2010年03月13日
中村の効果と心配なベルマーレ 【横浜Fマリノスvs湘南ベルマーレ】
Yokohama F Marinos 3-0 Shonan Bellmare 【Y:21.Yuzo Kurihara, 61.Kazuma Watanabe, 90.Kenta Kano】 スタジアムに着いたらすごい人だったもんで思わず前回の日記のような事を書いてしまったのですが、最終的な入場者数は32,000人余りということで、そんなに凄まじく多いというわけではありませんでした(苦笑) とんだ見込み違いで・・・・ 見たところ、自由席はほぼ埋まっていたものの、やはり指定席がそんなに入っていないかな、といった感じでした。まぁ、マリノスのホームゲームはチケット代もやや高め(自由席で2,200円)ですし、そもそもあのスタジアムはすごく見難いですからね。そんな中で3万人超えというのは、よく入った方でしょう。 キックオフ前のイベントでは、時速200kmのFKが放てるという、FKマシン「カストロール1号」が登場。レーシングスーツにヘルメット姿、という仰々しい人が3,4人くらい出てきて操作していましたが、いざボールを放つとこれがまーすごいスピードで吹っ飛んで行って、ピッチの対角線上に100mは飛距離が出てるんじゃないかというくらい飛びました。もっとも、こんなもの作っても実用性は全く無いんでしょうけど(笑) ※実際のところ、「ワールドカップを盛り上げるために日本独自の挑戦として」作られたらしいです。つまり完全にネタモノってことですw■中村は右サイド さて、両チームのスタメンについて。 湘南は、開幕戦と全く同じメンバー。フォーメーションは4-3-3で、GKは野澤。4バックは右から阪田、村松、ジャーン、島村。中盤は坂本、永田、寺川の3人で、前線は右に馬場、左に新居、そしてセンターに田原という3トップ。 対する横浜は、3人を入れ替え。GKは飯蔵、バックラインは中澤、田中に加え、CBには栗原が復帰、RBには波戸が起用されました。小椋は中盤にポジションを上げて兵藤と2センターを組み、左に山瀬、そして中村俊輔は右サイドでの起用。2トップは渡邉と長谷川アーリアとなりました。 ■高いライン下がらせた、中村の展開 TV放送でどの程度伝わっていたか定かではありませんが、今日の横浜は強い南風が吹きつけ、日産スタジアムの中もものすごい風でごみが舞っている状態でした。そしてその風は、前半で言うと湘南の陣からマリノスの方へ流れていました。 風上に立った湘南は、序盤ラインを高めに設定し、横浜のラインの裏へロングボールを放っていきます。開始10分くらいまでの横浜はこの風によるボールの伸びをいまひとつつかみ切れず、やや混乱するシーンが幾つか見られました。 しかしこれを打破したのが、中村俊輔の展開と突破。中村は技術力で湘南の選手を圧倒し、ドリブルすればかわせる、パスの展開は良いところに出せる、さらにタックルをすればボールを奪取できるといった感じで、ほぼやりたい放題にやっていた感がありました。6分には山瀬のクロスから珍しくゴール前に走りこんでシュートを打つなど、積極的な攻めの姿勢を見せます。 その結果、湘南のラインは徐々に自分たちの裏のスペースが気になったか、横浜がボールをキープするとずるずると下がってしまうようになります。一方で前線の3トップは生粋のストライカータイプの選手ばかりが揃っているので、そんなに極端に下がってくるわけでもない。その結果、中盤が完全に間延びしてしまい、かなり好き勝手にマリノスにゴール前までボールを運ばれてしまうようになります。 ■うまくいかない湘南の軌道修正 21分、右サイドで波戸が粘り、マリノスがこの試合初めてのCKをゲット。このボールを中村が蹴ると、ファーサイドで栗原がドンピシャで合わせ、マリノスが先制。攻めながらこれ以上点が取れないとすこーし嫌な感じがしてくる時間帯だっただけに、攻勢の中で良い時間帯に点を取ることができました。 26分、島村が突然強烈なロングシュート。枠をとらえた良いシュートでしたが、ここは飯倉がセーブ。31分には中澤のFKを渡邉がフリックオンし、裏へ抜け出した長谷川が決定的なシュートを放つも、果敢に飛び出してきた野澤が素晴らしいセーブを見せます。 湘南はロングボールが封じられ、今度は細かく繋いでマリノスを潰そうとしますが、如何せん守備に意識を取られ過ぎたがために3トップの選手にボールが入ったところで中盤の選手が殆どサポートできず、数的有利をまったく作れないままボールを奪われる、という展開が続きます。 前半のラスト15分ほどはマリノスもややペースダウンし、湘南も何度かチャンスを作ります。38分、島村のクロスに田原が頭で合わせるも、枠をとらえられず。これが初めてボックスの中で放ったシュートとなりました。41分には馬場が極めて消極的なプレイでカウンターからのチャンスを潰してしまいます。アディショナルタイムには、マリノスのミスを突いて高い位置でボール奪取に成功。馬場がクロスを上げ、ファーサイドでフリーになっていた新居がGKと1対1となる決定的なチャンスを得ますが、ここは飯倉が素晴らしいセーブで事なきを得ます。 ■ラッシュをかけるも・・・・ 後半開始の辺りから、やや風が舞い始めます。それを見ていた・・・・というわけではないでしょうが、後半開始後すぐに永田がロングシュートを放つなど、湘南が攻勢に出ます。 しかし49分に、カウンターから上がってきた栗原が枠をとらえた素晴らしいロングシュートでゴールを脅かすと、この湘南のラッシュはあっさり終了。また中盤でスペースが空き、そこをマリノスが支配する・・・・という前半の30分までと同じような展開になります。 61分、山瀬がドリブルで突っかけて阪田を振り切り、左足でシュート、一旦は野澤がこれをセーブしますが、そのこぼれ球を渡邉が押し込み、ゴール。その後も横浜がゲームを支配し続けます。 湘南は馬場を下げて中村祐、馬場を下げて阿部を投入しますが、まったく効果なし。対する横浜は80分前後に長谷川、栗原、そして中村俊輔を下げて阪田、金井、狩野を投入するという、余裕の交代を見せます。 もはや湘南の気力も尽きた90分、右サイドを駆け上がった狩野が「シュート!」というスタンドからの大きな声援と共に右足を振りぬくと、ボールは一直線にゴールネットに突き刺さり、スーパーゴールでダメ押し。結局マリノスが3-0で勝利しました。 ■中村の“生き方””活かし方” 中村俊輔が入ったマリノスがどうなるのか、という事がこのゲーム最大の見どころでしたが、まずは良いスタートが切れたと言えるのではないでしょうか。 まだチームに合流して10日余り、本人のコメントにもある通り綿密な戦術を練っているというよりはまだ何となくプレイしているという感じでしたが、それにしても相手が湘南だったという事はあるにせよ、技術面では相手選手を常に圧倒。代表戦を見る限りコンディションは悪くなさそうでしたが、Jリーグでも良いスタートをきることができました。 中村はポジション上は右サイドに入っていましたが、やはり代表と同じくほぼプレイメイクに徹している印象で、ある程度自由にポジショニングを取っていました。しかし今日のマリノスが良かったのは、決してその中村に依存して過度にボールを集めることなく、彼を経由せず山瀬のドリブル突破や中澤の展開によってゴール前まで攻め上がる形も作っていた事。 少し前の日本代表で起こっていた現象ですが、いちいち中村を経由させてボールを展開するために、そこでリズムの停滞、マンネリ感が起こり、相手からすると単調な守りやすい攻撃になってしまう。中村に依存するとそのような現象が起きがちです。確かに中村の展開力は魅力ですが、それだけに依存してはいけない事も重要。そういった点では、マリノスには突破力のある山瀬にボールを預ける方法、或いは長谷川や渡邉といった強い選手にボールを当てる方法・・・・などなど、その他にも攻めのオプションがあるだけに、今後如何にそういった攻撃手段を組み合わせていけるかという事が重要になっていきそうです。 ■技術的にも戦術的にも叩きのめされた湘南 対する湘南にとっては、全くと言っていいほど何もできなかった、悪夢のような90分となってしまいました。 手元の集計では、マリノスのシュートは26本(うち枠内シュートは10本)。対する湘南のシュートは、ゲームを通じて5本(枠内3本)。島村のロングシュートや新居が1対1となったシーンなど、まったくノーチャンスというわけではなかったものの、それ以上に内容的に叩きのめされてしまいました。 まず誤算だったのは、試合開始すぐに中村の展開力を恐れてかずるずるとラインを下げてしまい、中盤が完全に間延びしてしまったこと。引くなら引くで、前線の選手も引いてくればスペースを潰した守備ができるのですが、湘南の3トップはどちらかというと前線に張り付いているタイプの選手。その結果、前線とバックラインとの距離が非常に長くなり、中盤の選手たちはその間の広大なスペースでどっちつかずのプレイに終始し、ここで完全にマリノスに主導権を握られてしまいました。 今日のゲームを見る限り、1対1の場面で湘南の選手はマリノスの選手たちに圧倒されていました。このように技術力に差がある場合、如何に組織的に守っていくかということがまず重要になってくるわけですが、この試合を見る限り反町監督にどの程度のゲームプランがあったのか、疑問に思わざるをえません。 馬場、新居という新戦力を生かした3トップにしたい気持ちは分からなくもないですが、その3トップの生かし方もよく分からない。中盤でつなごうとしているようにも見えましたが、4-3-3というフォーメーションでの最大のリスクとも言える中盤の厚みの無さが、各選手の脚をさらに引っ張り、ただでさえ個々の技術的に厳しいのに各局面で数的有利も作れず、ただただボールを奪われるのみ・・・・という展開が続きました。 まだ開幕2戦ですが、昨シーズン15位の山形にホームで引き分け、そしてほぼやりたい放題に横浜にやられての惨敗ということで、戦術の見直しは避けられないところでしょう。ただ、今日のベンチ入り含めてのスカッドを見ると、そもそもストライカータイプの選手が非常に多い頭でっかちな状態で、中盤及びバックラインの選手層の薄さが、すでに致命的ともいえるような気が・・・・ 湘南にとっては、非常に厳しいシーズンとなりそうです。
posted by Alan Hetarade |17:51 |
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