2010年02月22日

長野美香選手にインタビューしてきました

2月23日発売の『Fight&Life』で
長野美香選手のインタビューを
やらせていただいています。
よろしくお願いします!!
(本の詳細は「Fight&Life」HPで)

なんというか、長野選手は
どういうことを考えて格闘技をやっているのか、
いまいち、わからなかったのです。

インタビューをして原稿を書いてみて
まだ全部はわからないけど
今までより、だいぶわかるようになった
と思います。

長野選手は、見るからにきれいで
ビジュアル系として登場することも多いのですが
実は、小4からレスリングをやっていて
中学、高校と続けた上、
あの中京女子レスリング部に所属していたこともある
ばりばりアスリートです。

レスリングを離れた理由に
まさかオリンピックが関係しているとは思いませんでした。

ジャパンクイーンズカップの「4位」という成績は、
おそらくですが、あと一歩、
オリンピック出場選手になるには、かなわなかった成績です。

そこではっきり線を引かれてしまった悔しさや、
やり通せなかった後悔、相反する華やかな世界に憧れた気持ち、
それらが全部生かされる場所が、格闘技のリングだった。

ちなみに、芸能を目指していた頃に憧れたのは誰ですか? と聞いてみたら
「松下由樹さんです」とおっしゃっていました。

年代的に言って、松下さんって
ドラマですげぇイヤな役やってた頃じゃないですか?
と聞いたら笑われました。
(※『想い出にかわるまで』の、姉の恋人を奪っちゃう妹役)

「それでも、いいなと思ったんですよ。
 自分を貫いているというか、演じながら、
 役になりきっていても、松下さん自身の魅力がすごく出ていて」

なんというか
語り口調がおっとりしていて、言葉に対して慎重なのもあってか、
真意が見えにくいところは、あるようです。

でも、なにも考えていないわけではなくて、
むしろ強い意志があるからこそ、よけいに多くを語らない
タイプのようです。

プロレスを通じて感情表現を学んだ、という長野選手。
あんまり気持ちを表に出すようじゃないですよね、と聞くと
うなずかれた後に

「レスリングをやっていた時は、むしろ感情を出すなと言われていたので」

と、おっしゃっていました。

「練習中に笑うな、泣くなって。痛くてもそれを表に出すな、と」

クールそうで、何を考えているのかわからないように見える理由が、
すこし分かったのと同時に、
そう教えられたことを守って、痛いことや泣きたいことを
ぐっと自分の内に秘めてきていた、長野選手の気持ちの強さを感じたのでした。

3月19日、ジュエルスで対戦する相手は市井舞選手。
感情を表に出すことについては、市井選手のほうがずっと長けています。

どんなふうに戦うのか。
戦いの中で何を見せられるか。

長野選手にとって、いろいろな意味で課題の多い試合になると思います。

sasakey-143680.jpg

写真は杉博文さんです。

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posted by sasakey |23:06 | 女子格闘技 |
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2010年02月11日

V一の勝利、辻結花の敗北

2.11ヴァルキリー取材してきました。
辻結花vsV一の結果は、まさかの辻結花敗戦でした。
想像していない結果だったので、大変おどろきました。

びっくりしちゃってまだ、気持ちがついてきてない感じです。

2001年12月のデビューから約8年、
国内無敗、敗れたのも1度きりで、
その相手にもリベンジを成し遂げている辻選手が
敗れたのだから、女子格闘技の歴史においても
とても大きなことでした。

ずっと変わらないと思っていたものが、
ふいにひっくり返ることもある。
10年に1度起きるか起きないかの試合でした。

少なくとも8年は、事実として辻結花は
1度しか負けていなかったし、国内の選手に敗れたことはなかった。

だけどあの数十秒間、V一選手のほうが辻結花選手より強かった。
次やったらどうなるかは、まだ分からないけれど、
まずはそんな瞬間が訪れたということに、驚きました。

この8年の中の数十秒間。

その時間が、これから新しい事実になるのか、
それとも、なかったことになるのか。

「“絶対王者”って、その言葉だけだと
 超えられない壁なんじゃないかと思うけど、
 そこを超えたら本当に嬉しいっていうか、
 この競技をやっていた意味が出てくる。 
 
 1度きりの試合だし、1度きりの人生だから、
 その言葉に捕らえられないでやりきりたかった」

勝利したV一選手のコメントです。

敗れて、呆然とケージの中に座り込む辻選手の姿を見ていて、
こんなことも起きるんだなと思いました。

こんなことも起きる。

一瞬のゆるみが勝敗を分ける競技だからこそ、
その一瞬を生み出さないように、ぎりぎりまで選手は自分を追い込む。

「たくさんの人に格闘技を見て頂きたくて、
 たくさんの人に声をかけました。
 あなたの負ける試合は見たくないと言われ、来てくれなかった人もいました。
 そういう言葉も、バネにしようと思って、この場に立ちました」

負けないんだ、負けないんだ、勝つんだ。
V選手は、勝ちたいという祈りをどれだけ積み上げて、
この勝利を手にしたのか。

全力で走っているつもりだったのに、その後ろから、
違う人間に一瞬でも追い抜かれたら、
どんな気持ちになるのだろう。

「これから徐々に悔しくなっていくんだろうなと。
 辞めるとかは考えてないですけど、憂鬱が続くのが、イヤだなぁって。
 (世代交代は)別に年齢で格闘技やっているわけじゃないんで。
 ただV選手が、勝っただけという話です」

辻結花選手の側からしてみたら、
世代交代をされたのでもなく、時代が動いたのでもなく、
私が試合のやり方を間違えたから負けたのだということ。
たぶん、私は私だから、他の誰とも混ぜるなと言いたいんだと思います。

辻結花選手は、この結果を「なかったこと」にするために走り出すのでしょうし、
V一選手は、この結果を「ほんもの」だと証明するために
また走り出すのでしょう。

1年前は辻結花が勝った。
今度はV一が勝った。
おなじように時間は流れたけれど、中身は同じじゃなかった。

またその2人がクロスする瞬間が来るとしたら、
今度は、どんな結果が訪れるのか。
そしてそれを見届ける側にも、おなじように時間は流れます。

辻結花がV一に負けた。
「こんなことも起きる」と知ったことで、
人がどう変わっていくのか。
そしてそれを知った多くの人や、他の選手も。

とにかく今日は、こんなことも起きました。

2.11『VALKYRIE』辻まさかの敗戦で女王陥落

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posted by sasakey |23:55 | 女子格闘技 |
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2010年02月06日

女王・辻結花の初防衛戦

2010年最初の金網女子格闘技『ヴァルキリー』が開催間近。
メインは女王・辻結花vs挑戦者・V一(ヴィーはじめ)のタイトルマッチ。

辻選手には幾度もインタビューをさせていただきました。
いちばん新しいインタビューは
ただいま絶賛発売中の『ゴング格闘技』にも掲載されています。
そして相手のV一選手にも
同じ号でインタビューさせていただいています。
小さいスペースですが、彼女の意気込みを盛り込みました。

辻選手とV選手は、2度目の対戦。
最初はヴァルキリー旗揚げ戦のメイン、
一昨年となる2008年11月8日に対戦しています。

1年と3ヶ月経過しての再戦。
「イキがよくて何かやらかしてくれそう」と
みょうに期待させてくれる感は当時からありましたが、
最初に戦ったときのV一選手は
まだまだ、知る人ぞ知る選手だったと思います。

『VALKYRIE 01』で行われた試合は、
V一選手が腕を取ってどよめかせる場面があったものの
3Rを通じて、テイクダウンからパウンドの流れを作った辻選手が
終始完封し、判定勝利をしています。

その後、V一選手はヴァルキリーで
挑戦者決定戦トーナメントに出場。

トーナメントの選手として選ばれたとき、V一選手は最初
「私でいいのかなと思った」そうです。
だけど、初戦の相手は以前、スマックガールで敗れた
藤野恵美選手だった。リベンジしたいと思って、
トーナメントとか関係なく戦った結果、勝つことが出来た、と。

ちなみにこの大会『VALKYRIE 02』で辻選手はベルトを腰に巻いています。

その次、7月に行われたトーナメント決勝戦で
高林恭子選手を相手に判定勝利。
ふたたび辻選手の前に立つことになりました。

ですが、同時期の6月に辻選手が肩を脱臼。
タイトルマッチは延期となります。

この間に、V一選手はシュートボクシングの『Girls S-CUP』へ参戦。
投げに投げまくってトーナメント決勝進出。
そういえば「ミヤネ屋」でも映りましたね、このときの様子。

そして、ふたりは2月11日、もういちど金網の中で向かい合う。

こうして流れを追っていると、
V一選手の追い上げというか、成長ぶりはすさまじいものがあります。

と、辻選手本人に聞いてみると、辻選手は少し黙って、

「伸びるのは挑戦者だけじゃないんです」

と、ひとこと。

自分もまだ、伸びている。
まだまだ強くなりたいって気持ちを持って、追っている自分がいる。

なるほどなぁ、と思いました。

「その、前回負けたからとか、負けたほうだけが伸びるって
 いうのは間違いですよ」とまで言う。

そんなにこだわらなくてもとも思いましたが、
その大人げのなさというか、こだわりかたが、また辻結花でもあります。

そうかと思えば

「とにかく昔とは違うんですよ。今は格闘技が好きなんです」

というようなことも言う。

「今のルールは気持ちが攻防に直結できるルールやと思うんです」

とも言う。

「できることなら毎回でも試合したいんです」

とも、言う。

そういった言葉のもろもろが、すべて集約されるのが試合という場です。

人間、言葉では嘘をつけるけど、行動では嘘をつけません。
そして試合というのは驚くくらいその人の全部が出てしまう場です。
だから多くの選手は試合について語ることを避けるのだと思います。

「頑張った人が認められる世界であってほしい。だから自分は認められたい。
 自分は頑張ってないなと思ったら、他の人に譲ります」

そんなことも言うのが、辻結花という選手です。
こういう言葉を聞くたびに私は感心しつつ驚くんですが、
人が聞いて驚くことさえ辻結花にとっては不思議なことだったりもする。

当たり前じゃないですか、と。

そして、V一選手もこの1年、結果で自分の実力を有言にアピールしています。
その2人が戦うことで、なにが起こるのか。


最後に、
辻結花選手のチームメイトであるSACHI選手が、
脛の骨折で今大会を欠場となりました。
脛2本骨折って、鉄柱でも蹴ったのかと(※藤原敏男イズム)驚きましたが、
選手にとって、怪我は本当に悔しくて残念なことだと思うし、
いい選手なので早く治して早く復帰してくれることを待つしかありません。

そしてSACHI選手に代わって急遽参戦する禅道会の北村ヒロコ選手。
2人のお子さんのお母さんであり、介護の仕事もしつつ
試合もする、まぁ私などそれだけで尊敬ですが、
さらに前の試合から10日後の試合。
こうやって短いスパンで試合を組むのは、所属している禅道会側が、
選手に期待をしているからこそではないかと考えます。

さらに介護の仕事といえば女子では辻選手とウィンディ選手です。
人が健康に動けることの大切さを知っている人だから、
体を動かすこと、戦うことにもどん欲になれる面もあるのかな、と。

もうひとつどうでもいいこと。
ツイッターで少し会話させていただいた経緯があるのですが、
北村選手は読む漫画のセンスがいい人です。
これは期待していい人材ですと言い切ってみます。

最後といって長くなりましたが、ほんとうに最後にひとつ。
SACHI選手という、チームメイトの怪我を目の当たりにした辻結花選手は、
練習してきたのに、直前で試合に出られないという
悔しさを知っているからこそ、
よけいに、自分の試合に全力を尽くすだろうと思います。

■大会名称:VALKYRIE 04
■日時:2010年2月11日(木祝) 開場12:30 開始13:00
■会場:ディフア有明/東京都江東区
■チケット情報:チケットぴあ(Pコード:815-474)で発売中!
SRS¥10,000 / RS¥7,000 / S¥5,000 / A¥3,500
※当日券は¥500増しとなります。


女子総合格闘技『VALKYRIE(ヴァルキリー)』オフィシャルHP

2009『VALKYRIE02』での辻結花
(写真中央が辻結花選手、向かって右隣がSACHI選手。
左隣はEdge選手、下?が森雅恵選手、右後ろが岡田円選手、
向かって右端がヴァルキリー茂木プロデューサーです)

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posted by sasakey |18:47 | 女子格闘技 |
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2009年12月24日

石岡沙織選手にインタビューしてきました

12月22日発売の「Fight&Life」vol.16で、
ジュエルスのエース・石岡沙織選手の
インタビューをやらせていただいています。
(本の詳細は「Fight&Life」HPで)

スマックガールでニューカマーとして
とりあげられはじめていた頃、話を聞いて(ゴンカク2008年2月号)
そこから何回か、短いインタビューはやらせて
いただいていたのですが、
ジュエルスになってからは、今回が初めての
ロングインタビューでした。

インタビューした詳しい内容については、
もちろん実際に雑誌を読んでいただきたいのですが
彼女を成長させた大きなきっかけは、
ジュエルスのメインに抜擢されたことだったようです。

役割を与えられ、任されることによって、
人は大きく変わるんだなぁと思いました。

ただ、それで心のスイッチが何か入ったにせよ
そこから実際に努力するのは本人次第です。
継続させるのは、日々のちょっとした面倒くささとの戦いですし、
メインというプレッシャーに押しつぶされてダメになる可能性だって
もちろんあった。

これは私感ですけど、
石岡選手って、なんとなく
お兄ちゃんかお姉ちゃんがいそうな女子
という感じがしませんか。

以前、インタビューをさせていただいた時は
長野美香選手、岡田円選手といっしょに3人まとめてだったので
3人をそれぞれイメージするとしたら何かなぁ と思って
しっかりした次女のイメージ、と書いたこともあります。

ですが実際は長女なんですって。3姉妹の長女。

へぇぇ、と思って
「あ、そうなんですか」と相づちしたところ
「そうなんです。一人っ子とか、末っ子とか言われますけど」
と、ご本人も認められている様子でした。

頼られることが苦ではない、というか、
むしろ、頼られることで力を発揮する。

例えばDEEPジムではしなしさとこ選手を中心としてはじまった
毎週の女子合同練習というのがあるんですが
その連絡係を務めているのが、意外にも(失礼ですが)
石岡選手なのだそうです。

頼りないようなイメージもあるけど
任されると、やってしまう、という。

毎回全員にメール打って、出られる人の出欠確認、っていうのを
毎回毎週やっているという。
幹事的なことが嫌いな私としては尊敬の域です。

ぱっと見、妹キャラっぽい上に
まぁ、かわいいじゃないですか、石岡選手。

かわいい子には旅をさせよ という言葉もあるけど
かわいい子って、かわいいんだから自由にしてていいよ、
という流れになんとなくなりがちだったりしませんか。

自由にやっていい と言われて発憤できる人もいるし
役割を与えられて、がぜんやる気になる人もいる。
石岡選手は見た感じ前者っぽいようで実は後者だったんだな、と。

ほんとうは長女、の石岡選手は
なにか、任せてもらえるようになったことで
ほんらいの長女的な面が出てきて
自分らしくあれるようになったのかなぁ、と感じました。

立場とか、役割とかって、もちろんプレッシャーにもなるし
やることが増えるっていう意味では負担にもなるんですが
その人への、プレゼントでもあったりする。

メインに抜擢されたのは、もちろんそこまでの
戦績だったり努力だったり才能だったりが買われたわけですが、
任せられ、認められたことで、石岡選手にとって
そこまでやってきたことが、宝物になった。

任されて、しっかりしなきゃ、と思うようになったことに加え
自分がやってきたことを大事にするようになった結果、
藤井恵選手と戦ってみたい、という
闘志があらわれはじめたのかな、と。

そんなことを思いました。

この、本当は長女、という話は
「Fight&Life」の文章の中にも入れこもうと最初思ってたのですが、
それよりも、伝えたいことがあったので入れませんでした。

石岡沙織選手がそうして格闘技に向き合って
本気になって挑んだ藤井恵戦と、
敗れて泣いた、その後の話。

くわしくは読んでみてくださいませ。
よろしくお願いいたします。

写真は杉博文さんです。

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……最近女子格闘技の話題ばかりのようですが
先日は『DREAM』笹原イベントプロデューサーの
超ロングインタビューを
某所でやらせていただいたので、その話題もそのうち必ず!


posted by sasakey |01:22 | 女子格闘技 |
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2009年10月17日

彼女たちはなぜ殴るのか〜「新潮45」に女子格闘家が掲載されています

本日、10月17日発売の「新潮45」11月号に
辻結花、HIROKO、及川千尋、藤井恵の4選手が
登場しています。

文章は私、写真は杉博文さんです。
(杉博文さんHP)
はい。宣伝ですみません。
久々の更新が宣伝。一番いやなタイプのブログですが、
それだけのものにはならないように努力します。

新潮45というのはこんな雑誌です(新潮45HP)
文芸誌といわれるタイプの雑誌に
女子格闘家が登場することは、たぶん初だと思います。

半ページとか4分の1とかじゃないですよ!
写真つきで10ページですよ10ページ!

自分にとって、いままで書いた中で
一番長い文章で、
いちばん苦労した文章でした。

少し内容について書きたいと思います。

自分が女子格闘技を見るようになって
気がつけば8年です。ひゃあ。

最初の年は観客で、翌年からは仕事として訪れるようになって、
選手にも接するようになって、インタビューもするようになって、
一昨年、フリーになってからは
リングや金網の中にいる彼女たちは、どういう人間なのか、
自分なりに、彼女たちがどういう気持ちで試合に臨んでいるのか、
試合に、戦うことにどんな意味があるのか、
それを考えて伝えてきたつもりです。

媒体によって、格闘技界の中で伝えるべきことと、
外に伝えるべきことがあって、
ずっと取材をしていると、中に伝えていくほうが楽になります。

いざ外に伝えようとしたとき、
何を伝えればいいんでしょうねと、妙に引っ込み思案に
なっていたりします。

長く接しているので、逆に分からなくなってたりするのです。

なんでこれを見なくてはならないのか。
なんで伝えたいのか。
女性が格闘技をやるって、どういうことなのか。

でも別に、選手はやりたいからやっているんであって、
選手に聞いたところで、出てくるものではないのですよね。

そして、見慣れてきたりもするんです。
いいじゃない別にやってたって、と。

だけどやっぱり、女性が格闘技をするのって、
普通じゃないとは思うんです。
それは何度見てもそう思うんです。
確信に近い気持ちで、そう思う。

そして普通じゃないけど、どこか、自然な気もする。
そうしたくなる気持ちもわかる
と思っている自分も、確かにいる。

その「普通じゃない」感じ、
いちばん見ていてヒヤッとしたりするのは
どういう時なのか、インパクトがあるのは
どういう瞬間なのか。
そしてなぜ、それが「わかる」と思うのか。

その原点に帰って、聞いてみたことが
「なんで殴るんですか、なんで殴りたいんですか」
ということでした。

普段は聞けないようなことをあらためて聞きました。

文章を完成させるまで、ものすごく書き直しました。
正直、もう出来ないんじゃないかと真剣に思いました。
自分は文章が下手だったのだと思い知りました。

普段書いているものと、まったく求められているものが違う。
フルボッコと言っていいくらいに文章を直されて
呆然として、あまりの自分のダメっぷりに
「速報だったら絶対、他の作家さんより早いのに」
と、ふてくされたりもしましたが、
そういう問題ではない。
今ここでは自分は一番下手なのだと理解して、
そこからまた書き直して、の繰り返しでした。

「殴る」ということを聞いてはいますが、
他は、ぜんぜん奇をてらったことは聞いていません。

「こんなかわいい子が格闘家!?」というアピールは、女子格闘技が
いま一番一般誌に取り上げられやすい方法だと思うし、
それはとても有効だと思いますけど、
今回のテーマは、なんで殴るのか、ということ以外、
彼女たちの生き様、そのまんまです。

どうしようもなくレベルが低かった自分の文章を
丁寧に直して、ここまで引き上げてくださった上、
掲載を認めてくださった編集部の皆様には
感謝の言葉しかないです。
そしてたくさんのことを語ってくれた選手の皆さん、
ありがとう。

でも、掲載されたことで、
4選手だけじゃなくて、女子選手のやってきたこと、
自分がやってきたことが認められたようで、
自分は、すごく嬉しいです。

ぜひ読んでください。
よろしくお願いします。

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posted by sasakey |16:41 | 女子格闘技 |
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2009年07月27日

16歳の神村江里加が田嶋はるに勝利、J-GIRLSミニフライ級王者に

6.26はJ-GIRLSでした。
王者・田嶋はる選手と挑戦者・神村江里加選手のミニフライ級タイトルマッチ。

いやー、素晴らしかったです。

男子とか女子とか関係なしに、
ものすごく真っ当で、美しいキックボクシングを見せてもらった
という感動がありました。

互いのことを意識していて、
お互い無敗で、負けたくなくて、
挑戦者は16歳(※きのう17歳と書きましたが、確かに今年17ですが、
まだ誕生日がきてないから16歳ですね、すいません・・・)で
負け無しの天才で、すごく強くて、
だからといって、王者もルックスも良くて華もあって技術もある
ジャンルを背負えるレベルの選手で、

毎ラウンドグローブをあわせてスタートする程度に、
お互いがお互いをリスペクトしていて、
それでも闘志というのはしっかりあって。

田嶋のローやらミドルやら前蹴りやらが美しく、
神村のパンチは早くて的確で、
1Rから2Rはお互い互角か微妙に田嶋かなというところで
3Rでパンチの連打からミドルを神村が見せて、
4R、スタートから序盤一気に神村がパンチのラッシュでたたみかけた。
5R、さらに前へ出てくらいついていった神村が、

判定2-0で新王者に。

判定を聞く前から神村が田嶋の前に膝をついて礼をしていて、
判定を聞いた田嶋がリング上から四方に礼をして、
最後に、リング下で床に頭をつけて、
無敗だった王者がリングに礼をして、先に去った。

リング上では新王者が泣き崩れていた。

無敗同士の対決なんて、めったに見られるシチュエーションでもない、
だけども確かにあった。

どっちが勝つかわからないままスタートして、
だけど、試合が終わってみれば、
たしかに神村の勝ちでした。

判定だからとかKOだからとか関係なかったです。
やっぱり関係ないです。

んで、汚い言葉を使ったりとかしなくても
試合を盛り上げることはできるんだなと思った。
勉強になりました。
まだ新宿FACEのレベルかもしれないけど、
それでも超満員だったし、確かにできるのは分かった。

すごい試合でした。


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posted by sasakey |00:48 | 女子格闘技 |
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2009年07月25日

無敗の16歳、神村江里加

7.26、新宿FACEで行われる
「J-GIRLS Champion Festival 2009」。
5階級で王座が争われる今大会、
すでに前売り券は立ち見しか残っていない状況なのですが
ダメ押し(?)の選手インタビューを
J-GIRLSのHPでやらせていただきました。

タイトルマッチ目白押しな大会中、メインは
王者・田嶋はる選手と挑戦者・神村江里加選手のミニフライ級タイトルマッチ。

無敗同士の対決です。

トーナメントを勝ち抜いて挑戦権を手にした神村選手は
いま16歳、今年末に17歳になる若さなんですが・・・なにしろ強いです。

中学から山木ジムでキックをはじめ、
山木会長から直々に「おまえを世界チャンピオンにしてやる」
と言われ、本気で世界を目指してきたそうです。

天才少女と言われる彼女ですが、
なぜか、田嶋はる選手にはずっとライバル心を燃やしていたらしいです。

田嶋選手は体育の先生をしながらキックを続けている、
これまた、ルックスも強さも申し分なしの選手なんですが、
先生vs17歳対決、が無敗のなか行われるというのも、運命的というか
なんというか。

実力、シチュエーションともに現在の女子キックNo,1の戦いが
見られると思います。

そんなわけで、神村選手のインタビューです。どうぞ!!

sasakey-102162.jpg


ーーまずは、挑戦者トーナメント決勝のLittle tiger戦、勝利おめでとうございます! 熱い内容で、非常に見応えある試合でした。
「ありがとうございます! 1Rめが今までにないくらい固くなってしまったんで、動きが悪くなってしまったかなと思うところがあるんですけど……。2,3Rは疲れていた面もあるんですが、セコンドの声はよく聞いて動けたかなと思います。」
ーー次は念願の田嶋はる選手との試合になりますが、いまはどんなお気持ちですか?
「そうですね……。やっと辿り着いたという思いと、覚悟というか、タイトルマッチに出させてもらう以上は下手な試合は出来ないという気持ちの両方ですね。でも、会長も周りの皆さんも、今までにないくらい気持ちを入れて練習に向き合ってくださっているんで、いい試合にしたいなと思っています。」
ーーLittle tiger戦で、リングに上がる様を見ていたら、神村さんはちょっと大人っぽくなっていたように見えたんですけど。
「そんなこともないですけど(笑)。ただやっぱり、リングに上がるときには無意識に何か覚悟を決めていると思うんで、少しは変わっていてほしいなとは思いますけど、自分ではそんなに変わらないかなと(笑)。」
ーーあらためて、神村さんのことをお伺いしたいんですけど、神村さんのお誕生日は……
「平成4年の12月30日です」
ーー平成4年! ということは今年で……
「17歳になります。13とか、14くらいからJ-GIRLSにあがらせていただいているんで、古くから知ってくださっている方は、こいつもちょっとは大人になったんだなと感じて頂ければ嬉しいです」
ーー小さい頃はどんな子供でした?
「そうですねー。やっぱなんか、おままごとって言うよりは、ヒーローものごっこを選ぶような感じですね」
ーー戦隊ものごっこなら、女の子だったら、ピンクをやるところですけど……
「赤を狙っていたような(笑)。そんな感じでしたね」
ーーキックをおやりになる前に、空手をやっていらしたんですよね。
「そうですね。4年くらいやっていました。はじめたのは小学校、2年とか3年とかだったと思いますね。小学校の頃って、けっこうまわりが空手やってたりしたんですよ。それで、いいなって。強くなりたいなぁって。父親も格闘技とか好きだったんで、一緒に入ってやっていました」
(中略)
ーーその後、本格的にやっていくと決めたんですよね。
「そうですね。一番最初にジムに行って、一週間目くらいで会長に『おまえを世界チャンピオンにしてやるから、毎日ジムに来い』って言われたんですよ」
ーー山木会長にですか?
「はい。それで、すごいなこの人は、って思って。そんなに、アマチュアとかも分からなくて、自分がこのリングに上がるのはもっと先のことなんだろうなって思ってたんですけど、そこまで自分に期待を持ってくれてる人がいるんなら、真剣に向き合いたいなとは思いましたね」

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続きはJ-GIRLSのHPでご覧下さい!!
グレイシャア亜紀選手インタビューも
チェックよろしくお願いします!


posted by sasakey |01:01 | 女子格闘技 |
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2009年07月25日

女子キック界の実力者、グレイシャア亜紀

7.26、新宿FACEで行われる
「J-GIRLS Champion Festival 2009」。
ミニフライ級・田嶋はるvs神村江里加の無敗対決ほか、
5階級のタイトルマッチ&王座決定戦が行われます。

すでに前売り券は立ち見しか残っていない状況なのですが
ダメ押し(?)の選手インタビューを
J-GIRLSのHPでやらせていただきました。

インタビューその1は、昨年失ったフライ級のベルトを奪還にかかる
グレイシャア亜紀選手。
いまさらながら、キックをはじめたきっかけなんかも聞いてみました。

sasakey-102150.jpg

ーーグレイシャアさんは、キックをはじめてもうどのくらいになるんですか?
「そうですねぇ……6年目になりますかね」
ーー6年目! 今更聞くのも何ですけど、キックをはじめたのはどういうきっかけだったんですか?
「はじめたきっかけは、私、身長が155cmで、体重が60kgぐらいあった時期があって。アンパンマンみたいで(笑)。さすがにヤバイなって思って、ダイエットしようっていうのがきっかけです」
ーー当時は何をされていた頃ですか?
「当時は普通に仕事してて、休みの日は夏であったら海にサーフィンしにいって、冬であれば山にスノーボードとかで遊びにいって、美味しいものを食べて、という繰り返しをしていたので。まぁでも、週1でしか動く時間がなかったので。気づいたらどんどんいらない肉がついてたと」
ーー今の話を聞く限り、アウトドア派ではあったみたいですね。
「ですね。家にはいなかったです」
ーー学生の頃は部活をやっていたりしたんですか?
「中学・高校は陸上部で、七種競技をやっていましたね。混成競技なんですけど、中学では三種、高校で七種。2日間にかけて七種の記録を争うんです。記録が点数に変わって、その合計点数を争う競技なんですけど」
ーーキツそうですねぇ。
「そうですね。自分、身長がないんで、うん。跳躍系のものとかは、キツかったですね。いま思えば」
ーー中、高と続けていたということは、陸上にやりがいのようなものは感じていたんでしょうか。
「やっぱりなんか、こうしてキックやってるのもそうだと思うんですけど、自分と向き合えるというのもすごくあるし。努力し続けることが……言葉で簡単に言うのもどうかと思うんですけど、団体競技ではないので、個人競技の分、自分に全責任がかかるっていう、いい経験をしてきたなと思いますね」
ーー卒業してからは、日常的な運動はしていなかったんですか?
「あとは、週1で社会人バスケに顔を出してやってたくらいですかね」
ーー部活動がなくなったにしても、普通の人よりは、かなり身体を動かしてた生活ではあったみたいですけど、それでも太ってしまったというのは……
「やっぱり、食べる生活習慣を変えることが出来なくて(笑)。たまるにたまってしまった感じですね」
ーーでは、体型に危機感を覚えて、身体を動かす場所を探したのがキックとの出会いですか?
「最初はタウンページでボクシングジムを探したんですよ。そしたらその下のほうに『キックボクシングジム』って書いてあるのを見つけて。パンチだけよりも、足も一緒に動かしたほうが早く痩せられるのかなぁ、と単純に考えたのが、きっかけですね」
ーーやってみて、どうでした?
「いやぁ、面白かった! ハマりましたね。最初にグローブつけて、ミットをパンパン!って叩いた時から、面白いなと思いましたね」
ーーめちゃくちゃハマるのが早いですね(笑)。
「すごい面白かったですね。女の人って、ものを叩いたりすることが少ないじゃないですか。思いっきり叩いて、こんなに気持ちがすっきりするスポーツってないなぁって思ったのが、すごい印象的でしたね」
ーー人を殴るっていう行為が、まず無いですよね。
「無いですよね。蹴りも無いですよね。冗談半分で人をこづいたり、このやろ〜なんて言って軽く蹴ったり、そういうことはあるかもしれないですけど、まず無いことですよね。あと、はじめた当時は人を蹴る、殴るっていうことより、思いっきり自分を発散させられる場所だったのかなっていうのが、ありますね」

つづきはJ-GIRLSのHPでぜひぜひご覧下さいまし!
よろしくお願いします!!

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posted by sasakey |00:45 | 女子格闘技 |
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2009年07月18日

ツヨカワいい? 〜私が女子格闘技を見る理由

シュートボクシングの女子大会
「Girls S-CUP」の開催が発表されました。

大会自体はとても楽しみなのですが
会見で出てきた「ツヨカワ(※強くてかわいい)」という
言葉に少し「あれっ」と思いました。

「ジュエルス」のコンセプトでも聞いたような言葉です。

女性である限り、どんな時でも
きたないより、きれいなほうがいい
・・・ということになっているし
お金を取ってみてもらうものである以上、
そう打ち出すのは全くかまわないと思うし、
一般の人にも見てもらうものである以上、
そういったキーワードが必要だとも思うし

おそらくは、ひっかかりとして言っていることであろうし

大事なのは大会が行われること、ですし
何より私は「ジュエルス」も「Girls S-CUP」も
開催されることが喜ばしいと思っていますし
それ以前に女子格闘技に もっともっと発展して欲しいと思っています。

そのために自分に出来ることはやってきたつもりですし
今後もその努力はまったく惜しむつもりはありません が
こうして類するところで何回か聞いてしまうと

「ブスと言われる人こそ、というか、むしろ
 何か、自分が欠けている、足りないと思う人だからこそ、
 自分をもっとより良くしたいと思う人こそ
 格闘技ってやりたいものじゃないのかなぁ」

とも、思いました。
つまりは

「美人だったらそこに居るだけで価値があるものだから
 あえて何かしようとは思わないんじゃないのかなぁ」

と。

そう書いてる私がブス、というか、鴻上尚史言うところの
「ぶさいく村の住人」だということは
写真だって出してるんで一目瞭然ですし、
いまさらどうこう言われる筋合いもないことです。

私個人は美人だったら絶対文章なんか書いてないと思います。
つまりは私自身がそうなので、そう思ったということです。

そして女性が生きている以上、ルックスでどうこう言われることは
もうしょうがないことなのでしょうが
どこまで行っても、というか、
たとえアスリートであっても、
そのことって、おおっぴらに取り上げられ続けるものなのかな、
と、考えてしまいました。

男性でも見た目でどうこう言われることは多少あるでしょうけど、
男性は「俺はもう、そういうのどうでもいいですから」って、
自主的にステージを降りることが出来ますし、それによって
別の魅力をかもしだしたりも出来ますけど、
女性は、生きてる限り永久にステージを降りられません。

女性に向かって「ブス」と言うこと以上に
破壊力がある言葉って、男性には、とりあえず無いですよね。

とはいえ、見た目を含めて、人に「見せる」という概念は、
忘れたら、プロとは言えないし。

だけど、男子の場合は「プロとして」とか「カリスマ性」とか
「華がある」とかいう言葉でうまくオブラートに包んで、
他の概念も入れて話しているものを
女子というだけでそんな、ストレートに「ルックス」の価値を
提示していいものになるのか、言っていいものなのかと。

ファイターたちは、というか、女性たちは、
常にどこかでそのメリットとデメリット、清濁を飲み込みつつ
うまいこと立ち回っているんだろうなぁ、と。

私は現実的でない意見が嫌いなので
そういった現状について是正すべきとは思いません。
女子が格闘技をやっていることに対しては
外の世界から見ればまだ異端です。
そしてジャンルとしてはまだマイナーです。

かわいい子がいる、ということで注目されるなら、それでいいのかもしれない。

(とはいえ、ルックス云々を言うのは、女性ファイターたちの
 フトコロの大きさに甘えているという程度の理解と
 それによってアンテナ狂わされないようにという注意は
 持つべきじゃないかなとは感じています)

歓迎もしませんが、ずいぶん分かりやすく言ったなとは感じてますし
困ったことだと思うより、興味深く見ています。

なんか、ある意味、現代と女性の社会進出、みたいなテーマが
内包されている場でもある気がするのですね。

上にも書いた通り、女性はどこに行ったって
ルックスうんぬんと、年のことをうんぬん言われるのが常です。

そこに怒ったところでしょうがないと思いつつ
苛立ったり、ときに割り切れ無さを感じたりする。
それは別に格闘技をやっているからだけじゃなく、
どこにいったって起きる、いま現在に女性として生きてる限り
有る程度しょうがないことなんだろうと。

ただそれは、普通「肌で感じる」ものであって
カワイイが是である、と
はっきり公の場で言われたりするのは普通ないことなんで
それが逆に興味深いなぁと。

そんな状況下で自分のバランスを取りつつ
女子選手たちが生きていて、
試合が行われて、リングの上や金網の中で、
選手たちが全力を出し切って、勝ったり負けたりして、
悔しがって泣いたり、勝って笑顔を見せていたりする。

そしてそうやって、自分のやりたいことに打ち込んでいるときは
自分のルックスがどんなであろうとか、どう見られていようとか
そういった自意識から、一番自由であったりもする。

そして、そういった瞬間こそが、
はたから見ていて、何か胸をうつようなものだったりも
するのでしょう。
その様こそが、美しかったり、かわいいのかもしれません。


最後に、「こんなにかわいい子がいる」という切り取り方をするのは、
やっぱ格闘技を軽く扱うことではあると思います。
「ルックス」を重視して、選手の実力だったり、
続けてきた歴史だったりに重みを置いていないからです。

選手が強くなるために続けてきたことや、
積み重ねた試合の結果が軽んじられるのはやっぱ、
抵抗あります。

とはいえ、何度も書くようですが、
うまく女性として生き続けるというのは、
どっかそこを受け入れることからはじまることのようにも
思います。

上記のような理由から
「ツヨカワイイ」という言葉にも
「強い、とか、勝ってきた歴史より
 そこそこカワイイのほうが重要なんだろうか」と
少しばかり違和感を感じますが、
それでも女子格闘技が広がっていくことを願っている気持ちのほうが
強いので、私は、それを肯定する意見も、別のところで
これから書いたり、すると思います。

格闘家をふくめたすべての女性が、そんな現状を受け入れつつ、
うまく利用するしたたかさと強さを、身につけていられますように。

そして、時に、しんどくなったときに吐き出す対象が、
彼女たちにありますように。


フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
女子格闘技をときどき応援しています。

posted by sasakey |00:01 | 女子格闘技 |
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2009年02月01日

しなしさとこの産休

DEEP女子フライ級王者・しなしさとこ選手が妊娠4ヶ月と
発表されました。
おめでとうございます!!

先週の会見で女子格闘技初の“産休”となること(スポナビ)
そして先日の会見に本人が出席し
あらためて喜びの会見を実施(これもスポナビ)。

いろいろ考えさせられるニュースでした。

とても正直に言うと、最初は「自分ならベルト返上するかな」
と思いました。
そうするべきなんじゃないかな とも思いました。
でも、そうしなかったことでニュースになるのだしなぁ、
と考えているうちに
自分の考えは安易だったなと反省させられたのでした。

だって、王者でない選手だとしたら
そもそも「産休」ではないですよね。
あの人最近試合してないな、と思ったら結婚していたとか
子供ができていたという話であって、産休ではない。

王者として防衛期限を守らなかった という面については
妊娠というものをどう捕らえるのかが
まず、問われます。

当然ながら妊婦さんを試合に出すわけにはいきません。
ダメです。ぜったいダメ。

一部の女子格闘技プロモーションでは事前に妊娠検査を行って
いたりもします(※実際に検査薬を配っている様を見たことがあります)。
陽性反応が出た場合には試合には出られなくなります。

試合には出られなくなるけど、
だからといって、妊娠って
しちゃいけないことでは、ないですよね。
むしろ、喜ばれるべきことです。

男子の格闘家が結婚していて
奥さんが出産予定で「守るべきもののために頑張りたい」
などとコメントしている様は、たまに見かけます。

ならば、女子の選手であっても
そう扱うべきではないのか、と。

普通に考えて奥さんが子供を産んだりしたら
夜泣きで睡眠時間が削られたり
実家に帰られたら栄養管理が行き届かなかったりして
単純に強くなると言い切れるものでもないと思うのですよ。

だけどそれを上回るものを手に入れて
強くなるわけだし
そうあってほしいと思って記事も書くわけです。

妊娠はたしかにアスリートの身体を
強制的にリセットしてしまうだろうけど
だけど気持ちの面で、それを上回るものを手に入れるという理屈でいえば
男子のそれをはるかに越えるだろうと。

とてもプライベートなことなので
プロモーター側との信頼関係も問われるところですけど
今回は、しなしさとこと佐伯繁 という
比類無きほどに信頼関係の出来ている2人だからこそ
できたことと思います。

他のプロモーションもそうすべきなのかどうか
今、断言できなくて自分でももどかしいです。
言いづらいじゃないですか。
言いづらいし聞きづらいですよ!
ドライにやれるならドライにやりたいですよ!

妊娠が精神に与える影響なんて未確定だから
もしかしたら闘争本能とかいっさい消えてしまうかもだけど
そんなものやってみなきゃ分からないし。

そもそも妊娠や生理といった
自分ではどうにもコントロールできないものが
最初からインプットされているのが
女性の身体です。

徹底的に管理しようとしたら、男子の格闘技の
劣化版というようなルールしか出来上がらない。
女子の可能性を小さくしてしまうんではないかなと思うのです。

今は男子の格闘技に習う部分が多いのは仕方ないけど
生まれてくる命は
歓迎するのが当たり前のことだから
たとえ試合が出来なくなったとしても
たとえ矛盾が生じたとしても、認められて歓迎される
世界であってほしい。
もちろん妊娠して引退する選択も有りですけど
選手が続けたいと思うのならば
妊娠した選手のキャリアが無駄にならない世界であってほしい。

そういう面の先駆者となったという意味でも、
しなしさとこという選手は
すげぇなと思うのです。

認める佐伯さんはどんな考えなのか分からないけど
おそらく、ナチュラルな人間力が
そうさせるのではないかと思わされます。

そして復帰して戻ってきて勝つ気でいるからこその
産休でしょう。
その自信と強気。

彼女にお祝いの言葉を送ろうと思って
文面を考えていたとき
出てきた言葉は

「妊娠・出産でさらにパワーアップする
 しなしさとこを楽しみにしています」

でした。

常識的に考えたら無理があることだと思っています。
産後4ヶ月の復帰はかなりキツイと思うので
それは無理しないでほしいと願ってもいますが

パワーアップして欲しいなぁ、と思うのも本当なのです。
本当に、強くなったりしてくれたらいいなぁと思うんです。

出産で女性ホルモンが活性化して若返るという説や
妊娠・出産を経て脳が再編成されるという説も、あるし。

そうあってほしいな、とも思うんです。
そうなったら素敵だなぁ、とも思うんです。
だから、頑張ってほしいんですし
いろんな面で、しあわせになってほしいです。

ほかの選手にも。
すべての選手に。

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posted by sasakey |03:25 | 女子格闘技 |
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