2008年08月13日

対抗戦を越える交流戦

煽るんじゃなくて、真面目に思うのですが、
M−1と全日本キックの対抗戦は
そろそろ一時休戦すべきじゃないかと思います。

始めたものを止められない
とおっしゃるかもしれませんが
次の局面に行くべきじゃないかと思うのです。

バンタム級王者・藤原あらしがコムサン・ペットポーンに、
スーパーフェザー級王者・石川直生がカノンスックに、
フェザー級王者・山本真弘がワンロップに、
フェザー級第1位の前田尚紀がワンロップに、
そしてスーパーフェザー級1位の山本元気がワンロップに敗北。

3ヶ月以内にここまで
団体のトップどころが負けてる対抗戦はあり得ないです。

毎日練習して強くなろうとしてる選手たちが
目指すところは、ディファのリングで斬られて負けることじゃ
ないはずですし。

ワンロップやカノンスックレベルに対しては
勝つために専門の練習をしなきゃいけない
という局面に来ていると思うけど
果たして、それって、やるべきことなのか。

そんで今の状況を見て
キックボクサーを目指す人間が
どのくらい居るのか。

試合のために賭けるキャリアと時間、
負けることに対するダメージを思うと
あまりに日本人選手へのマイナスが大きすぎる気がして
ならないのです。

女子供の意見と言われようと
こつこつ努力してきた選手が
負けて顔に傷作ってる様を勇敢と言えないです。

対抗戦じゃなくて、
やるべきなのは、交流戦じゃないか
と思ったのです。

よく言う「夢の対決」とかじゃなくて、交流戦。

ひとつ勝てばこれまでの負けを取り返せる、っていう期待感は
もう山本元気が負けたところで完全に潰えてしまった。
だとしたらもう、いさぎよく交流戦を行って
選手育成を考えたほうがいいのではないでしょうか。

対抗戦って言ってるほうが無理しすぎててしんどく感じて、
もっとこれが大きな渦になるんなら
続けていていいけど、決してそうじゃないように見えるし。

トップの選手たちも、
対抗戦じゃなくて交流戦で、
互いの技術の進化を競えるような試合なら、
いくらでも、あるんじゃないでしょうか。

対抗戦イコール見逃せない、とか
互いに負けられない試合だ、とか
そんなありきたりの煽りで対抗戦を行っても、
正直、しんどいというか、もうここまで負けてくると限界だし、
打倒ムエタイとか敵地に乗り込むとか
そういう言葉で選手のキャリアを無駄使いさせてるような気がして。

プロレスで普段交わらない選手同士が戦って、
結果ももちろんだけど内容でお客さんを沸かせて、試合後に
「あいつとだったら何度でも戦ってみたい」
って言うような試合がたまにありますが、
そんな交流戦というのは
キックボクシングでは実現しえないものなんでしょうか。

そんでそれは、対抗戦よりも緊張感が低いから
グレードが下がるものなのでしょうか。

もちろんプロレスじゃなくて格闘技だから難しいのは分かってるし、
勝敗というのはついてしまうけれど、
同じ団体内だけでやっていても限界はあるってのが
どの団体も痛いほど見えているし。

対抗戦イコール煽りやすい、見る側も気持ちを載せやすい
のは確かなんですが
格闘技というものが定期的に行われていくようになった以上
豊かな交流戦
というものと、その見方、楽しみ方というのも
そろそろ、発明されてしかるべきなんじゃないか、
と思ったのです。

もちろん言葉を操ってるのはこっち側なので、
私たちが努力しなくてはいけない話なのですけれども。

そもそもプロレスと格闘技、というかキックとでは
選手の、団体に対する物の考え方がまったく違うので
対抗戦という考えがそもそもだいぶ無理があった
というのは、この数ヶ月で私も気づいたのでした。

プロレスは団体があって各団体ひとつ道場があって
(ないところもあります)
そこで全員が練習しているわけだから
当然そこに対する帰属意識や仲間意識が高くて当たり前だけど
キックはそれぞれジムが違うし個人競技ですし。

それでも「団体を背負う」と言われるとすごく嬉しいんですけどね。
でもその嬉しさに甘えてちゃいけないんだとわかった。
格闘技で「団体を背負う」って、相当の覚悟がなくては
言えないし、いまそれを言っても、
それが、かっこいいと思われることなんだっていうことさえ
分からない選手のほうが多いと思います。
悪いことじゃないですよ。
それが分からないこっちが悪かったんだと分かった。

プロレスファンじゃなかったら普通知らないし、
社会人経験とかが相当なかったら
なにかを「背負う」っていう概念すら頭にないでしょう。

交流戦の楽しみ方のひとつとして言えるのは
ありきたりですが、選手を見ることで、
たとえばM−1で言えば、翔太はけっこう勝負強いなとか、
海戸淳は普段寡黙だけど意外と考えているんだなとか、
見えるものは、けっこうありました。

この見方を続けていくには
選手が、それぞれファンがつくような
魅力在る戦いをやっていかなきゃいけない
という面はあります。

でもそのくらいはしてほしい。

あとやはり見出しとしては地味だと思われる
かもしれない。

でも、団体が壊れていくときって
話題を作ろうとして、あれこれやりすぎて
本来の魅力を失ってしまうときだし。

団体の王者がどんどん負けて、
さぁどうなる、っていう局面で、
普通に考えてけっこうピンチだと思うんで、
つまらないことでも、見た側として書いておきたかったので
未完成なまま、この考えを書き残しておきます。

フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ
「ときどきキックアウト」は
キックボクシングについてときどき考えています。

posted by sasakey |02:57 | キックボクシング |
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