2006年10月23日
シューマッハー引退に際して
彼の最後のレースは4位だった。不運なレースではあったが、観る者を魅了する走りだった。 考えてみれば、彼があのように後方から猛追するレースは、ここまでものものはあまり無かったはずだ。02年や04年に圧倒的な強さを見せていたときは、スタート直後から殆どカメラに映らないレースが殆どだったし、それ以外でも常にグリッド上位から、首位争いをしていた。 そうなる印象というのは、やはりフェラーリの車が壊れず、故に常に安定した戦いをしていたこととなる。勿論それを作り上げたのは、シューマッハ。90年代前半の低迷していた時期から無敵軍団へとフェラーリを作り上げたのは、シューマッハーその人である。ジャン・トッドやロス・ブラウンらも、彼に魅了されて仕事を共にしたという点では共通している。 それらの強力なパートナーと共に、“壊れないフェラーリ”を作り上げた。完璧な信頼性で他を圧倒し、マシンの信頼性が物を言う現代F1のトレンドを確立したもの、彼の功績であろう。 その一方、シューマッハー絡みでは彼の“陰”の部分も思い起こされる。代表的なものとして94年アデレード、97年ヘレスというチャンピオン決定がかかったレースでの疑惑の接触がある。他にも99年鈴鹿での手抜き疑惑、02年オーストリアでのチームオーダー、04年モナコのトンネルでの謎の接触、そして今年のモナコ予選・・・・・・ そういった一種の“危うさ”を内包しているのが、偉大なチャンピオンドライバー、そして人間としてのミハエル・シューマッハーであった。特に面白いことを言うドライバーではなかったが、人間味溢れるチャンピオンであった事は確かだ。 7度のチャンピオン、90を越える勝ち星、総ポイント100点越え、ポールポジション68回、ファステストラップ76回、ポールトゥウィン40回・・・・ とにかく彼が残した業績は輝かしいものばかりで、次にこれを越すドライバーはそうそう現れないであろう。半世紀ほど前のドライバーと比較するのは難しいが、間違いなく歴代最高のF1パイロットだと言える。 改めてシューマッハに敬意を表すとともに、来年から“新しい時代”が始まるF1が楽しみである。
posted by Alan Hetarade |19:28 |
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