2006年12月12日

クラブワールドカップの意義

一昨日より、FIFAクラブワールドカップが開催されている。この大会は今年で2回目、厳密に言えば3回目の開催で、ここまでの2試合を見た限り、少なくとも昨年よりは観客も集まっているように思われる。余談だが、私も決勝戦をスタジアムにて観戦する予定だ。

しかしこの大会について、「欧州と南米以外の代表チームのレベルが低すぎる」といった指摘、それに端を発し「こんな大会は開催すべきではない」といった論調が多く見られる。中には、このスポーツナビ+で圧倒的なアクセス数をたたき出している某ブログの方のように、かなり過激な表現で批判する人もいる。

だが昨日の記事にも書いたが、私は現行の形での大会開催に賛成する人間だ。但し予め誤解を得ないように書いておきたいが、この大会はまだ始まったばかりであり、様々な評価が出るのは当然のこと。それらをぶつけ合い、この大会の方向性を模索していくのが、正しい道だと思われる。この大会を否定するのにもそれなりの理由はあるのだろうから、それを否定する事はしない。

その前提の上で私の意見を述べさせてもらうが、ここまで2試合を消化したわけだが、この2試合は無意味な試合だったのだろうか?という事。実力としてはアル・アハリとクラブ・アメリカが勝ち抜くだろうと言われており、実際その通りになった。しかしどちらの試合も、前半はスコアレスであった。

その上、昨日の試合では後半開始直後に試合を支配していたのは全北だったし、オークランドシティも押し込まれていたとはいえ、岩本がなかなかのFKを放つなど、まったくのワンサイドゲームというわけではなかった。特に、全北の健闘は素直に称えるべきである。

そして昨年の試合も、思い出していただきたい。準決勝、リヴァプールはデポルティボ・サプリサを相手に3-0と完勝したが、サンパウロはアルイテハドと3-2と、あわやという試合を演じられた。しかも決勝では準決勝で苦戦したサンパウロが勝ち、3位決定戦では準決勝で歯が立たなかったサプリサが勝利している。こうしてみると、多少のワンサイドゲームはあったにせよ、昨年からかなり競った試合を展開していた。

これで一概に、大陸間の実力格差云々ということは、単純には語れないことが分かるはずだ。まだ今年の準決勝は行われていないが、特にクラブ・アメリカに関しては、初戦で隠したままだった“爪”を見せるかどうか、注目されている。それは前線のメンバー、そして交代投入されたモスケーダの活躍を見ても、期待される。

そして単純に試合内容のみならず、大陸間の王者が激突するという点に、私はこの大会への大きな魅力を感じるのだ。

そもそも一昨年までのトヨタカップのように、2チームのみで“世界一”を決めていたのでは、世界的なスポーツとしてのサッカーという観点から見れば、ナンセンスであろう。クラブワールドカップという場を作り、世界中でプレーするフットボーラーに平等にチャンスを与えることによって、各地域の選手のモチベーション増加に繋がり、自ずとサッカーの発展に繋がる。

アル・アハリは2年越しでようやく1勝を挙げた。オークランドシティ相手にあの内容で、賛否両論はあるが、少なくとも昨年の「優勝のみを目指して」日本に来て2連敗した彼らは、世界の壁を痛感した。居の中の蛙ではなくなり、そこから努力して、ようやく今年1勝した。また準決勝で南米の壁に跳ね返される可能性は高いが、そういう事を何度も繰り返していくうちに、アフリカのクラブが強くなることだって充分にありえる。

それはアジアや北中米、そしてオセアニアにも同じことが言える。アマチュアチームが参加する点についてであるが、ああいう“おらが町のチーム”が世界一を夢見て、アップセットを夢見て試合に挑むことにも、価値がある。この大会が元でオセアニアのサッカーが発展する可能性もあるし、彼らも壁に繰り返しぶち当たることによって、得るものは大きいはずだ。

そういう点からすると、私としては出来れば、現行の6チームのみによって“真の大陸間王者”を決める戦いに、クラブ・ワールドカップというものをしてほしい。開催国枠などを認めていては、私が以上に挙げたこの大会のメリットは、失われてしまうと考えているからだ。

忘れてはならないのは、ワールドカップに初出場したチームがいきなり優勝することなど有り得ないように、クラブワールドカップでも、いきなりの大幅な勢力図の塗り替えなど不可能であるという事。しかしある程度我慢すれば、大会としての面白みがより一層増す可能性は充分にある。少なくとも目先の試合結果だけを見るのではなく、今後数年はこの大会を見守り、方向性を模索してくことが必要だし、我々ファンもその点を肝に銘じて、観戦すべきである。

posted by s_co_log |22:59 | 欧州サッカー全般 | コメント(0) | トラックバック(1)
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2006年12月12日

06~07 FAプレミア 第15週 12/10

Chelsea 1-1 Arsenal  
特に後半、急に試合展開が早くなった。更にいろいろなことが起こったが、とにかく見ごたえがあり、試合終了の笛を聴いた瞬間、何とも言えない気分になった。

前半について語る事は殆ど無い。チェルシーがややボールを支配していたものの、試合としては停滞していた。しかし後半に入ると、まずは両者が良い位置でフリーキックを得て、そこから一気に試合が動き出した。

そしてあの、ドログバとレーマンの接触である。センデロスのドログバへのプレーはかなり際どいものだったが、それに対してドログバが文句を言ったところ、レーマンがドログバを押した。更にドログバもレーマンを肩で小突き、あわや、というシーンになった。けっきょく喧嘩両成敗で両者イエローカードとなった。ほかにも両チームの選手がヒートアップするシーンは多々有った。

その後レーマンについては、ランパードとも少しやりあうシーンや、ドログバに対してあわやPKという場面もあった。また終了間際にボールをファンブルし、危うく失点を喫するところだった。CL決勝でも退場してしまったが、あの辺りの精神的な“波”があるのが、レーマンである。欠点ではあるが、もはや変えられない性格なのだろう。

チェルシーがやや押し気味に試合を進めていたが、ここでアーセナルが先制。フラミニ→フレブ→フラミニ→フレブ→フラミニと、中央のフラミニと右サイドのフレブのわずか2人でパスを交換し続け、チェルシーの選手を4人ほどひきつけ、シュートコースが空いたところでフラミニがシュート。イラーリオはボールに触ったが、止め切れなかった。
チェルシーのディフェンス陣はわずか2人の選手に対し、操り人形のように翻弄されていた。全員がボールを見てしまったのは、チェルシーらしからぬ失態であった。イラーリオも、触っていただけに悔しい失点だったはずだ。

しかしすぐさまチェルシーも反撃に転じ、今度は汚名挽回とばかりにアシュリー・コールがインターセプト。ここから前線に展開し、ランパードが下げたボールにエッシェンがミドルレンジから強烈なシュート。これにレーマンも素晴らしい反応を見せたが、ボールはレーマンの指先をかすめ、サイドネットに突き刺さった。スーパーゴールである。今年のハイライトにも入りそうな、すごいシュートだった。

その後はチェルシーが攻め続け、終了間際にクロスバーに当てるなどしたが、結局は引き分けに終わった。


勝ちきれなかったチェルシー、という印象がある。基本的にはボールを支配し、3度ほどポストやクロスバーに嫌われた。ホームという点、マンチェスター・ユナイテッドとの勝ち点差が8に開いてしまった点とあわせて、つくづく残念であろう。

しかしロッベンとS・ライト・フィリップスを投入してから、見違えて動きが良くなった点には、注目する必要がある。ロッベンが左から、ライト・フィリップスが右からドリブルで仕掛け、再三チャンスを作った。今日は特に、A・コールは、得点シーンでは良い攻め上がりを見せたが、殆ど攻撃面で見せ場を作れずにいた。
そして何より、ロッベンとライト・フィリップスにはA・コールやジェレミには無いスピードがある。ひとまず後半になってこの2人を投入するのが、しばらくチェルシーの“形”となりそうである。今日はシェフチェンコとジェレミが交代となったが、誰と交代するかという点は、その日の2トップの調子や、先発メンバーによるかもしれない。もし右SBでブラールスが出ているようなら、A・コールを替える可能性もあるだろう。

とはいえ、チェルシーは勝てなかった。特に失点シーンで、ディフェンスラインが完全にアーセナルの2人に翻弄されていたのは、少し心配である。あのあたりのやや不安定なところが、なかなかマンUを追いきれない要因なのかもしれない。

対するアーセナルだが、CLのポルト戦に引き続き、最終ラインの不安定さが目立った。しばらく最終ラインには苦労することだろう。前戦ではジュルが非常に不安定なプレーを見せたが、今日はセンデロスにそれが起こってしまった。更にクリシーも守備面では安定しているとは言いがたく、ギャラスが戻ってくるまでは少し辛抱が必要かもしれない。

それにしても、ジウベルト・シウバの守備面での貢献は目を見張るものがある。はっきり言って攻撃ではしょっちゅうボールを失うなどあまり良いところは無かったが、不安定な若いDF陣をカバーするように、決定機を何度も防いだ。また精神的にも、彼がチームメートをなだめるシーンを何度も見せるなど、ひとまずキャプテンとしての役割を果たしていると言えよう。つくづく、ブラジル人らしからぬプレーヤーである。


NEWS:West Ham sack Pardew
ウェストハムのパーデュー監督が解任された。昨シーズンはFAカップで準優勝し、テベスとマスチェラーノを獲得して、アシュトンが代表に招集されるなど今季の躍進が期待されたが、ふたを開けてみれば怪我人も居るとはいえまさかの降格争い。あれだけの面子を抱えてこの成績では、解雇も致し方ないだろうか。

posted by s_co_log |00:27 | FAプレミアリーグ | コメント(5) | トラックバック(0)
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