど頑張ってね、みたいな、
ニュアンスを感じることがあったんです。
でも、僕は本当に負ける気がなかった。勝って人生変えるつもりでした。
今は、悔しさだけですね。
自分のふがいなさが、悔しくてしょうがないです。
試合前、リングで社長に『ベルトとりましょう』って言ったら、
社長、ニヤッと笑って、うなずいてくれて。
獲りたかった。
でも、獲れなかった」
また、あのチームと戦いたいですか。
あまりにも普通な私の質問に
吉川は力強くうなずきました。
「当たり前です。しつこさがバトラーツのとりえなんで。
僕がデビューする前って、原さんがいなくなって、
澤さんも微妙な時期で、
ちょうど、誰もいない時期があったんです。
そのとき僕は、まだデビューもしてなかったけど、
練習生としていたことに、意味があったと思うんです。
うまく言えないけど、あのとき僕がいたことに、
僕は、意味があったと思ってるんです。
あのベルトが獲りたいです。
NWAライトタッグのベルトを、社長と獲りたい。
もちろん、あの2人から勝って獲りたいし、それがベストだと思います」
書いてみて思うのは、
試合はともかく、発言がバカなのは澤宗紀だけです。
というか、他の3人は、他人に自分のやっていることを
理解されるまで説明するよりも
自分がやりたいことを優先したいので
とりあえずバカってことでいいです、と理解を手放した感がありますが
澤は、わざわざバカになっている感じです。
ただどっちも「バカ」というカーテンをひくことで
人との間に一枚、壁を作っていることには変わりない。
バカのカーテンに身を包むことで得られるのは
「あいつらバカだからしょうがねぇよ」
という、暖かい無理解です。
だけど、そのカーテンの向こう側には
そう思われても守りたいような
どうしようもない戦いが潜んでいる。
バカという言葉は
そのカーテンをのぞきに来る覚悟があるのかという
問いかけでもある。
バトラーツというリングに上がるとそうなるのか。
それともプロレスがそもそも、そうさせるものなのか。
それとも自分のやりたいことをとことん追求すると
人は、自然とそのカーテンを引かねばならないものなのか。
だとしたら?
だとしたら。
そうでなくても。
あいつらはまぎれもないバカです、と書くのが正しい気がします。
バカのカーテンを引いてなにかを守ることは、
一歩間違うと、自分の殻にこもることにもなります。
王者組は、それに対する危機感を強く感じているように見えます。
だからこそ王者なのかとも、思うのです。
フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
まぎれもないバカの試合も時々応援していこうと思います。
posted by sasakey |03:50 |
格闘探偵団バトラーツ |