2010年10月19日

『殴る女たち』取材にあたって〜RENA・神村エリカ

女子格闘家10選手を取材させていただいた
単行本『殴る女たち』が、明日、10月20日発売となります。

登場している選手たちについて
紹介をかねて書かせていただいております。
辻結花選手、HIROKO選手、
石岡沙織選手、長野美香選手、藤井惠選手、
リングドクターの山田先生、渡辺久江選手について
書かせていただきましたが、
今回はシュートボクシングのRENA選手、
そしてキックボクシングの神村エリカ選手について書きたいと思います。
「 」内の言葉は各章のタイトルです。


☆「居場所」RENA

女子シュートボクシングのエースとして大活躍のRENA選手。
もう「女子シュートボクシングのエース」って言わなくてもいいかもですね。
ふつうに「シュートボクシングのエース」って言っても全然いい感じです。

Girls S-CUP2連覇を果たしたその実力に加え、
明るくて礼儀正しくて、笑顔が印象的なRENA選手ですが、
昔はひきこもりだった、というのも少し知られてきているところです。

前にインタビューをさせていただいて、そのこと自体は知ってたんですけども
どうやって、そこから今の状態にまで自分を持って来れたのか。
ひきこもりから、まず人と接することが出来るようになるということが
簡単なことじゃないと思うんですよ。
でも今のRENA選手は、人と無理して接してる感じは全然しないし、
むしろ積極的にその場にいる人に話しかけて場を明るくするような存在なので。

ご本人に聞いただけじゃなく、ずっとRENA選手を指導してきた
及川知浩選手にお話を聞きました。

昔が、いかに大変な子だったかを聞いていると
本当に今のRENA選手が奇跡のように感じます。

いまのRENA選手と接するのは、全然苦じゃないし
むしろ明るい気持ちになって嬉しいくらいですが、
話の中に出てきた、昔の、ひきこもり時代のRENA選手を指導するのは、
及川先生2人(及川選手と、弟のナグランチューン・マーサM16選手)を
ホントに尊敬するレベルの大変さです。

子供や、小学校高学年、中学生くらいの子を教える難しさを
具体的に知ることが出来る話です。
それをホントに体当たりで一心にやってきた
及川選手が凄いし、また、
投げそうになっても投げ出さずにやってきたRENA選手が凄いです。
だから今でもあんなに及川先生のことを慕っているのだなと思いました。

責任取れないようなこと言うのは、怖いと思うんです。
でも「俺がどうにかしたるから」って、すごい言葉です。

殴る女、なので殴ることにも聞いていますが
同時に、殴る(殴れる)ってことは殴られるということでもあるので、
RENA選手、後の神村選手の章ではその部分にも特に触れました。

女子選手同士が戦った後に互いをたたえ合う絵は
すごく「いいなぁ」と思うのですが
そんな部分についても聞きました。

(本文中では触れていませんが
 悔しさのあまり相手に笑顔なんて見せられない、という
 感じの選手を見るのも、それはそれで
 その選手の気持ちの強さを尊敬したくなります)


☆「決意」神村エリカ

17歳にしてベルトを2本保持している、
女子キックボクサーの神村エリカ選手。
強くて、言うことに迷いがなくて練習熱心という、
すごく、すっきりとした存在です。

空手を始めて、負ければ大泣きしていた小学生の頃。
ぐれそうになったけど、それを留まって
キックボクシングに目覚めた中学生の頃。
ご両親がいい意味で甘やかさずに育てたのだろうな
と感心すると同時に
外の世界で出会った最初の大人(山木ジムの山木会長)が
魔法のような言葉を授けて、
そこからキックボクシングに目覚めていく様というのが
ドラマチックだなと思いました。

山木ジムを離れた後は、同ジムの出身でもある
ラビット関氏や伊藤隆氏が彼女の熱意を理解して
指導し、さらに強くしていった。
高校に行かないと言う神村選手に
伊藤隆会長はちゃんと高校には行けと教える。

そしてリングに上がる上での覚悟。
格闘技は怪我がつきものの、とても危険な競技であるのは
間違いのないことで、
その怖い面も理解しなくちゃいけないということを
正面から語ってくれたのが神村選手でした。

どうしてそんなにしっかりしてるんですか
と聞いてみたりもしました。笑いながらもちゃんと
答えてくれました。

同年代の友達との会話などはとても10代らしいと思いました。

10代の選手に登場いただいた2章は、
彼女たちと同年代の人たちに、ぜひ
読んでもらいたいです。


さて次回でラストです。
NORIKO選手・V一選手について書きたいと思います。
単行本の詳細は、以下のエントリをご覧ください。
「女子格闘家のノンフィクション本が出ます|ときどきキックアウト」

posted by sasakey |12:08 | 女子格闘技 |
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2010年10月17日

『殴る女たち』取材にあたって〜藤井惠・山田麻子リングドクター・渡辺久江

女子格闘家10選手を取材させていただいた
単行本『殴る女たち』が、10月20日発売となります。

登場している選手たちについて
紹介をかねて書かせていただいております。
辻結花選手、HIROKO選手、
石岡沙織選手、長野美香選手について書かせていただきましたが、
今回は藤井惠選手、渡辺久江選手と、
そしてリングドクターの山田先生について。
「 」内の言葉は各章のタイトルです。

☆「渇望」藤井惠

総合格闘技無敗の藤井惠選手。
圧倒的に強くて、試合も短いです。
単行本の前身となった「殴る女」での取材時に、
「殴るのは怖いです。出来れば、殴らずに終わらせたい」と、
はっきりおっしゃっていたのが印象的でした。

幾度か取材していますが、
そのたびに「悔いなく」とか「集大成」とか
言う言葉が出てくる。
最初に引退の二文字を口に出されたときは驚きました。
今はもう自然と意識しているから、その上でどう戦うか、
の段階に入っていらっしゃるようです。

近頃は「すいません、インタビューのたびにこんな話ばっかりしてて」と
藤井選手からも言われたりします。

「いま、私がやっていることも親孝行だとは
 言ってくれるんですが、女の子を産んだ親として、
 見たいものとか、あるじゃないですか。
 結婚することや、孫を見せることだったりとか。
 そうなると、あと何戦出来るのかって、考えますよね」

アラサーにはきつい言葉だと思います。
しかし藤井惠ほどの戦績を残している人でさえ、
やはり、そういったことが頭を過ぎったりもするのかと。
だったらどんな人も悩んで当たり前なんじゃないかな、
とも思ったりした。余談ですが。

今年から海外のトーナメントに参戦。
国内での試合と、海外での試合。参戦する上で、どんな違いがあるのか。
殴ることが嫌いなのは変わらない、その上で、
先日、パウンドで初のTKO勝ちをしたときは、
どんなことを考えながら殴っていたのか。

藤井選手に限らず、各章のタイトルは
取材前に考え、終わった後に、あらためて
この人はこれだな、なんてことを考えながら決めてました。

普段、おっとりしている方で
ぜんぜんガツガツした感じはしない方なのですが、
それでも、何か猛烈に求めている感じもした。
闘志とか、そういう燃えるような言葉じゃなくて、
なんか静かな感じの言葉だよなぁ、と頭をひねって
思い当たったのが、この言葉でした。

引退を考え、自身の力を出し切りたいと考えている藤井惠選手は
そのことに「渇望」してるんじゃないか、
これまでも、ずっと「渇望」してきてたんじゃないのか、
と考えたのです。


☆「視線」山田麻子リングドクター

格闘家ではなくリングドクターの山田先生。
格闘技好きからリングドクターになった山田先生に
試合を見守る側からの、戦う女性たちについての意見です。

客観的な立場、第三者の立場から
「殴る女性」「戦う女性」について語ってほしくて
ご登場いただきました。

実は、ふだん一緒にご飯を食べに行ったりするお友達なので
あえて取材というのも不思議で恥ずかしいんですけど、
そこはなんかお互い仕事として。

女性が戦うってどういうことなのか、
そしてアマチュアとして試合経験もある山田先生は
どういうきっかけで格闘技を知り、またそれを仕事としているのか。

戦いに至らないところでの、エクササイズとしての格闘技、
といった部分での話もお伺いしました。
この部分はもっと広く伝えたいところというか
この部分は、たくさんの人を引き寄せられるポイントだと
思うんですよね。ほんとうにそう思うんです。

そのほかリングドクターとして
メディカルチェックをして、選手をリングに送り出すときの心情や
じっさいにストップをかけなくてはいけないときの気持ちも
聞いてみました。
女性が戦うことに対して、いろいろな思いを持ちながら
それでも応援したいと思う気持ち。
なんか本の中身に一面的じゃない味の深みみたいなのを
出して頂いた感があって、登場していただいて嬉しかったです。


☆「私」渡辺久江

2002年にデビュー、キックボクシングと総合格闘技の両方で活躍し
2008年に結婚、同年に引退を発表。
そして2009年に復帰。

取材場所は渋谷でした。
最初に『Fight&Life』誌で取材させていただいた時は
タンクトップにオーバーオール姿でふらりと登場。
後に単行本用のインタビューを行ったときには
Tシャツに短パン姿で、すっぴんでした。

小さい頃の話から、テニスをしていた頃のこと、
夜遊びにあけくれていた頃に
お母さんと熾烈なバトルを繰り広げていたこと、
そしてバイクの後ろに乗っていて事故った話なども。

藤井選手、渡辺選手は
選手としてはなんというか対照的なのですが
共通して出てくるのが、試合のさいに
相手の動きが止まって見えるような経験をしたという話です。

渡辺選手によれば「ゾーンに入る」という表現。
タイガー・ウッズや石川遼選手が使っていた言葉ですが
高い集中状態に入ったときをさして、そう言うようです。

意識して入れる状態でも、ずっとその状態でいられるものでもないその境地。
アスリートとしてはある意味極限でもあるそれを経験して
その上で、「渡辺久江」のキャラクターでいるというのも
それはとてもすごいことだと思うんです。

渡辺選手はGirls S-CUPに参戦し、RENA選手の前にKO負けを喫しました。
生涯初のKO負け。
インタビューをしたのはGirls S-CUP前でしたが
試合直後にも話を聞いて、リング上でどんな言葉を交わしてたのか、
そして敗れた後の心情も聞きました。

あと渡辺選手の話では、お兄ちゃんに対抗する妹の心境
というのが興味深かったです。
たしかに兄妹ってそういうものでもあるよな、と。

渡辺選手の章についてはこのタイトル以外ないかなと思いました。


次回はRENA選手・神村エリカ選手について書きます。
単行本の詳細は、以下のエントリをご覧ください。
「女子格闘家のノンフィクション本が出ます|ときどきキックアウト」

posted by sasakey |23:44 | 女子格闘技 |
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2010年10月16日

『殴る女たち』取材にあたって〜石岡沙織・長野美香

女子格闘家10選手を取材させていただいた
単行本『殴る女たち』が、10月20日発売となります。
前回エントリの辻結花選手、HIROKO選手に続いて
登場してくださった選手のことを紹介をかねて書かせて
いただきたいと思います。
「」の中の言葉は各章のタイトルです。


☆「挑戦」石岡沙織

ジュエルスのエース、石岡選手。
ジュエルスの前身であるスマックガールの後期に
デビューして、現在に至るまで
もっとも変化し、成長した選手じゃないかと思います。

女子格闘家の本を出すにあたって
「女子格闘家というのは、どんな生活をしているのか」
「普通の女性と、どう違うのか」
が、おそらく一般の人の知りたいところだと思いましたし
また、そこは知りたいところだとも担当の方たちから言われました。

石岡選手と、このあと紹介する長野選手は
キャリアや年齢からいっても
すごく「普通の女性」に近い存在にいる選手だと思ったし
また、石岡選手は高校を卒業して、働いていた時期もある方ですし
年齢としても、遊びたいさかりじゃないのかしらと思いますし
そのあたりをきちんと聞いて伝えれば
格闘技をやっていない女性から、共感してもらえるかなぁ、
そしてまた、石岡選手や長野選手のファンの方にも
聞きたいと思う部分かなぁ と考えました。

「女子格闘家が、どんな生活をしているか、収入の面のことを
 話せる範囲でいいので、話して欲しいんです。
 あと、恋愛のエピソードをひとつ話して欲しいんです」

と、取材の席で、テープを回す前に御願いしました。

石岡選手は、道場の事務所にあった机から何やら紙を持ってきて
本のタイトルを書いて、その下に

・どんな生活をしているのか(収入)
・恋愛のエピソード

と、箇条書きにして、時折「うーん」と言いつつ、
インタビューが始まりました。

最初から、かなり立ち入ったことを御願いしているのですが、
石岡選手はそこを話してくださったので、
すごく深く、石岡選手のこれまでを書かせてもらった内容になりました。

そして、あまり活字にはしてこなかった部分で
ぜんぜん自信持ってていい人なのに、やけに自己評価が低い
感じがするのが、すごく気にもなっていました。

「格闘技が好きでやっているわけじゃないんです」

ではなんのためにやっているのか。

と、いう本編の原稿だけでも、
かなり突っ込んだことを書かせていただいた内容なのですが
さらに追加で7月31日、52kgトーナメントで能村さくら選手に敗れた後、
どんなことを考え、感じていたのかも聞きました。

雑誌じゃなくて本として出してもらうからには
何年か経って見てもらっても、問題ないような形で仕上げているのですが
石岡選手が戦ってきて、7月に敗れ、そして10.10で勝利して
この先、を思う、いまの時期に読んでもらえるのは、
書き手としてもすごくうれしい神懸かったタイミングだったりします。


☆「選択」長野美香

長野選手は、ジュエルス旗揚げ戦のメインを
石岡選手と争った相手です。

長野選手をはじめて見た人からよく聞く言葉が
「普通に美人」
という言葉です。
たしかにそう思います。

ただなんというか
けして饒舌ではなかったりもする方なので
わかりにくいところがある選手ではないかと思います。

なんで格闘技をやっているのか
そもそもそこが、正直私にもわからなかったです。
長野選手は芸能の仕事に対する興味もあって
そして趣味というか好みが、すごく「普通の女の子」らしくて、
闘争心みたいなものが全然しない方でした。

いちど取材させていただいて、少し理解できた感じがあって、
もっと聞きたいと思っての今回の取材でした。

長野選手にも、石岡選手と同じ御願いをしたのです。
正直、イヤがられるかなとも思いました。
一般の友達とかでも恋バナがイヤな人とかいるじゃないですか。

そのさいにはきちんとこちらの趣旨を伝えようと覚悟して
言ってみたのですが、長野選手は笑顔で話してくださったのでした。

恋愛のことを、ニコニコ話す長野選手の姿からは
やっぱ闘争心のようなものは全然感じられないのです。
そういう女性が、殴ることをどう考えているのか。

恋愛というか恋心。
そのエネルギーと闘争心は似ているような感じもあり。
「恋すると夢中になっちゃうタイプですか?」
みたいな話も聞いていますし
中京女子大学でレスリングに打ち込んでいた時期の話も聞いています。

5月にジュエルス新木場大会で
セリーナ選手に負けたときのことも、詳しく聞きました。
試合の最中の選手の気持ち、そこから生活を変えて強くなろうと決めたこと。
その背景にあったエピソードを聞いています。

試合のときにどんなことを考えていたのか。
そのとき、どんなふうに過ごしていたのか。
そのことを見ていたお客さんが知ることで
試合はより深くなるし
試合を見ていた時間がよりいっそう特別になります。

試合が見られなくても
いろんな気持ちや背景を背負った選手が“いま”存在してること、
きっと今日も練習してて、試合へ臨んでいるんだということを知って欲しい。

単行本という中でそれをするには限度がありましたが
できるだけ、他の選手についてもそれを掘り下げました。

石岡選手の章も長野選手の章も苦しんだ記憶があります。
7月大会で2人が対戦するという可能性も、ゼロじゃなかったですし。
2人とも変化しつつあって、完成された選手じゃなくて
また2人は同じジュエルスで戦っていながらも全く違ってて、
どんなふうに違うのかということまでどう書こうか考えて、
一戦一戦の結果がすごく大きく影響するので、
すごく考えて書きました。

読んでもらったら2人のことを
読む前より好きになってもらえると思います。

ほかの選手についてもそう思って書いていますが
きっとこの2人については特に。

知らなかった話ばかり出てきてびっくりするかもしれませんが
それ以上に、好きになってもらえるよう願って書きました。


単行本にかかる帯の後ろに石岡選手の言葉が。

sasakey-196888.jpg
sasakey-196889.jpg

背表紙には長野選手がいるのです。こちらは手にとって見てみてください。
お楽しみに!!

次回は藤井惠選手・渡辺久江選手について書きます。
単行本の詳細は、以下のエントリをご覧ください。
「女子格闘家のノンフィクション本が出ます|ときどきキックアウト」


posted by sasakey |00:46 | 女子格闘技 |
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2010年10月14日

『殴る女たち』取材にあたって〜辻結花・HIROKO

単行本「殴る女たち〜女子格闘家という生き方」では、
10人の女子選手に取材をさせて頂きました。

登場する順に、取材をして感じたことなどを書いていきたいと思います。
名前の前の「 」は、本の中の章のタイトルです。


☆「勝利」辻結花

単行本の話自体が決まったのは、今年の2月最初でした。
そのやさきに2.11のヴァルキリーが行われたのです。
女子格闘技10年に1度のアップセットが起きた日でした。

辻結花選手がV一選手に敗れた日です。

その結果にも驚きましたが、
本の構成を考えたりしていた時期だったので、
正直いって文字通り頭の中が真っ白になりました。
(スポーツナビ格闘技リンク)

2月から、執筆にかかわっていた8月末まで、
女子格闘技はかなり大きな動きがありました。
今までは数年かけて行われていたようなことが、
一気に半年で起きたような印象があります。

その中で辻選手にも、右肩・右ヒザの古傷と向かい合い、
また戦ってきた自分自身と向き合う日々がありました。

「殴るのが好き」と公言する辻選手は、
単行本の話が進む前から、たくさんヒントをくれました。
本作りのきっかけになった選手のひとりです。

またそして、外側から見て分かりやすい部分とは別に
自分が見て感じた辻選手の強さを
原稿には、めいっぱい詰め込みました。

女子の試合が定期的に行われるようになってきた今ですが、
過去には、試合の機会がなかったこともありますし、
土壇場でなくなったりしたことも幾度もあります。

多少、そういうことに対して愚痴ったりしても許される立場である
と思いますが
辻選手からそういう言葉は一度も聞いたことがないです。
記事を書く側としては、むしろ言ってもらったほうが
記事になったりもするのですが
こちらから話を向けても言わない方です。

試合があることを当たり前だとは思っていないのだな
と思います。

格闘家として強いのは今更言うことでもないですが
そういう部分も、私は「強いな」と思うし
むしろ、そういう部分をどうやって伝えればいいだろう
と、いつも思ってきました。

普段、感じつつもあまり書けない部分でもありますので、
そのあたりも書きました。

辻選手がどうやって格闘技に向きあってきたのか。
その上で伝えたいのは、やっぱり一戦一戦の重さだったりもする。
そういう感じの原稿を書きました。



☆「恐怖」HIROKO

背が高くて、元SM女王という肩書きがあって、
あっけらかんとしたキャラクターがあるHIROKO選手。
そこだけでも面白いので、つい、そこばっかりが
取り上げられたりもするのですが
もう、そこだけじゃないだろう、とも感じ始めてきました。

「クリスチャン・サイボーグに勝ちたい」と言って
真剣に世界へ向けて強くなろうとしているHIROKO選手。
それでいて、試合後
「怖くて、いけなかった」と言っているのを聞いて
どういう心情なのだろうと思ったりもしたのです。

取材のさいに、現在の所属チームである
マスタージャパンの弘中邦佳選手にもお話しを伺いました。

マスタージャパンに移籍してから、確かに強くなったと思うので
どういう指導をしているのか知りたくて、聞いてみたのですが
なんていい指導者に巡り会ったのだろう
と思いました。
日本の女子格闘家が世界で通用する可能性についても
語って下さったのですが、弘中選手の言葉には
なんというか希望があるので、よろしく御願いします、
と言いたくなります。

よく、暴れん坊だった選手が
技術を覚えていくにつれ、迷いを感じて動けなくなる
という様を見たりしますが
HIROKO選手は、そのきわどい道をギリギリで歩んでいます。

どうすればいいか考え、強くなろうと努力していくうちに
どうするべきなのか迷ったりもするし
自分自身を分析して自己嫌悪に陥ったりもする。

そんな“格闘家・HIROKO”の姿は
たいせつに伝えたいと思いました。

弘中選手がHIROKO選手に言った重要なアドバイスは
文字数にすると四文字でしかないのですが(※漢字を含んでいます)、
ひじょうに大切なことであり、かつ分かりやすかったです。

「たしかにそれは大事」ということが誰にでも分かる言葉で、
かつ2人の関係性や弘中選手がほんとにHIROKO選手のことを
よく見て指導しているんだなぁということが感じられる言葉でありつつ、
どんな環境の人でもそうしたほうがいいという言葉です。
どんな言葉かは本を見てください。


次回は石岡沙織・長野美香選手について触れたいと思います。

単行本の詳細は、以下のエントリをご覧ください。
「女子格闘家のノンフィクション本が出ます|ときどきキックアウト

posted by sasakey |14:34 | 女子格闘技 |
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2010年10月07日

女子格闘家のノンフィクション本が出ます

この秋、女子格闘家10選手にインタビューをした
ノンフィクション本が発行されることになりました。
インタビューをさせていただいたのは私、佐々木亜希です。
草思社から、発売は10月20日です。

登場していただくのは、この選手たちです!
(※あいうえお順・敬称略)

・石岡沙織
・神村エリカ
・辻結花
・長野美香
・NORIKO
・HIROKO
・藤井恵
・RENA
・渡辺久江
・V一(ヴィーはじめ)

以上10選手と、リングドクターの山田先生にお話を聞いてます。

タイトルは
「殴る女たち〜女子格闘家という生き方」

価格は1500円です!
272ページというボリュームで1500円!

表紙デザインはこんな感じです。
アマゾンで予約はじまってます。
「殴る女たち〜女子格闘家という生き方(アマゾンへのリンク)」

sasakey-194842.jpg

本屋さんで見かけたら、手にとっていただけると
とても嬉しいです。
よろしく御願い致します。


posted by sasakey |12:04 | 女子格闘技 |
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2010年02月22日

長野美香選手にインタビューしてきました

2月23日発売の『Fight&Life』で
長野美香選手のインタビューを
やらせていただいています。
よろしくお願いします!!
(本の詳細は「Fight&Life」HPで)

なんというか、長野選手は
どういうことを考えて格闘技をやっているのか、
いまいち、わからなかったのです。

インタビューをして原稿を書いてみて
まだ全部はわからないけど
今までより、だいぶわかるようになった
と思います。

長野選手は、見るからにきれいで
ビジュアル系として登場することも多いのですが
実は、小4からレスリングをやっていて
中学、高校と続けた上、
あの中京女子レスリング部に所属していたこともある
ばりばりアスリートです。

レスリングを離れた理由に
まさかオリンピックが関係しているとは思いませんでした。

ジャパンクイーンズカップの「4位」という成績は、
おそらくですが、あと一歩、
オリンピック出場選手になるには、かなわなかった成績です。

そこではっきり線を引かれてしまった悔しさや、
やり通せなかった後悔、相反する華やかな世界に憧れた気持ち、
それらが全部生かされる場所が、格闘技のリングだった。

ちなみに、芸能を目指していた頃に憧れたのは誰ですか? と聞いてみたら
「松下由樹さんです」とおっしゃっていました。

年代的に言って、松下さんって
ドラマですげぇイヤな役やってた頃じゃないですか?
と聞いたら笑われました。
(※『想い出にかわるまで』の、姉の恋人を奪っちゃう妹役)

「それでも、いいなと思ったんですよ。
 自分を貫いているというか、演じながら、
 役になりきっていても、松下さん自身の魅力がすごく出ていて」

なんというか
語り口調がおっとりしていて、言葉に対して慎重なのもあってか、
真意が見えにくいところは、あるようです。

でも、なにも考えていないわけではなくて、
むしろ強い意志があるからこそ、よけいに多くを語らない
タイプのようです。

プロレスを通じて感情表現を学んだ、という長野選手。
あんまり気持ちを表に出すようじゃないですよね、と聞くと
うなずかれた後に

「レスリングをやっていた時は、むしろ感情を出すなと言われていたので」

と、おっしゃっていました。

「練習中に笑うな、泣くなって。痛くてもそれを表に出すな、と」

クールそうで、何を考えているのかわからないように見える理由が、
すこし分かったのと同時に、
そう教えられたことを守って、痛いことや泣きたいことを
ぐっと自分の内に秘めてきていた、長野選手の気持ちの強さを感じたのでした。

3月19日、ジュエルスで対戦する相手は市井舞選手。
感情を表に出すことについては、市井選手のほうがずっと長けています。

どんなふうに戦うのか。
戦いの中で何を見せられるか。

長野選手にとって、いろいろな意味で課題の多い試合になると思います。

sasakey-143680.jpg

写真は杉博文さんです。

フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
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posted by sasakey |23:06 | 女子格闘技 |
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2010年02月11日

V一の勝利、辻結花の敗北

2.11ヴァルキリー取材してきました。
辻結花vsV一の結果は、まさかの辻結花敗戦でした。
想像していない結果だったので、大変おどろきました。

びっくりしちゃってまだ、気持ちがついてきてない感じです。

2001年12月のデビューから約8年、
国内無敗、敗れたのも1度きりで、
その相手にもリベンジを成し遂げている辻選手が
敗れたのだから、女子格闘技の歴史においても
とても大きなことでした。

ずっと変わらないと思っていたものが、
ふいにひっくり返ることもある。
10年に1度起きるか起きないかの試合でした。

少なくとも8年は、事実として辻結花は
1度しか負けていなかったし、国内の選手に敗れたことはなかった。

だけどあの数十秒間、V一選手のほうが辻結花選手より強かった。
次やったらどうなるかは、まだ分からないけれど、
まずはそんな瞬間が訪れたということに、驚きました。

この8年の中の数十秒間。

その時間が、これから新しい事実になるのか、
それとも、なかったことになるのか。

「“絶対王者”って、その言葉だけだと
 超えられない壁なんじゃないかと思うけど、
 そこを超えたら本当に嬉しいっていうか、
 この競技をやっていた意味が出てくる。 
 
 1度きりの試合だし、1度きりの人生だから、
 その言葉に捕らえられないでやりきりたかった」

勝利したV一選手のコメントです。

敗れて、呆然とケージの中に座り込む辻選手の姿を見ていて、
こんなことも起きるんだなと思いました。

こんなことも起きる。

一瞬のゆるみが勝敗を分ける競技だからこそ、
その一瞬を生み出さないように、ぎりぎりまで選手は自分を追い込む。

「たくさんの人に格闘技を見て頂きたくて、
 たくさんの人に声をかけました。
 あなたの負ける試合は見たくないと言われ、来てくれなかった人もいました。
 そういう言葉も、バネにしようと思って、この場に立ちました」

負けないんだ、負けないんだ、勝つんだ。
V選手は、勝ちたいという祈りをどれだけ積み上げて、
この勝利を手にしたのか。

全力で走っているつもりだったのに、その後ろから、
違う人間に一瞬でも追い抜かれたら、
どんな気持ちになるのだろう。

「これから徐々に悔しくなっていくんだろうなと。
 辞めるとかは考えてないですけど、憂鬱が続くのが、イヤだなぁって。
 (世代交代は)別に年齢で格闘技やっているわけじゃないんで。
 ただV選手が、勝っただけという話です」

辻結花選手の側からしてみたら、
世代交代をされたのでもなく、時代が動いたのでもなく、
私が試合のやり方を間違えたから負けたのだということ。
たぶん、私は私だから、他の誰とも混ぜるなと言いたいんだと思います。

辻結花選手は、この結果を「なかったこと」にするために走り出すのでしょうし、
V一選手は、この結果を「ほんもの」だと証明するために
また走り出すのでしょう。

1年前は辻結花が勝った。
今度はV一が勝った。
おなじように時間は流れたけれど、中身は同じじゃなかった。

またその2人がクロスする瞬間が来るとしたら、
今度は、どんな結果が訪れるのか。
そしてそれを見届ける側にも、おなじように時間は流れます。

辻結花がV一に負けた。
「こんなことも起きる」と知ったことで、
人がどう変わっていくのか。
そしてそれを知った多くの人や、他の選手も。

とにかく今日は、こんなことも起きました。

2.11『VALKYRIE』辻まさかの敗戦で女王陥落

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posted by sasakey |23:55 | 女子格闘技 |
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2010年02月06日

女王・辻結花の初防衛戦

2010年最初の金網女子格闘技『ヴァルキリー』が開催間近。
メインは女王・辻結花vs挑戦者・V一(ヴィーはじめ)のタイトルマッチ。

辻選手には幾度もインタビューをさせていただきました。
いちばん新しいインタビューは
ただいま絶賛発売中の『ゴング格闘技』にも掲載されています。
そして相手のV一選手にも
同じ号でインタビューさせていただいています。
小さいスペースですが、彼女の意気込みを盛り込みました。

辻選手とV選手は、2度目の対戦。
最初はヴァルキリー旗揚げ戦のメイン、
一昨年となる2008年11月8日に対戦しています。

1年と3ヶ月経過しての再戦。
「イキがよくて何かやらかしてくれそう」と
みょうに期待させてくれる感は当時からありましたが、
最初に戦ったときのV一選手は
まだまだ、知る人ぞ知る選手だったと思います。

『VALKYRIE 01』で行われた試合は、
V一選手が腕を取ってどよめかせる場面があったものの
3Rを通じて、テイクダウンからパウンドの流れを作った辻選手が
終始完封し、判定勝利をしています。

その後、V一選手はヴァルキリーで
挑戦者決定戦トーナメントに出場。

トーナメントの選手として選ばれたとき、V一選手は最初
「私でいいのかなと思った」そうです。
だけど、初戦の相手は以前、スマックガールで敗れた
藤野恵美選手だった。リベンジしたいと思って、
トーナメントとか関係なく戦った結果、勝つことが出来た、と。

ちなみにこの大会『VALKYRIE 02』で辻選手はベルトを腰に巻いています。

その次、7月に行われたトーナメント決勝戦で
高林恭子選手を相手に判定勝利。
ふたたび辻選手の前に立つことになりました。

ですが、同時期の6月に辻選手が肩を脱臼。
タイトルマッチは延期となります。

この間に、V一選手はシュートボクシングの『Girls S-CUP』へ参戦。
投げに投げまくってトーナメント決勝進出。
そういえば「ミヤネ屋」でも映りましたね、このときの様子。

そして、ふたりは2月11日、もういちど金網の中で向かい合う。

こうして流れを追っていると、
V一選手の追い上げというか、成長ぶりはすさまじいものがあります。

と、辻選手本人に聞いてみると、辻選手は少し黙って、

「伸びるのは挑戦者だけじゃないんです」

と、ひとこと。

自分もまだ、伸びている。
まだまだ強くなりたいって気持ちを持って、追っている自分がいる。

なるほどなぁ、と思いました。

「その、前回負けたからとか、負けたほうだけが伸びるって
 いうのは間違いですよ」とまで言う。

そんなにこだわらなくてもとも思いましたが、
その大人げのなさというか、こだわりかたが、また辻結花でもあります。

そうかと思えば

「とにかく昔とは違うんですよ。今は格闘技が好きなんです」

というようなことも言う。

「今のルールは気持ちが攻防に直結できるルールやと思うんです」

とも言う。

「できることなら毎回でも試合したいんです」

とも、言う。

そういった言葉のもろもろが、すべて集約されるのが試合という場です。

人間、言葉では嘘をつけるけど、行動では嘘をつけません。
そして試合というのは驚くくらいその人の全部が出てしまう場です。
だから多くの選手は試合について語ることを避けるのだと思います。

「頑張った人が認められる世界であってほしい。だから自分は認められたい。
 自分は頑張ってないなと思ったら、他の人に譲ります」

そんなことも言うのが、辻結花という選手です。
こういう言葉を聞くたびに私は感心しつつ驚くんですが、
人が聞いて驚くことさえ辻結花にとっては不思議なことだったりもする。

当たり前じゃないですか、と。

そして、V一選手もこの1年、結果で自分の実力を有言にアピールしています。
その2人が戦うことで、なにが起こるのか。


最後に、
辻結花選手のチームメイトであるSACHI選手が、
脛の骨折で今大会を欠場となりました。
脛2本骨折って、鉄柱でも蹴ったのかと(※藤原敏男イズム)驚きましたが、
選手にとって、怪我は本当に悔しくて残念なことだと思うし、
いい選手なので早く治して早く復帰してくれることを待つしかありません。

そしてSACHI選手に代わって急遽参戦する禅道会の北村ヒロコ選手。
2人のお子さんのお母さんであり、介護の仕事もしつつ
試合もする、まぁ私などそれだけで尊敬ですが、
さらに前の試合から10日後の試合。
こうやって短いスパンで試合を組むのは、所属している禅道会側が、
選手に期待をしているからこそではないかと考えます。

さらに介護の仕事といえば女子では辻選手とウィンディ選手です。
人が健康に動けることの大切さを知っている人だから、
体を動かすこと、戦うことにもどん欲になれる面もあるのかな、と。

もうひとつどうでもいいこと。
ツイッターで少し会話させていただいた経緯があるのですが、
北村選手は読む漫画のセンスがいい人です。
これは期待していい人材ですと言い切ってみます。

最後といって長くなりましたが、ほんとうに最後にひとつ。
SACHI選手という、チームメイトの怪我を目の当たりにした辻結花選手は、
練習してきたのに、直前で試合に出られないという
悔しさを知っているからこそ、
よけいに、自分の試合に全力を尽くすだろうと思います。

■大会名称:VALKYRIE 04
■日時:2010年2月11日(木祝) 開場12:30 開始13:00
■会場:ディフア有明/東京都江東区
■チケット情報:チケットぴあ(Pコード:815-474)で発売中!
SRS¥10,000 / RS¥7,000 / S¥5,000 / A¥3,500
※当日券は¥500増しとなります。


女子総合格闘技『VALKYRIE(ヴァルキリー)』オフィシャルHP

2009『VALKYRIE02』での辻結花
(写真中央が辻結花選手、向かって右隣がSACHI選手。
左隣はEdge選手、下?が森雅恵選手、右後ろが岡田円選手、
向かって右端がヴァルキリー茂木プロデューサーです)

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posted by sasakey |18:47 | 女子格闘技 |
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2009年12月24日

石岡沙織選手にインタビューしてきました

12月22日発売の「Fight&Life」vol.16で、
ジュエルスのエース・石岡沙織選手の
インタビューをやらせていただいています。
(本の詳細は「Fight&Life」HPで)

スマックガールでニューカマーとして
とりあげられはじめていた頃、話を聞いて(ゴンカク2008年2月号)
そこから何回か、短いインタビューはやらせて
いただいていたのですが、
ジュエルスになってからは、今回が初めての
ロングインタビューでした。

インタビューした詳しい内容については、
もちろん実際に雑誌を読んでいただきたいのですが
彼女を成長させた大きなきっかけは、
ジュエルスのメインに抜擢されたことだったようです。

役割を与えられ、任されることによって、
人は大きく変わるんだなぁと思いました。

ただ、それで心のスイッチが何か入ったにせよ
そこから実際に努力するのは本人次第です。
継続させるのは、日々のちょっとした面倒くささとの戦いですし、
メインというプレッシャーに押しつぶされてダメになる可能性だって
もちろんあった。

これは私感ですけど、
石岡選手って、なんとなく
お兄ちゃんかお姉ちゃんがいそうな女子
という感じがしませんか。

以前、インタビューをさせていただいた時は
長野美香選手、岡田円選手といっしょに3人まとめてだったので
3人をそれぞれイメージするとしたら何かなぁ と思って
しっかりした次女のイメージ、と書いたこともあります。

ですが実際は長女なんですって。3姉妹の長女。

へぇぇ、と思って
「あ、そうなんですか」と相づちしたところ
「そうなんです。一人っ子とか、末っ子とか言われますけど」
と、ご本人も認められている様子でした。

頼られることが苦ではない、というか、
むしろ、頼られることで力を発揮する。

例えばDEEPジムではしなしさとこ選手を中心としてはじまった
毎週の女子合同練習というのがあるんですが
その連絡係を務めているのが、意外にも(失礼ですが)
石岡選手なのだそうです。

頼りないようなイメージもあるけど
任されると、やってしまう、という。

毎回全員にメール打って、出られる人の出欠確認、っていうのを
毎回毎週やっているという。
幹事的なことが嫌いな私としては尊敬の域です。

ぱっと見、妹キャラっぽい上に
まぁ、かわいいじゃないですか、石岡選手。

かわいい子には旅をさせよ という言葉もあるけど
かわいい子って、かわいいんだから自由にしてていいよ、
という流れになんとなくなりがちだったりしませんか。

自由にやっていい と言われて発憤できる人もいるし
役割を与えられて、がぜんやる気になる人もいる。
石岡選手は見た感じ前者っぽいようで実は後者だったんだな、と。

ほんとうは長女、の石岡選手は
なにか、任せてもらえるようになったことで
ほんらいの長女的な面が出てきて
自分らしくあれるようになったのかなぁ、と感じました。

立場とか、役割とかって、もちろんプレッシャーにもなるし
やることが増えるっていう意味では負担にもなるんですが
その人への、プレゼントでもあったりする。

メインに抜擢されたのは、もちろんそこまでの
戦績だったり努力だったり才能だったりが買われたわけですが、
任せられ、認められたことで、石岡選手にとって
そこまでやってきたことが、宝物になった。

任されて、しっかりしなきゃ、と思うようになったことに加え
自分がやってきたことを大事にするようになった結果、
藤井恵選手と戦ってみたい、という
闘志があらわれはじめたのかな、と。

そんなことを思いました。

この、本当は長女、という話は
「Fight&Life」の文章の中にも入れこもうと最初思ってたのですが、
それよりも、伝えたいことがあったので入れませんでした。

石岡沙織選手がそうして格闘技に向き合って
本気になって挑んだ藤井恵戦と、
敗れて泣いた、その後の話。

くわしくは読んでみてくださいませ。
よろしくお願いいたします。

写真は杉博文さんです。

sasakey-132191.jpg

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……最近女子格闘技の話題ばかりのようですが
先日は『DREAM』笹原イベントプロデューサーの
超ロングインタビューを
某所でやらせていただいたので、その話題もそのうち必ず!


posted by sasakey |01:22 | 女子格闘技 |
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2009年10月17日

彼女たちはなぜ殴るのか〜「新潮45」に女子格闘家が掲載されています

本日、10月17日発売の「新潮45」11月号に
辻結花、HIROKO、及川千尋、藤井恵の4選手が
登場しています。

文章は私、写真は杉博文さんです。
(杉博文さんHP)
はい。宣伝ですみません。
久々の更新が宣伝。一番いやなタイプのブログですが、
それだけのものにはならないように努力します。

新潮45というのはこんな雑誌です(新潮45HP)
文芸誌といわれるタイプの雑誌に
女子格闘家が登場することは、たぶん初だと思います。

半ページとか4分の1とかじゃないですよ!
写真つきで10ページですよ10ページ!

自分にとって、いままで書いた中で
一番長い文章で、
いちばん苦労した文章でした。

少し内容について書きたいと思います。

自分が女子格闘技を見るようになって
気がつけば8年です。ひゃあ。

最初の年は観客で、翌年からは仕事として訪れるようになって、
選手にも接するようになって、インタビューもするようになって、
一昨年、フリーになってからは
リングや金網の中にいる彼女たちは、どういう人間なのか、
自分なりに、彼女たちがどういう気持ちで試合に臨んでいるのか、
試合に、戦うことにどんな意味があるのか、
それを考えて伝えてきたつもりです。

媒体によって、格闘技界の中で伝えるべきことと、
外に伝えるべきことがあって、
ずっと取材をしていると、中に伝えていくほうが楽になります。

いざ外に伝えようとしたとき、
何を伝えればいいんでしょうねと、妙に引っ込み思案に
なっていたりします。

長く接しているので、逆に分からなくなってたりするのです。

なんでこれを見なくてはならないのか。
なんで伝えたいのか。
女性が格闘技をやるって、どういうことなのか。

でも別に、選手はやりたいからやっているんであって、
選手に聞いたところで、出てくるものではないのですよね。

そして、見慣れてきたりもするんです。
いいじゃない別にやってたって、と。

だけどやっぱり、女性が格闘技をするのって、
普通じゃないとは思うんです。
それは何度見てもそう思うんです。
確信に近い気持ちで、そう思う。

そして普通じゃないけど、どこか、自然な気もする。
そうしたくなる気持ちもわかる
と思っている自分も、確かにいる。

その「普通じゃない」感じ、
いちばん見ていてヒヤッとしたりするのは
どういう時なのか、インパクトがあるのは
どういう瞬間なのか。
そしてなぜ、それが「わかる」と思うのか。

その原点に帰って、聞いてみたことが
「なんで殴るんですか、なんで殴りたいんですか」
ということでした。

普段は聞けないようなことをあらためて聞きました。

文章を完成させるまで、ものすごく書き直しました。
正直、もう出来ないんじゃないかと真剣に思いました。
自分は文章が下手だったのだと思い知りました。

普段書いているものと、まったく求められているものが違う。
フルボッコと言っていいくらいに文章を直されて
呆然として、あまりの自分のダメっぷりに
「速報だったら絶対、他の作家さんより早いのに」
と、ふてくされたりもしましたが、
そういう問題ではない。
今ここでは自分は一番下手なのだと理解して、
そこからまた書き直して、の繰り返しでした。

「殴る」ということを聞いてはいますが、
他は、ぜんぜん奇をてらったことは聞いていません。

「こんなかわいい子が格闘家!?」というアピールは、女子格闘技が
いま一番一般誌に取り上げられやすい方法だと思うし、
それはとても有効だと思いますけど、
今回のテーマは、なんで殴るのか、ということ以外、
彼女たちの生き様、そのまんまです。

どうしようもなくレベルが低かった自分の文章を
丁寧に直して、ここまで引き上げてくださった上、
掲載を認めてくださった編集部の皆様には
感謝の言葉しかないです。
そしてたくさんのことを語ってくれた選手の皆さん、
ありがとう。

でも、掲載されたことで、
4選手だけじゃなくて、女子選手のやってきたこと、
自分がやってきたことが認められたようで、
自分は、すごく嬉しいです。

ぜひ読んでください。
よろしくお願いします。

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posted by sasakey |16:41 | 女子格闘技 |
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