2009年12月29日

起こせ!ジャイアントキリング! FC岐阜編 その5

こんばんわ。ひさおです。

前回の記事はこちらからどうぞ。
起こせ!ジャイアントキリング! FC岐阜編 その1
起こせ!ジャイアントキリング! FC岐阜編 その2
起こせ!ジャイアントキリング! FC岐阜編 その3
起こせ!ジャイアントキリング! FC岐阜編 その4


それでは続きです。



試合までまだ時間があったので、アウェーな雰囲気を体感しようと、岐阜のゴール裏を離れ、メインスタンドに単身のりこむことにしました。

sakatsuku6-133203.jpg


岐阜のゴール裏近くには、岐阜のグッズが販売されていました。
僕はユニフォームは着ていってたのですが、マフラーを持っていなかったので、購入。

そのマフラーをかけ、そのまま、メインスタンドの奥(名古屋側)にある、喫煙所を目指します。

この岐阜グッズショップを越えるとそこは最早、死地。

混んでいるコンコースはオレンジ一色。

ちょっとビビリつつも進んで行きます。

途中で、なにやら行列があったので、覗いてみると…



sakatsuku6-133204.jpg



写真ピンボケですいません。
なんと、天皇杯優勝カップが飾られてありました。

メインスタンド中央のコンコースあたりでしたが、
このあたりはまだ、家族連れが多く…
穏やかな雰囲気だったのですが…。


喫煙所は、このコンコースから階段を降りた、中二階のような場所にありました。


階段を降りた瞬間…


あたりを包む空気が変わります。



sakatsuku6-133205.jpg


喫煙所までの道には…

さっきまでの家族連れとはまた一風異なった方々が溜まっておいででした…。


さすがにここまで、とは正直…思っていませんでした。


喫煙所はここしかないので、岐阜の人も中にはいるだろうと、若干甘く見ていたのですが…

そこは、一面、鮮やかなオレンジ色で染まっていました。



……岐阜サポの格好をした人間は1人もいません…。



このゾーンはあまりに危険だ……


……ということで、ジャージを羽織り…完全にユニフォームを隠して行くことにしました……。


しかしそれでも、チキンな僕は緊張のあまり、思うように煙草も吸えず、逃げるようにしてその場を後にしたのでした。


やはり、相手側ユニフォームの集団の中に1人…という威圧感は半端ではありません。


間違ったアウェーの雰囲気の感じ方かもしれませんが…
岐阜のゴール裏に無事たどり着いたときは本当にほっとしました…。


sakatsuku6-133212.jpg


岐阜のゴール裏では、ダンマク張りなどの準備はすでに整えられ、
こうしたポスター(?)も貼られてありました。

ゴール裏で「手拍子」についてもわざわざ言及しているあたりに、これからのチーム、これからのゴール裏という雰囲気を感じます。


sakatsuku6-133213.jpg


▲瑞穂見参のゲーフラを掲げるサポーター

用意していただいている、自分の席に戻ってしばらくすると、俳優の照英さんに似たコールリーダーの方が現れ、「ミーティング」が始まりました。

コールリーダー(以下コ)「じゃあ、これから、ミーティングを始めます!!みなさん!もっと近くに集まってください!!」


岐阜側は、ゴール裏と言っても、跳ねて応援しそうな人たちは、ゴール裏の中心部に集まり、中心から離れると、
飛び跳ねての応援行為に参加しない方々が座って観ていました。


sakatsuku6-133214.jpg


コ「今日は、天皇杯、準々決勝!ようやく我々もここまで来ました!」


全員「オオオオオ」


コ「おそらく、奴ら(と言って名古屋側を指差す)は大変です!ビビッてます!」


全員「ははははは」


コ「もしも、俺達に負けたら、どうしよう、とビクビクしているに違いありません!!
俺達に負けたら、奴ら、恥ずかしい!
俺達だって、松本に負けたら恥ずかしいだろ?!それと同じだ!!」


全員「オイ!」


コ「いま、俺達には、失うものは、何もありません!」


全員「オイ!」


コ「だから、ここにいるみんなで、精一杯声だして、選手を後押ししようぜ!」


全員「オイ!」


コ「それで、元日、国立、その舞台で闘うためにも、この試合、一生懸命応援しようぜ!」


全員「オイ!」


コ「重要なのは最初の15分!とにかく最初の15分は、必死になって声だしていこう!15分で一気にたたみかけよう!」


全員「オイ!」


コ「エ、フ・シー、……岐・阜!!!」


全員「FC岐阜!!!!」


コ「エ、フ・シー、……岐・阜!!!」


全員「FC岐阜!!!!(ドンドンドドドン!!)
FC岐阜!!!!(ドンドンドドドン!!)
FC岐阜!!!!(ドンドンドドドン!!)
FC岐阜!!!!」


sakatsuku6-133215.jpg



コ「もう一度言います!!
今日、折角ここまで来たんですから、もっと中央に固まって!
みんなで!
みんなで、応援しましょうよ!!
今日は、なんのために来たんですか!!
応援しに来たんでしょう!!
それなら全員で固まって!
みんなで、声出していきましょうよ!
中央!!まだ、空いてます!!
まだ、入れます!!
みなさん、友達、知り合い、いたら、中央に引き込んで!
みんなで、応援しましょう!!」


コールリーダーのアツい声かけに、中央にいた人たちは、遠くにいるひとたちを自分達のもとにひき込むべく、動き出しました。

このあたり、僕がこれまで経験してきた、クラブとは違いました。

今まで行った、マリノスにしても、フロンターレにしても、東京にしても、ゴール裏とは有無を言わさず、応援しなければならない雰囲気がありましたが…

岐阜のゴール裏は必ずしもそうではありません。

もちろん、【ゴール裏にいる=立って、跳ねて、声を出して、応援する】ということを必ずしも肯定するわけではありませんし、いろいろなサポーターのスタンスがあって良いということはこれまでの経験上理解しているつもりです。

ただ、岐阜の場合は、まず、このゴール裏の雰囲気作りから行なう必要があるのだなあ、とコールリーダの必死の声かけから感じたのでした。

きっと、マリノス、フロンターレ、東京のそれぞれのゴール裏も、かつてはそうした道を通ってきたのだろうな…ということも同時に感じました。


そして、岐阜のゴール裏の中央で感じた雰囲気は「蝮」の名から想像されるものとは全く違う、とても暖かい空気。

コールリーダーの声かけも、一生懸命なのですが、終始笑顔で、その笑顔は引き込まれそうになるほど、魅力的でした。


G-styleのTさんは、最初に会った時にこんなことを言っていました。

Tさん「いろんなクラブのゴール裏を見ていらっしゃるようですけど、どうですか」


ひ「そのクラブによって特色があって一概には言えませんが…
外に対しての威圧感はすごく感じました。
もちろん、内側に入れば、みなさん良い人なのですが…」


Tさん「うちの場合は、威圧感、見たいなものはないかもしれません。
というかないです(笑)
岐阜は、まだまだサポーターを増やしていかなければいけません。
だから、ゴール裏では、みんなで応援できる雰囲気、一見さんでも、一緒に応援できる雰囲気を作り出さなければなりません。
だから、意識的に威圧した雰囲気は出さないようにしています。
ゴール裏=怖い、というイメージがついてしまったら、誰も寄り付けなくなりますからね」


「蝮」という名前を聞いて、そのインパクトから、忘れてしまいかけていましたが…
「蝮」は外に向けての顔で、それにはもちろん威圧感が必要だと思いますが、内側に対しては、あくまでも門戸を広く、穏やかに接しているのでした。

それも要因なのかはわかりませんが、ふと周りを見回すと、若い女性のサポーターが多いように感じました。
また、特定の選手個人を応援している、数人の女性グループも見受けられました。

これについて、何故なのかわからなかったので(といっても僕の思い過ごしなのかもしれませんが)体験後、別途Tさんにメールで聞いてみました。


G-styleとして、特定の層をターゲットに、普及活動を行なっているわけではない、とのご回答でしたが、
考えられる点として、以下のようなことを挙げてくださいました。

・選手に大学卒のルーキーが多いこと。

・小学生から高校生にかけて比較的効率的に招待券を配布したこと。

・普段の練習場所が非常に開放的なところが多く、練習後のファンサービスを選手それぞれが熱心に取り組んでいたこと。


・かなりの選手がブログで情報発信をしていて非常に若年層向けの表現でサポーターとの距離感を埋めていること。



若い選手が多く、ファンサービスに熱心、というのはおそらく要因になっているように思えます。
また、選手のブログを拝見しましたが、本当に多くの選手が、まめに更新しています。
こうしたことも地味ながらも、実は効果があったりするのかもしれませんね。

さて。
話が逸れてしまいましたが…


いよいよ、試合開始です。

選手入場と共に…

「日曜からの使者」(THE HIGH-LOWS「日曜日よりの使者」の替え歌)が厳かに歌われます。

全員「We are GIFU We are the GIFU ラララー ララララー
We are GIFU We are the GIFU ラララー ララララー」


そして、間髪いれず、チームコール。


コ「エ、フ・シー、……岐・阜!!!」


全員「FC岐阜!!!!」


コ「エ、フ・シー、……岐・阜!!!」


全員「FC岐阜!!!!(ドンドンドドドン!!)
FC岐阜!!!!(ドンドンドドドン!!)
FC岐阜!!!!(ドンドンドドドン!!)
FC岐阜!!!!」


試合開始前のこの高揚感が、最近病みつきになってきました…。


毎回そうなのですが、僕の応援は、まず、そのチームのチャントを覚えることから始まります。
跳びはね、手拍子を入れながら…聞こえてくるチャントから、まずは歌詞を覚えていきます。
リズム感がない僕としては案外、歌詞よりも手拍子を入れるタイミングの方が難しかったりするのですが…。

岐阜の場合、コールリーダーとの掛け合いのチャントが多くて助かりました。

たとえばこんな感じ。


コ「オーオーエフシーギーフ」


全員「オーオーエフシーギーフ」


コ「おーれーたーちととーもにー」


全員「おーれーたーちととーもにー」


コ「オーオーエフシーギーフ」


全員「オーオーエフシーギーフ」


コ「すべてをかけーたたかえー」


全員「すべてをかけーたたかえー」


全員「オーオーエフシーギーフ
おーれーたーちととーもにー
オーオーエフシーギーフ
すべてをかけーたたかえー」



僕の前で大声を張り上げてチャントを歌い、跳びはねるGさんに勇気付けられ、僕も精一杯の声援を送ります。


コ「さぁ胸を張って戦おうぜ 緑の勇者アーレー 」


全員「オー オオーオオーオオー オオ FC岐阜アーレー
オー オオーオオーオオー オオ FC岐阜アーレー
さぁ胸を張って戦おうぜ 緑の勇者アーレー」エンターテイナー)


コールリーダーのコールの振りを聞いていて思ったのですが…。
岐阜の選手が些細なミスをしたり、相手選手のラフプレイを受けたり、といったときに絶妙に新たなコールを入れてくる印象を受けました。

僕の勘違いだったら申し訳ないですが、そういったブーイングを送るようなシーンで、あまりブーイングが起きないようなムード作りをしているのかな、と感じました。


例によって試合展開はほとんどわかりませんが、前半、名古屋を相手に、決して引けをとらず、戦っていた岐阜でしたが…

前半終了間際の44分…。
ゴール前に飛んだクロスをケネディが頭で合わせて……
名古屋が先制。
一瞬の出来事でした。


しかし、岐阜のゴール裏ではこの失点に肩を落とすのではなく、逆に発奮し、さらに声を上げて応援が始まりました。


……が、間もなくハーフタイム。


しばしの休憩で体力を回復させ、後半に臨みます。


1点ビハインドの岐阜は、最初から攻勢に出ます。
それを後押しするかのようにサポーターもチャント攻勢。


コ「ネットを揺らせユラユーラー」


全員「ネットを揺らせユラユーラー、ネットを揺らせユラユーラー!」ネットを揺らせ)


買ったマフラーを回し、ゴールを呼び込もうとしますが…。
惜しいところまで行って、なかなか決まらない。


コ「いざ 今戦おう!」


全員「バモ岐阜バモ 友よさぁ行こう
ナダレろ 暴れろ 我等と
熱い気持ち バモ岐阜バモ
いざ 今戦おう」バモ岐阜バモ)


ヒザがガクガクしてくる。
しかし、選手達は、格上の相手のプレッシャーを受けながらも、必死で戦っています。
それに答えるように、サポーターはさらに声を張り上げます。

けれども、勝負は無常。
67分。
またもケネディによるゴールで名古屋2点目。






勝ちたい。




不意にそう思いました。


正直、僕は、岐阜というクラブに思い入れがあったわけではありません。
あくまでも取材、という体でゴール裏に参加していました…。


しかし、ふとそれを忘れたのです。


名古屋という強敵を相手に、2点を失ってもなお、諦めることがない、選手、そしてサポーター。
2点差をひっくり返して勝利を収める岐阜を見たい、と思ったのです。


しかし…
最終的にケネディにハットトリックとなる3点目を決められ、試合は終了。


瞬間、僕の目の前でGさんが崩れ落ちました。

こめかみに血管を浮かべ、号泣するGさん。

タオマフで口元を押さえ、声を発さない横の女性。

目を伏せるコールリーダー



これが負けるということなのか…。



前回、チャラ男さんは、ナビスコの決勝で負け試合を経験しました。


そして僕は、今回、初めて負け試合を経験したのでした。



試合後…
ゴール裏に挨拶に来る「緑の勇者」たち。

この試合が、今シーズン、最後の試合になってしまいました。


「ありがとう!!」


サポーターの皆は、口々にそう叫び、この日で一番大きな拍手が選手達に送られました。

残念ながら、ジャイアントキリングを起こすことは出来ませんでしたが、最後まで、だれひとりとして諦めることなく、全力を尽くしていました。

こうした気持が、ときとして、格上のクラブを圧倒し、または格上というところからくる油断と言う隙に入り込み、ジャイアントキリングが起きることもありうるのかも知れない、と感じました。


Gさんは、最後に、泣きながら、周りの人たちと強く握手をして回っていました。

僕もGさんと、健闘をたたえあい、その場を後にしたのでした。




ゴール裏の中央部を離れると、Tさんが待っていました。


Tさん「クラブからお土産をもらってきたので、どうぞ」


ということで、FC岐阜グッズの入ったお土産を持たせていただきました。


帰りの新幹線…
いつも、とても長く感じる名古屋から新横浜までの間……
全く記憶にありません。
体感時間1分ほどで、品川に到着していました(笑)


そうそう、いただいたお土産の中身は……
次回の総括編で明かすとしましょう。

というわけで。


起こせ!ジャイアントキリング! FC岐阜編

終了です。


次回は、総括編。
岐阜編の総括を以って今年最後の更新となりそうです。

それでは。


posted by ひさお |21:20 | 起こせ!ジャイアントキリング! FC岐阜編 | コメント(0) | トラックバック(0)
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