2009年07月18日
ツヨカワいい? 〜私が女子格闘技を見る理由
シュートボクシングの女子大会 「Girls S-CUP」の開催が発表されました。 大会自体はとても楽しみなのですが 会見で出てきた「ツヨカワ(※強くてかわいい)」という 言葉に少し「あれっ」と思いました。 「ジュエルス」のコンセプトでも聞いたような言葉です。 女性である限り、どんな時でも きたないより、きれいなほうがいい ・・・ということになっているし お金を取ってみてもらうものである以上、 そう打ち出すのは全くかまわないと思うし、 一般の人にも見てもらうものである以上、 そういったキーワードが必要だとも思うし おそらくは、ひっかかりとして言っていることであろうし 大事なのは大会が行われること、ですし 何より私は「ジュエルス」も「Girls S-CUP」も 開催されることが喜ばしいと思っていますし それ以前に女子格闘技に もっともっと発展して欲しいと思っています。 そのために自分に出来ることはやってきたつもりですし 今後もその努力はまったく惜しむつもりはありません が こうして類するところで何回か聞いてしまうと 「ブスと言われる人こそ、というか、むしろ 何か、自分が欠けている、足りないと思う人だからこそ、 自分をもっとより良くしたいと思う人こそ 格闘技ってやりたいものじゃないのかなぁ」 とも、思いました。 つまりは 「美人だったらそこに居るだけで価値があるものだから あえて何かしようとは思わないんじゃないのかなぁ」 と。 そう書いてる私がブス、というか、鴻上尚史言うところの 「ぶさいく村の住人」だということは 写真だって出してるんで一目瞭然ですし、 いまさらどうこう言われる筋合いもないことです。 私個人は美人だったら絶対文章なんか書いてないと思います。 つまりは私自身がそうなので、そう思ったということです。 そして女性が生きている以上、ルックスでどうこう言われることは もうしょうがないことなのでしょうが どこまで行っても、というか、 たとえアスリートであっても、 そのことって、おおっぴらに取り上げられ続けるものなのかな、 と、考えてしまいました。 男性でも見た目でどうこう言われることは多少あるでしょうけど、 男性は「俺はもう、そういうのどうでもいいですから」って、 自主的にステージを降りることが出来ますし、それによって 別の魅力をかもしだしたりも出来ますけど、 女性は、生きてる限り永久にステージを降りられません。 女性に向かって「ブス」と言うこと以上に 破壊力がある言葉って、男性には、とりあえず無いですよね。 とはいえ、見た目を含めて、人に「見せる」という概念は、 忘れたら、プロとは言えないし。 だけど、男子の場合は「プロとして」とか「カリスマ性」とか 「華がある」とかいう言葉でうまくオブラートに包んで、 他の概念も入れて話しているものを 女子というだけでそんな、ストレートに「ルックス」の価値を 提示していいものになるのか、言っていいものなのかと。 ファイターたちは、というか、女性たちは、 常にどこかでそのメリットとデメリット、清濁を飲み込みつつ うまいこと立ち回っているんだろうなぁ、と。 私は現実的でない意見が嫌いなので そういった現状について是正すべきとは思いません。 女子が格闘技をやっていることに対しては 外の世界から見ればまだ異端です。 そしてジャンルとしてはまだマイナーです。 かわいい子がいる、ということで注目されるなら、それでいいのかもしれない。 (とはいえ、ルックス云々を言うのは、女性ファイターたちの フトコロの大きさに甘えているという程度の理解と それによってアンテナ狂わされないようにという注意は 持つべきじゃないかなとは感じています) 歓迎もしませんが、ずいぶん分かりやすく言ったなとは感じてますし 困ったことだと思うより、興味深く見ています。 なんか、ある意味、現代と女性の社会進出、みたいなテーマが 内包されている場でもある気がするのですね。 上にも書いた通り、女性はどこに行ったって ルックスうんぬんと、年のことをうんぬん言われるのが常です。 そこに怒ったところでしょうがないと思いつつ 苛立ったり、ときに割り切れ無さを感じたりする。 それは別に格闘技をやっているからだけじゃなく、 どこにいったって起きる、いま現在に女性として生きてる限り 有る程度しょうがないことなんだろうと。 ただそれは、普通「肌で感じる」ものであって カワイイが是である、と はっきり公の場で言われたりするのは普通ないことなんで それが逆に興味深いなぁと。 そんな状況下で自分のバランスを取りつつ 女子選手たちが生きていて、 試合が行われて、リングの上や金網の中で、 選手たちが全力を出し切って、勝ったり負けたりして、 悔しがって泣いたり、勝って笑顔を見せていたりする。 そしてそうやって、自分のやりたいことに打ち込んでいるときは 自分のルックスがどんなであろうとか、どう見られていようとか そういった自意識から、一番自由であったりもする。 そして、そういった瞬間こそが、 はたから見ていて、何か胸をうつようなものだったりも するのでしょう。 その様こそが、美しかったり、かわいいのかもしれません。 最後に、「こんなにかわいい子がいる」という切り取り方をするのは、 やっぱ格闘技を軽く扱うことではあると思います。 「ルックス」を重視して、選手の実力だったり、 続けてきた歴史だったりに重みを置いていないからです。 選手が強くなるために続けてきたことや、 積み重ねた試合の結果が軽んじられるのはやっぱ、 抵抗あります。 とはいえ、何度も書くようですが、 うまく女性として生き続けるというのは、 どっかそこを受け入れることからはじまることのようにも 思います。 上記のような理由から 「ツヨカワイイ」という言葉にも 「強い、とか、勝ってきた歴史より そこそこカワイイのほうが重要なんだろうか」と 少しばかり違和感を感じますが、 それでも女子格闘技が広がっていくことを願っている気持ちのほうが 強いので、私は、それを肯定する意見も、別のところで これから書いたり、すると思います。 格闘家をふくめたすべての女性が、そんな現状を受け入れつつ、 うまく利用するしたたかさと強さを、身につけていられますように。 そして、時に、しんどくなったときに吐き出す対象が、 彼女たちにありますように。 フリーライター佐々木亜希がときどき更新するブログ 「ときどきキックアウト」は 女子格闘技をときどき応援しています。
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posted by sasakey |00:01 |
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