2008年04月30日
Manchester United 1-0 Barcelona
【MU:14.Paul Scholes】
◆大きな山を越えたユナイテッド◆
正直、後半の記憶が断片的なものしかないのですががが(笑)
まぁなんにせよ、ユナイテッドが勝利して決勝進出。国内では安定した成績を誇る一方、ここ数シーズン、CLでは苦杯をなめ続けていました。グループステージでの敗退も経験し、そしてあの最強と謳われた昨シーズンですら、ミランの前に完璧にしてやられました。
迎えた今回の試合も、バルセロナがここに来てメッシの復帰もありにわかに調子を戻してきたこと、そして直前のゲームでルーニーとヴィディッチという絶対的な選手2人が怪我をしてしまうという、ユナイテッドには不利な条件がいくつかありました。しかしそれを跳ね除けての決勝進出。今日の試合でも、新戦力のハーグリーヴス、ナニといった辺りが、怪我人の穴を完全に埋めるとまではいかなくとも、与えられた仕事は着実にこなしました。
昨シーズンはパク・チソンやネヴィルの離脱後は一部の選手が出ずっぱりになり、ミラン戦を迎えた段階で明らかにパフォーマンスが落ちていたのですが、こういったところで控えの選手がしっかりフォローできるようになったことが、この勝利に繋がったと言えるでしょう。
◆スコールズが挙げた“1点”以上の成果◆
開始直後はメッシを中心としたバルセロナの前にユナイテッドはたじたじ、攻めに移ろうにもボールの出しどころが無く・・・・といった状態でしたが、そんな状況を打破したのがスコールズの一撃でした。
あの得点シーンをミクロ的に見ると、まずロナウドがこの試合で前を向いてボックスに近づいていった、ほぼ初めてのシーンだったと言っていいでしょう。結果的にはつぶされましたが、しかし諦めずにディフェンスに行った。ロナウドは後ろ向きに下がりながらのディフェンスはやりませんが、前を向いてのディフェンスであるならばけっこうガツガツ行くんですよね。で、相手のクリアーミスを誘い、それを受けたスコールズがすばらしいミドルシュートを決めました。
このようなロナウドの積極的な姿勢が得点に繋がったと思うのですが、スコールズのシュートももちろん見事でした。正直、今シーズンのスコールズのパフォーマンスは昨シーズンほどではなかったように思えたのですが、やはり精神的な主柱となれる選手がゴールを決めたのが大きかった。昨シーズンも確か、どの試合かは忘れましたがCKからのボールが流れてきたところをボレーで叩いて決めたすごいシュートがありましたが、今シーズンはああいうミドルも影を潜めていましたからね。それがこの大舞台で出るとは、さすがと言うしかない・・・・
あれ以降、リオ、スコールズ、キャリックという、中盤以下でパスの供給源となる3人のボール捌きが、明らかに変わりましたからね。そういう点では、単なる数字上の“1”という数字より、もっと大きいものを、スコールズはユナイテッドにもたらしたと言えるでしょう。
◆名実ともにヨーロッパの頂点へ◆
バルセロナについてぜんぜん書いていないわけですが、まぁそれは筆者の趣向というか、普段見ていないってことで(笑) そういう人間があんまりごちゃごちゃ書くのも、おこがましいでしょうしね。
ただ一つ言えるのが、昨シーズンから最強といわれ、リーグ戦での2連覇にも手がかかっているユナイテッドが決勝に進出したというのは、至極妥当な結果ではないのかと。残念ながら今シーズンのバルセロナが頂点に立つような戦いをしていたかというと、それは違うでしょうからね。一昨シーズンのバルサなんかはまさしく名実ともにヨーロッパの覇権を握るにふさわしいクラブだったわけですが、今やその座にはマンチェスター・ユナイテッドが着こうとしている、となるでしょう。
となると、もう一つの試合ではチェルシーが勝つべき・・・・となるんですけどね。いやまぁ、私はリヴァプールを応援するわけですが、チェルシーが勝ったほうがあらゆる意味で自然な形となりますし、決勝戦も盛り上がりそうですからね。正直、レッズがユナイテッドに勝てるとは思えないので・・・・・
なので、心情的にはレッズ応援ながらも、興行的にはチェルシーが勝ったほうが良いかなぁと思っているのです。ま、こう思っておけば、勝っても喜べるし負けても諦めがつく、っていう補完ができるわけですけれども(笑)
posted by Alan Hetarade |12:27 |
UEFAチャンピオンズリーグ |
コメント(10) |
トラックバック(0)
2008年04月30日
今、NHKスペシャル“ミラクルボディー”の第3回、ハイジャンプ 翼なき“天才”を見ました。
この番組は、各競技のトップアスリートを多角的に分析、解説するドキュメンタリーです。スーパースローカメラを使った、“瞬間”の技術の分析、また身体的なデータの計測、練習内容のピックアップ、そして各選手へのインタビュー等から、トップアスリートがどのようにしてその競技をこなしているのか、とても詳しく解説されています。
第1回は100m走にスポットを当て、アサファ・パウエルを中心に、タイソン・ゲイとの走りの比較や朝原宣治との身体的なデータの比較を行い、また身体能力でゲイを上回るパウエルがなぜ世界陸上ではゲイに負けたかということも、メンタル面から解説していました。第2回は水泳のマイケル・フェルプスの特集で、彼の泳ぎのメカニズム、その根底にティーンエイジの頃の厳しいトレーニングがあったこと、またフェルプスが行っているトレーニングに日本記録保持者である佐藤久佳がチャレンジした様子や、佐藤のストレートアームについても、スーパースローカメラを使って解説していました。
そしてこの第3回は、タイトルにもあるように走り高跳びの特集。アテネオリンピック金メダリストで、現役選手としては最高の記録を持つスウェーデンのステファン・ホルム、そして昨年、競技生活僅か1年半で世界陸上の金メダルを獲得したバハマのドナルド・トーマスの2人にスポットが当てられました。
あまり詳しい内容を書くことは一応避けておきますが、垂直飛びの比較、科学的な理に適ったホルムの跳躍の分析、一方自らの身体能力を生かして飛ぶトーマスの跳躍の分析、幼いころからハイジャンプに憧れてきたホルムの思い、そして直近の試合で自らのジャンプを改造しようと試行錯誤を重ねるトーマスの“変化”、・・・・などなど、とても興味深い内容でした。自分はハイジャンプという競技には疎いのですが、この番組は非常に楽しく見ることができましたし、第2回で水泳が取り上げられた時にも目からうろこの話の連続でしたから、その競技を知らない人でも経験者でも、誰もが楽しめる番組構成になっていると思います。
・・・・で、べつに私はNHKの回し者というわけではありません(笑) ただ、この番組は自分にとって、やたら新鮮なものだと感じられました。少なくとも、スポーツドキュメンタリーとしては、珠玉の出来とも言える番組です。
じゃあなんで、これまで見てきたスポーツドキュメンタリーと呼ばれる番組に比べ、この番組が優れているように思えたかという事を考えてみたのですが、それはこの番組が、心・技・体の全てをフォローしているからではないかと思いました。
この番組は、表向きはスーパースローカメラを使った“技”の解説、データの測定や同じくスーパースローカメラを使って示される“体”の解説がメインとなっています。しかしそこに上手い具合に選手のインタビューや試合の模様を取り入れることにより、“心”の部分も非常によくクローズアップされています。例えばパウエルの場合には、世界陸上前夜のプライベートな彼の映像や、走っているときに感じていた事をパウエルが応えるインタビューを元に、それらの感情が実際に世界陸上決勝での走りにどのような変化をもたらしたか、写真を通して解説することにより、“心”が“技”と“体”に与えた影響を解説しています。
スポーツではよく“心・技・体”という言葉が使われます。それは、スポーツでベストなパフォーマンスを発揮する上で、これら3つが全て万全な状態にあることが必須であるためです。いくらこのうちの一つが優れていたからといって、べつの一つが劣っていれば、勝利は遠のきます。この3つのバランスが取れ、いずれも高いレベルにある選手が、素晴らしい結果を残すのでしょう。
ただ、短い時間で視聴率を稼ぎたい場合、TVのドキュメンタリーというのは大抵の場合、“心”に入れ込みすぎる傾向にあるように思えます。先日、某深夜のニュース番組のキャスターが北島康介にインタビューしているものを見ましたが、アレなんかは完全に“心”の部分のみがクローズアップされているものの典型と言えるでしょう。まぁその心の部分でも、アスリートの思いとかを到底無視した質問をそのキャスターは連発していたわけで、こんなくだらない質問にもきちんと答える北島はやっぱり人間が出来ているというか、対応もプロフェッショナルだよなぁ、なんて感心したりしたわけですが(笑)
今回のNHKの番組は相当に手間とお金をかけているので、特に番組の制作費が著しく違ってくるであろう民放の番組に、このレベルを求めるのは困難なのかもしれません。ただ、どうにもお涙頂戴路線に大衆を導きやすく、それがためにスポーツの本質から離れているように思えるマスメディアの報道が多い中、この番組はスポーツドキュメンタリーの“あるべき姿”のようなものを体現しているのではないでしょうか。
posted by Alan Hetarade |01:47 |
陸上競技 |
コメント(2) |
トラックバック(0)