2007年02月04日

勝負を分けた“経験”の差 ~別大マラソン~

我慢比べを制して優勝したのは、藤田敦史だった。惨敗した福岡からわずか2ヶ月間での参戦だったが、見事なレースだった。

藤田自身、厚い殻を破る走りが出来た。そのための会心のガッツポーズだっただろう。優勝となると、ソウル以来だろうか?とにかく長い長い期間、レースに出ることすら出来ないでいた。一昨年あたりから本格的に復帰したものの、完全復活には程遠い走りが続いた。だがここで一つ勝負を制することが出来たのは、非常に大きい。

ゲブレシラシエの助言を得て出場したという今回のレース。レース後のインタビューでも語っていた通り、負けて元々といった感じで気負うことなくレースに挑んだことで、逆にリラックスして序盤からスムーズにレースに入っていけた印象を受けた。対する佐藤敦之は、今度こそ勝とうという思いが強すぎた分、やや肩に力が入っていた。

私は今日のレースに臨んだ時点での状態は、佐藤の方が上だったと思っている。では何故、佐藤は藤田の前に屈したのだろうか。



勝敗を分けたのは、スパートでの駆け引きに対する考え方だった。ここに、今日の藤田と佐藤の決定的な差があった。

「“野生のカン”でスパートした。」という藤田は、先にも書いたとおりもう何年も前にではあるが、福岡とソウルで優勝している。そこで得た経験から、ここが勝負どころだということで身体が自然と反応した、という事だろう。引き離すタイミング、そしてその後の突き放し方が絶妙だった。

対する佐藤は、実績ある選手ではあるものの、優勝経験は無し。これまでのレースでは30キロ辺りから中途半端に先頭集団を引っ張ってしまい、有効なスパートを自分からかけることが出来ず、そのうちに他選手がスパートしてしまい、その前に沈む、というレースをしていた。

そのため今日は誰かがスパートしたらそれに対応し、最後の最後に自分がスパートをかけようという作戦だった。だがあまりにもそれに固執しすぎてしまった。結果的にではあるが、30~35キロくらいで佐藤がスパートしていれば、藤田が勝てたかどうかは疑問である。これまでの苦い経験から学んだ上での“結論”であり、確かにそれは間違っていない考えではあったものの、それにこだわりすぎて勝負どころを見失ってしまった。佐藤の場合、経験は経験でも、もはやトラウマのような感じになっていたのだろう。

勝った藤田は見事だった。まだスピードは物足りないものの、ほぼ完全復活といって良い、何か精神的に吹っ切れたレースだった。対する佐藤は、またもマラソンで苦杯を舐めた。駅伝であれだけ良い走りをする佐藤も、マラソンではここまで何度も苦戦するのかと、改めてマラソンというものの難しさを実感させられた。

posted by s_co_log |17:03 | 陸上競技 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2007年02月04日

06~07 FAプレミア 第22週レビュー 2/3

Liverpool 0-0 Everton
前回はエヴァートンがリヴァプールを完膚なきまでに叩きのめしたマージーサイドダービー。霧が立ち込めるアンフィールドが舞台だった。エヴァートンはジョンソンの1トップ。対するリヴァプールはカイト、クラウチ、ベラミーの3トップで試合に臨んだ。

試合開始直後はかなり人もボールも激しく動き、6分にハイバートが強烈なシュートを放ったものの、これはレイナの正面。10分には左サイドでディフェンスラインの裏へ抜け出したベラミーがそのまま中へ自分で持ち込み、シュート。ゴールネットを揺らし、リヴァプール先制・・・・と思われたのだが、これはオフサイドだった。互いに好機を作ったものの、前半はスコアーが動くことは無かった。

後半に入るとリヴァプールの一方的な展開となり、エヴァートンはボックス周辺に選手を固めて、そこからまったく前へ出ることが出来なくなってしまう。しかしリヴァプールが攻め続けても、最後の“崩し”が無く、完全にどつぼにはまってしまう。

クロスボールはことごとく跳ね返され、クラウチは再三に渡って空中戦でのフィジカルの弱さを見せ、パスを繋いで突破しようにも人数をかけて守るエヴァートン守備陣をこじ開けられない。逆にカウンターからジョンソンが見事なフェイントでDFをかわし、決定的なシュートを放つが、これはレイナがセーブ。こうして明らかにリヴァプールが支配していた後半にも点は入らず、結局引き分けとなった。

今日のリヴァプールは完全に悪い流れになってしまっていた。得点を奪えるときはいとも簡単に数点入ってしまうが、一度取れなくなるといくら攻めようが取れない時があるのが、このチームの少し恐いところだ。それにしてもクラウチはあれだけ上背がありながら、あまりにエリア内でのフィジカルの攻防において、弱すぎる。あれだけの長身で体重が増えれば身体からキレが無くなってしまう可能性もあるので、一概にどうしろとは言えないのだが、もう少し競り合いに勝とうという根性を見せてもらいたいものだ。


Middlesbrough 1-1 Arsenal
共に「年が明けてから負けが無い」ということで、好調同士の対決。結果的にはお互い無敗記録を伸ばすこととなった。バチスタまで居なくなってしまったアーセナルだが、ひとまずスタメンは普段どおりだった。

前半はまずミドルスブラがペースを握る。とにかく一貫して左サイドのダウニングにボールを集めて攻撃を組み立てるものの、アーセナルの組織的な守備を崩すことは出来ない。すると徐々に主導権はアーセナルへと移るが、こちらも決定機はあまり無かった。ロシツキーとアンリの良いシュートはあったものの、いずれも枠外だったりキーパーにセーブされたりした。

後半に入ってもアーセナルのペースで試合は進んでいたのだが、61分にボロのGKジョーンズがゴールキックを蹴った。これをトゥーレとヴィドゥカが競ったのだが、ヴィドゥカが勝ち、ボールはアーセナルのラインの裏へ。反応したのがヤクブで、決定機になるかと思われたのだが、センデロスがヤクブを倒す。判定はPKで、センデロスは一発レッドカードで退場。さらに判定に怒ってボールをたたきつけたレーマンにもイエロー。

このPKを冷静にヤクブが決め、ミドルスブラが先制点を挙げる。1人少なくなってしまったアーセナルは、選手交代はせず、ジウベルト・シウヴァをセンデロスのポジションに下げ、4-3-2という布陣になる。対して1点をリードしたミドルスブラだが、ここで守りに入る事はせず、攻撃の手を緩めない。

77分にはエリア内でボールを受けたヴィドゥカが素晴らしいボールコントロールでジウベルト・シウヴァをかわし、シュート。ボールは枠内に飛んだが、レーマンが懸命に左手を出してボールを外へ弾き出した。こうしてCKを得たミドルスブラだったが、このボールはレーマンにキャッチされる。

ここで勝負を分ける出来事が起こる。スローイングをしようとしたレーマンだが、一瞬躊躇したのがあだとなって、明らかに片足がペナルティエリアからはみ出してしまう。ボロの選手が即座にアピールしたが、なんとこれを審判が見逃してしまった。しかもそのレーマンのスローイングから一気にボールが前線にフィードされ、アデバヨールがこれを落とし、走りこんだアンリがあっさり同点ゴールを奪ってしまう。この後は互いに決め手を欠く展開となり、サウスゲートも最後は引き分けで満足といった感じで、ロスタイムに選手交代。こうして試合は終わった。

全てを決したのは、あのレーマンの凡ミスを審判が見逃した瞬間だった。あそこでFKとなっていれば、同点ゴールも生まれなかったのだから。それはともかくとしても、アーセナルは10人になってからよく戦った。思えばCL決勝でも10人になりながら先制したし、先日のブラックバーン戦では快勝した。意外と1人減ったアーセナルと戦うのは、相手にとって難しいことなのだ。

対するミドルスブラも、引き分けとはなってしまったものの、非常に良いゲームだった。徹底してボールを預けられたダウニングのプレーは素晴らしかった。またヴィドゥカとヤクブの2トップの出来が良く、この2人が好調であることが躍進の原動力となっているのは明らかだ。ヤクブはこれで11得点、ランキング3位にまで浮上してきた。

強いて言うなら、中盤の選手が2トップをサポートする動きがやや少ないように感じられた。この2人を追い越す動きを見せ、シュートを積極的に打てる選手が1人居れば、さらに凄まじい爆発力を見せられそうなのだが・・・・・


Charlton Athletic 0-1 Chelsea
ここ最近、メンバーと布陣が固定されてきたチャールトン。負けはした者の1失点ならば、上出来ではなかろうか。得点者はランパード。なおわずか5分間ではあるが、テリーが復帰を飾っている。

Watford 0-1 Bolton Wanderers
1月は遂に勝利が無かったボルトンだが、2月は幸先良いスタートを切った。前戦で負傷交代していたアネルカが得点した。

Fulham 2-1 Newcastle United
引き分け地獄にはまっていたフルハムだが、実に8戦ぶりの勝利。後半に2点を奪った。

Blackburn Rovers 2-1 Sheffield United
22分にペデルセンが決めてブラックバーンが先制するも、すぐさまステッドのゴールで同点に。そのまま時間が流れてしまい、88分にはウォーノックが2枚目のイエローカードで退場。非常に苦しい状況に陥ったブラックバーンだったが、ロスタイムにチームを救うゴールを挙げたのはペデルセンだった。

Manchester City 0-2 Reading
レディングの勢いが止まらない。ドイルを欠いたが、後半にリタがダブルを達成し、アウェー戦ながら快勝。引き分けを挟んで4連勝で、遂に6位に浮上した。

Aston Villa 1-0 West Ham United
またも3トップを採用したヴィラが、ヤングのアシストからカリューが決めるという理想的な形で得た1点を守った。カリューは今度こそ、正真正銘のプレミア初ゴール。アストン・ヴィラが面白くなってきただろうか。

Wigan Athletic 1-0 Portsmouth
マッカロークのゴールで遂に8連敗という泥沼からウィガンが脱出。18位ウェストハムとも5ポイント差をつけた。一方ここに来て急激に失速しているポーツマスは、7位に転落。背後にもエヴァートンやブラックバーンが迫ってきている。

posted by s_co_log |01:33 | FAプレミアリーグ | コメント(4) | トラックバック(0)
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