2007年12月29日

天皇杯決勝へ!

 エコパで行われた天皇杯の準決勝。サンフレッチェ広島は寿人、平繁、高柳のゴールで3-1でガンバ大阪を下して8年ぶりに決勝進出を果たしました。

 この試合の勝利の要因の一つは、先制点を奪い2点目をアシストしたキャプテン・佐藤寿人の活躍でした。また最終ラインで守備を組織し、相手ボールをはね返し続けたストヤノフの働きも天下一品でした。彼ら2人の攻守のリーダーシップがチームを一つにしたのは確かです。

 移籍の可能性を噂される駒野と柏木も、運動量とキレのあるプレーで常に相手にとって危険な香りを漂わせていました。素晴らしい胸トラップからのボレーシュートを決めた平繁。1点目につながるロングフィードだけでなく何度もサイドチェンジのパスを送った森崎浩司。DFラインで相手のボールをはね返し続けただけでなく、何度か攻め上がりの姿勢を見せた槙野と盛田。終始落ち着いてた下田。途中交代の高萩と高柳のコンビによるロスタイム弾は、勝利を決定づける一撃でした。更に服部公太もタイミングを見た攻め上がりで、何度もチャンスに絡みました。

 しかしこの試合のMVPを1人、と言われれば、私は森崎和幸を挙げます。ペトロヴィッチ監督の方針から、リーグ戦ではずっと右ストッパーとして起用されてきた彼は、今年は何度も苦しい思いをして来たはずです。相手の決勝点につながるPKを与えてしまい、「戦犯」と呼ばれたこともありました。でもそんな中でもチームの中で与えられた責任を果たすべく、DFとして一生懸命プレーしてきたわけです。

 入れ替え戦の2nd legから起用されたボランチの位置は、彼の本来のポジション。そこでキープ力と戦術眼を発揮しているのは、彼の本来の力を考えれば当然のことです。高柳の3点目につながる起点のパスは、彼の右足から放たれました。そしてそれだけでなく、DF経験から来る対人守備の強さを見せつけています。この試合でも突破を図ろうとするガンバの選手に対して真っ向から勝負を挑み、何度も相手ボールを奪っていました。リーグ戦では最多失点だったサンフレッチェの守備陣が天皇杯では1点しか取られていないのは、決して偶然ではありません。

 思えばサンフレッチェが天皇杯の決勝に進出した8年前は、森崎和幸は高校3年生。若返りを図るチームの中で積極的に起用され、高校生として初めて決勝のピッチを踏みました。しかし腰を痛めたためハーフタイムでの交代を余儀なくされ、チームも後半に2点を奪われ敗れています。今年の天皇杯決勝戦は、残念な結果に終わったリーグ戦だけでなく、8年前の悔しい結果の「リベンジ」でもあるはず。1月1日の国立競技場の彼のプレーにぜひ注目して欲しい、と思います。

posted by sanfreccediary |23:15 | 天皇杯 | コメント(3) | トラックバック(1)
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2007年12月01日

代表とACLがJを殺す

 この記事は、敢えて刺激的なタイトルを付けてみたのですが、しかし今年のJリーグは、まさにこのタイトルのような結果になった、と言えないでしょうか?

 ACLを制してアジアチャンピオンになった浦和でしたが、しかし疲労の蓄積は如何ともし難く終盤の5試合で稼いだ勝ち点はわずかに3。(なんとトツボ状態だった広島と同じ!)勝ち点差10をひっくり返される、と言うJリーグ史に残る大逆転で優勝を逃してしまいました。その上天皇杯ではJ2下位の愛媛にまさかの敗戦。世界クラブ選手権への出場権獲得の代償は、非常に大きなものとなってしまいました。

 また覇権奪回を狙ったG大阪ですが、こちらは第20節まで首位を走っていたものの、夏場と終盤に失速して3位に終わってしまいました。これは、主力選手がフル代表やU-22代表に招集されて頻繁にチームを離れていたと言うことと、決して無関係ではないでしょう。

 一方、第26節から9連勝と言う素晴らしいラストスパートで逆転優勝を果たした鹿島。こちらはACLはもちろん代表の影響をほとんど受けないチームでした。6月の中断前までは10位以下をうろうろしていたのにその後チームがまとまってきたのは、決して小笠原の復帰だけが要因ではないと思います。

 ついでに言えば広島も、代表の影響をもろに受けました。特にリーグ戦への配慮なしに招集するU-19代表とU-22代表の悪影響は無視できないほど大きく、青山敏弘が骨折して帰ってきた時にはここには書けないような悪罵の言葉がついつい口から漏れたほどです。

 日本のサッカー界にとって、代表が大事だと言うのは理解できます。もし代表がW杯や五輪に出ることができなければ、サッカー全体が危機に陥るでしょう。それはACLだって同じで、せっかく日本に誘致したクラブW杯にJクラブが出るか出ないかは、重要な意味を持つのも分かります。

 ただ、だからと言って一方的にJクラブに負担を強いるようなやり方はどうなんでしょう?いくら代表が強くても、あるいはクラブW杯に出場できても、Jリーグを軽視するようなやり方は決して正しくない、と思うのです。

 「残留レース」こそ早めに決着したものの、優勝争いと昇格争いが最終節までもつれた今年のJリーグ。リーグ戦が最後まで盛り上がるのは結構だし、最後まで諦めずに戦い抜いて栄冠を勝ち取った鹿島の選手とサポーターにはリスペクトの気持ちしかないのですが、しかし少々釈然としないものが残った、と言うのも確かなのです。

posted by sanfreccediary |20:18 | Jリーグ | コメント(58) | トラックバック(1)
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2007年12月01日

やればできるのは分かっている~広島×G大阪

 Jリーグ最終節のG大阪戦。出場停止や怪我人も含めてレギュラーの半分を休ませたサンフレッチェは、G大阪に押し込まれ一度は逆転されながらも粘り強く戦い、終了間際に槙野のゴールで追いついて引き分けに持ち込みました。

 このゲーム、広島にとってはホーム最終戦とは言えほとんど消化試合と言うべきものでした。対するガンバはマグノ・アウベスの突然の解雇や明神、家長の欠場などあったものの、それ以外はほぼベストの布陣でした。

 そして試合展開は予想通り、ボールを支配するガンバに対して広島がカウンターを狙う、と言う構図でした。しかしそれが見事にはまって先制点は広島。その後地力に勝るガンバに一度は逆転を許したものの、終盤は逆に押し込んで最後のセットプレーのチャンスで引き分けに持ち込みました。

 普段、サンフレッチェを見慣れていない人は「なんで控えメンバーでこれだけの試合が出来るのに、16位に終わってしまったの?」と思うかも知れません。いや、サンフレッチェのサポーターでさえ、解せない気持ちが強いでしょう。

 しかし実際のところ今年のサンフレッチェは、控えを多く出した方が良い試合ができることが多いのです。例えば5/9のナビスコ杯G大阪戦。主力4人を休ませたにも関わらず1-0で勝っています。また7/8のナビスコ杯準々決勝では、フル代表とU-19代表5人を欠いて鹿島に競り勝ちました。更に8/18の大分戦では、出場停止の柏木に加えて青山、森崎浩が突然欠場したにも関わらず2-0で勝っています。

 にも関わらず、なぜ「サンフレッチェは層が薄い」と言われ続けたのか。それはおそらく、ある試合で若手が良いプレーを見せたとしても、それが次の試合や普段の練習で続けることができない、ということなのです。例えばナビスコ杯の準々決勝2nd leg。勝った1st legと同じメンバーで戦ったものの調子が出ず、U-19代表組を途中から投入することになっています。やればできるのは分かっている。でも常に力を発揮できるとは限らないのが、このチームの最大の問題なのです。

 別に若手に限らず、このチームが「やればできる」のは確かです。それは前半戦の戦いを見れば明らかだと思います。でも常にその力を発揮できるとは限らないと言うのもまた、このチームの明確な課題なのです。来週水土に予定されている入れ替え戦。普通に考えれば広島の優位は動かないと思います。仮に今日のメンバーで戦ったとしても、勝つ可能性は十分にあると思います。しかしそのために必要なことは、試合を平常心で戦えるかどうかだけなのです。相手がどうかと言うこととは関係なく、自分たちの本来の力を発揮できるかどうかだけが問題なのではないか、と思うのです。

posted by sanfreccediary |16:56 | J1リーグ戦 | コメント(3) | トラックバック(0)
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