2007年11月21日

『その権理』を持つのは、イビツァ・オシムだけである。

ポストオシムについて色んなところで話されている。
ある意味仕方がないところだ。これからもサッカーは続くし、重要な戦いはすぐ目の前だ。ましてやここで機能不全に陥るようでは、大きな組織のトップとして相応しくない。

しかしながら、何故こうも腑に落ちないのか?
敬意が欠けている?サッカーよりも重要な事がある?家族の気持ちを考えるならば?僕にとっては、そのどれでも相応しい表現ではない。

オシムは欧州のジャーナリストにこう語っている。
「日本人は誠意ある人々だ。だから私も誠意を持って応えるべきだと思う・・・他のオファーがどれほど魅力的なものでもね。いや、ジェフとの契約を解消する理由など、ひとつもない。」
いわゆる「キャリア」を考えれば、そしてオファーしたチームの顔ぶれをみれば、いつオシムがヨーロッパに帰ってもおかしくはなかった。むしろ、それが自然だと言っていい。
しかしながらオシムは千葉に留まった。そして恐らくは、残りのサッカー人生を日本のサッカーの為に捧げる覚悟は出来ていたはずだ。
オシムを留めたのは、彼の信頼する祖母井さんや、彼を愛するジェフサポーターの誠実さや人間性だと言っていいだろう。
そしてその姿の向こうに彼は、イビツァ・オシムは日本を見ていたのである。

彼はその長い経歴において、一度も解任されたことがない監督である。もちろんこのような事態になっている以上は、「解任」という表現は使われないのは理解のうえで言わせてもらうならば・・・
それでも彼の意志で「それ」を決めさせるべきである・・・と僕は思う。
オシムの進路を決めることが出来るのはオシムだけだ。
彼の体が回復し、再発のリスクを負っても彼が監督をするというならば、僕はそれを支持するし、見守るだろう。しかしながら我々は「それ」を望んではならない。
そしてイビツァ・オシムという人間を少しでも理解するというのであれば、彼がどのような振る舞いをするかは想像に難くない。我々は、黙して語らず・・・それを理解しなければならない。

名誉監督などという役職を望むのは著しく圧倒的に敬意を欠いている。彼が愛するサッカーは現場にしかない。そして後任の人選を彼に委ねるというのも問題外である。

今こそ我々の誠意が問われているのではないでしょうか?
我々ファンは、彼を待つ事ができるはずだ。彼の名誉を守り、生ける伝説をサラエボに持ち帰ってほしいと僕は思う。それを望むことが出来るのは、責任を負わない我々ファンだけだ。元々、彼はサラエボからの借り物ではないか!彼は日本の為に尽くし、日本サッカーの為に倒れたのである。我々は恩義に報いるべきだ。

そして協会は、今こそ完全なる密室談合を遂行しなければならない。あらゆる事態を想定し、迅速に正確に行動しなければならない。少人数で、それを遂行して欲しい。
そもそも監督選定は技術委員の仕事だ。会長すら外しても構わない。自分達の意思を明確にして、会長が口を滑らせるようなことがあれば全員で辞職するぐらいの覚悟でいれば、会長も口出しできないだろう。川渕会長・・・彼は口が軽すぎる。
マスコミもそれを理解し、スキャンダリズムやセンセーショナリズムを追い求めてはならない。それは許されない。それは言論の自由などではない。

『止った車』を再び動かしたのは間違いなくイビツァ・オシムだ。わずかの期間でチームに自信と信頼をもたらした。そして、チーム以外のサッカー関係者、サッカーを見る側に『イズム』を浸透させた。彼は現時点でも日本サッカー界の伝説である。(こういう言い方は本人は嫌いだろうけれど・・・)

私たちは私たちの祈り方がある。私たちは彼が愛した人達のように誠意があるだろうか?誠実であるだろうか?

僕は後任人事やそれを取り巻く周囲の覗き見趣味に加担したくない。
そして彼の帰還を待ちたい。それが僕の『サッカーの教師』に対する祈り方である。

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posted by モーリー |17:03 | コメント(42) | トラックバック(0)
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2007年11月16日

ただ祈る。ただ、ただ祈る。

「私は無神論者と言っていい。」

そう言っていたオシム監督が倒れてしまった。情報はほとんど無い状態だが、良くないらしい・・・
僕もオシムの言う意味では、無神論者かもしれない・・・
不敬な自分を恥ながらも、無力を知りながらも、今はただ、ただ祈りたい。

生きて帰ってきて欲しい。イビツァは「シュワーボ、オスタニ!」の大合唱とともに、日本人に見送られながら故郷に帰らなければならない。
「死ぬのならばボスニアがいい。」とあなたは言ったではないか!!

彼には義務がある。私達の前に姿を現しておどけてみせなければならない。

「私はまだ生きています。」と・・・・

今はただ祈りたい。

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posted by モーリー |17:41 | コメント(6) | トラックバック(6)
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2007年11月15日

『浦和レッズ』は日本サッカーの『目標』に非ず!!

バイタルエリアに広大なスペース・・・間延びと言ってしまうのもはばかられるほどのアンバランスは近年の浦和レッズの戦いそのものだった。
いかに日本屈指の質と量を誇るMFである鈴木啓太と長谷部誠をもってしても、埋めきれるはずもない。
ましてやサイドでは常に数的優位を作られている状況、彼らがカバーしなければならないエリアはあまりにも広大だ。
そのエリアを狭めるには、そのエリアに人数をもう一人割き、DF5人-MF2人の構図をDF4人ーMF3人にするか、DFラインを押し上げるしかないが(他にもあるけどメンバーの構成的に・・・)、前者はオジェックが選手とのパワーゲームに敗れ、後者は前の選手の守備意識が低い為に難しい・・・ポンテは中盤に戻ったり、前から追ったりいつも頑張っているが、さすがに一人ではどうしようもない。昨日の試合で見せたような戻る守備のほうが正解だと思う。
怪我でベンチだった田中達也も献身的な選手だが、守備陣(最終ライン)の意識がおよそ現代サッカーからすれば、悪癖と言っていいメカニズムから脱却するのは、容易ではないだろう。
ようするに浦和は日本が目指すべき方向性とは逆に舵を取っているのである。
オシムも「今日は内容よりも結果。」と暗に「いい内容のサッカー」ではないと暗示している。

もちろん「いい内容のサッカー」の追求も、勝利に近づく為の手段に過ぎないとすれば、浦和の方向性にケチをつける気など全くない。
しかしながら、このサッカーが無条件に相手にボールを渡し、無条件にミドルシュートを打たせ、無条件に敵のFWをゴール前に近づけることは理解すべきだろう。それは日本のサッカーが目指すべきではない方向であることは間違いないだろう。
時に結果を伴うチームが、その国のスタイルを形作ることがある。いやむしろそれこそが、その国特有のサッカー文化の発展のスタンダードだろう。
メディアや新聞各紙はともかく、サッカーファンや、ましてや他のチームのサポーターまでもが歓喜一色、祝福一色、浦和万歳状態だ!!僕はそのことがとてつもなく不安である。気が付けば浦和を見習え!の大合唱である。(サッカーのスタイルばかりではないだろうけれど・・・)

マリノスファンの僕からすれば、ほんの一ミリも嬉しくない出来事である。むしろ心が見る見るうちに冷めていくのを感じた。「どうでもいい。」と言い聞かせ、一人の観客であろうと徹したつもりが、あれ程にセパハンを応援してしまうとは思わなかった。
埼玉県民の日を勝手に祝福に使われた大宮サポーター・・・たった一度のリーグ制覇で浦和に日本の王者面を許している、磐田、鹿島、我が愛するマリノスのサポーター達・・・遥かに「志」の高いサッカーを見せているにも関わらず、観客の多い少ないで、差がつけられているように言われがちのガンバ大阪のサポーター・・・僕たちは完全に迫害される民である(失笑)。

・・・それはともかく、日本を・・・Jリーグを代表しているというのならば、それにふさわしいサッカーを見せて欲しいと僕は思うのである。
浦和の人々が、「僕たちの、私達のサッカーは・・・浦和レッズは、ただのエンターテインメントではない。」と言うのならば、世界を目指すと言うのならば、浦和の人々の「美意識」こそを浦和レッズのサッカーに求めて欲しいと思う。

本当ならば一人のマリノスファンとして、
「浦和レッズおめでとう!!感動をありがとう!!」
と言い、ありとあらゆる賞賛で、浦和レッズを燃え尽き症候群に追い込むという高度な戦略をとろうとも考えた(これまた失笑)。
しかし正直者で、優しいだけが取り柄の僕にはそんなことは出来なかった。Jリーグの代表として、日本代表として、という掛け声の下にみんなが団結して応援するなんて僕からすれば気持ちが悪いことだ!!浦和の人達だって逆ならばそうだろう??

最後に・・・僕が何処かの外国人であれば、スタジアムの雰囲気に、選手の頑張りに感動したかもしれない(しれない)・・・という事は、告白しておこうと思う。

浦和レッズは、他のサポーターの嫉妬や、悔しさを掻き立てている。恐らくは一番の功績はそこだと僕は思う。こうして各チームそれぞれの物語や歴史は積み上げられるのだと僕は思う。

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posted by モーリー |16:24 | コメント(66) | トラックバック(1)
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