2010年01月07日

青木vs廣田戦について、こんなメールをいただきました

先日、アップした『Dynamite!!』の感想について、
読者の方からメールを頂きました。
格闘技をやってらっしゃる方からの意見でした。
お返事をさせていただいて、またご連絡をいただくことも
できたので、ちょっとそのメールを転載したいと思います。

自分の感想メールには返事、ないじゃないか
と感じられた皆様、ごめんなさい。
(いっぱいおられます。ごめんなさい)
今回は正月休みで少し時間があったのと
お返事を書かせていただくことで、普段考えていても
言葉にはしなかったことを、書けるかなとも思いました。


こんにちは。
ご意見ありがとうございます。佐々木です。
先に、できればいただいた文章を引用して
あらためてブログにアップしたいのですが、いかがでしょうか?

以下に自分の考えを書きますね。

「佐々木さんはKOに対してはどういう感情を抱かれていますか。私はK-1やボクシングでのKOシーンには非常に興奮しますし、今回の青木選手の勝利にも同じように興奮しました。
多くの格闘技ファンもそうだと思います。失神を伴うようなKOは明らかに人間を壊す行為であり、非常に危険だと思います。
ですが、興奮するのです。そういった理由で『人間が壊れるところを見たら気分悪い、怖いというのも人間の本質でしょう。』という意見には賛成できないのです。」

私はKOの結末もけっこう、ひくほうです。怖いと思います。
KOに興奮する気持ちは分かりますが、
自分としては、あのフィニッシュは人が失神が伴うような
KOに匹敵していると感じました。
あきらかに人が壊れるところだったので、怖かったです。
そこは、人それぞれのリミットがどこにあるかという話かもしれません。

また、壊れるところを見るから興奮するわけでもないと思います。
倒す技術に興奮するのではないかとも感じます。

「骨を折りに行く行為は真剣に勝利を得ようとする行為ではないでしょうか。関節技をかけている選手も勝利を掴むために必死なのです」

「格闘技の世界に身をおく佐々木さんが、それらの選手を『ひく』という言葉で否定してしまうのは非常に残念な気がしました」

というご意見ですが、乱暴かもしれませんが、
本気で勝利をつかみにいっているんだったら、私がひこうが
ひくまいが、おやりになればいいと思います。

本気でなんかやるのって、そもそも人から反感をかったり
ひかれたりすることがつきものです。
というか、周りに共感されなくても、突き詰めて自身を研ぎ澄ましていく
のが、格闘家であり、道をきわめる行為だと思います。
私は人の本気を見届けるために恐怖心と闘いつつ試合を見ています。

偽悪的になられているのかもしれませんが、
私は、格闘技の場であっても、人の腕を折りに行くなんてことは、
人間として、まともな考えじゃないと思っています。
それは表に出したら引かれる考えだという思想は、
持っていたほうがいいと思うし、そうでなかったら
客観的な記事は書けないとも思っていますし、
そうでないと格闘技がどれだけすごいのかということも
伝えられないと思っています。

まともじゃないってことを分かった上で、それでも勝利のために
自身の心のバランスを崩さぬように闘い、自分を貫くのが、
格闘家といわれる人だと思います。

また、そうでないと、いわゆる心技体の技に
心がのまれてしまうのではないでしょうか。

選手がそこまで覚悟してリングに上がっていることは
尊敬に値することです。
でも、それを怖いと思うことも、またホントです。

格闘家が、アピール等で偽悪的に「折りにいった」と言うことは
格闘技界内だけではアリだと思います。
もしくはその様にいい知れない本気や狂気を見て
一般の人も注目するのでしょう。
でもそれは普通じゃないから注目されているんだと思います。

折れることは実際にありえることですし、格闘家がそういう気持ちで
試合に臨んでいられるのは、ブログにも書きましたが、アリだと思います。
でも、その場面を地上波で流すのは、
一般の人にはショッキングすぎるんで、どうかと感じました。
流すなら本気でその覚悟から伝える努力が必要ですが、
そうじゃなかったみたいですし。

「佐々木さんと同じように私も格闘技の世界の中に身を置きますが、試合で本気で腕を折りにいく選手を多く知っています。
それはプロの総合格闘技だけではなく、柔道やブラジリアン柔術のアマチュアの選手の中にもです。

私の知り合いたちがたまたま残酷な心の持ち主なのでしょうか。私はそうは思いません。彼らは純粋に勝利を求めているだけなのです。

関節技をかけている者はレフリーが試合を止め、勝利が確定するまでは決して安心できません。それは力が拮抗している勝負になればなおさらです」

言葉尻をとるようですが、純粋に勝利を求めているというのは、
いっけん美しいですが、すごく危険なことです。

だからこそレフェリーがいるし、セコンドがいて、
危険なことにならないように入念な措置が執られていて、
それでも起きてしまうものは起きてしまう。

勝利を求めると言っても使うのは相手を傷つける技術だから、
柔道や空手ではまず最初に心を教えるのだと思います。

折る覚悟、折られる覚悟を持ってリングに上がる選手を
私は尊敬しています。
ただいくら尊敬してても実際にその場面を見たら怖いという
気持ちがあるのも、別におかしいとは思わないです。

一瞬でも技を解いて、そこから反撃されて、勝利を失うことは
すごくすごく怖いでしょう。
そうでなくてもたくさんの恐怖心と闘って、本気で技を極める、
その気持ちの強さは尊敬されるべきことです。
だからこそ、ファイターが怪我をしないよう、
大きすぎるダメージを負わないようレフェリーやセコンドがいる。
そしてたくさんの人に見てもらえるように、テレビや雑誌があります。

でも、実際に人の関節が目の前で外れたら、怖いです。


以上になります。
感想、ありがとうございます。
自分の文章は何も感じさせられなかったかもしれませんが、
いただいたメールは、自分にいろいろ考え、整理させてくださいました。

ありがとうございました。


佐々木亜希


これに対するお返事で、こういった形で紹介するご許可と、
増田俊也さんのブログを紹介していただきました。

・増田俊也さん公式ブログ当該記事1当該記事2当該記事3

団体戦だったから仕方ない、
また柔道の団体戦でタップすることはありえない
という意見、ともに自分には驚きでした。
※当該記事以外にもたくさん興味深い文章がならんでいます※


「人それぞれ立場の違い、経験の違いがあり、これへの批判が出たのは仕方ないことは分かりました。
しかし、格闘技をする者からすれば、あの場面で腕を折ったことは、仕方ないこと、当然のこととなってしまうのです。なぜ格闘技者にとってそれが仕方のないことなのか、その理由のひとつは、戦うもの同士がお互いに相手に傷つけられること(KOされる、骨を折られる、絞め落とされる)を覚悟していることです。
その覚悟を知る人と知らない人では腕折に対し持った感想が違ったのではないかと思います」


折るのは仕方ない行為。
折られる覚悟をもって試合に臨んでいる。

私がひよっこであり、お子ちゃまであり、
チキンなのでしょうけども、
上にも書いたとおり、それが分かっても目の前で腕が折れれば怖い、
折れると言える人を怖いという感覚を自分がなくすことはないです。

ただ、負けることの怖さ、折られることの怖さと
ギリギリまで闘いながらタップしなかった廣田選手の心の強さを
あらためて、ほんとうにすごいなとも思いました。

また青木選手の技術の高さ、折る覚悟のすごさにもあらためて
底知れない怖さ(これは選手の魅力としての怖さ)を感じました。

あらためて、格闘家は常人には底知れない覚悟をもって
リングに上がっているんだな、と。

だからやっぱ、そこまで考えて放送しないとダメだったんじゃないの、
あまりに安易にあの場面を流してしまったんじゃないの、
という気持ちもまた、崩れることはないです。


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2010年01月01日

『Dynamite!!』を見ていて感じたこといくつか

昨日は『Dynamite!!』でした。
ありきたりな意見になりますが、見て感じたことをいくつか書きます。

☆石井慧選手、試合前の前日会見も欠席でしたが
試合後のコメントもなく、でしたね。

試合前は相当、自分を追い込んで集中しているのかな
とは思ったけど、試合後も語れない(=人前に出ない)というのは
その2つがそろうと、なんかちょっとハートがまだ違うのかな と思いました。

小川直也選手は本当にハッスルした人なんだな と今更。


☆青木選手vs廣田選手の試合について、
やっぱあのフィニッシュは私は怖かったし、ドン引きでした。

格闘技はそういうもの、タップしなければ折られても仕方ない
というか、相手を嫌な気分にさせないためにタップしなきゃダメ
という認識は私も持っていますし、
会場に行く限りはその場面を見届けることもある
と思っています。

でも実際見るとやっぱ怖いし、引きます。
グロいものを見てしまったという後味の悪さはあります。

それが本当の格闘技、勝負とはそういうものなんだと言われても
人間が壊れるところを見たら気分悪い、怖いというのも
人間の本質でしょう。

試合の流れ、ガクンと体が動いた瞬間が分かったし
その後の行為を見る限り
どうも流れの中で折れたんじゃなく、折ったんだ
って即座に感じたし(コメントでもありましたが)
どんだけ格闘技見てたって、それを仕事にしてたって
その行為に対する恐怖は人として当然あるしやれる人に引くし。

会場に行く、PPVを買って見る人、取材する側が衝撃的シーンを
見届けちゃうのは、それはしょうがないと思います。
格闘技では意図してなくても起きてしまうことだし。

でも、それを地上波で流しちゃうのはまた別の問題です。
ていうか、試合を流すのはともかく
折れたシーンや侮蔑シーン出さなくてもいいんじゃないですか。
それは編集して流したTBSサイドの意識を問いたいです。
問題にして格闘技つぶしたいのかとまで正直思いました。

そういうものをこそ見たいという人がいるのも理解しています。
ただ私はそれを見て喜んでいる人に対してもこわいなと感じます。
見たい人がいてやりたい人がいて成立するならそれでいいです。

試合後の侮蔑行為については・・・
折るくらいの意識を持って試合する、というのはアリですよね。
対抗戦で、あの観衆の中で感情的にエキサイトしていたのもわかる。
でも、それをコントロールする理性がなかったら
格闘技はやっちゃいけないんじゃないかな。
人を壊す技術=武器を持っている人がその理性を持ってなかったら
おそろしいです。まして試合を見せてお金をもらっているわけだし。

廣田選手のセコンドは怒っても良かったんじゃないでしょうか。
(自分が知らないだけだったらごめんなさい)
でも怒るより先にタオル投げなくちゃいけなかったとも思う。
そして廣田選手が早く良くなりますように。

壊す手前で技を解いてたら、次につなげるあの挑発は私的にアリでした。
もしくは壊した上できっちり礼してたら、そのほうが逆に
威圧感があったというか、こいつやるなぁ、大人だなぁ、
(いい意味で)すげぇな、こぇぇ奴だな、って感じられたかなぁ。

何をするかわからない、っていうのは、選手の魅力でもあるんで、
選手と運営側は、そこをうまく観客とシェアしていってほしいと思いますし
そのための方法を考えて欲しいと思います。


☆K−1甲子園について。
会場にいて取材していた側としては
いくらなんでも試合数が多すぎたので、K−1甲子園は
別の日にやったほうがいいんじゃないかと感じてました。

たとえばクリスマスとかに。
無理に大晦日の枠に入れなくても、いいんじゃないかな、
と思ったのです。

そこに魔裟斗選手たちのような
大晦日を控えた選手が見に来てMVPを決めるとかして
「大晦日に向けて自分たちも頑張ろうと思った」みたいなことを
感じてくれたりすれば、記事を書く側としてもありがたいし。
(はい。記者側の意見です)

近い日にちでやっていれば大晦日の放送で流すことは全然できるし。
K−1甲子園っていうブランドの確立のため
オリジナルの演出チームが生まれてきてもいいんじゃないですかね。

我ながらこれはよいアイデア とか思っていたのですが
家に帰って家族と話してみると

「いや、大晦日の大舞台、大人と同じリング、あの観衆の中で試合するって
 いうのが、大事なことなんじゃないかな」

と、これまたもっともなことを言われました。

「テレビで見た感では、大人の試合に全然負けてなかった。面白かったよ」と。

うーん。どっちがいいんだろう?

しっかし野杁選手強かったですねーーー。
HIROYA選手は、ここで負けたことを財産にして強くなってほしいです。


☆魔裟斗選手の引退、おつかれさまでした。

オープニングの桜庭選手の言葉からはじまって
まぁ間に16試合あってちょっと疲れはしましたが
魔裟斗選手だから、ああして皆に送られてリングを降りられたのだと思います。

サワー強かったですよ。
しかしスロースターターなのは5Rでも変わらない。
いつエンジンかかんねん と突っ込みながら見てました。

でも、試合受けたサワーがかっこいいですね。
んで、試合終えて額つけての一礼で終わりじゃなくて
肩車というのが、外国人選手にしてはめずらしいセンスだなと。

なんかUの流れのフィナーレでよく見たなというか、
最近だと柴田選手が桜庭選手を肩車していましたが、
どっかプロレスラー的というか、いいセンスだと個人的に思います。
さすがシュートボクサー。

笑顔でリングを降りていく様を見て安心しました。
そして、おつかれさまでした。

きっちり勝った金原正徳選手、泉浩選手、
小見川選手、強かったです。

所選手、内藤選手に対して続けてくれというエールを贈ったのでしょうが
いきなり「もう一回お願いします」じゃよくわからなかったです。
リングサイドで意味を確認して「あぁ、そういう意味か!」と
納得している内藤選手の姿がかわいらしかったです。
所選手と波長が合うんでしょうね。多分。


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今年もときどき更新します。よろしくお願いいたします。

posted by sasakey |17:55 | DREAM |
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2009年12月29日

笹原イベントプロデューサーの素顔?に迫る

前回に続き宣伝気味なので申し訳ないのですが
電脳サブカルマガジン「OG」で、
今をときめくDREAMイベントプロデューサー
笹原圭一氏のロングインタビューを
やらせていただきました。

まだ大晦日の状況が本決まりになる前の11月末、
笹原氏を2時間半ほど拘束させていただいて
DREAMイベントプロデューサーが誕生するまでを
がっちりお伺いしました。

『PRIDE.1』の高田VSヒクソン実現の経緯とか、
『PRIDE』が盛り上がっていくときの手応え、
そして『ハッスル』に出演していたころの気持ち、
アメリカ進出、突然の解雇、DREAMの今について
お話を聞いています。

まぁ聞いてた時点で状況が見えなかったこともありますが
大晦日の話はまったく!聞いていない ので
ある意味、ファンの方からするとブーイングもの
かもしれませんが、謎の多い?笹原氏の人となりが
わかるインタビューではないかと思います。

会見や囲み取材などでは接していましたが
笹原氏にがっちりお話を聞くのははじめてでした。

自分の印象では、冷静かつ実直にきびきび仕事はこなされるんですが
突っ込んで聞くとポソッと言う一言が面白い方、で
ここ最近の対抗戦のコメントなどを聞くと分かるように
意外と血が熱いことも感じさせる方でした。

ご本人は「波瀾万丈でもない普通の人生」とおっしゃっていましたが
現在に至るまでの出来事、ひとつひとつを聞くと
あぁ、こういうことを感じて、こういうことを経験していくと
いまの笹原氏ができあがったのか、と、いろいろ考えさせられましたです。

格闘技界で今話題のツイッター(※私もやっています…コチラです)で
浅草キッドの水道橋博士氏も認めるほどの読書家である笹原氏。
一番感動した小説……の答えは、けっこう意外でした。

これも見た目の印象ですけど
実直そうな感じがあるので、そっち方面も好きだったんだ……と。
でも、だからこそ向いているのかな、と。

すいません思わせぶりなことを書いて。
でも、詳しくはインタビューを読んでいただけると、さいわいです。

大晦日『Dynamite!!』にむけて、今はきっと
猛烈に忙しい笹原氏について知ることで
またちょっと、大会を深く楽しんでもらえたら
うれしいです。

インタビューは以下からどうぞ。
・【電脳サブカルマガジンOG】トップページ
・笹原圭一の格闘放浪記

また、『OG』では過去に
もうひとりのプロデューサーでありFEG代表取締役の
谷川貞治氏にもロングインタビューを
させていただいたことがあります。

こちらは、谷川さんはずっと谷川さんだったんだな……
と、思うような内容ではないかと。

個人的に、両方とも仕事探しで悩む若者に読んでもらいたいと
ちょっと思っています。
おふたりとも、人から憧れられるような仕事かもしれないけど
そこに至るまでには、それなりの経緯があり
その立場を掴むために、その場その場で最大限の努力を
楽しみつつもなさってきた方たちなので。

・谷川貞治氏が語る「K-1とは何か!?」


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また、今回の『OG』ではプロレスファン芸人としてその狂いぶりが知られる
ますだおかだの増田英彦さんにも
インタビューをさせていただいているので
そちらも、よろしかったらごらんくださいませ。
UFCゲーム特集ほかのページも、がっちり読みがいあります。

【電脳サブカルマガジンOG】トップページ

posted by sasakey |12:13 | DREAM |
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2009年03月19日

2005年の桜井マッハ速人 vs 青木真也

4.5『DREAM』名古屋大会のカードが次々と
発表されています。

ミノワマンvs柴田勝頼に続き
今日は桜井マッハ速人vs青木真也が発表されました。

23日前後発売の格闘技雑誌たちには間に合っているのかな。
いないとしたらもったいない話ですね。

もっと詳しい方やもっと語るにふさわしい方がいるとは思いますが
行った大会ではあったので
当時、書いた記事を参考に覚えている限りのことを書いておきます。

前回の対戦は2005年8月20日、修斗横浜大会。
メインではギルバート・メレンデスに
佐藤ルミナ選手が額をカットされて敗れた大会のはず。

2005年の激突のとき、前日の公開計量にも
取材に行ってた のですが
(水道橋のホテルだったと思う。暑かった。懐かしい。
 たしかマッハが遅刻してきてた)

青木は

「桜井選手の幻想に惑わされることなく、向かって行けたらいいと思います」
「修斗の現役ランカーとして、桜井選手と向かい合います」

と言っていて。

対するマッハは

「相手は若手のホープ。どんな展開でもいいから勝ちたいですね。
 あえて言えば、ミスをしてくれれば一番いい(笑)。
 出だしでずっこけて欲しいですね」

と、リラックスムード全開でした。

試合は、僅差の判定でマッハ勝利。

というか、個人的な印象では当時、見終わった瞬間は
「あ、マッハ負けた」
と思いました。

固い展開でしたが
ポジションとかを考えると青木が優位に見えたのです。
青木がテイクダウン取ったしマウントも取りましたしね。

でも結果は3−0でマッハの勝利でした。
パウンドとかの有効打を考えたら
たしかに、マッハだったのかなぁ、と納得させました。

試合後のマッハは

「判定はダメージをとったんだと思う。
 柔術じゃないんで。マウントはとられたけど、何もやってこないし。
 バーリトゥードとして、僕のほうが勝ったんだと思う」

と言っていました。
たしかに選手としたらそう言うしか無いし。そうなんだろうし。

そのあとマッハは

「KO、したかったんですよ。KOしたいんですよ、ずっと。
 打ち合ってくれる人がいないんです。
 そういう意味で、やりづらい。楽しい試合したいですね。
 僕は面白い試合、やりてーなー」

とも言っていた。

青木は、リングサイドにいた方から聞いたところ
試合終了のゴングの後、判定が出るまで、ずっと下を向いて

「これが修斗だ、これが修斗だ、修斗、修斗、修斗」

って言っていたそうなんですよね。

当時の青木が何を考えていたのかは分かりませんが
その「これが修斗だ」という言葉が

「修斗の闘い方としては、これがベストだ」
「これは修斗なんだ、こういう闘い方をすべきなんだ」

ということを言っていたのか

「このうまくいかなさが修斗なんだ」

という意味で、言っていたのか。
それとも

「修斗としてはこの闘い方なら勝ちになるはずなんだ」

という意味だったのか。

それにしても、こんな青木に対して、マッハの

「打ち合ってくれる人がいない。
 俺は面白い試合、やりてーなー」

っていう発言は、なんともマッハらしく、かつ残酷です。

判定が下された後、青木は、試合後もいっさい語らずに
記念撮影の間もずっと涙を流していました。

あれから3年と8ヶ月。

当時は、マッハが勝って『PRIDE武士道』の
ライト級GPへ、という流れの中の試合だったはず。
それが今では『DREAM』の起爆剤として
救世主になってほしいと期待されて組まれるカードになっている。

2009年のふたりは、どんな試合を見せるのか。
どんな現在の、ふたりを見せるのか。
そしてその結果、勝つのはどっちなのか。


さて、記者会見の席で、最初にカード聞いたとき
どう思いましたか、と質問したところ、青木真也は

「いやぁ、どんな公開練習しようかなぁって思いましたねぇ。
 さすがに全部脱ぐのはまずいかなぁとかね。
 ねえ、笹原さん。まぁ、そんなどうでもいいことは
 さておいて」

と、言っていました。

きっと、ものすごい公開練習を
やってくれるのだろうと思います。

sasakey-76965.jpg

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posted by sasakey |19:29 | DREAM |
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2009年03月03日

どうでもいい公開練習

青木真也と今成正和がコスプレ公開練習 だそうで。
スポナビの記事はコチラ。

ちょっと真面目に思うんですけど
なんかもう、こういうの
やめたほうがいいんじゃないでしょうか。

自演乙は真剣そうなんでいいんですけど
(記事中のコメントからもコスプレに対する
 真剣さがうかがえます)
どうも、そうじゃないですよね。

某選手がメイド服で公開練習をやたらやっていたとき、私、

「変わった公開練習するときほど、
 内容や結果がともなってないように思えるんですが」

と、聞いてしまったことがあります。

別にサラッと流した記事書くことも出来るけど
真剣に公開練習の意味を伝えようとしたら
それを聞かなきゃいけないんじゃないかと思ったのですよ。

でも、正直こういう格好してこられたら
真面目に質問するほうがバカみたいですよね。

だとしたら、どうしてやらないといけないのか。
記事を見る限りは確実に面白半分に感じます。

せめて

「動きづらい服でどこまで動けるかを試したかった」

とか

「人前に出るってことに慣れすぎている自分がいた。
 そういう自分に活を入れたかった」

とか、そのくらいの理屈があって
しかるべきじゃないんでしょうか。

ないんなら
公開練習って、なんなんでしょう。

自演乙クラスでコスプレやってるならまだ別だけど
そうじゃない悪ふざけが許されるレベルの公開練習だったら
もう、あってもなくても
いいんじゃないんですか。

ていうか、そんなに余裕有るのかなと。

これやってて『DREAM』が大変とか
格闘技界が大変とか言ったって
もうまったく説得力ないですよね。

あんまりせっぱつまってなさそうですよね。

どうでもいいんだろうなと思われていいんだろうな
と思ってしまいます。


私、どうでもよくないんですよ。

でも、もう、
どうでもいいと思うくらいで
見たほうが、いいのかなと感じてきました。

こういうのが許せるくらいの気持ちで見るべきなのかなぁって。

そう考えると、あのとき質問したあの選手にも
申し訳なかったかなぁって思い始めてきました。


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公開練習の在り方にときどき注目しています。

posted by sasakey |01:38 | DREAM |
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2009年02月12日

田村潔司とU-FILE CAMP

西調布アリーナで開催された
『U-FILE 39』の取材に行ってきました。

まぁ記事としてはやはり
大晦日以来、はじめて公の場に姿を見せた
田村潔司と、同じく大晦日で大会ベストバウト(※私的)を
見せた、中村大介の発言がメインになりますが
それはスポナビで見て頂くとして(コチラコチラ)
ここでは、大会の感想と雑感を。

意外と、と言ってはなんですけど
結構、よくU-FILEの大会、取材に行ってたんですよ。これまでも。
あ、でもフリーになってからは始めてです。

メインはU-FILEとCOREの対抗戦、
なぜ対抗戦を偶数でやるのかは分かりませんが
両軍の応援団が盛り上げて、かなり沸いてました。

アマチュア大会や、無名選手の試合を見るときのスタンスは
人それぞれですが、私は、多分、すごい冷たい目で心を閉じて見ています。

前は、見つけよう見つけようと思って食い入るように
見ていたのですが、そうすると逆に
いいも悪いも分からなくなることが分かりました。

不思議なもので、冷たく突き放して見ていると逆に
「それでも目に入る」選手が
勝手に目に入ってきてくれるのです。

今日は、大変申し訳ないことに
全部の試合をそうしてきちんと見れたわけでは
ないのですが
いい選手だなー、いい試合だなーと思ったのは
近藤向平vs谷中戦。

sasakey-70307.jpg

右が近藤で左が谷中。
近藤、目が鋭くて、ルックスも良くて、
スリーパー取ったかと思えば足取り返されて、
その「スキのある」部分含めて、
ああ、いい選手だなと思いました。
近藤も谷中も、近々か、2年後くらいに違う大会で見ることが
できるはず。続けていてくれれば、きっと。

全体的にアグレッシブな選手多かったです。
選手じゃなくて大会に対してちょっと感じたのは
5分1Rのアマのワンマッチで判定をつけて
結果ドローになるのなら、ZSTと同じに
「一本もしくはKOできなかったら全部ドロー」で
いいんじゃないのかな、という点でした。
多分、判定で勝ったり負けたりして内容を考えるよりも
「自分が取れなかったからドローなんだ」と感じるほうが
この段階の選手には、いいんじゃないのかなー。と。

あとプロレスルールもありました。
田村(小)&竹田 vs 大久保&柴田戦、10分引き分け。
これまたこんなこと書くのもなんですけど
思ってたより、ずっといい試合でした。

竹田誠志のことを書いたことはあまりないですけど、
私は人から驚かれるくらい期待しています。

ZSTで活躍していた頃から葛西純好きを表明していた竹田は
念願叶って? 大日本プロレスに参戦しています。
いまの時代に総合とプロレス両方に足を置いて
両方に夢を抱き続けることは
多分、想像以上に苦行だと思うのです。

U-FILEに籍を置きながら
己の「かっこよさ」を探し続けている竹田には
もうしばらく、じたばたし続けていてほしいな、
と思っています。

さて、U-FILE CAMP代表の田村潔司は
大会に立ち会い、全部の試合を見届けていました。

あらためて考えてみると
U-FILE CAMPを成り立たせているのは
やっぱり田村潔司の努力です。

現役の選手がジム運営を行うのは
わりと、危険が伴う行為ではあります。
運営や育成に力を入れすぎるあまり、自身の選手としての
維持と成長が後回しになってしまったりする。

たぶんU-FILEはマット界でも有数の成功例ですよね。

今回の囲み会見にしても、ジム主催大会の後に
自分の取材を受けるとか、まぁ正直言って露骨だなと思うくらい
自分の名前をジムのために使ってきている。

でも努力というか、力を注いできているのは確かですよね。
おそらく、こちらが思う以上に。

力を使っているということは、
対象に対する感情があり、思いがあるということで。

例えばの話ですけど、忙しく仕事をして
友達との関係を楽しんで、ということをしていたら
家族や恋人に使う時間が少なくなりますよね。

仕事場からはもっと仕事に時間を使えと要求されますし
友達からはもっとたくさんくだらなく遊ぼうぜと
要求されることもありますし
そういう中で、いや、自分は家族や恋人のために
時間を使いたいんだと主張するのは、
それなりに戦いでもあったりしますよね。

それでも田村潔司はそれを
U-FILEにやってきたんだろうなぁ
と。

だからこそ頑固者だと言われるのでしょうけれども
だからこそ

「田村さんの名前を出すなら、まずは僕が相手になる」

と言うような、中村大介のような選手も、
出てきたり、するのかなぁって。
いやぁ、あの試合をしてこれを言う中村は、かっこいいですよ。

今回の囲み会見では
まぁ記事には弱気発言連発って書きましたけど、それは

「桜庭戦の後で、安易な試合をしたくない」

って、もっともなこだわりがあるゆえで。

まぁ記事には失恋とか書きましたし
本人にも燃え尽き症候群なんですかとか
このままフェイドアウトする気ですかとか
ずいぶんな質問してしまいましたけど

「僕は(再戦への)気持ちを示したので、それが受け入れられないなら、
 それで終わりでいいと思います。
 結果として僕の4戦4勝で、それでいいと思います」

「桜庭との試合は、自分の中で大きなテーマだったんで。
 何年もタイミングがあわなくて、ずっとこだわりや思いがあって、
 ようやくやり遂げたっていう気持ちがあるんで……。
 今後については練り直さないと。
 お客さんあってのもの、田村の試合が見たいと望まれてのものだし、
 試合については僕個人がいくら頑張っても成り立たないでしょう」

「1月の間は本当に好きなもの食べまくってましたね」

とかの言葉は、それだけ、あの試合が大事だったということで。

見出しが欲しい記者にとっては、扱いの難しい言葉なんですけど、
それでも、きれいに包んで生かしたい言葉でした。

少なくとも、田村潔司が
桜庭和志との戦いにプラトニックラブしていたんだということは、
いまさらながら、あらためて感じました。

ただの頑固者じゃないと十分に分かった上で
あえて、頑固者と呼んだのが
おそらく最初に、田村へ「頑固者」とついた流れではないかと思います。

桜庭戦を終えて、いま、あらためて
自身が何をすべきか考えつつ、そろそろと心技体を整えようとしている
田村潔司という選手は、

やっぱり「頑固者」なんだなぁ、と。

sasakey-70309.jpg

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田村潔司とU-FILE CAMPをときどき応援しています。


posted by sasakey |01:09 | DREAM |
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2009年01月02日

思い入れが田村vs桜庭戦を壊したのか?

2008年大晦日のメインとして組まれた
田村潔司vs桜庭和志戦。

そもそもは、2003年のボブ・サップvs曙に対抗する意味で
組まれたかったカードだったと思います。

テレビ的、大衆的に注目の集まるカードに対して
PRIDE男祭りが打ち出す、わかる人にはわかる
わからない人も、その雰囲気や殺気から
わからないことを惜しむような、そんなカード。
日本の格闘家の技術の先鋭同士に
感情をのせて戦ったらどうなるかを
見せられるようなカード。

あれから5年。

対戦の可能性が浮上しては消え、
浮上しては消えしていくうちに、この一戦には
いくつもの重りがつけられていったのだと
いまは思います。

ようやく決定した後も
会見の「素手でやりたい」という発言、
田村の3本勝負提案。
インタビューなどでも刺激的な言葉が踊りました。

直前の公開練習の取材にも行ったのですが
桜庭は無制限ルールや田村の3本勝負等を
「あれはネタなんで」と、一度すべて否定しました。

あらら。
そうでしたか、と。

まぁ桜庭和志というファイターは
そういうことを言う人です。
見る側の思い入れを拒否するようなことを言う人です。

思い入れを拒否しつづけてきた理由を語る以上のことを
最高の試合を見せつづけることで
クリアしてきた人でした。

そしてようやく迎えた試合、試合直前の煽りV。

わたしは今、プロレスを取材する側ですし、
応援もしている側なので、
「最初の2本は真剣勝負、最後はプロレスです」
という、桜庭の言葉は不愉快でした。
なんだよプロレスですって。
どういう意味で使ってるんだ、おい、と。
聞くほうも聞くほうだし言うほうも言うほうだと思いました。

べつに、それがどうしても必要なことなら
だからこそ戦いたいという理由なら
言ったっていいんですが
なんか、そういうわけでもないように感じたのです。

ただその上で、あの映像通りに
桜庭が本当にレガースをつけて出てきたのだったら
これまでの全部、受け入れて試合を見れるようにも思いました。

照れ隠しと言うにはあまりに長い“フリ”。
だけど、そうでもしなければ
レガースをつけて試合をするわけにいかなかったなら
桜庭の本音は言葉ではなく
これから見る試合の中に全部入っているんだろう、と。

しかしレガースをつけていたのは下柳氏であったのでね。
そうですかと。
わたしが甘かったですと。

小太刀を持っていつもどおりTシャツを中途半端に入れて
レガースをつけて入ってきた田村とは対照的でした。

試合は、顕微鏡で見るような見方をしなきゃ
楽しめるものではなかったと思います。

はたから見ればなんでもない試験管の中で
細胞を培養させて顕微鏡で見て楽しむような
そういうものの見方ができる人なら楽しめたのではないでしょうか。

それを、おかしいなぁと
試合が終わってからずっと思っていたのです。

田村vs桜庭は、そうやって楽しむように組まれた試合では
なかったはずじゃないか。

顕微鏡を持たない人にでも伝わるような
技術と感情とプロの魂を持った2人の戦いじゃなかったのか。
その上で、思い入れの顕微鏡を持っている人なら
一晩でも二晩でも語り明かせるような戦いじゃなかったのか。

そうじゃなくなってしまったとしたら、なんなんだろう。
5年たってしまったせいなのか。
時間が過ぎてしまったからなのか。
その間に、見る側に何が起こっていたのか。

対戦相手に対して
やむにやまれぬ感情があるのなら
それを拳や身体にこめて
伝わるように戦うのが、プロじゃないのかな。

なかったとしたら、なんなんだ。
ないと言うなら、どうなんだ。

そして判定で田村が勝って桜庭が敗れた。

終わってから「またやりましょう」という言葉を
ビジョンの中で見つけて、なんなんだ、それ、と。
またやれるような試合を見たかったわけじゃないよと。

なんともいえない気持ちです。

思い入れというものは
ときに試合を壊してしまうほどに
重たくなってしまう。

しかし作り手というのは
常にそれと戦うのが仕事です。
いや作り手でなくてもOLでもバイトでもそうです。
このくらいの仕事はやれるだろうと判断されているから
それ相応のお金をもらっているわけです。
プレッシャーのない状態で作品が作りたかったら
お金はもらえません。

わたしはすごくこの試合が見たかったですし
田村潔司という選手も
桜庭和志という選手もとても好きですが
今回は、申し訳ないですけど
失敗だったとしかいいようがないんじゃないでしょうか。

見る側、大会側の思い入れに負けて
いい作品(=試合)ができなかったとしたら
それはやっぱ、失敗だったんだと思います。
わたしには、他の試合と比べて
あの試合をいい試合だったと評価することはできないです。

それに、重たい思い入れを素直に受けて
試合をすることも、できたんだと思うのです。
そうすればもっと分かりやすい試合にもなったはず。

それを最後まで拒否して試合を行ったのは
桜庭の側だったにしろ
田村の側も、決して親切ではなかったし
勝ったにしろそれを含めて昇華させた試合をすることは
できてなかったんだし。

田村の「お客さんに伝わらない試合をしてしまった」
「4番バッターのプレッシャーがあった」という言葉は、
私には、上に書いたようなことを
やりながら感じていたゆえの言葉なのかなと思いました。

それを言葉にする田村としない桜庭。
しないのは言い訳をしないということなのか
それとも感じてもいないのか、それは分からない。

でもまぁ心にひっかかる失敗作もあれば、残らない成功作品もある。
失敗作が好きな人もいるだろうし。
失敗だったと思えば次があるのかもしれない。
わたしはあの試合が失敗だったということで
あの2人が駄目なんじゃないんだと、まだ言いたい。

自分が思いきり送りたかった拍手は、
戦いへの思い入れを昇華させて、とっておきの試合を見せてくれた
中村大介と所英男に送りたいです。

田村潔司と桜庭和志が共有した
濃密な「あの時代」への思い入れは、
それを自身の力に変えて、戦いにこめて
いい試合をみせてこそ、存在理由があった。

それを、やっていた世代の田村や桜庭ではなく
見ていた世代の中村や所が見せていた。

リスクがあっておいしくなくて体重差があるキツイ試合を受けた所と
コツコツと大変な試合を勝ち続けて出場権を勝ち取った中村。

その上であの試合を見せた2人を
わたしは、最大限の言葉で評価したいです。

フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
ときどき日本の総合格闘技を応援したり考えたりしています。

posted by sasakey |01:27 | DREAM |
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2008年09月22日

ミルコと秋山のダブルヘッダー宣言

本日は「DREAM」直前会見へ!
格闘技の会見でこんなにドキドキしたのは久しぶりでした。
せっかく会見の現場に居合わせることが出来たんで
そのことを書きます。

sasakey-48066.jpg

全選手が集結する直前会見。
大規模な大会ならだいたい行われています。
会見開始直後に、セルゲイ・ハリトーノフと戦うはずだった
マイティ・モーが練習中の怪我で欠場になるというアナウンスが。
見たいカードだったから残念だなぁ
と思っていたら!

日本ひさびさのミルコ・クロコップが「一言言いたい」と
マイクを持った。
なんでしょうねと思ったら。

「マイティ・モーが試合できないと言うのなら、
 自分は2試合してもいい。
 アリスターと試合をした後、
 ハリトーノフと私が試合をするというのはどうでしょう。
 自分はそれも可能だということをここで宣言します」

前代未聞のダブルヘッダー宣言!
あわわわ。

オロオロしつつ質問の手を挙げた私。
当然、これを聞いたハリトーノフはどう思うか、
笹原プロデューサーはどう思うか、
そしてアリスターがどう思うのかを質問しました。

(私ちょっとワクワクしすぎるあまり確実に声うわずってたと思います)

笹原さんは「ま、まぁ確かにミルコ選手はトーナメントで
1日数試合戦ったこともありますが……万が一相手の都合がつかなかったら
相談させてください」と苦笑しつつ大人の対応。

ハリトーノフがどう思うか言う前に
ミルコの相手であるアリスター・オーフレイムがマイクを奪った!

「明日はまず自分がミルコと戦う。
 自分との試合がミルコにとって最後の試合になるのに、
 どうやって1日2試合やるつもりなんだ?」

堂々の挑発です。かっこいい。

そしてハリトーノフは

「私はミルコ選手のことを大変尊敬しています。
 アリスターも手強い相手ですし、一晩で2度もファイトすることは
 非常に大きな決断だと思います。
 自分にオファーしてくれたミルコにはありがとうと言いたい。
 だけどミルコとは違う日に戦いたい」

思わぬラブコールを受けたハリトーノフはちょっと嬉しそうにも見えた。

さらにミルコがアリスターの挑発に対して
「自分はガッツのある選手と対戦するのが本当に好きです。
 そして火曜の試合は、火曜最後の試合というだけで、
 当然、自分にとって最後の試合になるわけはありません」とサラリ。

大人の挑発合戦ですよ。どうしましょう。
またこんな時に限って計量前に会見やってるからなんとなく
空気がピリピリしている。
いや、そんな状況だからこんなことになったのか。

しかし、事件はこれだけでは終わらなかったのです。

一連のやりとりを聞いていた魔王、いや、秋山成勲がマイクを持った。

「外人選手たちが盛り上がってすばらしい会見だと思いますが、
 日本の選手が情けないと思います。
 自分も立候補していいですか?
 自分もそういう気持ちはあると言っておきたいんで」

と、階級を超えて食って掛かってみせたのです!

ちょっとこれには驚いた。
というか秋山選手、自己主張がうますぎる。

大会2日前に選手の負傷欠場、っていうピンチから
一転して夢のカード続出の可能性がにわかに高まった。

笹原プロデューサーが

「素晴らしい提案だと思います。
 試合に賭ける意気込みだと思いますし、皆さんの意見を受けて
 一番熱のあるカードを組んでいきたいと思います」

と、まとめてくれて会見終了。

会見後に、まぁ「現実的に考えてありえない」と
ダブルヘッダー案はとりあえず否定されたわけですが
思いも寄らぬアピール合戦と挑発の応酬には
「大歓迎です」と素直な笹原プロデューサー。

秋山選手は囲み取材で

「興奮していたのもありますけど、日本人が元気がないのがかっこ悪い、
 情けないと思った。小さい選手が大きい選手を倒すのも夢があると思った」

と語っていて。

それは他の選手に対するジェラシーもあったのだろうか?
と思ったのでそう質問してみたら

「うーん。ジェラシーというより、
 せっかく日本でやっているのにってことですよね。
 日本の男として格好悪い。それが一番でかかった」

sasakey-48067.jpg

うぅむ。

日本人選手を庇うわけじゃないけど
今回出場している日本人選手は軽い階級の選手が多いし、
現実的なものを考えたらハリトーノフの相手に手を挙げられないですよね。
会見で流れ切って自分の意見言うなんてなかなかできないし。

でもそれをやれちゃうのがミルコであり、秋山選手なんですね。

実現するしないは別にしても
言ってみてしまうってこと。

ずっるいな〜って感じはするし
日本人が情けないってひとまとめに言われると
そんな言い方しないでよって感じもするんですが、
するんですが、

すげーな、とも思いました。

これが言えるってのは「自分がアピールしたら主催者は嬉しいだろう」
っていう自信が多かれ少なかれありますよね。
ミルコには確実にある。
「俺のリング」とか「俺の客」っていう意識があるはず。
ハリトーノフとはもともと戦いたかったとも言っていましたけどね。

そんで秋山選手は、
ミルコとかハリトーノフとかアリスターに対して臆していないし、
「俺」ってのが、DREAMに対して
ひけをとっていない。

普通はミルコやハリトーノフと対峙するのはこわいと思う。
質問するのだって怖いです。
だけど秋山選手はオーラ負けするつもりはないのでしょうし
「ここで手をあげれば俺はかっこいい」
と、臆せず手を挙げる勇気があるわけで。

アリスターは前日
「ストライカーに打撃で勝つのは最高の皮肉だ」って
けっこうカッコイイことを言っていたんですが、
今日のこれで、ミルコ vs アリスターは
完全にミルコが主役というか、主語になってしまった。

なんだろう、くやしいな。やられたって感じだな。
でもドキドキしたなー。

あぁ、試合はどうなるんだろう。

sasakey-48068.jpg

フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
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posted by sasakey |00:31 | DREAM |
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