2008年06月06日
トータルフットボールの解釈
過去のサッカーの分析にかけては、”スポナビblog” No.1の * 紅きダニューブのコリバノフ様から名指しでご氏名を受けましたので、 御返事したいと思います。 話題は、トータルフットボールの解釈についてで・・・ ・・・だと思っています^^ 参考 * 紅きダニューブ ・SAME さん トータル・フットボール? ・サッカーがポリバレントだと… サッカー・ラプラス ・続 ・ 74年西ドイツワールドカップ 私の拙い、トータルフットボールの解釈とサッカーの歴史のようなものをお送りします。 (ちなみに、西部謙司さんの影響もかなりありますし、単なる推測も多いです) ■トータルフットボールを形成している要素(定義) ・プレッシング ・オフサイドトラップ(押し上げ、DFライン高低) ・追い越し(縦方向のポジションチェンジ) ・ポジションチェンジ(横方向) ■プレッシング 定義:複数人でボールを保持した相手に向かっていき、パスコース、ドリブルスペース、体を使ったキープを無効化、もしくは限定し、相手ボールを奪うこと。また、それらを連鎖させること。 ・チェイシング(相手DFライン、ボランチに前からプレッシャーをかける) ・中盤の圧縮(FWラインは下がって、DFラインは上げる) ・後方への圧縮(DFラインを下げて、中盤(FW)も下げる) プレスのかけ方(相手へのアプローチ)も数種類ありそう? ■ミケルスの分化 プレッシング ミケルス(total football) → サッキ(ゾーンプレス) ↓ポゼッション クライフ(Field幅を目一杯使ってプレッシングを解体) ・トータルフットボールの解釈の方法は様々だ(by オシム) ・私もモウリーニョもサッキの再解釈をしているに過ぎない(by ベニテス) 要は、以降、トータルフットボールの要素は様々なサッカーにちりばめられている。 というより、トータルフットボールが改良されてるといった方が正確かも。 ■サッカーの歴史と戦術の変化 数人で、ボールようなもので遊び始める ↓ ボールをゴールに入れれば点数、みたいな遊びが始まる ↓ わーわーサッカー(トータルフットボールの原点?) つまり、子供の公園サッカーのようにボールに人が集まる。 個人技と数人のコンビネーションがメイン ルールが決まり始める(以降、その都度変更) ↓ 攻撃と守備の役割が分かれ始める(ポジションという概念の源流) 攻守それぞれのグループ戦術が始まる ↓ 専門職が生まれる(ポジションの設置) 攻撃の戦術、守備の戦術が進化する (ポゼッション、カウンター等の開発?) フォーメーション、システムの概念の始まり 以降、これらはその都度改良、再解釈される。 ↓ 専門職が専門職外のことも始める あるいは、2種類以上の専門職をこなせる(ポリバレント) よって、役割の交換が出来るようになる(ポジションチェンジ) (これを何人に、または誰に許可するかも問題) 攻守戦術の横断、融合(プレスの開発?) ↓ トータルフットボール(ここで、ひと通りまとまった。パラダイムシフト) 攻撃重視と守備重視の振れ幅の違いがでてくる ↓ プレスの整備、プレス全盛 ↓ プレスの解体 オフサイドを破る手段の発達 ポゼッションの進化 ↓ DFラインが低くなる プレッシングゾーンも合わせて低くなる ↓ カウンター戦術の進化 どん引きサッカー(後方圧縮型のプレス) 源流系トータルフットボールの衰退 ↓ ポゼッションとカウンターの使い分け ラインの高さとプレッシング位置の適宜使い分け ↓ サイド攻撃の進化 DFラインとボランチの間のスペースと アンカーやカカ、セードルフetc.の位置取りの重要性 ↓ (現在)0トップなど、”追い越し”戦術の再解釈中 FWを含めたハードワーク 源点の意味でのトータルフットボールに近づいている? ↓ (未来)サイドの守備を意識した5-4-1系が流行る? ハードワーク(プレッシング)を無効化するようなポゼッションの発達? Euroのメンバー表をみるとサイドにウィングプレイヤーというよりはゲームメーカー(司令塔)タイプを起用するチームが増えている?→ポゼッション重視? ■近代チームが与えた影響 ・4-2-3-1を始めたチームは何処なのか? メジャーにしたのはジダンとフィーゴ擁するレアルマドリー ・アンチェロティのミラン ポゼッションとカウンターの使い分けとその象徴のピルロの役割 レジスタの再解釈 ・ライカールト&テンカテのバルサ 高い位置からのプレッシングと相手陣内でのポゼッション ウィングの再解釈、ロナウジーニョ ・モウリーニョのチェルシー 引き気味のDFラインと後方に圧縮されたプレッシングゾーン ウィングを利用したカウンターメインだが、ポゼッション能力も高い ランパートがCHからレジスタへ? ・ベニテスのリバプール プレミアにリーガエッセンスを盛り込む キック&ラッシュの改良、使い分けが出来るようになり、 プレミアのハイテンポのサッカーが効果的になる。 ・スパレッティのローマ 0トップとトッティ ・ベンゲルのアーセナル ペナルティエリアへ多数の人数を送り込む。追い越しとハイテンポ。 ・ファーガソンのマンチェスターユナイテッド 0トップを利用したウィンガーによる少人数カウンター。ハードワーク。 ■歴史に名を残すこと ~トータルフットボールはミケルスのものか?~ 誰か1人が神格化されるのは良くあることで、過渡期において目立っていた、もしくは、マスメディアの影響で結果的に目立ってしまったというのが事実でしょう。さらに、ミケルスがトータルフットボールの全てを作り上げていないのも確かだと(ゾーンプレスのサッキもまたしかりでしょう)。一般的に革新的、新発見といわれるようなものは、それまでに積み重ねられた土壌から”取捨選択””組み合わせ””概念導入(変換)”をして生まれるものです。また、同時期に、似ているもの、あるいは全く同じものが出現するのも良くあることです。で、歴史に残るのは概ね1人だけ。例えば、サッカーじゃないですが、電話機発明の話が有名ですね。電話機だと、特許を先に取った方が名前が残りますが、サッカーで後世まで、語り継がれるようになるのには、ある程度、勝つことが必要でしょう。ただ、何らしかのタイトルの奪取が絶対条件というわけでもないようです。 一つの物事が上手くいけば、それを真似する輩がでてくるのも世の常です。それを改良しようという者も。しかもそういう人に限って時代に乗るのがうまい。で、二番煎じ以降のものが有名になる。結局、誰が、何かを成し遂げた。というのは、それまで道をつくってきた人の多くが”犠牲”になっていて、でも、有名になるのは、時勢に合ったものを発表した人達ってことでしょう。もちろん、道の上の全ての名前が消えることまた稀でしょう。 パラダイムシフトの結果というか、それまでの流れが程良くまとまったものを表すものとして”トータルフットボール”という言葉は使い勝手の良いものかと(文字通りtotal=合計ですね^^)。パラダイムがシフトしたことを証明する要素として、その概念出現以降、それを利用してアレンジしたものが多数出現すること、というものがあります。そう言う意味では、”トータルフットボール”はパラダイムシフトを果たしたものとして十分持ち上げられるべき概念でしょう。 「トータルフットボール」の言葉は二重三重の意味を持っていて、 1.ミケルス(あるいは同時期)のサッカーを示す。 2.攻撃サッカーの理想型を示す。 3.サッカーの内容の種別を表す。etc. などがあります。使い方もややこしい言葉ですね。 * 紅きダニューブのコリバノフ様のところでは、もっと詳しい事例が沢山あります。そして、いかにも現代サッカーの概念として初めて存在しました顔している”概念”のほとんどが過去に存在していることが分かります。 個人的には、だから、”トータルフットボール”がサッカーの歴史において目立つのではないか、と思います。それ以前に、ほとんどの概念は存在していて、トータルフットボールで一つになり、以降はそれの改良、再解釈を進めているだけなのではないでしょうか。 要するに、トータルフットボールは、終着点であり、出発点であるということです。(ま、改まって言うほどのことでもないですね) 私が系統樹をお願いしたのもこの辺の理由があったからで、過去の事例をたどれば、現在と似たサッカーというのが存在していて、それに対する対処法とか、次の世代のサッカーが存在している可能性が高い為なんですよね。 ■結論 トータルフットボールは、 1.わーわーサッカー(フットボールの原点)を、 ルールでしばって整理したものである。 遊びとフットボールを分かつものとも言える。 2.今まで存在した数ある概念を足し引きした 合計(Total)のサッカーのことである。 あるいは、概念に足し引きしたトータルである (そりゃ、永遠に辿り着かない理想だわ。。。)
posted by same_frequency |07:59 |
閑話 |
コメント(4) |
トラックバック(0)


