2007年01月27日
ミシェル・プラティニに期待すること
さて、既にご存知でしょうが、ミシェル・プラティニが新しいUEFAの会長に選出されました。この若い新会長に期待する事はファンとして色々ありますが、それを少し書き起こしてみます。所詮は月並みな事しか書きませんが、このタイミングで起こっている問題などを記事にしておくことも必要だと思うので、敢えて月並みな事を書かせていただきます。
~チャンピオンズリーグ改革~ プラティニが公約として掲げた項目である。単純に言ってしまえば、今のところ少数の大国が支配する大会となっているCLを、より多くの国のクラブに開き、欧州サッカー全体の発展を促進させようというものである。 確かに今年のグループステージ突破チームを見るだけでも、それは明白である。私は現在の各国リーグは、次に挙げる3つに分かれていると考える。 3大リーグ=イングランド イタリア スペイン (CL決勝T出場チーム:チェルシー マンチェスターU リヴァプール アーセナル インテル ローマ ミラン バルセロナ レアル・マドリード ヴァレンシア) 8大リーグ=上記3国+ドイツ フランス オランダ スコットランド ポルトガル (CL決勝T出場チーム:バイエルン リヨン リール PSV セルティック ポルト) その他 (CL決勝T出場チーム:なし) 確かにUEFAポイントではオランダとロシアが競っているという話題もあったし、3大リーグのチームなども予備予選で敗退していたりする。またFCコペンハーゲンやCSKAモスクワ、AEKアテネあたりの健闘も、予選リーグでは光った。UEFAカップでは昨年、ステアウア・ブカレストがベスト4に進出している。 しかし結局は、3大リーグから本戦に出場したチームは全て勝ち抜いた。また8大リーグの各国チャンピオンがそれぞれ突破し、結局“残った1枠”をモノにしたのはリールだった、というだけのグループリーグだった。勿論結果的に、ではあるが、結果としてこれでは、あまりに極端すぎる。 確かにこういった大会が、真の実力を競う大会ではあるべきだ。だがそれゆえに、あまりにも一部の国に全てが集中しすぎている。これなら、10カ国くらいだけでCLをやればいいことになってしまう。それではいつか、興味が薄れてくるはずだ。但しこの問題を解決しプラティニの目指すCLを実現するには、次に挙げる問題も密接に関係してくる。 ~各国間格差の穴埋め~ 先の3大リーグや8大リーグ等の問題もそうだが、まずそれ以前に、雑誌の受け売りではあるが、東欧では未だに八百長が蔓延している実態がある。結局のところ、フットボーラーも元はサッカーを好きで始めた人間であり、八百長などしたくないのが殆どだろう。そういった有力選手がこぞって西欧の資金力あるクラブに引き抜かれ、東欧のクラブが骨抜き状態になっている。 そんな状態なら、西欧のクラブが東欧のクラブを圧倒するなど、当たり前である。普段行っているリーグ戦の質がまず違うし、戦う選手ですら、東欧のトップ選手が西欧のチームでプレーするのだ。西欧から東欧に行く選手はそうそう居ないから、もうこの時点で勝負は見えている。そして更にその西欧のクラブの中に、金を大量につぎ込んで選手をかき集めるメガクラブがあるのだ。 こうして見ると、今すぐ小さな国のチームにCL出場のチャンスを与えたところで、まったく勝負にならない。まずは各国リーグのあらゆる質を上げ、選手が“おらが国”でプレーする事を誇りに感じるような環境を作らなければならない。その土壌作りからしていかなければ、東から西への選手の流出は止まらないだろうし、上に挙げたCL改革も実現しない。 ~人種差別、サポーターの暴力問題~ では西欧のリーグも今のままで良いかというと、まったくそんなことはない。ピッチ内外で度々問題になる人種差別発言や野次。そして最近目立つ、サポーターが暴徒と化し、選手が負傷したり死者が出るほどの問題となる場合だ。 人種差別は論外として、サポーターが暴力的になっている点は、個人的に非常に危惧している。昨年もHSVの選手がスタンドから物をぶつけられて負傷したり、発炎筒か何かがジーダを直撃したシーンなどは、非常にショッキングだった。今年になっても、フェイエノールト、PSG、ADOデンハーグといったチームのサポータがピッチになだれ込んだり街中で大暴れしたり、ローマでAEKアテネのサポーターが刺されそうになったり・・・・・と、問題が耐えない。 先日セリエAのインテルvsフィオレンティーナの試合を見ていたのだが、フィオレンティーナのサポーターがスタンコビッチにペットボトルを当てるというシーンがあった。スタンコビッチが遅延行為をしたことは確かだが、当たり前のようにスタンドから物が投げ入れられるという現状は、非常に残念である。 個人的には、人種差別、サポーターの暴徒化という2点において、一番“安全な”国は、現状ではイングランドだと思っている。そもそも多国籍軍のチームが多く、アフリカ系の黒人選手も数多くプレミアではプレーしている。スタンドを見ても女性や子どもの姿も多く見受けられるし、男たちも熱狂的ではあっても紳士の振る舞いをしている。 フーリガン発祥の地とされ、どうしてもダーティーなイメージが付きまとうイングランドだが、今のスタジアムを見れば、どこも素晴らしい雰囲気で試合が行われていることが分かるはずだ。彼らが努力したかどうかなど私は知らないが、イングランドのスタジアムでサッカーを観たいとは思っても、イタリアやフランス、オランダ辺りで見るかといわれれば、少しためらうだろう。全てをイングランド化する必要はないが、各国リーグがイングランドのような感じであってほしい。
これらの問題はどれも難しいものばかりであり、また解決するには非常に多くの手間、時間がかかる。しかしそれでも、どれも解決しなければならない問題だ。プラティニの掲げる理想はあまりにも高いが、実現することを諦めてしまっては、そこで全てが終わりだ。新会長に過度な期待をしてはいけないが、しかしそれでも一ファンとしては、彼に頑張ってほしいと願っている。
posted by s_co_log |23:59 |
欧州サッカー全般 |
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