2008年09月15日
最終予選バーレーン戦 雑感とシステム概要
■スタイル ウルグアイ戦で見られなかった 前からの守備とネガティブトランジッション直後のプレスが戻ってきていて安心。 (まあ、ウルグアイの選手の方がより上手いので単純比較は難しいけど) 今回のバーレーン戦は、三次予選最終戦のバーレーン戦のパサー多用型ではなく、 オマーン戦(概ね3次予選のベース)を改良した感じ。 参考 http://www.plus-blog.sportsnavi.com/same_frequency/article/32 スタイルはカウンター主導で、連動して崩すというよりは、個人で局面打開(→ファール)が多かった。この辺は、先制点が早めに獲れたことも影響しているだろう。相手にボールを渡すことが多かったとも思う。 相手の退場後は、パッシブ(受動的な)・ポゼッションも見せた。(もうちょっと徹底しても良かったかも知れない)
■全体的に見て 初戦、アウェーということもあってか、 内田はそれほど上がらず、 阿部はそれよりもっと上がらず、3バックの形が多かった。 3列目の基本は、長谷部が高い位置まで飛び出していって、遠藤が中盤の底に残り、俊輔が高めの位置でゲームを作るのだが、この試合はかなり流動的であった。この際のキーマンは長谷部。俊輔、遠藤の状況に応じて、高い位置に出ていったり、低い位置に留まったりしていた。 3次予選初戦のバーレーン戦の3-5-2のイメージって今回のような感じだったのかなぁ、とも思ったり。。。 3列目の位置からDFラインの裏へのパスが結構出ていたのが好感。 FWがサイドに開き気味で、2列目中央も含めて、相手陣内に入ったとき中央がフリースペース(色んな選手が使うこと)になるのがより顕著になった。 それにしても、先制して、相手が10人になったってのに、まだ、流れの中から点をとれんか・・・ペナにも結構侵入出来ていたし・・・ (憲剛のシュートは単発って感じだったし・・・) ■左サイド オマーン戦と違う選手は「阿部」と「田中」。 これにより、主に”左サイド”の様相が変わった。 以前は、松井と左SB(駒野、長友)の関係は使う場所がかぶっており、やや機能不全であった。 今回は、田中がサイドに流れることで、多少松井とかぶるが 松井の方がよりサイドライン際、田中がペナ中央側を使っており、SBと松井との関係よりスムーズに見えた。田中と松井は縦にも若干ずれていることも機能性の好影響を与えたかも知れない。 松井が高い位置に残っていることも多く、玉田と含めて3トップのような形になることもしばしばであった。 左サイドのコントロール(ゲームメイク)は遠藤がやっているような、松井がやっているような・・・で、そのフォローを阿部、闘莉王が行う感じ。 左サイドは、個人技カウンターの機能性が強いサイドであった。 左サイドはまだまだ、改良の余地がありそう。 ■右サイド 左サイドが”個人技”に傾倒するような形になり、左SBの上下動が無くなったことで、サイドチェンジが減り、右サイドとの連動性の意味合いが変わった。 これにより、右サイドは俊輔システムの様相がはっきりしたと思う。 もっと言うと、左サイドとの連動性が減った、もしくは、長距離の繋がりによりサイドチェンジの際に左サイドに攻撃がチェンジしていたのが、それが顕著ではなくなった。 右サイドは、俊輔を中心に、長谷部、内田、玉田が動くといった意味合いが見てとれる。 玉田、長谷部、内田、俊輔と上下左右に動くので、なかなかごちゃごちゃ動いて、相手にとって捕らえにくかったと思う。 ■三列目の憂鬱 ・ボランチに啓太のようなタイプの選手を置かないこと ・前から当たる守備に連動して、ボランチが高い位置まで上がってしまうこと ・バーレーンが、ロングボールを多用すること 以上の理由より、DFラインの間とボランチの間が試合を通して空いていることが多かった。 このスペースは、CBが埋めるのを手伝っていて、阿部が下がり気味で3バックにしているのもこの事が関係しているかも知れない(3枚の内一枚が前に出ていっても、DFラインに2枚残る。ただ、普通に専門職のボランチを置いて置けばいいという考えもあるので一概には言えない) 1失点目のシーンはこのスペースがぽっかり空いていたことが原因だと思う。 試合を通じて、ボランチがこのスペースを埋める作業をする機会が少なくて、ディフェンダーが相手のマークのために、このスペースを埋める作業が出来ないときに、どうするか?ということを考えるシーンがなかったことがスペースを空ける原因になったように思う。 具体的には、今野が埋めるべきスペースだったと思うが、ボランチがそのスペースを埋める状況というのが、このゲームを通じて多分初めてだったことが、DFラインとの修正の不具合を産んだ可能性があるということだ。もちろん、今野自身が交代選手でゲームに慣れていなかったこともあるだろう。 それにしても、長いパスを通させすぎ。。。サイドの際から、見事にバイタルエリア斜めに素通りさせるようなパスを通されるのはどうかと思う。。。 今後も、3列目とDFラインは前から当たるという戦術の中で、このスペースをどうするかという憂鬱を抱えそうだ。 今野は長谷部の様に前に飛び出すことも出来るし、もっとディフェンシブな役割もできる。そして、SB、CBでもいざとなったら使える。 今野は、よりディフェンシブな意味合いで使ったのか、長谷部と似たような機能性を求めて使ったのかは知りたいところである。 チームの体幹である、ボランチを途中交代させたことはテストの意味合いが強いとは思う。 ■達也と大久保 田中が目立っていたので、大久保とどっちを使っていくのか楽しみ。 ■阿部 阿部は、CB業務、ボランチ業務、SB業務をこなせるまた、試合途中におけるシステム変更を可能にする自由度を得るための存在で、ベンチにしておくのがもったいないと思っているのかなぁ~ 今野でもはまりそうだなぁ ■憲剛の投入 この投入の意味は、パラグアイ戦と似たものだと思う。 パサーでフタをして、ボール回しを中心にしてしまえ、と。 まあ、3点リードで、相手10人、そのおかげで相手が守備を崩してくれるから、攻めちゃう気持ちはわからんでもないですが、なんかもっと徹底して回して、あとはシュートするだけ待ちのFWに渡すだけの形にして欲しかったな、と。難しいんだろうけど。 結構早めに裏を狙う形が多かった気がする。
■まとめ EUROのスペイン(2トップ裏へのカウンターとパッシブ・ポゼッション)とロシア(ショートカウンターからの攻撃)とオリンピック決勝のアルゼンチンのシステム(ちびっこFWがサイドに開き気味のところ)が混ざっているような感じに見えた(それだけ混ぜれば、何にでも見えるだろうけど^^)。 今後は、今回のシステムがベースになっていくのだろうか?
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posted by same_frequency |08:34 |
日本代表 |
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最終予選バーレーン戦 雑感とシステム概要
コメント投稿者ID :
興味深く読ませていただきました。
代表の選手の配置と組み合わせを見ると岡田マリノスのシステムを思い出します。
システムは4-4-2
ツートップにアン、久保(坂田)
左サイドは、ゲームメーカーの奥(中に入り気味)その後ろに縦の突破を狙うドゥトラ。
右サイドは、サイドに張り付く佐藤由紀彦、その後ろにユーティリティープレイヤー、ユ。
ボランチは、左に守備として那須(?)、右にボールを散らす役割として遠藤(兄)。
ついでだけど、CBは松田と中沢。
トップがちびっこじゃなく左右反対だけど、
奥=中村
由紀彦=松井
ドゥトラ=内田
ユ=阿部
遠藤(兄)=弟
那須=長谷部・・・うーん、こう比較するとここだけ鈴木がいいかも。
遠藤(兄)は由紀彦がサイドに張り付いてる分ダイナモとしても活躍してたけど。
岡田監督はこういうシステムを目指しているのかなと思います。サイドバックが右、阿部。左、長友or安田ではないこと。右のファーストチョイスが駒野ではなく、より攻撃的な内田であることの理由としても考えています。
どうですか?
posted by かわじ | 2008-09-15 10:06
最終予選バーレーン戦 雑感とシステム概要
コメント投稿者ID :
>かわじ 様
仰るとおり、確かにメンバー構成に似たものを感じますね。
ただ、ちびっこで、裏もしくは仕掛けるタイプのFWを二枚にしているので、攻撃のシステムは全く違ったものになっているでしょう。細かいことを言えば、ドゥトラがクロス主体だったのに対し、内田は自分で仕掛けることも出来ます。
そして、最大のポイントは、長谷部、遠藤のボランチコンビを主として使っていることです。
鈴木をいきたいところを長谷部、という所に、ここ最近の代表(岡田監督)の特徴が出ていると思います。
本文にも書きましたが、ボランチの守備的な役割は、CB(+阿部)にやらせたいのかなぁ、と思っています。
もっとも、今後変わっていくかも知れませんね。
posted by 管理人 same | 2008-09-15 11:58
最終予選バーレーン戦 雑感とシステム概要
コメント投稿者ID :
細かいというか、ある種の愛情を感じる分析ですね。(笑)
意外とというかなんというか、岡田ジャパンを評価している部分も大きいんですねsameさんは。
>パサーでフタをして、ボール回しを中心にしてしまえ、と。
ここらへん、ほんとにそうなんですかね。単に絶対能力を惜しんで(?)、使いどころを探し続けているだけに見えるんですけどね、憲剛に関しては。
今のところどこのポジション概念にも、特に当てはまっていないというか。
posted by アト | 2008-09-18 01:48
最終予選バーレーン戦 雑感とシステム概要
コメント投稿者ID :
>アト 様
>細かいというか、ある種の愛情を感じる分析ですね。(笑)
細かいっすか・・・そうですか。誰かにも言われました(^^;
本人的には、大雑把なつもりなのが質の悪いところです(長すぎ、とかもコメントに書かれたしorz)。
愛情は、岡田ジャパンに向いているようで、自分の分析の方に向いているような(笑) ので、なんか間違っていたら止めて下さいm(_ _)m
評価(分析)はしていますが、これで良い悪い、意味有る・ない、通用する・しないなんかは、なるべくblogに書かないようにしているつもりです。機能不全は考察しますが。
なんというか、私はチームの意図・やりたいことが何か”読むこと”をメインにしている、といった感じです。基本、意図を肯定する気も否定する気もないです。
加茂ジャパンはよく分からないですが、フランス以降、こんなに前からプレスを頑張る代表は初めてだし、ちびっ子FWをそろえているし、機構がより豊富だし、結構、初物づくしで、本番はどうなるのかというのが、楽しみで面白いとは思います。まあ、私がこうやって代表を追うのが初めてなのもあるかも知れません。
>パサーでフタをして、ボール回しを中心にしてしまえ、と。
これに関しては、「遠藤、俊輔を横並びにするとボールが前に出ない」と言った岡田監督のコメントから類推しています。
また、私の中で、オシムの時の憲剛ー遠藤を主体としたポゼッションチームの残像が消えていないんですね。そして、今の代表でも、まだ完全には消えていないとは思うんですよね。このチームのポゼッションのベースは、俊輔ではなくて、遠藤ー憲剛だと。
俊輔欠場の憲剛、遠藤健在の試合でもあれば、この論証の是非も考察できるかなと思っています。
「使い所を探している」というのは、有るでしょうね。
三次予選最終戦のようにパサーを中盤に4枚置くとか。さしあたっては、松井の代わりに誰を(山瀬or憲剛or?)出すのかってのが注目点になるでしょうか?余談ですが、阿部も使い所を探している気がします。
posted by 管理人 same | 2008-09-19 01:02
最終予選バーレーン戦 雑感とシステム概要
コメント投稿者ID :
>「遠藤、俊輔を横並びにするとボールが前に出ない」
ああ、なるほど、「フタ」というのは自軍に対するフタなんですね。
パス回しの起点を高くすることによって、押し込んで敵にフタをするという意味かと思って、そんな気の利いたことしてたかなあと疑問に思ってしまいました。(まあ結果的には似たようなことですけどね)
"パッシブポゼッション"というのもそこからの流れだと、理解しやすいです。
そんな、言わば(「前に出ない」という)障害を逆手に取った"深謀"があるかについては、まだちょっと半信半疑ですが。(笑)
>私はチームの意図・やりたいことが何か”読むこと”をメインにしている、といった感じです。
僕と似てると言えば似てますね。だから僕のなんかも評価して下さるんでしょうか。(笑)
一種のたとえ話なんですよね。"体(てい)"でストーリーを作ってみるというか。
例の浦和についての仮説なんかもそうですね。
ただあの時僕が混乱していたように、sameさんの本気度はちょっと分かり難い時がありますけどね。それともやっぱり全部本気なんてじょうか。
僕のは本当は、末尾に全部、「なーんてね」というのが省略されています。信じるか信じないかは、あなた次第。(笑)
posted by アト | 2008-09-20 12:34
最終予選バーレーン戦 雑感とシステム概要
コメント投稿者ID :
>アト 様
そっちの”フタ”だと思ってらっしゃったんですね。
そっちのフタは岡田ジャパンの通常業務ですね。
深謀って、そんな深いですかね??
点差と時間帯と疲労具合からボールを回そうという発想は、それほど考えを張り巡らさなくても出るような・・・
アトさんのストーリーは、分析内容はもちろんのこと、お話・読み物としても面白いので好きです。サッカー系書き物以外でも、モーニングetc.をあーゆー風に分析する人に会ったのは初めてだった(というか、他にいるんですか?)ので、衝撃を受けました。
本気度ですか?
考察、分析としては結構本気ですが、検証、証拠、再現性の提供と探索は大雑把です。思いつきを書いているだけとも言います。
例の浦和についての仮説ですが、仮説である・可能性があるという範囲で本気です。他の書き物も、”自分がそう見えた(概ね断定形で書いてあるところ)”の範囲で本気だし、”かも知れない(と末尾を締めているところ)”の範囲で本気です。
もっとも、推量形の確信のパーセンテージはあやふやで、”違うだろうなぁ””なーんちゃって””五分五分””ほぼ間違いない”のどれもを”かも知れない”で書いていることも多いです。
もちろん、信じるか信じないかは、あなた次第、というのは同じです(笑)。
posted by 管理人 same | 2008-09-20 15:28
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