2007年09月30日

欧州チケット確保法あれこれ

 今回、ヨーロッパに来ているのは仕事のためなのでサッカーを見まくる、と言うわけにはいかないのですが、それでも都合をつけて2試合観戦し1試合は観戦寸前まで行きました。試合を見るためにはチケットの確保が必要なわけですが、そのために色々調べたりチャレンジしたりした結果を書いておきます。

【France Ligue 1: Olympique Lyonnais】

 見に行ったのは9/23のリヨン×リール。リヨンのホーム、ジェルランスタジアム(Stade de Gerland)は街の中心から地下鉄で10分ぐらいの場所にあります。チケットはリヨンのオフィシャルホームページ(http://www.olweb.fr)のBILETTELIEから取れそうな気がしますが(実際、そう書いてあるガイドブックもある)しかしうまく行かず。片言のフランス語しか分からない日本人の手には負えませんでした。

 そこで更に調べてたどり着いたのは、France Billet(http://www.francebillet.com/)です。これは日本の「チケットぴあ」に相当するサイトのようで、ここでSport>Footballと辿って行けば購入可能な試合の一覧が出てきます。そして無料でアカウントを作り(住所などは日本のものでOK)、途中で出てくるフランス語(だいたいは英語で書いてありますが、途中に一部フランス語がある)にビビらずに入力を済ませ、予約番号をもらって終了。サイトの途中で出てくる受け取り店リストにあるお店(fnacなど)に行ってその予約番号を告げれば、その場でチケットを受け取れます。因みに料金は、手数料などは取られず定価のまま。バルセロナのチケット等も取れるようです。

【1 Bundesliga: Eintracht Frankfurt】

 ここはクラブのオフィシャルサイト(http://www.eintracht.de/)から直接チケットの予約が出来ます。チケット一覧のページ(http://www.eintracht.de/tickets/tageskarten/)に行って試合予定の一覧を出して、Kaufen:Normalのリンクをクリック。Registrationを求めるページが出てきますが、そこでドイツ語の辞書を見ながら(?)登録して、その登録したIDを使って購入まで行くことができます。因みに購入すると自宅の住所まで送ってくれるかのようなメールが届きますが、日数的に余裕がある場合だけの様子。それに日本の住所を登録した場合は余裕があっても送ってこないと思います。(未確認ですが。)購入手続を終わった後に感想をメールで送る事ができるのですが、私はそこで「旅行中なのでチケットはカウンターで受け取りたい」と英語でメールを送ったら、すぐにOKの返事が来ました。

 実はこの試合、予定していたパリ発の列車が予約できなくて一時は諦めキャンセルしたい、と件のアドレスにメールしたところ、簡単にキャンセルできました。で、結局のところギリギリに到着できたのでチケットカウンターに行ったところ、もちろん予約の切符は無かったものの当日券を買うことができました。アイントラハト・フランクフルトは水曜日の夜の試合にも4万8千人も集まるほどの人気チームなのですが、ホームスタジアムのコメルツバンクアレナ(COMERZBANK ARENA)は5万人ほど収容可能なので、人気クラブ相手でなければ一杯にはなかなかならないのかも知れません。

【1 Bundesliga: Bayer Leverkusen】

 昨日はケルンに滞在だったので、ケルン近郊の街であるレバークーゼンでバイエルン戦を見たい、と思ってました。しかしこのレバークーゼン、スタジアムのベイ・アレナ(Bay Arena)のキャパシティが小さい(22,500人)ため、いつも満員になることで知られています。その上、この日はバイエルン戦。チケットを取るのは無理だろうな、と思いつつ、一応チャレンジでスタジアムまで行ってみたわけです。実は数年前、同じようにチケットを持たずに行ってみて、「チケットが欲しい」(Suche Karte)と言う看板を持って立っていたら他のお客から譲ってもらうことができた経験があったからです。

 ところが昨日はしばらく立ちんぼしていたもののなかなかうまくいかず、密かにあてにしていたダフ屋も現われず。困ったな、と思っていたところであるドイツ人が「16番と17番のカウンターで当日券を売ってるよ」と教えてくれました。まさか、と思って行って見ると、確かに沢山の人が並んでいてチケットを受け取っています。これ幸い、と並んでみました。そして30分ほどたってようやく窓口にたどり着いたところ、言われた言葉は"SOLD OUT"。どうやらチケットを受け取っていた人は、シーズンチケットの権利を持っている人が交換していただけだったようでした。そして窓口に並んでいる間にキックオフ時刻になってしまい、スタジアムの外にいるのはチケットを取れなかった人だけ。ダフ屋がいたのかどうかも分からないままに、私のチャレンジは終わりました。

 因みにこのレバークーゼン、オフィシャルサイトに行ってみても前売り券の購入方法は最後まで分かりませんでした。あるドイツ人に「チケットぴあ」みたいなサイト(http://www.ventic.de/catalog/index.php)を教えてもらったのですが、このレバークーゼン×バイエルンの前売りは100ユーロを越えていて、とても手が出せませんでした。

posted by sanfreccediary |16:01 | ヨーロッパ | コメント(3) | トラックバック(1)
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2007年09月27日

フランクフルトの憂鬱

 ちょうどドイツに来ているので、フランクフルト×カールスルーエを見てきました。

 水曜日の夜の試合なのでさすがに観客も少ないか、と思えばさにあらず。ホームチームの調子が良いからかお客の出足は非常に好調で、この日の入場者数は48500人(だったと思う)。試合開始時には地鳴りのようなホームのサポーターの応援と、これに負けないぐらいのパワフルなアウェイサポーターの応援で、W杯の会場にもなったコメルツバンク・アレナは熱気に包まれていました。が、試合後にも盛り上がっていたのはカールスルーエ側だけ。0-1の敗戦で、ホームのサポーターはビールを飲みながら憂さばらしするしかありませんでした。

 試合内容ですが、ボールを支配するホームチームに対してカウンターで応酬するアウェイチーム、と言う構図でした。フランクフルトは主にサイドから攻めようとするものの、パスの出し手のタイミングが受け手と合っていない、と言う感じ。パスにリズム感がなく、時折ドリブル突破を絡めて何とかクロスを送るものの相手の裏をかくことはできずなかなか良い形を作れません。結局最後は力任せに放り込みで行くしか無くなり、アイディアとコンビネーションの乏しさを露呈してしまいました。

 逆にカールスルーエはここぞ、と言うところでの攻め上がりのタイミングが良く、数は少ないながら何度か決定的なチャンスを作っていました。得点は後半6分にセットプレーからこぼれ球をDFが押し込んだものでしたが、全体的に攻めと守りのバランスの良さが光っていました。

 ところで初めて一緒に先発のピッチに立った高原と稲本の二人でしたが、稲本は前半だけで、高原は後半21分にともに交代でピッチを去ることになりました。

 まず稲本ですが、テクニックと視野の広さは見せたもののボランチにしては運動量が少なすぎる、と言う感じでした。新しいチームでここまで頑張ってきた疲れが出てきたのかも知れません。逆に稲本が機能していなかったことが、この試合でフランクフルトが苦戦することになった原因だったのかも?

 一方の高原は、前半は右のウィングとしての出場で、後半は左寄りのFWとしてプレーしていました。前半に稲本のロングパスに走り込んでボレーで狙ったのと、後半に頭で狙ったのと2つ決定的なシュートを打ちましたがどちらも枠外。それ以外の場面ではなかなかゴールに近いところでボールに触ることが出来ず、あまり見せ場は作れませんでした。

 この敗戦により対戦相手に抜かれて7位にまで後退したフランクフルト。高原、稲本のプレーそのものよりも、チーム戦術とコンビネーションをもう一度練り直す必要があるかも知れません。でないと、ホームサポーターの憂鬱はしばらく続くのでは、と言う気がします。

posted by sanfreccediary |06:39 | ブンデスリーガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年09月15日

必然の敗戦。だが...(広島×浦和)

 広島ビッグアーチで行われた今日の浦和戦。先に3点取られ、途中から追い上げたものの突き放され、終了間際にもらったPKも決めることができず2-4で敗れ、浦和戦の「勝てない記録」は13に伸びてしまいました。

 この試合、内容にスコアほどの差があったかと言うとそうでもなかった、とは思います。ウェズレイが失敗したPKだけではなく、前半早々の青山の突破や駒野から寿人へのクロスなど何度も決定機を作ってますし、チャンスの数だけから言えば浦和とさほど違いはなかった、と思います。特に前半30分ぐらいから盛り返したこと、一時は1点差に迫ったことなどチーム全体の前に行く力は評価して良い、と思います。

 ただやはり問題は失点の多さ。今日も失点シーンは身体の寄せが甘かったりマークの受け渡しに失敗したり、と守備の組織の拙さを突かれたものでした。点を取られてはいけない時間帯にあれだけ簡単に点を取られたんではいくらやっても勝てないし、また代表組の疲れのためパフォーマンスが上がらなかった浦和にも、余裕を持って戦いを組み立てさせてしまいました。

 なぜ広島がこのようなサッカーになってしまうのか。それはペトロヴィッチ監督がトルコキャンプから取り組んできた攻撃サッカーにある、と言えます。DFラインは相手と数的同数になるのを怖れずどんどん前に出ること。またマイボールの時には最終ラインからでもパスをつなぐこと。そしてボールが前に行った時には両サイドともに攻撃参加して人数をかけて攻めること。これらの基本戦術がある程度浸透したからこそ0-3からでも追い上げることができたわけですが、しかし勝つためにどう守るかと言うことが整理されていないのが失点が減らない原因なのではないか、と思います。

 思い出してみれば2001年、ヴァレリー監督がチームを率いた時も似たようなものでした。あの時のバランスの悪さは今以上と言う感じで、久保、藤本、大木の強力な3トップで点は取るものの失点もまたあっさりしたものでした。いくらリードしていても終了間際にひっくり返された試合も多く、まるでザルで水をすくうような戦い方でした。

 当時ヴァレリー監督は勝てるチームを作るためにいろいろと試行錯誤を繰り返し、4バックを止めて3バックにしたり、3トップも封印したりしてようやく守備が安定して勝てるようになりました。高い理想を掲げてスタートしたもののなかなかうまく行かず、理想と現実をすり合わせながらの戦いでした。

 一方ペトロヴィッチ監督は、昨年は理想を追いながらも現実的な戦い方でJ1残留を決めたわけで、おそらく守備を固めて勝ち点をちょっとずつ積み重ねる、と言う戦い方のオプションは持っているはずです。しかしそれはなるべくならしたくない。なぜならそれをやってしまったら、トルコキャンプから積み上げてきたものをリセットすることになるからです。

 この敗戦は広島サポとしては哀しいし、また失点シーンは情けないのですが、しかし半年前のガンバ戦を思い返してみれば、ほぼ一方的に殴られっぱなしと言う感じで、チームとしての完成度の違いを見せつけられたものです。それに比べればこの試合を見る限り、選手もチームも成長していると思います。監督と言うのは、うまく行かなくなると色々といじりたくなるもの。監督はそれを必死で我慢しているんですから(たぶん)、我々サポーターは信じて待つしかないように思うのです。

posted by sanfreccediary |19:44 | J1リーグ戦 | コメント(9) | トラックバック(1)
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2007年09月12日

スイス戦~新しい武器を手に入れた(か?)

 内容的には着々と進歩している、と思われるオシム監督の日本代表。にも関わらず何となく物足りないと思っている人がいたとしたら、きっと「ジーコ・ジャパン」時代に何度も見せられた神懸かり的な勝ち方が無いからなのではないでしょうか。ところが今日のスイス戦。W杯16強の相手に、しかも「準アウェイ」とも言える場所で、奇跡的な勝ち方を見せてくれました。

 前半はあれよあれよと言う間に点を取られて2点のビハインド。得点はセットプレーからだけだった、とは言え相手にボールを回される時間が長く、一方こちらの攻撃はほとんど有効な形を作れず、オシム監督になってから最低じゃないか、と言う出来でした。

 ところが後半はまず、選手交代をせずに流れを変えました。闘莉王や中澤が頻繁に攻め上がるようになり、全体的に前から行けるようになりました。そして7分に松井のドリブルでの仕掛けからPKを得るとまずは1点差。続いて22分にはセットプレーから巻が押し込みます。更に33分には2度目のPKから勝ち越しました。

 しかし試合がヒートアップしたのはその後の時間帯でした。35分にセットプレーからスイスに追いつかれると、その後も押し込まれると見るや、オシム監督は佐藤寿、中村憲ら攻撃的な選手を投入して「勝ちに行く」采配をします。そして最後はこの途中交代の選手らが絡んで矢野の決勝ゴールに結びつけ、見事な「さよなら勝ち」に結びつけました。

 アジアカップでは4位に終わった日本代表は、これまでは「気持ちの強さ」に欠けるのではないか、と言うように見えないこともなかったと思います。しかしこの試合、特に後半は違いました。選手は目の色を変えて戦い、そして見事に結果を出しました。リスクを冒して攻めに出て、勝ちと言う結果を得たことは選手にとって大きな自信になったに違いありません。

 一方、ハーフタイムの指示でゲーム内容をがらりと変えたこと。そして途中交代の選手を活用して勝ち越し点を奪ったことは、どちらも監督の力だと言って良いでしょう。今更ながら「イビチャ・オシム」と言う監督の凄さを見せつけられた、と言えます。

 選手が「勝ちたい」と言う気持ちを前面に出してリスクを冒して攻めに出たこと、そして途中交代の選手がしっかりと結果を残したことで、日本代表は大きな自信を持ったはず。この試合で日本代表は、「選手の自信」と「オシム監督の采配」と言う2つの新しい武器を得たのだと言って良いのではないでしょうか。

posted by sanfreccediary |06:02 | 日本代表 | コメント(11) | トラックバック(1)
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2007年09月09日

五輪予選サウジアラビア戦

 森島、内田を初めて先発起用し、ここに来てまたもや新たな戦い方を選択することになったU-22代表。前半は前線の運動量が少なく後ろも押し上げる事ができず、マイボールになってもパスは足元ばかりで、まるで引き分け狙いかと言うような戦い方でした。

 しかし後半、柏木が入って走り回ることでチーム全体が活性化しました。内田、本田圭の両サイドも頻繁に上がるようになり(と言うか、内田はほとんど上がりっぱなし?)、守備も高い位置から行けるようになって何度もチャンスを作りました。さすがに途中から足が止まってミスが続出し、危ない場面を迎えることもありました。が、それはサウジも同じ。最後は消耗戦になりましたが何とか抑えて、ドローに持ち込むことができました。

 内容的には不満は残るし、そもそもここまでずっとチーム作りをしてきたのに戦い方が定まらない、と言うのも問題ですが、しかし厳しいアウェイゲームで勝ち点1を取ったのは評価して良いでしょう。この流れを重視して戦うのか、それともフレッシュな選手に入れ替えるのか。次のカタール戦をどう戦うか、反町監督の手腕に注目です。

posted by sanfreccediary |04:23 | U-22代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年09月08日

オーストリア戦~成長はしているが

 90分間スコアレス。そしてPK戦での敗戦と言う結果ではありましたが、オシム監督の代表は徐々に完成度が上がっている、と言う印象を受けました。闘莉王、中澤の高さと強さのあるCBは体格の良いオーストリアのFWに当たり負けもスピード負けもせず、ほとんど決定機を作らせませんでした。またドイスボランチを組んだ稲本と鈴木のペアは切り替えの速さが素晴らしく、何度も高い位置でボールをカットして相手の攻撃を寸断し、また味方の攻撃に繋げました。特にフランクフルトでレギュラーとしてプレーする稲本の出来は秀逸で、球際の強さとパス出しのセンスの良さは、代表のサッカーのレベルアップに貢献しました。蒸し暑さの極致にあったアジアカップの戦いでは中盤の運動量の低下から苦戦することも多かったのですが、昨日のような気候ならば「走るサッカー」を展開することが出来る、と言うことでしょう。オーストリアは欧州勢としてはさほどレベルが高くないとは言え、相手のホームゲーム。そこで日本代表が完全にボールを支配して内容的に圧倒したと言うことは、胸を張って良いことだと思います。

 一方で問題なのは、やはり点が取れなかったと言うことでしょう。アジアカップでエースとして活躍した高原不在の中でどのように攻めるか、が注目されたこの試合で、オシム監督が選んだのは矢野と田中達のツートップでした。矢野が前線でボールを収めて田中達が飛び出す、あるいは田中達がドリブルで引きつけて矢野が逆サイドに詰める、と言うイメージだったのだろうと思うのですが、しかしこの2人がコンビネーションを見せることはほとんど無かったように思います。特に彼ら2人に中盤の選手を絡めて3人目、4人目の動きから相手を崩すと言うシーンをあまり作れなかったことが、ボール支配の割にはシュートを打てなかった原因ではないかと思います。

 またこの日は両サイドが上がってもクロスを入れずに戻すシーンが多かったのですが、これはおそらく良いタイミングでゴール前に飛び込む動きが少なかったため。サイドの動きと中の動きがシンクロしていなかった事も、課題として残ったと言えるでしょう。

 田中達や松井のドリブル、あるいは闘莉王の攻め上がりなど「個」の力を生かした攻撃もあまり効果を発揮できなかった事を考えれば、日本代表が点を取るにはやはりコンビネーションを上げて行くしかありません。「走るサッカー」「ボールを繋ぐサッカー」ができるようになった日本代表が「点を取れるサッカー」ができるようになるためには、もうしばらく時間がかかるのかも知れません。

posted by sanfreccediary |09:27 | 日本代表 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年09月03日

寿人の代表招集に思う

 今回の欧州遠征に選出された佐藤寿人ですが、ここまで代表とJリーグを行ったり来たりで、その上オールスターにも出場するなどほとんど休み無しで来ていたので、今回は選ばれない方が良かったのではないか、と思うサンフレッチェのファン・サポーターも多いのではないか、と思います。確かに疲れのためプレーの量と精度が落ちているのはあると思いますし、身体のキレが悪くなれば怪我もしやすくなるので、どこかで休んだ方が良いのは確かでしょう。しかしそれでも私は、彼が代表に行くことを支持します。その理由は、彼らはまだまだ成長する選手だと思うからです。

 代表はその国で一番上手な選手を集めて戦うところで、良い選手を集めて組み合わせれば勝てる、と思われがちですが、しかしそれは違うと言うことはジーコ監督の時代に散々思い知らされました。特にマラドーナもロナウジーニョもいない日本代表が他の国に勝つためには、全選手がチームの動きを理解して、お互いがお互いを生かすようなサッカーをしなければならない。そして単に「自分のサッカーをする」だけではなく、相手の出方によって臨機応変に対応できなければなりません。すなわちピッチ上の11人だけでなくベンチのメンバーも含めた全選手が有機的に機能することが、日本代表の生命線だと言って良いでしょう。オシム監督が作ろうとしている日本代表は、まさにそんなチームなのだと思います。

 その中で寿人も、代表の中で果たすべき役割が与えられています。それはもちろん、彼の特徴を生かした役割であることは間違いないのですが、しかしクラブとは微妙に違うのも確かです。実際報道を見る限り寿人は点を取る役割だけでなく、サイドアタッカーとしてクロスを上げる練習をしたりしています。そして彼はそれを不満とも思わずに、一生懸命に取り組んでいるからこそオシム監督は招集するのだと思います。

 代表でクラブと違うサッカー(とは言え、基本はほとんど一緒のサッカー)を学ぶこと。これは彼らのプレーの幅を広げると言う意味では大きなチャンスです。例えば、横浜FM戦ではワントップの起用に応えて中澤、松田の2人を相手にしてボールをキープし、また彼らをサイドに引っ張り出して中央のスペースを空ける、と言うプレーを見せました。そして彼の左からのクロスがアシストになり、MFが得点を挙げています。私が覚えている限り、彼がワントップで機能したのは初めてのこと。これが本当に代表の効果なのかどうかは分かりませんが、しかし彼がクラブと代表を行き来しながら成長しているのは確かなのではないでしょうか。

 今回の欧州遠征で、日本代表はオーストリアとスイスの代表と2試合を戦う予定になっています。どちらの国も欧州でトップクラスとは言えませんが、しかし技術のしっかりした選手を揃えていて、規律のあるコレクティブなサッカーをするチームだと思います。そう言う意味では日本代表にとって、学ぶところの多い試合になるはずです。今回オシム監督は全選手に出場機会を与える、と言う噂ですし、寿人には良い経験を積んできて欲しい、と思います。

posted by sanfreccediary |09:30 | 日本代表 | コメント(10) | トラックバック(0)
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2007年09月02日

今日負けていたらクビになっていた

 昨日三ツ沢で行われた横浜FC戦は、ボールを支配される時間が長く苦しい試合となりましたが、ウェズレイの2ゴールでサンフレッチェは2-1で何とか勝つことができました。

 前節ホームで完敗を喫したこと、連戦の疲れが極限まで来ていたこと。そして相手は最下位に低迷していたこと。そう言う難しい状況の中でペトロヴィッチ監督の選択は、最も信頼する11人をピッチに送り出すことでした。そしてその策は、だいたいのところは成功していたと思います。更に疲れから足が止まり、得点が入ることで流れが変わりそうになると、それに対する対応も素早いものでした。その典型だったのが、後半14分の交代のシーン。途中から投入した桑田の動きが悪いと見るや惜し気も無く槙野を投入し、戸田をボランチに上げて守りを固めました。また勝ち越した直後にはすかさず柏木に代えて高柳を入れ、中盤の運動量を増やして横浜の逆襲に備えました。前節は疑問の残る采配で勝ちを逃した、と言う感じでしたが、昨日は流れを見た的確な采配で勝利を引き寄せた、と言って良いのではないでしょうか。

 しかし勝利の一番の要因は、90分間を通して選手の集中力が切れなかったことだと思います。前節ミスから失点に絡んだ木寺やストヤノフ、森崎和ら守備陣は、ボールを支配されても、あるいは中盤の選手がペナルティエリアの中に上がってきていても落ち着いて対応し、シュートを味方よりも少ない11本に抑えました。失点シーンだけは一瞬の隙を作ってしまいましたが、それ以外はボールを支配された割には決定的なピンチは少なかったと思います。集中力、と言う意味では攻撃面でも同様です。中国新聞によると佐藤寿は横浜FCについて「つなぐサッカーに慣れていない。プレスをかけた時にミスが多い」と分析していて、2点目につながるチェイシングは相手のミスを予測してのものだったそうです。疲れが溜まっているため90分間走るのは難しいと言うことで、ラインを下げて戦わなければならないと言うチーム状況。しかしその中でも一瞬の隙を突いてゴールを奪うことが出来たと言うことは、攻撃陣の集中力の賜物だと言えるでしょう。

 試合後にペトロヴィッチ監督は高木監督について語った中で「私自身も、今日負けていたらクビになっていたおそれもあります」と言っていますが、これはある程度は本音も含まれていたのではないかと思います。昨年6月に就任してどん底にあったチームを立て直し、更に上を目指してチーム作りを進めてきた今シーズン。守備重視の戦術から攻撃中心に転換してある程度は成功し、また若手選手も育ちつつあるものの、綻びもまた目立ち始めていました。特に代表招集や過密日程の影響がじわじわとチームを侵食して狙いとするサッカーができなくなり、内容も結果も悪い状態に落ち込みつつありました。ここでもし負けてしまえば残留争いに巻き込まれ、上を目指すようなサッカーを諦めなければならなくなったはず。つまりペトロヴィッチ監督にとってこの試合は、チーム作りの上では正念場、とも言える戦いだったのだろうと思います。ここまでの勝ち点29と言うのはJ1残留の安全圏だとは言えませんが、しかし残り10試合で2、3勝と考えればそう難しいミッションではないでしょう。次節は2週間後となるのでその間にしっかりと休養し、また戦術を練り直して次の戦いに臨むことができる。そのためには非常に重要な勝利だった、と言って良いのではないでしょうか。

posted by sanfreccediary |11:52 | J1リーグ戦 | コメント(1) | トラックバック(1)
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