2008年10月09日

キックボクシングとK-1〜全日本キック11月大会について

全日本キック11月8日後楽園大会の概要が発表されました。
全試合K-1ルール!

全試合K-1ルールの大会は、今年5月31日にも
新宿FACEで行われています。
そのさいはチームドラゴンとの対抗戦で、
全10試合中3勝7敗とボロ負けで、
当時応援サイトを作っていた私は、ふがいなさと悔しさに
むせび泣きながら会場を後にしたことを覚えています。

そして今大会。

今大会の大きなポイントは
・K-1ルール
・メインが桜井洋平vs山本元気
だと思います。

「K-1ルール? ケッ」と思っているキックファンは
全員桜井洋平と山本元気のことが好きなので
K-1ルールならいいやと背を向けてもカードを見て
「えっ? 」ともう一回振り向いてしまうという。

NJKFのエース桜井洋平はK-1ルールなんていう意味がなければ
他団体に出てくることもなかったはずなので、
だからこそ、対戦の実現に
あぁ〜キックルールで見たかったけどK-1ルールじゃなきゃ
できなかっただろうし〜ヒジヒザなしの洋平って〜でも元気が〜
と、あれこれ考えざるを得ないのだと思います。

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(写真向かって左が山本元気、右が桜井洋平です)

K-1ルールについて、私個人の意見を言うと
私は全然いいです。むしろ見たいです。
全ムエタイルールより私はずっと嬉しいです。

って書くと「そっちのほうが時代に即してる」とか
「そっちのほうがメジャー」とか言って、キックファンはすぐに
巣穴に引っ込んでしまうんだけど、別に私は時代に即してるから
とかメジャーだからとかの理由でK-1ルールがいいって思っている
わけじゃなくて個人的に好きってだけなのにとギリリ。

自分がイヤなのはキックボクシングがK-1の下という
概念が、選手にも大会運営側にもある様を見ることです。

今回の大会タイトルが仮に「K-1登竜門」と称されていたら
私はめちゃくちゃ怒っていたと思います。
山本元気と桜井洋平の対決がK-1登竜門だったら
なんのためにキックを見てきたのかと。
それならキックなんて。あぁキックなんて。です。

でも大会タイトルは
「Krush! 〜Kickboxing Destrusion〜」じゃないですか。

まぁただ単にK-1って名称は使えないのかもしれませんが
破壊の刃は自分たち「キックボクシング」のほうに向いている。
それはK-1ルールに関わるってことの怖さを
自覚しているタイトルですよね。

というかK-1によってキックはすでに相当破壊されてもいるはず。

そう書くと谷川さんは悲しむかもしれない。
「僕、キックボクシングに何も悪いことしてないよ〜」って。

もちろん選手に活躍の場が増えたのも
潤うようになったのも、それはとてもいいこと。
だけど「キックじゃなきゃいけない」って思いが
K-1というかK-1 MAXの出現によって
「K-1ルールでもいい」って変わったのもまた事実です。

出れるかどうか分かんないのに
K-1出場をにらんで階級を変える選手がいたり
トップ選手がK-1に出て行って他団体の選手とK-1ルールで
対決したりすることが当たり前に起きている以上、
それはもう壊れていると取るしかないですし
じっさい魅力的な舞台だから出たいと思って当たり前だし。

それはお金とかじゃなく、動機、という根本の魂の部分を
いくつか持って行かれたようなものだと思う。

持って行かれたものはもうしょうがないし
選手はそれによって活躍をアピールする場が増えたのだし
K-1 MAXによってキックの扉が開いた人は数多くいるでしょう。
私もそうでした。

やや分かりにくく例えると
日本語が美しいと私は今でも思いますが
昔の人から見たら外国語が混じってて、とても日本語とは
言えないものを今の私たちは使っているはず。

だけど私たちは今の壊れた日本語を使うしかないし
私は今の日本語が好きだし
あえて「パねぇ」とか言ってみる遊びも好きですし。

キックボクシングはK-1によってだいぶ壊れたけれど
それでも残っているのも確かで
壊れた今だからこそできる表現というのも
今だからできる夢の対決というのもあって
それが次の11月大会なのではないでしょうか。

ただ、こんな時代であっても
絶対に俺は英語使わないと言い張る人のように
キックボクシングだけにこだわりつづける人も
私は面白いし芯が通っていて立派だと思いますよ。

私はK-1ルールの試合って好きなので
K-1に優しい見方をしていると思いますが、
結局ルールがなんであろうと
日本語が壊れていようと
大事なのは何を伝えるか、何が伝わるか
なんじゃないかなと思うし
試合の場合は、どんなルールでも
選手の生き様が伝われば、いいんじゃないのかなぁと
考えています。

キックであろうとK-1であろうとつまらない試合はつまらないですし
正直キックのほうがつまらないときはきついです。

K-1 MAXの登場によって
キックボクシングが壊されている という認識をふまえた上で
「Krush! 〜Kickboxing Destrusion〜」
というタイトルを見ると

いろいろ感慨深いものがあります。

「Crush! をあえてKにもじった」と
会見で金田会長は言っていました。
サブタイトルのキックボクシングはキックボクシングで
Destrusion は、破壊。

Kを壊すような大会なのか、
それともKのラッシュが押し寄せてくるという意味なのか、
Kにラッシュするという意味なのか。

キックボクシングが破壊されてしまうのか、
キックボクシングが破壊されてしまうとしたら何が残るのか?

山本元気と桜井洋平という
おそらくは現在キックボクシングファンが最も愛している
日本人キックボクサー2人がこのルールで対決することによって
キックボクシング界はどう変わるのか。

見終わった後に感じるのは
「キックルールで見たかった」なのか
それとも「このルールだから良かった」なのか。

この大会によってキックボクシングはもっと壊れていくかもしれない。
というか壊れていくでしょう。
だけど、それが時代なのかもしれない。
もしかしたら、
キックボクシングじゃなきゃいけないと言うものが見つかるのかもしれない。

ただのK-1ルール大会だと思って見ていたら
ただのK-1ルール大会以上のものは見えてこない。

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フリーライター佐々木亜希がときどき書くブログ
「ときどきキックアウト」は
キックボクシングとK-1をときどき応援しています。


posted by sasakey |15:18 | キックボクシング |
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