2010年05月20日
ちょっと感覚が開いてしまいましたが、ジロについて。
さて泥だらけの第9ステージなどを経て、本格的な山岳ステージに入る前から総合が大きく動いている、今年のジロ。その流れも影響したのか、昨日の第11ステージでは今大会の行方を決定しかねない、致命的ともいえる大逃げが決まりました。
結局、ヴィノクロフ、バッソ、ニーバリ、エヴァンス、ガルゼッリといった辺りの総合優勝争いに“残っている”と思われた選手が誰一人として逃げに乗れなかったのが要因なのでしょうが、上記の選手たちを残したメイン集団を、逃げ集団が12分ほど引き離してゴールする、という衝撃の結果に。260kmという長いステージの設定、そして連日の悪天候が、追走の動きを鈍らせる要因となりました。
ステージを制したのはペトロフで、総合ではリッチー・ポルトがトップに。さらにグランツールで安定して総合10位以内に入る力を持つダヴィ・アローヨが2位に浮上。そして序盤で遅れて総合上位争いから脱落したと思われていたサストレ、ウィギンズも一気に浮上し、ヴィノクロフら前日までの総合上位陣を後ろに追いやりました。
同じような大逃げとして思い浮かぶのは、2006年のツール・ド・フランスでフォナックが集団のコントロールを放棄し、オスカル・ペレイロが30分近くの大逃げを決めて総合首位に浮上したステージが思い出されます。結局その後、あのどろどろのドーピング騒動があって、ペレイロが総合優勝した“事になった”のですが。
あの時との違いは、当時のフォナックが意図的に集団のコントロールを放棄したのに対し、今回のアスタナやリクイガスには、ここまでの差を逆転される意思はなかったという事。そしてペレイロ1人に逆転されたツールのときとは異なり、今回は複数の有力選手が逃げ集団に含まれていて、総合の順位が大シャッフルされてしまったという点。
とにかく、ウィギンズやサストレとの差はまだそこまででもない、そしてポルトは山での力が未知数というのはありますが、ダヴィ・アローヨとヴィノクロフ、エヴァンズ、バッソらの差が8分以上というのは、限りなく赤に近い黄色信号と言えるのではないでしょうか。
アローヨは山岳ステージで優勝することは無いにせよ、コンスタントに各ステージ、トップから1分遅れくらいではゴールできる、“まとめ上げる”力を持っている選手。だからこそグランツールでたびたびトップ10圏内に顔を出している選手です。今回はブルセギンが消えてしまい、この後絶対的なエースとして、本気で総合優勝を狙ってくるはず。力のある選手だったとはいえ、本格的にトップ争いをするモチベーションを持つのは初めてですから、06年のペレイロのようにそれまでには無かった力が沸き出てくる可能性もあります。
うーん、リクイガスはどうしますかねー。まだバッソ、ニーバリに賭けるのか、比較的総合上位が上で山岳も走れるアニョーリで勝負に出るのか。ただアニョーリはおそらくT.T.ではまったく勝負できないでしょうから・・・・うーん。厳しいなぁ。
何にせよ、これで今後の展開がまったく読めなくなってしまった今回のジロ。“大本命不在”の戦いがこれからどうなるのか、楽しみです。
posted by Alan Hetarade |17:41 |
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2010年05月14日
その後もジロは見ていたのですが、なかなか記事を書く時間が取れず、第5ステージまで飛んでしまいました(コメントのお返しは、今日の夜にやります・・・・)
そしてその第5ステージですが、ブイグテレコムの新城幸也が逃げに乗っているということで、放送開始時からテンションが上がりまくり(笑) Saschaさんは呂律が回らずエラい事になってましたが、そんなのも楽しみつつ観戦。
で、じつはその後途中で寝てしまったのですが、残り10kmほどの地点で親に叩き起こされまして「まだ逃げている」との事。うへー!
その後の展開は、もはや言うに及ばず。後方ではコロンビアがまずメイン集団をコントロール。それがバテてトレインが崩壊し、すわ逃げ切り成功か――と思ったところで、“黒い軍団”チームスカイが登場。T.T.スペシャリストのウィギンズが先頭を切り、猛烈な勢いで逃げ集団を追い上げます。
間もなく残り1km、逃げの選手たちも諦めたか・・・・と思われたところで、新城がアタック!!
いやー、昨年シャンゼリゼ通りで別府史之がアタックした時と同じ電撃が、身体を走りました・・・・・ その後も新城は、後ろにピノー、フシャールを従えながらも、そんなことは気にせず必死に踏み続けます。本当にこの間は、夢を見ているような不思議な心地でした・・・・
結局ラストのスプリントでピノー、フシャールにさされてしまい、新城は3位・・・・
いやもう、本当に凄かったとしか言いようがない。ある意味、狡猾とはいえない走りだったかもしれませんが、それにしても残り1kmのあの時点、ピノーとフシャールが明らかに諦めていた中で、唯一勝負を諦めていなかったのは新城でした。その新城のアタックに便乗する形で、後ろに2人が付いてきて、逃げ切りが成功した格好ですから・・・・
狡猾ではなかったけど、新城が勝てる可能性があったのは、唯一あそこでアタックを仕掛ける事だったと思います。そこで後ろにつかれれば確かにおしまいだったけれど、アタックが決まる可能性もあった。それにかけた新城は、まさしくアスリートとして素晴らしい判断をしましたし、その精神は称えられてしかるべきでしょう。
いやー、栗村さんじゃないですが、私も惚れましたよ(笑)
直後のインタビューで、新城は「後悔した」と言っていましたが、大いに結構。勝つチャンスはまた訪れるでしょうし、その時にこういった経験が必ず生きてくるはずです。今は大いに後悔して、また次がんばればいい。ロードレースとは、そういうものでしょう。
なんかまとまらない文章になってしまいましたが、とにかく興奮しました。これからもがんばれ!アレ・ユキヤ!!
posted by Alan Hetarade |17:49 |
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2010年05月10日
えー、今こそこの言葉を使うときも無いでしょう。生きてます(笑)
この4月から学業がかなり忙しくなった事、また週末に外出しなければならず、なかなかフットボールの生中継を見ることができなくなり、タイムリーなブログ更新ができなくなった事。そして何より、自分の勉強不足で昨今のスポーツについて諸々語れるだけの引き出しが無くなってしまった事です。
とはいえワールドカップも間もなく始まりますし、何よりジロがいよいよ開幕!ということで、そろそろ私も復活しようかと思います(笑)
さてそのジロですが、昨シーズンの王者メンショフは、悲願のツール制覇に照準を合わせ、出場を回避。さらに昨年2位のディルーカはドーピングスキャンダルで消えてしまい、昨年3位で今大会優勝候補の最右翼だったペッリツォッティは、大会直前にスキャンダルに見舞われ出場が不可能に。ペッリツォッティに関しては「限りなく白に近い灰色」であったにも関わらず、UCIが半ば一方的に情報を開示した事によって出場できなくなったわけで、かなり気の毒だなぁという気はするのですが・・・・
優勝候補としては、リクイガスのバッソとニーバリという2大エース、さらにエヴァンス(BMC)、サストレ(サーヴェロ)といった辺りの名前が挙がる中、第1ステージを制したのは、ツール制覇を目論むウィギンズ(スカイ)でした。
第1ステージを見る限り、伏兵のブックウォルター(BMC)はともかく、本気でステージを狙いに来たのはエヴァンス、ヴィノクロフ(アスタナ)、そしてこのウィギンズ辺りだったのかなぁ、という印象。おそらくウィギンズのスタイルとしては「T.T.で稼いで、山岳で耐える」という形をツールでは狙ってくるでしょうから、そういう点では上々の感触をつかめたのではないでしょうか。
さて、昨日の第2ステージは、ユーロスポーツのストリームでプレミア最終節と並行しながら観戦。
序盤から落車が相次いでいるなーとは思ったのですが、予想以上に多くの有力選手が巻き込まれていたようで、総合リーダーのウィギンズも脱落。自分が見たところだと、スカルポーニやポッツァートも巻き込まれていましたが、結果として40人ほどの中規模集団でのスプリントに。
で、そのスプリントを制したのはファラー(ガーミン)。昨シーズン、カヴェンディッシュに対抗し得るスプリンターの1人として話題を呼んだファラーですが、今年はジロのスプリント勝負でいきなり勝利という事で、幸先のいいスタートを切った模様。第1ステージのウィギンズといい、波乱がありながらも、結果としては本命中の本命がそれぞれのステージで勝利・・・・という結果になりました。
しかし今年のジロはオランダでのスタートということで、少し雰囲気が違うなぁ、と。
本格的な総合争いはイタリアに戻ってからという事になるのでしょうが、お世辞にもチーム力が高いとはいえないBMCのエヴァンスが総合リーダーになったことで、どのようなタイミングでマリアローザを“譲る”動きに出てくるかが、当面のレースの焦点となりそうです。
・・・・ということで、ジロが始まったので、またバリバリブログを更新していきますよ!と。
posted by Alan Hetarade |13:10 |
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2010年03月09日
ちょっと春休みの割にあれやこれや外に出る機会が多いので、更新やらコメントのお返しやらが滞っております。申し訳ございません・・・・・
さて、サイクルロードレースはいよいよシーズンの始まりを告げる“太陽のレース”パリ~ニースがスタート!今年も熱いシーズンが始まりました。まずプロローグは、あらゆるT.T.スペシャリストたちを制し、ラボバンクのブームが優勝しました。
そして昨日行われた第1ステージ。
残り30km弱のところからみ始めたので落車のシーンは見ていなかったのですが、このままゴール前でのスプリントかなぁ・・・・と思われたレース終盤、するするっと集団の前に人員を送り込んだケースデパーニュが、最初はヴァルヴェルデの位置を確認するような動きを見せた後、一斉に集団を引き始めます。
リーダーのブームも素早い判断でこの集団に付き、さらに有力どころでは、マルティン(HTCコロンビア)、クロイツィゲル(リクイガス)、コロブネフ(カチューシャ)、イワノフ(カチューシャ)、ミラー(ガーミン)、フォイクト(サクソバンク)など、そうそうたる面々が先頭に残ります。
そしてラスト3kmを切ったくらいのところで、圧倒的な総合優勝候補、コンタドール(アスタナ)が落車!しかしすぐにチームメイトから自転車を譲り受け、さらにラボバンクのチームカーのフェアプレイ・アシストを受けて、集団に復帰。このとき、twitter の #jspocycle で「ついにコンタドールにも友達が・・・・」という書き込みがあって、思わず吹きました(笑)
さて先頭は、昨年アムステルやツールで大活躍したイワノフがアタックを仕掛けるも、これは決まらず。さらにゴール直前でマルティンがするするっとアタックを決めるも、ラスト200mで惜しくも吸収されます。
最後はランプレのボレとスカイのヘンダーソンが競り合い、ハンドルを投げたヘンダーソンがステージ優勝!
ケースデパーニュ主導の集団の中に取りついたスプリンターは少なかったのですが、ヘンダーソンはスカイのアシストがまったくいない中で、見事に逃げ切りました。横風で後ろをちぎったときには全選手が共闘していただけに、脚がどれくらい残っているか未知数な中でのスプリントとなりましたが、それでも勝利をもぎ取るあたりは流石の実力。
16位以降の選手は17秒遅れてゴール。今年はプロトンでも友達が多そうなコンタドール(笑)も、しっかりこの集団でゴール。ダメージを最小限に食い止めました。
・・・・という感じで、今日の第2ステージ以降も追っかけて行こうとおもいます!
posted by Alan Hetarade |18:19 |
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2009年10月14日
ということで、世界選手権のロードもスルーしてしまったわけですが、パリ~トゥールを観戦したので書いてみようと思います。因みに世界戦については、近いうちにカデル・エヴァンスのシーズンをまとめるエントリーを書こうと思うので、またその時に・・・・
まず、このレースには新城、別府の日本人2人が出場。2人ともレース終盤に集団の前方でレースを展開していましたが、残念ながらゴール手前で発生したトラブルに巻き込まれ、2人とも脱落。でも今回のレースに関しては、ほんの数人を除く選手はこの件でジ・エンドとなったわけですから、そういう点では仕方なかったと思います。
さて、もう本当にざっくり行きたいと思います。クイックステップとサイレンスロットがメイン集団をコントロールし、逃げを吸収。そこからまずアタックしたのが、ボーネンとヴァン・アーベルマート。そこにボジッチとジルベールが追いつき、本命4人が飛び出します。
この中で真っ先に脱落したのはヴァン・アーベルマート。しかし結果論としては、集団をブレイクし、そこにジルベールを合流させたという点で、最高のアシストを果たしたという事になりました。
さて後ろの集団からはポッツァートがアタックしましたが、これは勢いがなく、前に追いつくには至らず。ポッツァートはアクシデントによって浮上できなかったと主張していて、彼もまた不運なレースとなってしまったようです。
さて、この3人で最後の2,600mほどの直線となる、アヴェニュー・デ・グラモンに突入!
この辺りから、特に3人の位置取り合戦が本格化。唯一スプリンターではなく、圧倒的に不利かと思われたジルベールが一番後ろに入り、ボジッチが、先頭、ボーネンが2番手に。ボーネンはライバルとなるボジッチの後ろを取り、さらにジルベールのアタックにも対応できる、絶妙なポジショニングを取りました。
そして残り300mになったところで、ジルベールがついにスプリントを開始!しかしボジッチがすかさず反応、ここでジルベールの後ろにつけばさらにその後方から足を溜めてスプリントを開始できるボーネンが圧倒的に有利!!
しかし勝負の世界とは分からないもの、なんとスプリンターではないジルベールのスプリントに対し、スプリンターのボジッチがつききれず踏むのを諦めるという、予想外としか言いようがない事態が発生。
ボーネンは慌ててボジッチをかわしジルベールに迫りますが、もう残り距離が無い!
なんとジルベールがスプリントを制し、大会2連覇を達成!すごーーい!!!
うおおおおお、と思わず声を挙げてしまいましたが、いやージルベールのスプリントはすごかった。レース後のコメントを見ると、前日の天気予報をもとにギヤを選択するなど、綿密な戦略を立ててレースに臨み、その上で絶妙のタイミングでアタックを決めた勝利であることが明らかになりました。
うーむ、昨シーズンからのジルベールは本当に凄い。もう完全に、トップレベルのワンデーレーサーとしての地位を確立しましたね。以前はアタックばかり仕掛けては・・・・という印象がある感じでしたが、この頃は勝負どころのタイミングを上手く掴めるようになったというか、適切なタイミングでアタックを決められるようになりましたね。
悔しいのは、2位に敗れたボーネン。結果的にボジッチの実力を買いかぶりすぎたという事になるわけですが、ああいうのは分からないからなぁ・・・・ どうしようもないですねー。しかし、表彰台での恒例の栗村さんによる声当てと、その直後に満面の笑みで登場したボジッチには、爆笑させられましたが(笑)
さて、残るレースはいよいよジロ・ディ・ロンバルディアのみです。うーん、今シーズンも終わるときが来ましたか・・・・ さみしいなぁ。
posted by Alan Hetarade |16:41 |
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2009年09月25日
・・・・と、また更新が開いてしまいましたが、自転車の世界選手権が始まりました。まずは、エリート男子の個人T.T.。今回はスイスでの開催という事で、地元のカンチェラーラの奮起が期待されておりました。
ひとまずセカンドグループで良いタイムを出したのが、アメリカのジーベル、イタリアのピノッティといった辺り。今回は走行中に視聴者からの応援メッセージが表示されていましたが、やっぱりピノッティを応援する声が多かったといいますか、彼の人柄は日本でも支持されているんだなぁ、と。最終的に目標としていた1桁順位を達成したということで、何かその控え目な目標の立て方も、またピノッティらしいなぁ、と(笑)
さて、いよいよ第3グループがスタート。カザフスタンのヴィノクロフ、ドイツのマルティン、イギリスのウィギンズ、スウェーデンのラーション、そしてスイスのカンチェラーラら、有力選手が次々にスタート。最後は前年度のチャンピオン、ドイツのグラブシュがスタート!
・・・・と、この辺りで優勝者予想クイズの締切が迫ってきたので、応募することに(笑)
まぁまず間違いなくカンチェラーラだろうなぁ、と思ったのですが、ここでカンチェラーラって予想してもつまらないだろうなぁと思い、敢えてラボンの優勝を予想。しかし、第1計測の時点で絶望的に。そしてそこのカンチェラーラの通過タイムがあまりにも早すぎて、爆笑。なんじゃこりゃ。
その後、暫定2位で走っているラーションに対し、スタート時の1分の差を追いついて抜かしたり、そこそこキツい上り区間があるコースを1周したのに平均時速が50kmを超えてなおスピードが上がり続けていたりと、何かもうやりたい放題。それまで暫定トップだったマルティンのタイムを2分以上上回ったりと、もう何が何やら。1人だけ別のレースを走っているかのよう。
そしてゴール前へ!というか、もうトップだということは分かり切っているのですが、残り300mでジャージを整え、残り200mでガッツポーズ。その後は観客の声援に応え、胸のスイス国旗をアピールしながらゴールという、T.T.としては前代未聞のゴールシーンを演出しました。
うーん、まぁ強いことは分かっていたのですが、ここまでとは。何というか、もうレース中ずーっと笑ってましたよ、TVの前で。あそこまで強いのは呆れるか笑うかどっちかかと。もう他の選手が頑張ってどうこうできる次元の走りではないですからね。ラーションもかなり健闘したとは思いますが、もうあれはカンチェラーラと同じ世代に生まれたことを呪うしかないかと(いや、実際はラーションも2位でニコニコしてましたけどね)
さて3位争いはマルティンとウィギンズの一騎打ちになっていたわけですが、何とレース終盤で自転車から降りてしまうという件もあり(結局あれはなんだったんですかね?その後すごーく萎えてましたけど)、そんなこともあって労せずマルティンが3位に。そして昨年度のチャンピオン、グラブシュは、予想どおりコースとの相性が悪くて10位に終わりました。
まぁとにかく、一にも二にもカンチェラーラに尽きますね、うん。もう圧巻とか圧倒的とか、そういう問題じゃなかった。世界が違いました(笑)
ある程度予想はされていましたが、終わってみれば文字通り「カンチェラーラ劇場」。演出から主演まで、文字通り1人でこなしてしまいました。しかも地元スイスでのこのような圧勝劇ということで、日本で例えるならば、東京オリンピックで北島が金メダルを取るような快挙と言えるでしょう。いやぁ、本当に凄かった。
さてカンチェラーラはこれで勢いにのって、ロードでの優勝も狙ってくる・・・・という事になるでしょう。実際コースも彼向きのものでしょうし、ツール・ド・スイスで総合優勝を果たしたことからも分かるように、彼は地元でのレースでは燃えますからね。アシストという点では不安が残りますが、そういうのをはねのけて単騎でどうにかしてしまう力強さも持っていますし、可能性はあるでしょう。
ただ優勝候補となると、やはり世間的にも圧倒的な支持を受けているであろうクネゴが、やはり最有力でしょうか。徐々に彼自身もクラシックレーサーとして、良い意味で“開き直って”きている感がありますし、直近のヴエルタでも好調を維持。コースも彼向きの厳しい登りが多いコースですし、可能性はあるでしょう。逆にスプリンター系の選手にとっては、厳しいかなぁ。
他だとベタなところですが、ベルギーのジルベール、あとは出るかどうかわかりませんが、出るのであればチェコのクロイツィゲルにもチャンスはあるんじゃないかと。クラシカ・サンセバスチャンでは良い走りをしてワンデーレースでも通用するところを見せつけましたし、今回は例年に比べてかなり斜度が厳しい登りがあるので、どちらかというとクライマー系のワンデーレーサーに有利なコース。そういう点では、登坂力を生かしてクロイツィゲルがスパート、という展開も存分に考えられます。
まぁ何より、個人的にラボンで外した予想の分を取り返してほしい、ってのがあるんですけどね(笑)
posted by Alan Hetarade |12:37 |
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2009年07月27日
ツール・ド・フランスは、私の試験終了より一足早く、シャンゼリゼにフィニッシュしました。最終第21ステージは、パリへのパレードの後、シャンゼリゼ通りを含む周回コースを走りフィニッシュします。
F1を見てから移行したのですが、ちょうど周回コースに入るあたりで、良いタイミングでした。どうやらその前に、新城&別府という日本人コンビが揃って走っているところをカメラに抜かれたりしていたようで、欲を言えばそれも見たかったですが(笑)
さて、シャンゼリゼの周回コースに入るころ、チラチラとフミの姿が集団の前の方で見られるように。「おや、これは狙っているのかな?」と思いながら見ていましたが、シャンゼリゼに入ったところでさっそくアタックがかかって、集団がうねうねとしはじめます。
そして引き気味のカメラがパッと先頭の選手を抜いたその瞬間!
うおおおおおお、フミだあああああああああ!!!!
何と先頭でアタックを仕掛けているのは別府史之!しかもその後ろに何人かの選手が付いている状態で、後ろではコロンビアが集団のコントロールを始めつつ、まだ何人かの選手が逃げに乗ろうともがきますが、しかし別府の強力な引きで、それらをちぎっている、という状態!
なんじゃこりゃああああ!!!!!(笑)
いやもう、叫びました。叫びましたとも。ここで叫ばずしてどこで叫ぶんだ、と。本当に興奮しました。すごい。シャンゼリゼで逃げに乗っただけでもスゴイのに、それを自らのアタックで決めて、その足で後ろの集団を引きちぎったとか、本当に凄すぎる!
集団が完全にコロンビアのコントロール下に入り、7人での逃げが決まりました。すごい!フミが作った逃げだよ!
さすがはパリ~ルーベなどのクラシックレースを得意とするフミ、シャンゼリゼの石畳などお手の物といった感じで、集団に対して力を見せつけました。
その後もローテーションにしっかり加わり、逃げのペースを作っていくフミ!すごいすごい!もうTVの前で大興奮でした。家族そろって見ていたのですが、もうそれを忘れてしまうくらいはしゃいでおりました(笑)
しかし集団もコロンビアが徐々にペースを上げ、ラスト1周くらいにかかるか・・・・・
というところで、うおお集団がヴェッカネン、ウェーグマン、そしてフミの3人になってる!!なんじゃこりゃああああ!!!!!(笑)
結局直後に吸収されてしまいましたが・・・・・いやー。
そして最後のゴール前スプリント。直前でガーミンを前に出しておきながら、ラスト1kmで図ったようにヒンカピーがスピードを上げて、前に出てくるコロンビアのトレイン!そして最終コーナーでガーミンのアシストがライン取りを誤り、レンショーとカヴェンディッシュの後ろがちぎれてしまうという事件が発生!
こうなるともう茶番というか、そんなの確認のしようがないレンショーはいつものようにスピードを上げてカヴェンディッシュを発射、そしていつものように弾丸の如く飛び出していくカヴェンディッシュ。その後ろの選手は誰もついてこられない、ってかその前の段階ですでにいない(笑)
カメラにはカヴェンディッシュしか映らない。「何だこの茶番!」と思わず言ってしまいましたが(笑)、とにかくそんな感じで、カヴェンディッシュが文字通り1人でゴール!ついに競るという次元を通りこした、スプリントの向こう側とも言ってもいい勝利を見せてくれました。
アシストしたはずのレンショーまでもが余裕でガッツポーズをしながら2位に入るという、なんかカッコイイのか締まらないのかよく分からない絵のまま、シャンゼリゼのフィニッシュを迎えることになりました(笑)
さて、何といってもこの日のフミでしょう・・・・・
もう本当に、あのアタックをかけて逃げを決めてからのシャンゼリゼの8周は本当に神がかっていたというか、何か見ているこちらまで、まるで夢を見ているかのような気分になったというか、とにかく近ごろ味わったことが無かったような、異様とも言って良い高揚感が胸の内に湧いてまいりました。
中継でも栗村さんが感極まっていましたが、ツールを見始めてまだ3年の自分でも、本当に今見ているものが現実なのだと信じつつも、しかしどこか夢心地だったくらい。ですから、それこそ栗村さんのように、何年、何十年と自転車に携わり、ツール・ド・フランスを見てきた方々にとっては、まさにあり得ないことが目の前で起こっている、という状態だったのでしょう。
今大会は第2ステージ、いきなり新城がゴールスプリントで5位に入り、最終週には別府が第19ステージで山岳を越えた中で集団に残り7位に、そしてこのシャンゼリゼで自らのアタックによって逃げを決めて、敢闘賞を獲得するという、文字通り快挙としか言いようがないことをやってのけました。
そしてその上で、2人揃ってこの3週間の世界一過酷なレースを、完走しました。これは本当にすごい。
なかなかサイクルロードレースに馴染みが無い方にこれがどれだけ偉大なことかを伝えるのは難しいのですが、とにかくスゴイことです。1996年に今中大介さんが出場したという事も、その後13年の長きに渡り日本人選手がその舞台に立つことすらできなかった事からとんでもない事だというのが分かるのですが、今回の新城、そして別府の走りは本当に凄かった。
タイトルにも書きましたが、大げさな表現ではなく、まさにこの2人は今大会で、日本のサイクルロードレース界の歴史上、最も大きなものと言っていい功績を刻んだでしょう。これまで日本人が“出なくて当たり前”だったツールに2人揃って出場したばかりか、完走を果たし、その中で一目置かれるような走りを披露し、そして賞も獲得した。これは本当にスゴイことです。
これまで「日本人には無理だ」と思われていたツールの舞台でこれだけの結果を残したということは、本当に大きい。「やればできる」と口で言うのは簡単ですが、実際にそれを理解することは難しいし、ましてやそれを実行するのは本当にひとかけらの可能性にかけるしかない。しかし別府、新城の2人は、まさにこの「やればできる」「日本人でも通用する」ということを、身をもって表現し、またそれを我々ファン、およびサイクルロードレースに携わる全ての人々に、示してくれました。
スポーツというのは何が起こるか分からないし、本当に、人の可能性というものを見せてくれる。今大会の別府、新城の走りは、個人的にはあのイスタンブールでリヴァプールが見せた奇跡に匹敵するくらいのインパクトがありましたし、本当に日本人にとって大きな功績だと思います。
どうしても同日、ゴルフで活躍した宮里の報道に隠れがちなのが勿体ない気がしますが、本当にこれは声を大にして言いたい。まさに昨日、あのシャンゼリゼで歴史が生まれたわけですし、新城が言うように、これまで月のように到達不可能かと思われていた、ヨーロッパのトップスポーツであるツール・ド・フランスという舞台に、2人の日本人がしっかりその足で立った瞬間でありました。
これは本当に、日本のサイクルロードレース史、いや日本のスポーツ史にとっての一大事件ですし、今後ツールが続いていく限り、日本において彼らの功績が霞むことは無いでしょう。
いやぁ、あの光景を今思い出しただけでも、本当に胸に込み上げてくるものがあります。結局日本人の事しか書きませんでしたが、本当に素晴らしい3週間でした!
ありがとう。そしておめでとう!新城幸也&別府史之!!!
posted by Alan Hetarade |23:15 |
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2009年07月26日
結局コメントにお返事できていなくて、申し訳ございません。ただやはり明日まである試験の方に足を引っ張られてるのと、今晩はこれからF1、ツール、世界水泳と観戦しなければならないため、もう1日だけお待ちいただければ、と思います。
本当にすみません。
さて、ツール・ド・フランスは第20ステージ。いよいよ今大会最後の山場、モン・ヴァントゥーであります。
この日は逃げが決まり、コロンビアのマルティン、ラボバンクのガラーテの2人が最後まで残りました。メイン集団はタイム差を詰めていき、ヴァントゥーの登り口では吸収は確実かと思われたのですが、その後メイン集団がけん制状態に入った事もあり、タイム差をキープしたまま、上の方へ。
メイン集団ではアンディ・シュレクが再三アタックし、そこにその都度コンタドールがつける、という展開。おそらくアンディとしてはまず初めに自分がアタックして、その後からフランクが追いついたところで2人で差を広げ、自分の成績というよりはフランクの総合3位の座のために走ろうとしていたと思うのですが、フランク、クレーデン、ランス・アームストロング、ウィギンズという表彰台を争う3人は完全に牽制し、アタックできる選手もおらず。
結局アンディは何度もアタックを繰り返しますが、コンタドールが付いてくるため自分のためにもならず、さらにフランクが合流できないので兄のためにもならないということで、集団に戻ってしまいます。
そうこうやっているうちに単独で前を追い始めたのが、かねてからこのヴァントゥーでのステージ優勝狙いを宣言していたペッリツォッティ。総合に関係ない選手ということで集団も容認し、1人で前を追いますが、さすがに頂上付近の強風は厳しかったか、最後で失速。
そして結局、ゴール前ではマルティンとガラーテのスプリント勝負に。しかし最後の最後で傾斜が厳しくなる中、マルティンが限界に達して脱落。その隙を突いてスパートしたガラーテが、ステージ優勝!
今大会、総合狙いのヘーシンクが早々にリタイヤ、メンショフは全然ダメ、そしてフレイレもまったく見せ場が無かったラボバンクにとって、待望のステージ優勝。しかも普段はアシストとして走るガラーテとしては、間違いなくキャリア一番の勝利となりました。
ゴール後のインタビューで「引退する前にツールでステージ優勝したかった」と語った通り、やはり33歳という年齢もあってか、自身のキャリアの終わらせ方についてもうすうす考えていたところもあったのでしょう。もうあと何年も走れないという状況の中で、めぐってきたチャンスをモノにして勝ったガラーテ。本当に天晴れであります。
もちろん総合争い上位の強い選手たちが繰り広げる争いも興味深いのですが、今大会で言えばヴォクレール、ハウッスラー、アスタルロサ、そしてこのガラーテ辺りがそうですけど、やはりサイクルロードレースは選手が非常に多い。そんな中、チームのために働いたりする中で、自分の勝利という点でチャンスが巡ってくる機会というのは少ない。そういう選手たちが勝利を手にし、涙する姿というのもまた、1つこのスポーツの良い光景だなぁということを、改めて感じました。
総合争いでは最後にアンディが意地を見せて3位、そしてコンタドールが4位でフィニッシュし、総合優勝を確定させました!これについてはまたシャンゼリゼの後で書きます。
さらにランス・アームストロングが5位でフィニッシュし、こちらも総合で表彰台を確定させました。フランクはその後ろから、そしてウィギンズはさらに遅れたものの最後何とか粘り倒して、総合4位はキープ。
日本人選手2人も無事に走り切り、シャンゼリゼのゴールを迎えることとなりました!これはすごい。これについてもまた詳しくは明日書きますが、フミはやはりゴール後こみ上げてくるものがあったということで、ふむー・・・・本当に、本人にとってもファンにとっても、感慨深いものであります。
posted by Alan Hetarade |20:03 |
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2009年07月25日
コメントレスをしようと思ったら、あまりにもレースの展開が速すぎ&濃厚すぎて、している暇がありませんでした(苦笑)
さて、そんな第19ステージ。ゴール直前の2級山岳、あのカヴェンディッシュが先頭集団に食らいついている(それもかなり前の方で)という事で、おおっとなったわけですが、山頂を通過したところでフミこと別府史之の姿を発見!そして完全に1人だけ浮いていた今西さんにも爆笑しましたが(笑)
先頭集団の人数は40人くらいだったようで、登りでペースアップがされた中で残っているのはすごいなぁと思っていたのですが、そこからの下り、そしてゴール前の平坦区間にかけて、集団内での番手争いをするフミの姿を見て、興奮。
なんかもう思い出すだけで本当に熱いものがこみ上げてくるのですが、スキルシマノのほかのチームメイトが切れてしまった中、ただ1人で世界的なトップスプリンターたちを相手に集団の中で臆することなく位置取りをするフミ・・・・ いやぁ、シビレました。
そしてそのまま、ゴールスプリントへ。もうどうせカヴェンディッシュが1位になることは分かっているので、実況席と共にひたすら「いけー!」とフミを応援。
最終コーナーではちょっと後ろかなぁと思われたフミでしたが、ランス・アームストロング辺りをかわしてするすると上昇、最後は流石にいっぱいいっぱいといった感じでしたが、集団前方で懸命にもがく姿はすごい!痺れるぅぅ!
そんな感じでもがききってゴール!着順が出るのを待っていましたが、7位とのこと。「ばんざーい!」と、本当にTVの前で万歳してしまいました(笑)
いやぁ~、これはスゴい。初のツール出場でトップ10フィニッシュが2回。しかも今回は登りでの力比べの中で集団が絞られていく中で残り、その後の下りと平坦区間ではチームメイトのサポートが無い中、他の選手と堂々と渡り合うレース運び。そしてスプリントに参加して、12人(実質の集団は40人くらいいましたが)しかいない同タイムの選手として入り、7位・・・・・
フミに関してはツールに出たときにも書きましたが、ディスカヴァリー・チャンネルに加入してからずーっとヨーロッパのトッププロで唯一の日本人として戦ってきたわけですし、結果も残してきた。その一方でスキルシマノに移籍してからは、得意のクラシック戦線でなかなか運が回ってこず、全力を出しきれない日々が続いた。本当に、タイヘンだったと思います。部外者がが軽々しく言うことじゃないと思うけど、本当にそう思う。
そんな中でも自転車への情熱をもって戦い続けてきて、そして念願のツール・ド・フランス出場を果たし、その舞台で思う存分力を発揮している。これは本当にスゴイことですし、ようやく彼が正当に評価される時が来たというか、長い苦難の時を経てようやくその苦労が実りつつあるのかな、という気がします。
いやぁ、本当に素晴らしい走りでした。カッコイイぞー、と(笑) そして嬉しいですね、やっぱり。彼の走りは間違いなく、サイクルロードレース界における日本人選手の可能性を、広げているでしょう。
さて、今日はいよいよモン・ヴァントゥー。総合争いに決着がつきます!
posted by Alan Hetarade |20:29 |
サイクルロードレース |
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2009年07月24日
はー。
まぁ、ある程度分かりきっていた結果ではあるのですが、実際にこうなってみると本当に溜息しか出てこないというか、強いですねぇ。本当に強い。
総合上位陣ではウィギンズも強さを見せたわけですが、コンタドールはそのはるか上を行くステージ優勝。“山岳ではシュレクより強く、T.T.ではウィギンズより強い”ことを証明してみせたわけで、もはや敵なしですね。勝てないのはスプリントだけじゃないですか・・・・
これで総合成績では、2位のアンディ・シュレクまで4分11秒差。3位のランス・アームストロングが5分25秒遅れで、その後ウィギンズ、クレーデン、フランク・シュレクまでが34秒以内にひしめいているとはいえ、完全に頭1つ2つ、いやもっとかな?とにかくコンタドールが抜け出しているという状況。
う~む、コンタドールも本当に、ビッグになりましたね。そりゃジロとヴエルタを昨年制した時点で“単なるチャンピオン”の域は超えてましたが、2年前にツールを勝ったときは2位のエヴァンス、3位ライプハイマーとのタイム差が30秒くらいだったと思いますし、昨年のジロでも最終日のT.T.で突き放したとはいえ、今は表舞台から去っている某選手と最終ステージまで1分くらいの差だったはず。
それが今年は、モン・ヴァントゥーという難所を残した段階で、4分以上の差をつけているのですからね。えらいこっちゃです。上述したとおり登りでも今大会、誰よりも速く走っているわけで、これでモン・ヴァントゥーでもさらにタイム差を広げるようなことがあれば、それこそランス・アームストロングの全盛期ばりの強さですよ。しかもまだ26歳・・・・いやはや。
そんな感じで、まだ総合優勝が決まったわけではないのですが、もう完全にコンタドールだらけの記事になってしまいました(笑) もはや溜息が出てくるレベル、いやはや。本当に強いですね。強い。
コメントレスは、今日のステージを見ながら行います。遅れてしまい、申し訳ございません。
posted by Alan Hetarade |19:43 |
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