2008年07月05日

ピアソル、フェルプス、そしてトーレス・・・ 【アメリカ選手権6日目】

では今日も行きますよー、アメリカ選手権も6日目、いよいよ残すところあと3日となりました。


6日目(7月4日)
◇男子50Frで8年ぶりにアメリカ記録誕生◇
男子50m自由形の予選で、カレン・ジョーンズが21.59を記録。8年前、シドニー・オリンピックの際にゲーリー・ホールが出したアメリカ記録21.76を、じつに8年ぶりに塗り替えました。また2位に入った世界水泳の金メダリスト、ベン・ウィルドマン・トブリナーも、21.68と従来のタイムを上回る記録で泳いでいます。

そして準決勝では、ウィルドマン・トブリナーが21.65を記録し、わずかながら自己ベストを更新して1位通過。差のない21.71でジョーンズが2位となっています。またゲーリー・ホールも21.94で4位となり、決勝進出。ほかにジェイソン・レザックも順当に駒を進めています。

ウィルドマン・トリブナーとジョーンズは世界水泳の1-2コンビですが、この種目は今年に入ってオーストラリアのイーモン・サリヴァンが21.28というとんでもない世界記録を出しているだけに、2人としても何とかそれに迫りたいところ。決勝ではアメリカ記録近辺が、優勝争いになるでしょう。

◇レベッカぶっちぎりで優勝も、2番手以下は低調◇
女子200m平泳ぎは、予選から強さを見せていたソニ・レベッカが2位以下を2.5以上引き離す圧巻の強さで優勝。そのタイム、2:22.60ということで、これはなかなか。ただ2位のアマンダ・ビアードは2分25秒台で、正直こっちはたいしたことありません(笑) どうも今回、タラ・カークの件といい、女子200m平泳ぎはパッとしませんでしたね・・・・

結局メーガン・ジェンドリックも、2:27.85というどうってことないタイムで5位に終わってしまいましたし。100mで代表権を獲得して、気が抜けたんでしょうか。

◇ピアソル、世界記録と同タイムで優勝◇
ミスター・バックストロークと呼んでいいであろうアーロン・ピアソルと、そのピアソルに昨年の世界水泳で何年かぶりに土をつけた上、世界記録で優勝したライアン・ロクテ。100mは混戦模様でしたが、200mはこの2人の一騎打ちになりました。

序盤からピアソルが積極的にレースを展開し、150mのターンで0.20ロクテをリード。ところが最後の50mでロクテが鬼神の追い上げを見せ、最後はタッチの勝負に。しかし僅か0.02の差でピアソルが逃げ切りました。そのタイム、1:54.32。なんとロクテの世界記録とまったくの同タイム。

う~む、これは北京でもこの2人の争いからは目が離せませんね。150mのラップまではピアソル、ロクテともに世界記録のペースからは遅れていたのですが、ラストに2人で叩き合ったせいか、そこから一気にピアソルが世界記録まで伸びてきました。本番でもおそらく他のヤツなんか関係ねぇ、って感じでこの2人の一騎打ちになるはずなんで、そこでの記録更新も期待できますね。というか、ぜひ見てみたい(笑)

◇フェルプス、今大会2つ目の世界新◇
この日のフェルプスは100mバタフライの予選をこなし、そして夜は200m個人メドレーの決勝レースに登場。相変わらず何も突っ込みどころがないくらいのばかっ速さで、1:54.80の世界記録を樹立し優勝。2位にはその僅か30分前に背泳ぎで死闘を繰り広げたロクテが1:55.22で続きました。おそらくこちらも自己ベストかと。

じつはフェルプスはこの30分後、100mバタフライのレースに登場し、51.10で余裕を持って1位通過しています。まぁこのレースに関してはイアン・クロッカーともども、まだまだ余力を残してのタイムですが、しかしフェルプスといいロクテといい、よくもまぁ30分の間に2つのレースをこなして、そこで最高レベルのパフォーマンスをそろえてきますわな・・・・ 常人には理解しがたい感覚です。

◇ダラ・トーレス、なんと優勝!◇
もはやおなじみ41歳のダラ・トーレスですが、女子100m自由形で53.78を叩き出し、優勝!すっげー、としか言いようがないんですが(笑)

よく水泳の選手というのは歳を取るに連れて、スプリンター方向にシフトしていくんですよね。50mのスプリンターというのは持久力がなくても瞬発力だけでこなせますし、筋力トレーニングが上手く行っていれば、水中練習の量を減らしても速さを維持できる。だから30代くらいのベテラン選手が、50m種目には多い。ところが100mとなると、スピードだけで押し切ることはできない。持久力が必要になってきます。こうなると、年齢の影響を受けやすい。

ところがトーレスの場合、41歳になっても持久力が衰えるどころか、むしろ増してるんですからね。普段どんな練習をしてるのか知りませんが、とにかく常識はずれとしか言いようがないんですよ・・・・ う~ん、ホント信じられないなぁ。もうとにかく驚くしかないですね。41歳にもなって競技へのモチベーションがあることだけでも、驚異的ですけど。

posted by Akan Hetarade |14:26 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年07月05日

男女平泳ぎで波乱続発 【アメリカ選手権5日目】

なんか更新する時間が毎日遅くなって申し訳ありませんが、その分“痒いところに手が届く”レビューを目指したいと思います(笑)

それではアメリカ選手権の5日目、行ってみましょう。


5日目(7月3日)
◇タラ・カーク惨敗、200mも予選落ちで北京への道が絶たれる◇
既報のとおり、女子100m平泳ぎで3位に終わり、同種目での北京オリンピック出場の可能性がなくなっていたタラ・カーク。どちらかといえば100mが得意な選手とはいえ、昨年の世界水泳では200mでも8位に入っており、こちらでも充分に代表権は狙える存在でした。

ところが、この日行われた女子200m平泳ぎの予選、有力どころが順当に突破を決める中、カークは序盤からスピードに乗れず。2:33.74と自己ベストから7.5ほど遅れる低調な記録に終わり、何と32位ともはや論外と言えるような順位で予選落ち。これによって、北京オリンピックの出場は無くなってしまいました。

う~む、100mでの敗退後には流石にショックを隠しきれないような文章をブログに綴っていたわけですが、その流れを引きずってしまいましたかね・・・・ とにかく意外としか言いようが無い。準決勝や決勝で負けるのならともかく、予選で・・・ しかも記録が記録ですからね。これは驚きだなぁ。

因みに準決勝では、レベッカ・ソニが自己ベストを更新する2:23.05でトップ通過。2位はアマンダ・ビアードで、メーガン・ジェンドリックも4位で決勝に進出しています。100mで優勝したジェシカ・ハーディーは100m自由形で代表権を狙うため、200mには出場していないみたいです。

◇ハンセン4位、200mでの北京出場はならず◇
既に日本でも大きく報道されていますが、ブレンダン・ハンセンが磐石と思われた200m平泳ぎの決勝レースで、4位と敗退。この種目での北京オリンピック出場を逃しました。優勝したのは若手のスコット・スパンで、タイムは2:09.97。2位にはエリック・シャントゥーが入りました。

レース序盤はまずまずのスタートを見せたハンセンですが、100-150のところで33.55かかってしまい、一気に2位以下の選手に詰め寄られます。ハンセンが良い記録を出したときは最後の50mのラップが33秒台キープで来ていたのですが、この日はここから大失速。なんと36.15もかかってしまいました。

このレース、ハンセンのペースに付いていくようにシャントゥー、そして最終的には3位になったスコット・アッシャーがハイペースで飛ばしていったわけですが、いずれもラストの50mで失速し、ラップが35秒台になっています。そして優勝したスパンのみが序盤から自分のペースを守り続け、50-100、100-150、150-200のラップを全て33秒台にまとめています。スパンは150mのターンでは4位だったわけで、そう考えるとハンセンの負けも、戦略ミスと言い切れない事も無いかと。

とはいえ、普段のハンセンならこれくらいの150mのラップで回ったとしても最後の50mを33秒台でカバーできるだけの力を発揮していたわけで、部外者からすればとにかく不可解な失速としか言いようが無いですね。北島のコメントにもあるとおり、ただ単にメンタルの問題とも思えませんし。元々今シーズンは、100mは良くても200mのレースでは思うように行っていなかったみたいですが、因果関係はよく分かりません。調整が上手くいかなかったのでは、としか言いようがないなぁ・・・・

◇41歳ダラ・トーレス、予選2位で100Fr決勝へ◇
女子100m自由形は予選、準決勝が行われました。日本でも話題になっていますが、41歳のダラ・トーレスが2位で決勝に進出。50mでは力を証明しているわけですが、持久力が必要となる100mでもこれだけの実力を示しているのは、本当に驚異的としか言いようがない。決勝ではどうなるでしょうか。

1位通過はナタリー・コグリンで、直前のサンタクララ国際で自身がマークしたアメリカ記録53.39に迫る、53.66というタイム。100m平泳ぎで既に代表権を獲得しているジェシカ・ハーディーも、4位で決勝に進んでいます。

◇ヴァンデンバーグ敗れる、若手のブリーデンが優勝◇
女子200mバタフライでは、昨年の世界水泳2位のキム・ヴァンデンバーグが3位に敗れました。前半からエレイン・ブリーデン、キャスリーン・ハーシーの2人に遅れを取ったヴァンデンバーグは最後まで巻き返せず、2:08.48という平凡なタイムに終わりました。

優勝したブリーデンは2:06.75と、なかなかのタイム。北京では日本代表でメダルが期待される中西のライバルの1人となりそうです。

◇男子100Fr、決勝は平凡なタイム◇
予選、準決勝と相次いでアメリカ記録が更新され期待がかかった男子100m自由形ですが、決勝は各選手とも代表を意識したのか、タイムはイマイチ。それでも予選でアメリカ記録を作ったギャレット・ウェーバー・ゲイルが47.92で優勝、2位には準決勝でその記録を塗り替えたジェイソン・レザックが48.05で入り、“順当な”結果となりました。

ただどちらにせよ、レザックの47.58というタイムは世界レベルで見ても相当ハイレベルなタイムですから、北京では金メダル候補と見て良いでしょう。というか、100m自由形が47秒台の半ばの争いになるなんて、1年前まではまるで考えられなかったのになぁ・・・・ ステファン・ニストランドが47秒台を出してすごーい、なんて言ってた頃が嘘みたいです。ほんの1年前の話なんですがね・・・・

posted by Alan Hetarade |00:52 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年07月03日

ホフがアメリカ記録連発で4冠 【アメリカ選手権4日目】

なんかこのままの体調でツール・ド・フランスに突っ込んだら、確実に氏にそうな気がします。しかも大学の試験も2週間後くらいには始まるわけで、本当に自分は大丈夫なんだろうか、と・・・・

まぁ、それでもスポーツを観てやるのが私というものです(笑)


4日目(7月2日)
◇男子100Frアメリカ記録ラッシュ、フェルプスは準決勝で棄権◇
これまで世界レベルでの争いからはやや置かれていると見られたアメリカの男子100m自由形。しかし今回は予選からハイレベルな争いが繰り広げられました。

まず予選、13組で登場したジェイソン・レザックが48.15と、自身が持っていたアメリカ記録、48.17を4年ぶりに更新。しかしその直後の14組で、ギャレット・ウェーバー・ゲイルが47.78と、アメリカ人選手では初めて48秒の壁を突破。続く最終15組で泳いだ超人、マイケル・フェルプスも47.92と、じつに3人もの選手が従来のアメリカ記録を上回るタイムを出しました。

さらに凄かったのが準決勝。レザックは前半の50mを22.83という素晴らしいタイムで折り返すと、後半も勢いは衰えず。なんと47.58と、アラン・ベルナールの世界記録に僅か0.08と迫るタイムを叩き出しました。ウェーバー・ゲイルは準決勝では伸びを欠き、48.35で3位通過。予選2位だったフェルプスは、準決勝に進んだ段階で棄権しました。

いやぁ~しかし、ここに来て32歳のジェイソン・レザックが伸びてくるとは思わなかった・・・ 今年に入ってアラン・ベルナール、イーモン・サリヴァンといった新鋭(と言っても25歳と22歳だけど)が記録を伸ばしている同種目ですが、このレザックが割り込んでくるとますます群雄割拠、面白くなってきましたね。決勝のタイムにも注目ですが、アメリカにとってはリレーのことを考えても、うれしいニュースでしょう。

◇ホフが2種目でアメリカ新◇
既に400m個人メドレーで世界記録を出し、400m自由形でも優勝しているケイティ・ホフ。この日はまず200m自由形に登場、終盤にアリソン・シュミットの猛追を受けたものの0.04差で何とか押さえきり、1:55.88のアメリカ記録で優勝。自身がミズーリGPで出していた記録を0.2上回りました。

さらにその直後、200m個人メドレーにもホフは出場。こちらではアメリカ記録を持っていたナタリー・コグリンとの一騎打ちが予想されましたが、平泳ぎでコグリンを圧倒し(というかコグリンのBrが遅かった)、2:09.71というアメリカ記録を打ち立てました。むしろ最後はコグリンの代表権のほうが危なくなったのですが、彼女も何とか2位で逃げ切り、代表権を獲得しています。

これで北京ではステファニー・ライスとの一騎打ちになるでしょうが、何だかんだでホフもリレーを含め7冠にチャレンジすることになりそう。まさに“女性版フェルプス”の状態です。フェデリコ・ペレグリーニ(400Fr)、ステファニー・ライス(200IM、400IM)辺りがライバルでしょうが、そこに全部勝てたらスゴイなぁ・・・・

◇フェルプス、世界新あと一歩届かず◇
“今日のフェルプス”の決勝種目は、200mバタフライ。前半から積極的に入っていきましたが、100-150のラップがイマイチ伸びず、タイムは1:52.20。自身の世界記録には惜しくも0.11届きませんでした。

これでひとまず3種目で優勝したフェルプスですが、今のところ世界記録は初日の400m個人メドレーのみ。もっとも本番は北京オリンピックなわけで、今の段階で世界記録に近いタイムが出ていれば充分でしょう。むしろおそらく調整という意味を含めて出場した、本来あまり得意ではないはずの100m自由形の予選であれだけのタイムを叩き出しているわけで、総じて調子は良いと言えるはず。北京では記録ラッシュも期待できますかね。運営に問題が無ければ、の但し書き付きではありますが(笑)

◇ハンセン、200mの準決勝で2分10秒カット◇
北島のライバル、ブレンダン・ハンセンは200m平泳ぎに登場。予選、準決勝と余裕を持って1位通過し、準決勝では2:09.60と2分10秒を切ってきました。

とはいえ、個人的に思うに、200mに関しては北島が心配する必要はまったく無いと思うんですがね。これはあくまでも持論で、また北京オリンピック直前のプレビュー記事辺りで改めて書こうとおもうのですが、おそらく現状の世界の平泳ぎ界では、200mは北島、100mはハンセンが頭一つ抜け出た存在かと。で、2番手には入れ代わる形で2人が入って、3番手争いがダーレ・オーエン、デュボス、ファルコといったヨーロッパ勢となるはずです。

持ちタイムから判断するに、何も起こらずに泳ぎきれば、北島が200mで負ける心配はまず無いでしょう。もちろん本番では何が起こるかわからないのですが、北島の世界記録はハンセンのベストを1秒上回っているわけで、これだけの大差があれば力の差は相当でしょう。一方北島の100mのベストとハンセンの世界記録も0.3くらいは差があるわけで、こちらも結構なものかと。

ま、もっともアテネの時みたくハンセンが自滅してくれる可能性もありますが、個人的にはハンセンの4年間の苦労も報われるべきなのかなーと思うので、100mと200mで金メダルを分け合うのが妥当なシナリオなのかな、という気はしますよ。こんな事書くとまた「非国民だ」とか言われそうですけど(苦笑)

posted by Alan Hetarade |23:19 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年07月03日

背泳ぎでダブル世界新 【アメリカ選手権3日目】

ユーロとツールの“谷間”のこの1週間くらい、ゆっくり過ごそう・・・と思っていたのですが、現実はなかなかそうはいかず。結局、朝になってからの更新になってしまいました。やっぱり授業が1限~5限までフルコンプリート(ふぃぎゅ@的な意味ではなく)だと、キツイですねぇ。

さてさて。競泳のアメリカ選手権は3日目の競技が行われました。


3日目(7月1日)
◇ホフが2種目で準決勝トップ通過◇
個人メドレーと自由形を両立しているホフ。この日は200m個人メドレー、200m自由形の予選、準決勝ということで4レースを泳ぎましたが、いずれのレースでも1位になり、磐石の態勢で決勝進出。オリンピックでの個人4種目出場は目前に迫っています。

しかも最後のレースとなった200m個人メドレーの準決勝では、2:09.94とナタリー・コグリンのアメリカ記録まで0.17に迫る好タイム。100m背泳ぎの準決勝直後のレースとなったコグリンが3位通過しているので決勝では分かりませんが、どちらにせよホフは順調に記録を伸ばしているようです。

◇フェルプス、200Frを制す。Flyも磐石のトップ通過◇
超人マイケル・フェルプスは、200m自由形の決勝に挑みました。タイムは惜しくも世界記録には届きませんでしたが、1:44.10ということで、自身の世界記録からは0.24落ち。但しアメリカの国内最高記録は更新しています。また2位にはピーター・ヴァンダーカーイが入り、400m自由形に続いて代表権を得ました。

フェルプスはそのほかに、200mバタフライの予選、準決勝に登場。準決勝では自身の世界記録からは2秒近く遅れる記録ながら、“楽々”トップ通過しました。元水泳をやっていた人間からすると、その記録ももちろん驚異的ですが、日々これだけの数のレースをこなす事、それだけでもはや手の届かないところに居る気がします。

◇コグリン、世界初58秒台へ◇
ある意味予想通りではありますが、ナタリー・コグリンが女子100m背泳ぎを制しました。タイムは58.97と、女子選手としては世界で初めて58秒台に突入。ミズーリGPから立て続けに世界記録を更新しまくっているコグリン、前人未到の領域に踏み込むだけの資格を持っているといえるでしょう。

注目された2位争いですが、予選で当時のコグリンの世界記録を上回るタイムを出したヘイリー・マグレゴリーは59.42と悪くない、というかおそらくアメリカ人以外の全選手を上回るであろうタイムを出したのにも関わらず、マーガレット・ホールザーが59.21というタイムを出したために3位に終わり、泣く泣く代表権を逃すことになりました。シビアすぎる・・・・

◇さすがピアソル、世界新◇
混戦となり易い男子背泳ぎですが、そんな中でも終わってみれば文字通り頭一つ抜け出しているのがアーロン・ピアソル。52.89と、自身の記録を0.09更新しました。やはり北京でも、背泳ぎはこの人を中心に展開していきそう。少なくとも100mでは、抜け出た存在と言えるでしょう。

毎回熾烈を極めるのが、そのピアソルの次の2位争い。今回はランダル・バルが序盤から積極的に展開し、50mのラップではピアソルを0.02上回ったものの、最後に失速し4位。また200m自由形を棄権してこちらに絞ってきたライアン・ロクテは後半追い上げたものの、届かず3位。マット・グリーヴァーズが53.19で2位となりました。

◇タラ・カークが敗退◇
女子100m平泳ぎでは波乱。ジェシカ・ハーディーが1:06.87で優勝したのはまあいいのですが、昨年の世界選手権で銀メダルに輝いたタラ・カークが3位となってしまい、オリンピック出場権を逃しました。2位に入ったのは、シドニーオリンピックの金メダリスト、メーガン・ジェンドリック。昨年の世界水泳では200mに出場して銀メダルでした。

ま、そう考えるとあながち波乱と言い切れない部分もあるのでしょうが、何だかんだで世界2位に昨年なった選手が負けたことに変わりはないわけで。う~ん、やっぱり一発選考というのは厳しいですねぇ・・・・

posted by Alan Hetarade |07:43 | 競泳競技 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年07月01日

フェルプスに肉薄するロクテ 【アメリカ選手権1日目&2日目】

ということでニュースなんかでも取り上げられていますが、水泳のアメリカ選手権(個人的にアメリカだけ“米”と呼ぶのが嫌なので、こう呼びます)が行われています。

事後報告的になってしまいますが、一応全ての日程について追っかけていこうと思います。まずは、1日目~2日目について。


1日目(6月29日)
◇フェルプス早速世界新、ロクテも迫る◇
まずは早速、400m個人メドレーに登場したフェルプス。相変わらずのえげつない速さでもって、4:05.25の世界記録を樹立。昨年の世界水泳で自身がマークした記録を0.98上回りました。

これだけなら、あーあまたフェルプスかよ・・・と思うのですが、ライアン・ロクテも 従 来 の 世 界 記 録 は 更 新 し て い る の で す よ 。

今シーズンから即時公認が採用されているために、2位に入ったロクテの記録は世界記録とは認められませんでしたが、その記録4:06.08。昨年の世界水泳でも2位だったとはいえ、そのときのタイムが4分09秒台であることを考えると、驚異的な進歩と言えるでしょう。

背泳ぎが非常に強い選手ですが、今回は平泳ぎでフェルプスを追い込み、300mのターンでは僅か0.02秒差。さすがに自由形ではフェルプスに軍配が上がりましたが、これまでフェルプスの独壇場だった当種目でそれに迫る存在になったというのは、これはオリンピックが楽しみになってきましたよ。

◇ジェンセンがアメリカ記録、ヴァンダーカーイも続く◇
続いて行われたのは男子400m自由形。昨シーズンは苦杯を舐めたラーセン・ジェンセンが強さを発揮し、3:43.53の好記録で優勝。0.20差の2位に入ったピーター・ヴァンダーカーイと共に、代表になりました。最後追い上げたエリック・ヴェントはあと一歩届かず3位。

今年のオーストラリア選手権ではハケットが復活の優勝を遂げましたが、さすがに往年ほどの力は無く、記録としてはジェンセンとそう大差ありません。あとはなかなか情報を入手し難いパク・テファンとウサマ・メルリがどんな感じなのか気になりますが、ジェンセンもヴァンダーカーイも、充分金メダルを狙える位置に居るでしょう。

◇ホフも世界記録◇
女子400m個人メドレーでは、ケイティ・ホフが世界記録で優勝。3月のオーストラリア選手権でステファニー・ライスがマークした記録を0.34上回る、4:31.12というタイムをたたき出しました。

ただ正直、ホフはこれくらはやるだろー、といった感じなので(笑) むしろライスの記録の伸び方が尋常じゃないわけですが、本番はこの2人の一騎打ちになるでしょうね。記録的にこの2人が図抜けているので、おそらくは2人の金メダル争い&その他の銅メダル争い、という構図になるはずです。


2日目(6月30日)
◇予選から世界記録連発◇
女子100m背泳ぎでは、まず15組で登場したヘイリー・マグレゴリーが、コグリンが持っていた従来の記録を0.06上回る59.15で優勝。ところがそれを見て闘志を燃やしたコグリンが次の組であっさりこの記録を更新。59.03で1位突破しました。

ただ準決勝で共に記録を落としているのが、何ともご愛嬌といいますか(笑) 3位のエミール・ホールザーも予選、準決勝とタイムを上げて59.79まで来ているので、決勝では代表権がどうなるか分かりませんね。ま、何だかんだ言いつつコグリンが勝つとは思うんですが・・・

◇200Frもロクテvsフェルプス?!◇
もはや対抗しているのではないかと思われるほど、フェルプス路線を歩むロクテ。200Frの予選、準決勝が行われましたが、予選ではフェルプスが0.2先着。しかし準決勝では互いにタイムを上げたものの、今度はロクテが0.03上回るということで、火花を散らしております。

◇ハンセン、決勝は思うように行かず◇
日本のニュースでも取り上げられていましたが、ブレンダン・ハンセンが100m平泳ぎの決勝に登場。しかし序盤から泳ぎが硬く、思ったようにタイムは伸びず。100mを世界記録のラップから0.36遅れて折り返すと、その後もスピードアップはならず。59.93という“平凡なタイム”に終わりました。

とはいえ前日の準決勝では、北島の日本記録を上回る59.24を出しているわけで、依然として金メダル候補の最右翼であることに変わりはないでしょう。ハンセンの北京に対する意気込みは半端無いわけですが、逆にここで一つ悪い記録だったほうが、肩の力が抜けて本番では良い記録が出せるかもしれません。

◇ホフが2冠達成◇
前日400m個人メドレーで優勝したケイティ・ホフが、400m自由形に登場。フランス選手権でロール・マナドゥが惨敗し、フェデリコ・ペレグリーニが世界記録をたたき出している同種目ですが、ホフは惜しくも自己ベスト更新ならず。マナドゥが失速したままだと、北京では同世代のペレグリーニとのガチンコ勝負になるだけに、調子を上げておきたいところです。

posted by Alan Hetarade |22:18 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年06月01日

日本水連の危機意識に疑問

◆対抗場はデサント社製か◆
この件に関しては私の側としても後だしじゃんけん的になってしまうが、スピード社製の水着を着た選手が見違えるような結果を出しているのは、ここ1ヶ月ほどの事ではない。2月のミズーリGP、3月のヨーロッパ選手権、そしてオーストラリア選手権。ここでスピード社の水着を着用した選手が好記録を連発。アメリカのナショナル選手権はこの後開催されるため、マイケル・フェルプスやライアン・ロクテらによってさらなる世界記録が誕生することも予想される。

今年に入って数多の世界記録が誕生しているが、現在長水路の世界記録を樹立した選手で、唯一スピード社以外の水着を着用していたのは、イタリアのフェデリコ・ペレグリーニ。彼女はアリーナ、即ちデサント社製の水着を着用していた。今回の改良品でも伊藤華英がデサント社製に対して好印象を抱いた旨のコメントを出している。

フランスのロール・マナドゥもフランス選手権において、アリーナとスピードの水着を併用している。以上のような点を考えると、現在世界で圧倒的なシェアを誇るのはスピード社製。そして現状、それに追随しようとしているのはデサント社製、と言えるはずだ。アシックス社製に関しては着用している選手が少ないため、外部の人間が他社と比較するのは難しい状況にある。


◆根本的なコンセプトの違い◆
そもそもなぜ、ここまで水着による“差”が生まれてしまったのか。新聞などでも取り上げられているが、そもそもスピード社とそれ以外のメーカーに於いては、開発段階でのコンセプトにそもそも大きな違いがあった。

スイミングマガジン(ベースボール・マガジン社)に掲載されたLZRの広告を見ると、「受動抵抗を軽減」「スタート時、ダッシュ時、ターン時の加速効率向上」「酸素摂取効率の向上」といった具合に、各項目において従来比でどれくらいLZR RACERが優れているのか、具体的な数値で示している。一方ミズノやアシックスの広告では、骨盤を中心に身体のコア(体幹)の安定性向上が謳われているが、具体的な数値による改善までは示されていない。またミズノは契約している各選手のコメントを掲載しているが、「着心地が良くなった」という旨のコメントが見られる。

ここから見えてくる両者の根本的なコンセプトの差。スピード社が水着自体の性能を上げることによるスピードアップを目指したのに対し、ミズノ社らは選手の能力を引き出そうとすることに主眼を置いていたのだ。細かい材質、締め付け云々以前に、水着を作る前提が違っていたのだ。結果的には、“水着自ら速くなる”ことを選んだ、スピード社製に軍配が上がる事となった。


◆気になる現場とのギャップ◆
とにもかくにも3社の新作水着は完成したわけだが、付け焼刃的な対応だった感は否めない。そして1ヶ月やそこらの急場しのぎで創り上げた水着に関して、選手が疑問に思うことは当然。そんな最中、ヨーロッパへ遠征に出る森田智巳が新水着が届いていない事に関して不満を漏らした。これは至極当然な事である。

私自身は選手として誇れるようなレベルには無かったが、実力あるスイマーほど、事前に試さずいきなり試合でその水着を着用するという事は無い。試合を想定したタイム計測を練習内で行う日などには普段の練習用水着に加えて試合用の水着を持ってきて、実際にタイムを計測する際には水着を着替えて、感触を確かめるものだ。トップスイマーであればあるほど、こういった細かい点にも過敏になると言える。

今回遠征に出発する選手のリストは事前に分かっていたわけだから、森田にはより優先的に水着が支給されるべきだった。それが後回しになっているという現状は看過できない。確かに対外的に見れば森田はメダル獲得に向けて厳しい状況にあるが、それでもメドレーリレーの代表選手であり、何より彼自身も代表選手なのだ。そのような点も考慮できない日本水連、そしてメーカーの姿勢には、現場との差異があるといわざるを得ない。


◆対応遅い連盟に不安◆
冒頭にも書いたとおり、スピード社製の水着を着た選手が目覚しい結果を出したのは、何もここ1ヶ月の話ではない。2月のミズーリGPでカースティ・コヴェントリーとナタリー・コグリンがいずれも驚異的な世界記録を出している。そして3月のヨーロッパ選手権、オーストラリア選手権。ここでLZRの優位が決定的になった。しかし日本でこの問題が騒がれるようになったのは4月の日本選手権後。確かにそこまで待たなければ日本選手がどのような結果を出すのか分からなかったとはいえ、選手側は既に選考会に気持ちを向けている。

こういうときこそ統括団体が主導し、公にするのは選手権後としても、メーカー側と競技の場などを持っておき、あらゆる事態に備えて対応できるようにしておくべきだ。ところが連盟が3社に改善の支持を出したのは、日本選手権後。そしてミズノ社などはGW後に水着の開発を行ったというが、これでは明らかに対応が後手後手に回っている。選手が一層不安になるのも無理はない。

今回の新作水着発表の際にも連盟は3社の努力を褒めるようなコメントを出したが、現場レベルでの感想がない中であのような発言をするのは不適切。建前にしても、だ。選手がより一層不安になるのも無理はない。


◆もっと危機感を持て◆
このように水着問題において連盟は対応を誤った感があるが、これは連盟がメーカーと契約している中で、公平性のある判断を欠いてしまったためである可能性が高い。2月に行われた短水路選手権でのMVPの選出(男子は3種目日本新の佐藤久佳ではなく北島康介が、女子は100mバタフライで敗れた中西悠子が選ばれた)においても、連盟がスポンサーに対して気を使っていたことは明らか。今回の水着問題においても、契約しているミズノ社らとの関係が気になり、素早い対応が出来なかった。

このような連盟のぬるま湯的な体質は、北京オリンピックに向けてのJOC視察団のレポートにも表れている。スイミングマガジン4月号に掲載された村松さやか/日本水泳連盟競泳委員のレポートでは、「マイナス面に気をもむより、プラス材料を作る」「状況はきわめて良好。心配することはない」としている。村松氏は根拠として、米や炊飯器、加湿器、或いは控え室で使用するマットが現地調達できること、或いは選手村からプールまでが徒歩圏内にあること、などが挙げられている。

しかし、どうだろう。毒餃子問題が起こった今、北京で売られている米を食べて、果たして安心と言えるのだろうか。土鍋から亜鉛が検出された中、北京で売られている炊飯器は使えるのだろうか。マットの材質はどのようなものなのか。加湿器の性能は大丈夫なのだろうか。また食事に関してもアテネ五輪時と同じ会社が請け負うから大丈夫としているが、その食材はどこから調達されるもので、それは本当に安全なのだろうか。大気汚染や衛生面に不安がないとしているが、科学的な数字はこのレポートにはまったく示されていない。

そもそもマイナス面を洗い出そうとせずプラス面を探そうとしている時点で、“コンセプトが間違っている”のではないか。実際に現場レベルで選手と接触するような役員がこれでは、日本水泳連盟の北京オリンピック対策には、あらゆる面で不安が残るといわざるを得ない。

posted by Alan Hetarade |13:08 | 競泳競技 | コメント(8) | トラックバック(3)
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2008年04月20日

新戦力の興隆と去り行くベテラン 【JAPAN SWIM 2008 Day 6】

◇女子100m自由形◇
上田春佳 55.60
現状では世界と大きく離されてしまっており、萩原智子の日本記録からも遠く離れた戦いとなってしまっているこの種目。しかし大会前の自己ベストを0.5秒も更新した上田の泳ぎは、見事だった。元々リアクションの良い選手では無いが、リアクションタイムが0.9秒台というのは、このレベルは愚か高校の県大会レベルでも相当遅い部類に入るタイム。完全なミスだったが、その後の泳ぎは完璧だった。リレーでは止まった状態からスタートするわけではないので、そういった点でもメドレーリレーでは好記録に期待したい。

2位の山田、また200mに続いて4位に入った山口といった辺りも、自己ベストを大きく更新するレースとなった。まだまだ世界的に見れば厳しい情勢が続いている女子自由形短距離陣だが、着実に歩を進めつつあることを示すレースとなった。


◇男子100m自由形◇
佐藤久佳 49.70
一方、女子とは対照的に厳しいレースとなってしまったのが男子。佐藤は本人も話すとおり自己記録から大きく離れたタイムに終わってしまった。後半明らかにピッチが落ちてしまったあたり、やはり本人が言うように、前半から変な力が入り、疲労してしまったのだろう。今大会では精彩を欠いた細川、50秒を切る自己記録を持つ伊藤や小島といった辺りが沈んでしまったのは残念。

その一方、奥村は僅かながら準決勝でマークした自己記録を更新。またスイムオフを勝ち抜いて決勝に残った葛原も、50.34秒と大きく記録を伸ばした。葛原のほうは200mは悔しい結果になってしまったが、元々は400mと200mを主戦場としていたものの、この頃は100mにも積極的に取り組んできている。こうしてスプリント力も徐々につけているという事で、ベテラン勢が多い男子自由形陣にあって、今後の活躍が期待される。


◇女子200m背泳ぎ◇
中村礼子 2:08.80 (派遣標準Ⅰ突破)
伊東華英 2:09.41 (派遣標準Ⅰ突破)
序盤から記録を狙って積極的にトライしていった中村だったが、それだけに最後のラップは残念だった。しかし150mまでのタイムは完璧と言ってよく、オリンピックでラストの50mを失速することなく泳ぎ切れれば、メダルがぐっと近くなってくる。さすがにコヴェントリーの力は突出しており、ホールザーも良い記録を持っているが、その次を狙う勢力争いは混戦。ぜひそこで一歩抜け出し、メダルを取ってもらいたいところだ。

自己ベストにほぼ並ぶタイムを出し、派遣標準Ⅱを突破して意地を見せた寺川だったが、2強が強すぎたといったところか。また2分11秒台を出したもう1人、安部の泳ぎも光るものがあった。200mは距離的にやや厳しくなる酒井も自己ベストを大きく更新。その一方で2分10秒台の記録を持つ福田、実績のある五十嵐にとっては、残念なレースとなってしまった。


◇男子100mバタフライ◇
岸田真幸 51.86 (日本新記録、派遣標準Ⅰ突破)
藤井拓郎 52.25 (派遣標準Ⅱ突破)
急激に記録を伸ばして代表となった2人だが、2人とも22歳で今春に大学を卒業した選手。遅咲きという言い方が出来ようが、それにしても見事な記録である。準決勝で日本記録を出し、決勝でも最後に素晴らしいスパートを見せた藤井、そしてスプリンターらしく前半からガツガツ行って後半もスピードを維持した岸田。この種目に関してはフェルプスとクロッカーの力が世界的にも抜けているものの、その他の選手は51秒台後半にひしめいており、残りのメダル1つから準決勝敗退まで、どうにでも転びかねない情勢だ。そこにこの2人は飛び込める可能性があり、本番に向けての調整が重要となる。

敗れた選手についても、非常にファンとして思うところの多いレースとなった。どうしても山本に注目が行きがちだが、前回僅か0.02秒差で代表を逃した高安が3位。自己ベストタイの記録を出したが、派遣標準には届かず。しかし本人が非常に清々しいコメントを出してくれたのが、こちらとしても安心できる。ここ数年、日本のバタフライ陣を引っ張ってきた功労者。今後については休養した後に決めるとの事だが、本当に素晴らしいレースを見せてくれたことは確かである。

そして引退を表明した山本。アテネで全てをやり尽くした感があったが、その後しっかりモチベーションを戻し、昨年の世界競泳での活躍等、再びトップフォームで活躍したことは驚異的だったと言える。本人のコメントではアテネ後の経験はそれまで無かったものだということがよく伝わってきた。それだけでも、現役に戻ってきた意味があるというものだ。

2000年代に入りずっとトップを走ってきた2人に変わる、新たな選手の台頭。まさしく世代交代を印象付けるレースとなったが、勝った側にも負けた側にも拍手を送りたい、今大会のハイライトとなる場面だった。


◇女子200m平泳ぎ◇
種田恵 2:24.54 (派遣標準Ⅰ突破)
金藤理絵 2:26.28 (派遣標準Ⅱ突破)
150mまでは3者が並ぶ、レースとしては面白い展開となったが、記録としては低調なものに終わってしまった。田村を破り躍進したと思われがちな金藤だが、本人のコメントにもあるように自己ベストからは0.65秒遅い記録に終わっており、本番に向けての課題は大きい。最後のスパートで分かったように、種田のスタミナは抜群。日本記録を出せばメダルも狙えるが、100mでも優勝したようにスピードは着実についてきており、本番ではぜひ200mのレースでもそれを生かしてもらいたいものだ。

また中学生の福留が自己記録を更新して5位に入った。ラップタイムのバランスは非常に良いだけに、この勢いで夏にむけて記録を伸ばして欲しいところである。

posted by Alan Hetarade |23:58 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年04月20日

帳尻を合わせた王者 【JAPAN SWIM 2008 Day 5】

◇女子800m自由形◇
柴田亜衣 8:28.69 (派遣標準Ⅱ突破)
前後半のラップタイムからするとベストとは言えないレースだったが、春先からの流れを考えると、派遣標準を突破しただけでも素晴らしい結果と言えよう。やはり後半は、柴田の「何としてもオリンピックに行きたい」という思いが伝わってくる泳ぎだった。400mの結果も芳しくなく、精神的に弱ければそのままずるずるといってしまいそうなところを食い止めたあたり、さすが金メダリストである。4年前は勢いで金メダルを取った感もあったが、その後の4年間で着実に実績を重ねてきた経験が、この窮地に立たされた段階で生きたということだろう。

2位に入った矢野も前半のペースはちょうど良いくらいだっただけに、非常に残念だった。やはりプレッシャーの中、やや硬くなってしまった反動が後半に出たのだろうか。その矢野にあと一歩というところまで迫った3位の藤野は、大会前の自己記録を8秒縮める好タイム。個人メドレーでの泳ぎといい、全体的に良い練習が積めていることを示す、800mでの躍進だった。


◇女子200m自由形◇
中西悠子 2:06.28 (日本新記録、派遣標準S突破)
星奈津美 2:07.28 (高校新記録、派遣標準Ⅰ突破)
中西のさすがの泳ぎだった。2分6秒代前半のこの記録は、昨シーズンの世界ランク2位に相当するタイム。短水路選手権からの好調を維持し、見事に記録更新となった。100m、200m共に日本記録を出したということで、バランスよく実力が上がってきていると言える。北京でのメダルが期待される選手の1人だ。

2位の星も昨年自らがマークした記録を更新。実力がフロックではないことを示した。最後は秋山とのデッドヒートを素晴らしいスパートで制した。前半のラップをもう少し速くできれば2分6秒台も見えてくる。北京での目標は、決勝進出。3位の秋山も自己ベストは更新したものの、最後に星にかわされあと一歩届かず。50m~100mのラップは中西をも上回るものだったが、そこでの影響が最後に出てしまった。しかし順調に記録を伸ばしていることは素晴らしい。まだ高校2年生、次のオリンピックに向けてこの調子で頑張ってほしいところだ。


◇男子200m背泳ぎ◇
入江陵介 1:57.33 (派遣標準Ⅱ突破)
中野高 1:58.22 (派遣標準Ⅱ突破)
記録としては全体的に低調なものとなってしまったのが残念だった。ただ、このレースにかけるしかなかった入江と中野としては、やはりまず代表権を獲得することが第一。特に若い入江はこの修羅場を経験したことで、精神的には大きく成長できたはずだ。本人のコメントでは100mのレース後には何回も泣いてしまったとあったが、最後は堂々とインタビューを受けることが出来たあたり、一つの試練を越えたという言い方が出来よう。

3位の渡邉、4位の森田も自己ベストには及ばず。森田は精神面で乗ってこなかったということだが、元々200mのレースの際に彼はよくそういう発言をしていた辺り、オリンピックに向けて大きな影響は無いものと思われる。むしろ200mに出られない分、しっかりと100mのレースに集中して、良い記録を出してくれる可能性もあると言える。


◇男子200m平泳ぎ◇
北島康介 2:08.84 (日本新記録、派遣標準S突破)
末永雄太 2:10.17 (派遣標準S突破)
今年に入り、ファルコ、ダーレ・オーエン、デュボス、リッカードといった辺りが続々と2分10秒をカットしてきたこの種目。しかし北島はそれらを大きく上回る2分8秒台のナショナルレコードを出した。勿論数字の上で優位に立つだけではなく、「やはり北島は強い」という思いを相手の心に植えつけられるという、精神的な効果も期待できる。何にせよこのタイミングで2分8秒台に突入したことは大きい。ハンセンが選考会でどのような記録を出すのかも注目されるが、現時点で金メダルの最有力候補、それも頭一つ抜けた存在、と言うことが出来る。

熾烈を極めた2位争いだが、立石は大会前の自己記録を2秒更新する素晴らしいタイム、前半のスピードアップを狙った泳ぎが奏功しただけに、非常に残念な結果となってしまった。その分、末永が強すぎた、という言い方が出来る。こちらも大会前から2.4秒ほど記録を縮めた。2分10秒となると決勝進出なるかどうか微妙なラインだが、2分9秒台をオリンピックの決勝で出す事ができれば、メダルの可能性も出てくる。ここはぜひとも期待したいところだ。

posted by Alan Hetarade |22:40 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年04月20日

高桑の調整力に脱帽 【JAPAN SWIM 2008 Day 4】

◇男子200mバタフライ◇
柴田隆一 1:55.57 (派遣標準Ⅱ突破)
松田丈志 1:55.66 (派遣標準Ⅱ突破)
2月の短水路選手権の際に、松田が先行、柴田が追い上げるという、これまでとはまったく逆のレース展開が見られたこの種目。本番の今大会では、準決勝までは柴田が前半飛ばし、松田のペースはそれには及ばないというこれまでどおりの傾向があったが、しかしこの決勝は2月の再現のようなレースとなった。

確実に代表権を取りにいった柴田、そしてこれまでの自らの弱点を克服すべく、前半から突っ込んだ松田。意図は違えど、互いにタイムは1分55秒台の半ばと、平凡なものに終わった。ヨーロッパ選手権では、ドリモナコス、コルゼニオウスキ、スクウォルツォフの3人が1分54秒台で泳いでおり、タイムだけ見れば見劣りする感は否めない。

もちろん記録に関しては、この2人も満足していないはず。ただ松田の方は課題克服へ積極的な姿勢を見せ、柴田もまだ伸びしろはあるはず。本番ではメダル獲得も期待されるが、日本記録を更新するくらいの勢いで泳いでも、メダルに届くかは微妙なラインとなるだろう。それだけに、両選手がこの日の反省を夏までに修正できるかが、重要なポイントとなる。

また残念だったのは、山本や坂田、高本といった辺りが自己ベストに遠く及ばないタイムに終わってしまったこと。特に昨シーズン1分55秒台のタイムを記録した高本は、上手く泳げればトップの2人に肉薄できた可能性もあり、残念である。


◇女子200m個人メドレー◇
北川麻美 2:13.29 (派遣標準Ⅱ突破)
北川の見事な泳ぎだった。苦手の背泳ぎもそこそこのタイムで泳ぎ、バタフライ、平泳ぎ、自由形の強さは世界にも通用するレベル。オリンピックでは、決勝進出は厳しいものの、萩原智子の日本記録、2:12.84に手が届くところにまで来た。本番でこの記録が敗れれば、また一歩日本の競泳選手として“殻”を打ち破ることになるだけに、ぜひとも頑張ってもらいたいところ。

2位に入った加藤は自己ベストを更新。しかしあと少しというところで派遣標準に届かなかったのは、残念だった。天野も昨シーズンからはタイムを上げたが、2分15秒台と派遣標準には届かず。全体的に思ったよりもバラけたレースとなったが、若い加藤にはぜひとも来年以降につなげる大会にしてもらいたいものだ。


◇男子200m個人メドレー◇
藤井拓郎 2:00.30 (派遣標準Ⅱ突破)
高桑健 2:00.37 (派遣標準Ⅱ突破)
さすがの泳ぎで代表権を獲得した藤井。得意のバタフライに加え、これまで苦手とされていた平泳ぎでの強さが光った。その一方、100mで50秒を切るベストタイムを誇る自由形での伸びが今ひとつで、結果的に日本記録には及ばなかった上、2分を切ることもできず、自己ベストからは0.38秒遅いタイムに留まった。生粋のスプリンターであり、やはりスタミナが持たなかったのだろうが、苦手種目を克服しつつあるのは良い兆候。しっかりとした泳力は付きつつあるだけに、本番までに自由形の速さを生かせるだけの状態に仕上げることは、充分に可能だ。

2位に入った高桑は、400m、そしてこの200mも準決勝まで今ひとつの泳ぎだった。それだけに派遣標準記録の突破は難しいと思っていたのだが、直前の練習でコーチと修正できたということで、その柔軟性や集中力が非常に優れていることを見せ付けた。一度悪い流れに乗ってしまうと、そこから抜け出すのはなかなか容易ではない。レース前の朝のウォーミングアップ、そしてレース時の集中力でそれをカバー。こんな事が出来る選手は、そうはいない。

またしてもオリンピックにいけなかった佐野については、残念としか言いようが無い。序盤から積極的に泳ぎ、背泳ぎの段階では藤井と高桑に対しリードを奪ったが、そこで体力を使い果たしてしまい、本来2人に対してマージンを築くべき平泳ぎで、逆に2人より遅いラップを刻むこととなってしまった。

posted by Alan Hetarade |02:36 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(0)
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