2007年08月07日

トータルフットボールについて少し勉強してみました

コリバノフさん、クライフさん、杉山さんのおかげでトータルフットボールという奴がだいぶ見えてきました。

  トータルフットボール(1)
  トータルフットボール(2)
  トータルフットボール(3)(4)

その後、私自身でも少し勉強してみました。『ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」』という本に当時の戦術について少しだけヒントが載っていました。この本はクライフ自身が語ったことを纏めたものですから信憑性は高いです。ただし戦術については彼の理想を語っているようなので、実際の試合を観た場合の印象とは違うはずです。当たり前のことですがクライフ自身も「サッカーに完璧なプレーはありえない」と語っているように、実際には理想どおりにゲームは進まないですから。

しかし残念ながらこの本では74年W杯についてはあまり言及されていません。戦術の基本は「全員がポジションにとらわれずに動く」「ボールがあっても無くても同じように走る」ことだそうですが、具体的な動き方についてはあまり述べられていません。

90分間動き続けることが出来るか?と言う疑問については、次のような答えが見つかりました。「FW、MF、DFの3つのラインは常に接近してプレーすべき」こうすることで空いたポジションまで5~10mだけ走ればよいのだそうです。これはアリーゴ・サッキがACミランで実践したゾーンプレスにも通じるのでは?と思います。

それと「ディフェンダーは守備に徹して、マークする相手をいかに確実にキープするか第一に考える。それが出来てこそチャンスがあれば攻撃に加わっても良い」とも述べており「全員がポジションにとらわれずに動く」よりも重視されていたみたいです。しかし実際に全員が各ポジションに課せられた役割をこなした上でポジションにとらわれずに動いていたわけではないでしょう。もしそうならプラティニの言葉「プレイヤーが完璧なプレイをしたら点は入らない。永遠に0対0」のとおり無敵だったはずからね。

「ディフェンダーは守備に徹して...攻撃に加わっても良い」と言うのはアヤックス・コーチ時代の考え方と混同して語ったのではないかとも考えられます。というのも、この本で語られているアヤックス・コーチ時代の戦術論が74年のトータルフットボールのイメージに反してポジション毎の役割を重要視しているからです。当時のアヤックスにおけるポジション毎の選手名と役割は以下の通り。選手個々の能力を戦術にフィードバックしています。

GKはメンゾで、前に出てフィールドプレーヤーとしてゲームに参加する。
CBの1人はライカールトで、「リベロ的に動き回る」(それしか書かれてません)
もう1人のCBはスペルボスで、「決まったエリアから離れてはいけない」(つまりバイタルエリアを見ろってこと)
SBは右がブリント、左がシローイで、「決められたスペースをカバーすること、攻撃には加わらない」
SHはボウタースとミューレンで、「ボールについて走りプレスをかけ続ける」攻撃時はWGと連携。
CHはボスマンで、CFとCBとの距離を保ちながらスペースを作る。守備時は最終ラインの前のスペースを見る。
ヴィンテルがCHに入ったときは豊富な運動量でプレスをかけボールを奪ったら素早い動きで相手を撹乱する。
WGはファントシップ(右)とビチュヘ(左)で、タッチライン際で相手と競り合い、オープンスペースを広く取る。
CFはファン・バステンで、相手の最終ラインを下げさせるなど。
相手のGKかDFがボールを持っているときはWGとCFで囲い込む。

以上、なんだか普通です。守備について重視しているようにも感じます。もちろんこれらの役割を果たした上でポジションを離れることが許されていたのだと思います。しかし、これだけを読むと、このときのシステムがファン・ハール時代のベースになっているのは明らかです。ヨハン・クライフの戦術から『自由』を奪ったのがファン・ハール流?


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追記

『1974フットボールオデッセイ』と『アヤックスの戦争―第二次世界大戦と欧州サッカー』を注文しました。

しかし、『サッカー、70年代の技術と戦術』(エリック・バッティ著)はAmazonで見つかりませんでした。;;

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Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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「ボルシアMGの栄光]
60年末から80年までの ダイジェスト映像です。
yahoo auctionsで気長に探してください。
70WC イタリアー西独  今年
見つけました。

ボルシアMG のノーカット試合ヴィデオは
販売されなかったと思います。

コカコーラ事件の試合
インテルに 7-1 の大勝。
この時のネッツァーも素晴しい。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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もうひとりはガンバ大阪のジークフリート・ヘルトでしたね。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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いろいろと課題を提示して下さり、ありがとうございます。予算の範囲内で出来るだけ資料を集めて勉強させていただきます。

「ボルシアMGの栄光」・・・Amazonでは見つかりませんでした。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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以下、またもや延々とすいません。

>トータルフットボールという奴がだいぶ見えて

あの文章はかなり流動性選好が強い独断ですからご注意を。
あとは杉本さんのおっしゃるとおり、まずは見てください、でしょうかね。
72西ドイツの方が楽しそうですけど。
わたしはBeta Hi-Fiで乗り換えて以来ED Betaまで一筋なんで、市販ものは見れないんですよ。ぜひイングランド対西ドイツをぉぉぉ。
おっ、杉山さんでなく杉本さんですよ。

>...アヤックス・コーチ時代の考え方と混同して...
そんなようなことだと思います。それをファン・ハールが継承したんですかね。たぶんそうでしょう。意固地に突き詰めるような方向で。

クライフは、ゲームの流れの読みも含めて天才だと思います。ベッケンバウアーはゴールを挙げることを除けばクライフ以上に天才だな、とも。
しかし「天才は、ただ靴を履いてプレーをするだけだ」みたいなことをエリック・バッティは言ってました。
プレイヤーでないクライフやベッケンバウアーはリアリストだと思います。
ちなみに、エリック・バッティは空想家ではありませんが、しかしロジカルに「サッカーの理想郷」を基軸とした姿勢を保ち続けました。

自分たちが天賦の才に多くを負ってプレーしたようには、コーチした選手たちにプレーさせなかった、それがクライフとベッケンバウアーです。観客の嗜好の変化やビジネスや、もろもろ外的要因もあったでしょうが。

わたしは「サポーター」ではなく、サッカーに興味を持つ見物人のひとりに過ぎません。
一度も目にしたことがないまま、サンパウロに負ける試合で初めてバルセロナを見たときに、かなり役割分担が決まってるなという点では落胆しました。「アヤックス・トータルフットボール復活」みたいなのを読んでからファン・ハールを見たとき、マスコミに憎悪に似た感じを持ったように思います。
86年メキシコ、ベッケンバウアーのチームがプラティニ、ジレスに負けるように願って中継を見ました(途中からはちょっと変わったんですけどね)。
どうしようもない90イタリアは...
エリック・バッティが書いてたのは、「優勝した西ドイツは確かに強かったが、ただそれだけのことだ」みたいな程度でした。笑・笑・笑。

えーと。
素晴らしい右バックだったシュルビアは、74年当時は綴りどおりにシュールビールと呼ばれてました。基本としては、確かに右側をオーバーラップしていきます。
でもどこでどうしたのか、戻って来ないクロルの左サイドに現れて、クロルの辺りまで上がっていったりもします。この時点での右サイドバックはCBのレイスベルヘンだったような。
ある種の規則はあったでしょうが、きつい束縛を感じさせるものとは思えませんね。何よりクライフ自身がディフェンダーからウィングまでこなしてます。そして彼だけ特別だから好き勝手にする、そうした印象を抱かせない、全員に磊落感があったのが74年のオランダです。

クライフがコーチしたチームはかつてのオランダとは別物だろうと思います。
サッキ監督は攻撃的な志向に加えて、極限の確実さを求めたんでしょう。前後のライン分割というだけでなく、縦方向もぎちぎちに固定したかったんですね。ACミランがクォリティあるチームなのに、今ひとつ手放しでおもしろがれなかったのはそんな部分だったような。
サッキ監督のイタリア代表を見てないころにエリック・バッティが褒めてるのを読んで、どういう点をよしとしてるのか疑問を感じた記憶があります。
でも米国ワールドカップを待たずにバッティさんは亡くなっちゃうんですよね。

「トータルフットボール」研究、続けてください。同時期の西ドイツも攻撃に関しては見逃せませんよ。そのうち「アヤックスの戦争」などについても語ってください。

そうだ、やっぱりクライフさんのクライフ選手論もうかがいたいですよね。クライフ監督論も?また別の見方もあるのだし。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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うおっ、なんと、凄く詳しいですね!
ダンナー、シモンセン、シュティーリケ、も、いいけれど、どうせなら。
あの無効試合、ネッツァー在籍時の 7-1 インテルは出回ってるのでしょうか?
どーせ私は見れないんですけど。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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ベッケンバウアー。包帯。

ミュラー。なんでそこに?

戦術的交代選手。リブダ、レール、グラボウスキー?

ファケッティ、マッツォーラ。そして
リベラ。いいとこどり。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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>「トータルフットボール」の亜種として、ネッツァーが抜けたあとのボルシア・メンヒェングラッドバッハもよさそうです。
縦のパス交換をしてるうちにいろんな選手が湧き出てくる、極めつけの攻撃的チームです。当時世界最高の指導者のひとりと目された職人、ヘネス・バイスバイラーの努力の結晶。
これは1975年あたりからの数年だから、日本人もよく知ってるはずだしビデオもあるのでは<

「ボルシアMGの栄光」
というビデオあります。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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コリバノフさん、ありがとうございます。
西ドイツ研究にも是非挑戦してみます。

杉本さん、ご指摘ありがとうございます。
名前間違えてスミマセン。

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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>西ドイツ研究にも

「トータルフットボール」の亜種として、ネッツァーが抜けたあとのボルシア・メンヒェングラッドバッハもよさそうです。
縦のパス交換をしてるうちにいろんな選手が湧き出てくる、極めつけの攻撃的チームです。当時世界最高の指導者のひとりと目された職人、ヘネス・バイスバイラーの努力の結晶。
これは1975年あたりからの数年だから、日本人もよく知ってるはずだしビデオもあるのでは?

Re:トータルフットボールについて少し勉強してみました

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サッカーニョさん

GKはメンゾで、前に出てフィールドプレーヤーとしてゲームに参加する。
CBの1人はライカールトで、「リベロ的に動き回る」(それしか書かれてません)
もう1人のCBはスペルボスで、「決まったエリアから離れてはいけない」(つまりバイタルエリアを見ろってこと)
SBは右がブリント、左がシローイで、「決められたスペースをカバーすること、攻撃には加わらない」
SHはボウタースとミューレンで、「ボールについて走りプレスをかけ続ける」攻撃時はWGと連携。
CHはボスマンで、CFとCBとの距離を保ちながらスペースを作る。守備時は最終ラインの前のスペースを見る。
ヴィンテルがCHに入ったときは豊富な運動量でプレスをかけボールを奪ったら素早い動きで相手を撹乱する。
WGはファントシップ(右)とビチュヘ(左)で、タッチライン際で相手と競り合い、オープンスペースを広く取る。
CFはファン・バステンで、相手の最終ラインを下げさせるなど。
相手のGKかDFがボールを持っているときはWGとCFで囲い込む。

このメンバーは 88ユーロの少し前。
ファンハール型です。
74オランダまたは72アヤックスとは
違います。

つづく

トータルフットボールについて少し勉強してみました

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― 1994年、対レアル 5-0 ―

試合はグァルディオラとロマーリオのもの。守備がさほど重荷でなかったクーマンも随所にいいパスを見せ、ほかの選手も整然と労働してました。
レアルではルイス・エンリケが奮闘し、プロシネッキとサモラーノも黙々とがんばったものの、どうにも見劣りがしました。さらに組織プレーにも難。実力差があります。そして中途半端にボール回しを追おうとするゾーン・ディフェンスなので、各所に門を開けてあげることになりました。

両チームとも非流動的サッカーですが、バルセロナの型枠にはまったようなポジショニングの方が目立ちました。
途中でポジションの入れ替えがあったので、却って固定的位置取りが際立ちます。これを客席から見渡すと、混沌感がなくて綺麗に整ったように見えるのではないでしょうか。
だいたい以下のように配置替えをしてたと思います。このことを流動的と言う人もいるのかも。


[A. 開始当初]
          10 ロマーリオ
          6 バケーロ     8 ストイチコフ
5 セルジ   11 ナダル   9 アモール
         3 グァルディオラ
  7 ゴイコエチェア 4 クーマン  2 フェレール

守りのときはアモールとナダルが退いてきて、グァルディオラを中心に六人で二重の守備ラインをつくり、バケーロもチェイシング。攻める際はナダル、アモールが前に進出して、バケーロともども細かく動く。
セルジは引き気味に広く開いた左ウィングで、始めは相手の右ウィング、ルイス・エンリケを追いかけることにも注意を払ってました。

レアルの方は。
           9 サモラーノ
                   7 ルイス・エンリケ
  11 アルフォンソ 10 プロシネッキ 8 ミッチェル
           6 ミジャ
  3 ラサ   5 サンチス 4 アルコルタ  2 ジョレンテ

そのうちに一点目が入り、けがをしていたアルフォンソがイエロと交替。あわせて右ウィングだったルイス・エンリケが左に移って、下記のような感じに変化。

           9 サモラーノ
7 ルイス・エンリケ 10 プロシネッキ 8 ミッチェル
          16 イエロ
           6 ミジャ


[B. 前半中途から]
          10 ロマーリオ
8 ストイチコフ   6 バケーロ 9 アモール
      11 ナダル    2 フェレール
         3 グァルディオラ
   5 セルジ    4 クーマン  7 ゴイコエチェア

バルセロナはレアルの布陣変更からしばらく後、フェレールを中央右寄りのミッドフィールダーに上げ、ゴイコエチェアを左から右に水平移動、空いた左サイドバックにセルジを下げる。
そして右にいたストイチコフを左ウィングへ固定し直し。
ゴイコエチェアはルイス・エンリケのマーカー扱いなのかと思いました。
このままで後半も開始。

トータルフットボールについて少し勉強してみました

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[A'. 後半開始後、しばらくしてから]
          10 ロマーリオ
          6 バケーロ   14 ラウドルップ
5 セルジ   11 ナダル   9 アモール
         3 グァルディオラ
  7 ゴイコエチェア 4 クーマン  2 フェレール

後半早々にクーマンのフリーキックで追加点。ファウルをもらった殊勲のストイチコフを引っ込めてラウドルップを投入。左ではなく、右ウィングへ。
フェレールを中盤から右バックに戻し、ゴイコエチェアは左バックへ戻し、セルジは引き気味の左ウィングに戻す。これで前半開始時のかたちへ。
相手のルイス・エンリケは左ウィングのまま。

レアルはしばらく後、ミジャと交替でブトラゲーニョが入り、サモラーノとふたりで前線に張るというよりも、動きまわってボールを引き出そうとする。
           9 サモラーノ
         14 ブトラゲーニョ
7 ルイス・エンリケ 10 プロシネッキ 8 ミッチェル
          16 イエロ
  3 ラサ  5 サンチース 4 アルコルタ  2 ジョレンテ

バルセロナはグァルディオラがときおりマーク役になる程度で、ポジションの組み替えは無し。
ブトラゲーニョは、フリーの決定的ヘッドをミスする。
間もなくグァルディオラの浮き球に、レアルが安易なオフサイドトラップ、三点目が入る。

バルセロナは徐々にラウドルップが内側に入り込むようになり、攻めが少し躍動的になる。
終盤近く、バケーロが出てイグレシアスが入る。アモールがバケーロの位置に上がったようだが、イグレシアス、ラウドルップ等を含めてポジションチェンジの組み合わせが表れる。


[C. 終盤]
          10 ロマーリオ
         9 アモール  14 ラウドルップ
5 セルジ       12 イグレシアス
         3 グァルディオラ
        11 ナダル
 7 ゴイコエチェア  4 クーマン 2 フェレール

ツー・トップ気味になったレアルに、ナダルを下げて対応。ゴイコエチェアが左翼を上がるようになり、イグレシアスは攻守に広く動き、ラウドルップも比較的自由に攻め、硬直していたポジショニングが少し崩れる。
ラサのトラップ・ミスとマーク・ミスが続き、四、五点目が入る。


このバルセロナは、2007年版に比して選手の質がだいぶ落ちるようなのに、組織的なプレーの透徹のおかげでかなり強い。オランダ型よりは選手間の距離が近いのがいいですね。

トータルフットボールについて少し勉強してみました

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…クライフ監督について少し勉強してみました…


>「ディフェンダーは守備に徹して...
>74年のトータルフットボールのイメージに反してポジション毎の役割を重要視
>守備について重視しているようにも感じます

まさに、そのような印象!

1993、94年ころのバルセロナの試合を再放送でいろいろやっています。二、三、眺めてみたところ、ポジション固定式の静的な「美しいサッカー」が非常によく表れた内容でした。上記『ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」』のご紹介で言及された内容に近似です。

ポジションチェンジを常用する攻撃という意味でのトータル・フットボール、その気配はほとんどありません。これと較べれば、2007年末のアーセナルの方がよほどトータル・フットボール的だと言えます。
しかしコメンテーターの方々は「流動的な攻撃」と仰ることがたびたびだったかなと思います。まあ、単に楽しんでいる雰囲気でしたから、中身はご覧になってないでしょうが。

もしかすると、四連覇の初期段階、あるいはその前の時期、流動的と言いたくなるようなサッカーをしていたことがあって、それが先入観となってしまい、固定的なスタイルでやっている試合でも勘違いして見てしまうということなんでしょうか?

来月も再放送するらしい1994年初頭の対レアル 5-0 の試合、これはロマーリオがいるときなので、ポジショニングが固定的になりがちかもしれません。ラウドルップが入ると攻撃は活性化する傾向にありましたから。
しかし1996年の、フィーゴ、ハジ、ポペスクがいる試合でも同様に固定的でした。どうやら役割固定の安定志向が基本のようです。アヤックス監督期もそうだったのではないでしょうか。つまり選手時代のスタイルとはまったく別物、監督としてのクライフは、今につながる新世代オランダ型散らばり流派なのだということです。

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