2011年02月01日
■“デッドライン”ギリギリの大補強
今冬の移籍市場がクローズとなる1月31日、多くのチームが補強に動いた。日本では長友のインテル移籍が大きく報道されているが、やはりヨーロッパ全体で見た場合、プレミアの2チーム、リヴァプールとチェルシーが行った補強が、最も注目される動きと言っていいだろう。
まず何といっても、フェルナンド・トーレスがリヴァプールからチェルシーに移籍したことが挙げられる。1月30日辺りから突如、トーレスがリヴァプール側に移籍を志願した、どうやらチェルシーからオファーがあったらしい、リヴァプールはそれを拒否した、等々の噂が飛び交い始めたが、結局31日、チェルシーへの移籍が発表された。トーレスはレッズでの最後のゲームとなった26日のフラム戦で、覇気のないプレイに終始しており、或いはその時既に彼の心は、青い風に乗ってロンドンに飛んでいたのかもしれない。
チェルシーは同時に、こちらも一時交渉の難航が伝えられていたダヴィド・ルイスの獲得も発表。移籍金は非公表だが、2人合わせて7500万£を投じたと報じられており、このうちトーレスの移籍金が5000万£と見られている。
一方のリヴァプールは、28日にルイス・スアレスを2650万€で獲得。さらに31日にはトーレスを放出する一方、こちらもクラブ側が一旦は移籍を否定したニューキャッスルから、アンディ・キャロルを獲得した。移籍金は非公表だが、3500万£での移籍成立という報道がある。
この一連の移籍は、リヴァプール、チェルシー双方にとって、チーム編成を抜本的に変える意味を持つ移籍である。今日はその移籍について、双方の視点から考えてみる。
■数年来の“型”の変更
まず、トーレスとルイスを獲得したチェルシーについて。選手層が薄く、待望されていたCBの補強を行ったという点で、ダヴィド・ルイスの獲得については何ら戦術的には影響がない。。だが、トーレスの場合は、話が別だ。
チェルシーの3トップは、ドログバ、アネルカ、マルーダという絶対的なレギュラーが存在している。またスーパーサブとしてカルーが控えており、おそらくベナユンも、3トップの両翼であればプレイできるだろう。そしてトーレスは、サブとして獲得するような選手でないことは、明らかだ。
つまり、過去数シーズン、絶対的な存在感を放ってきたこの3トップを、今回のトーレス獲得によって敢えて崩す事となる。これはチェルシーにとっては、非常に大きな出来事だ。敢えてこの、ヨーロッパを席巻した“型”を崩してまでトーレスを獲得した意図は、どこにあるのだろうか。
■ウィンガータイプはいらない?
考えられる可能性は、幾つかある。トーレス、ドログバ、アネルカの3人を前線に並べる、超強力といっていい3トップを形成し、器用なマルーダを中盤に下げることも考えられる。或いは、フォーメーションを4-4-2に組み換え、2トップは3人のローテーションとし、中盤の左サイドにマルーダ、右にエッシェンという戦術もあるかもしれない。またアンチェロッティ監督が本来やりたい形である、中盤をダイヤモンド型にした4-4-2で、トーレス、ドログバの2トップの下にアネルカ、という考え方もできるだろう。
だが留意しておかなければならないのは、トーレスはこれまでチェルシーの前線を張ってきた選手たちとは、まるでタイプが異なるFWであるとう点だ。リヴァプールでのトーレスは、1トップとして前線のスペースを自由に使える環境下で、結果を残してきた。一方チェルシーは、ドログバが身体を張り、アネルカは柔軟性を生かしてそれに絡み、一方でマルーダは突破力を生かしたウィンガー的な動きをする、というコンビネーションだった。トーレスのように、自分でスペースを見つけて動くタイプのFWは、いなかった。
ここで1つキーになるかもしれないのは、チェルシーが1月26日に、ガエル・カクタをフラムにローンで放出していることだ。カクタは身体こそ小さいものの個人技に優れ、マルーダに近いタイプの選手として、まずまずのパフォーマンスを見せていた。その彼を放出したことは、若い彼の成長を促すという意味もあるだろうが、彼のようなウィンガータイプのFWは、戦術的に絶対必要というわけではない、という判断がなされた可能性がある。
以上を踏まえると、やはりマルーダを中盤で起用する戦術を採る可能性が高いのではないか。最も自然な考え方は、ドログバにボールを預けてより彼のキープ力を生かしつつ、トーレスとアネルカは両翼からその隙にスペースを狙う、という戦い方だろう。ローテーションによってはこれまで通りマルーダを3トップの一角で起用し、慣れ親しんだフォーメーションで戦うという事も出来る。
いずれにせよ、トーレスの加入はチェルシーにドラスティックな変化をもたらす。彼がフィットできるかどうかは、後半戦で巻き返しを図るチェルシーにとって非常に大きなポイントとなる上、トーレスのキャリアに於いても、リヴァプールへの移籍時以上に重要な瞬間が訪れたと言える。
■リヴァプール、4-2-3-1の破棄
一方トーレスを放出したリヴァプールは、チェルシー以上に明確に、戦術を変更する意思が明らかとなった。ダルグリッシュ監督の就任後、急ピッチで補強に関する話を詰めていたが、スアレス、キャロルというヨーロッパでも最も注目を集めている若手FW2人を同時に獲得したことで、予想以上のドラスティックな改革を行ったと言える。
トーレスを放出した以上、意図は明確だ。ラファ・ベニテスが確立した4-2-3-1を完全に破棄し、スアレスとキャロルの強力な2人を、アタッカーとして同時に起用するのだろう。ただ、そこから先の可能性は2つあり、そのまま2人を前線に並べて2トップにするのか、カイトを加えて3トップにするのかというところは、まだダルグリッシュ監督次第だ。
4-4-2にした場合、サイドアタッカーとしてはカイト、マキシ・ロドリゲスがレギュラーとなり、ジョー・コール、ヨヴァノヴィッチがサブという事になるのだろう。おそらく移籍組の2人とサイドアタッカーの起用を優先的に考えた場合、これが最も自然な形だ。ただリヴァプールの場合、ジェラード、ルーカス、ラウール・メイレレス、ポウルセン、スピアリング、シェルヴィーといったように、CHの選手が非常に多い。もしCHの活用を考えた場合、ルーカスをアンカーに置き、ジェラードとメイレレスを加えた3センターが理想だ。
ダルグリッシュ監督が就任時から4-3-3の形で戦う采配をしていることを踏まえると、3トップ、3センターともに比較的容易にローテーションができるこの形が、現状のファーストチョイスであると考えられる。
リヴァプール、チェルシーともに、大物を獲得してドラスティックな改革を行った。果たして新戦力がフィットするのか、どのようなフォーメーションになるのか、前線の破壊力はどうなるのか。前半戦は苦労した両チームだが、今日、明日と開催されるミッドウィークのゲーム、またそれ以降の後半戦の戦いに向けて、興味は尽きない。
以下、戯言。
しかしリヴァプールは、スアレス&キャロルという問題児2人を抱え込んじゃって、何というかそっちの面でも大暴れって展開が容易に想像できますな(笑) ま、もともと伝統的にファウラーやベラミーが色々やらかしてきたクラブなんで、ファンとしては一向に構わない、っていうかむしろ「存分にやってくれ!」って感じなんですけど・・・・←
posted by Alan Hetarade |12:00 |
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2010年10月26日
ヒーローになり損ねた男
先週末のプレミアリーグで最大の注目を集めたカードは、何と言ってもマンチェスター・シティーvsアーセナルのゲームであった。潤沢な資金を基にした大幅な戦力補強が遂に結果に繋がり、2位という順位につけたシティー。対するは、こちらも例年にない堅実な補強で選手が厚みを増し、今シーズンこそタイトル奪還が可能ではないかとの呼び声が高い3位のアーセナル。両雄の対決は、並々ならぬ緊張感の下に行われた。
異常なテンションの中始まったゲームは、開始5分で19歳のボヤタが経験不足を露呈するタックルで退場となり、その後も前半のうちに両チーム合わせて5枚のイエローカードが出されるなど、大荒れの展開となった。結果的には10人のシティーが最後に力尽き、アーセナルが3点を入れて完勝。空席だらけとなったシティー・オブ・マンチェスターにクラッテンバーグ主審が試合終了のホイッスルを吹くと、アウェイのサポーター席から上がる歓声のみが響き渡った。
そんな試合展開にあって、唯一シティーがゲームの流れを引き寄せかけたシーンが、前半終了間際の40分にあった。セスク・ファブレガスのPKを、シティーのGK、ジョー・ハートがセーブしたのだ。前半のうちに2点目が入ってしまえば、その時点で10人のシティーにとっては“とどめ”とも言えるゴールになっていたはず。結果的にアーセナルはその後2点を取ったが、もし攻めあぐんでシティーの反撃を許すような展開になっていたら、PKを止めたハートはこのゲームのヒーローとなっていただろう。
荒削りだった“20歳の守護神”
2003年に当時地域リーグに所属していたシュルーズベリー・タウンでプロとしてのキャリアをスタートさせたハートは、06年にマンチェスター・シティーに移籍。その年にシティーでのデビューを飾ると、その後は下部リーグのチームにレンタル移籍し、経験を積んだ。
ハートが表舞台に登場したのは、翌07-08シーズンだった。当時シティーの正GKだったスウェーデン代表のアンドレアス・イサクソンが開幕前に怪我をしてしまう。シーズン当初、当時監督だったエリクソンが起用したのは、ハートではなくカスパー・シュマイケルだった。シュマイケルのデビューは往年の名選手の子息という事情も相まって、それなりにフットボール界でも話題となった。しかし第7節のフルアム戦でシュマイケルが3失点を喫すると、次のニューキャッスル戦でエリクソン監督はシュマイケルではなく、ハートを先発に送り出した。
当時、ハートは弱冠20歳。この年齢でプレミアのゲームに出ればそれなりに話題になりそうなものだが、シュマイケルも同い年で先にそちらの年齢が話題になったこともあり、当初ハートの正GKとしてのスタートは、一部のプレミアのファン以外にはほとんど注目されなかった。しかしハートは出場した試合で次々と好セーブを見せ、さらにイサクソンの復帰後も彼を押しのけてゴールマウスを守り続けたことから、イングランドの次代を担うGKとして、徐々に話題を集めていく事になる。
この頃のハートは、とにかくシュートへの反応は抜群だった。一方でキックの精度は不安定で、また若さから来る危なっかしいプレイを時折見せたり、コーチングの未熟さを指摘する声があるなど、その素質は認められたものの、まだまだ荒削りな域を出ないという評価をされていた。
ギヴンを超える存在へ
08-09シーズンも正GKとしてシーズンをスタートさせたハートだったが、この年はやや伸び悩んでいた感は否めなかった。そして世界一の金満クラブとなったシティーにとって事実上最初の移籍市場となった09年1月に、ニューキャッスルからシェイ・ギヴンが加入。実力と経験を兼ね備えたギヴンの前にハートはレギュラーの座を追われ、ベンチに追いやられてしまう。
しかし09-10シーズン、レンタル移籍されたバーミンガムで、ハートは目覚ましい活躍を見せる。決して恵まれた戦力の無いチームにおいて、好セーブを連発。しばしば守備が崩壊しがちな昇格チームにあって“堅守バーミンガム”という評価を確固たるものとさせ、シーズンを9位でフィニッシュする原動力となった。この活躍はファンや他の選手たちからも高く評価され、イングランド代表に完全に定着したほか、バーミンガムのプレイヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、PFAのヤング・プレイヤー・オブ・ザ・イヤー部門にもルーニー、セスク、ミルナーと並んでノミネートされた。
そして迎えた今シーズン。シティーにレンタルバックされたことでギヴンとのレギュラー争いに注目が集まったが、いざ蓋を開けてみると、あっさりとハートが正GKの座を奪取。出番が無くなったギヴンには移籍の噂が出る一方、ハートはイングランド代表でも、着々と守護神の座を固めつつある。
進歩と試行錯誤見えたガナーズ戦
そんなハートの、ガナーズ戦である。上述した通りハートはセスクのPKを止めたが、私はその他のシーンで、ハートの進歩ぶりに目を奪われた。
60分前後の場面だったと記憶しているが、ハートがボールをキャッチすると、右サイドをマイカ・リチャーズが駆け上がった。これをハートは見逃さず、低い弾道のパントキックを正確に前線のスペースに蹴り、リチャーズはスピードを落とすことなくドリブル突破を仕掛けることができた。最終的に決定機には結びつかなかったものの、GKからの展開であわや、と思わせたシーンであった。
先に述べた通り、デビュー当時のハートは、お世辞にも足元がうまいとは言えない選手だった。キックと言えば山なりのボールを蹴るだけで、フィードのミスでボールが直接タッチラインを割ってしまうシーンも、珍しくなかった。しかしこの試合では、名手レイナばりのパントキックとも言っていい、素晴らしい展開を見せた。あのプレイは、まさしくハートがGKとして、技の幅を広げていることの象徴と言っていいだろう。
一方で、課題も残った。前半はキャッチしたボールをスローイングして味方に繋ごうとするのが多く見られたが、その大半で直後に味方選手がボールをカットされ、ショートカウンターからピンチを招いてしまった。素早く味方に預けてチャンスに繋げようとする意図自体は悪くないのだが、味方選手にボールを出す間合い、またスペースの見つけ方やスローイング自体の精度という点において、まだまだ改善点が見受けられた。だがキックの精度が大幅に進歩したことを考えると、この積極的にトライしているスローイングも、将来的にハートの武器になり得る可能性は充分あると言えよう。
GKのプレイというと、やはりシュートへのリアクションが最もピックアップされがちである。しかし真の名手と呼ばれる守護神に求められる要素は、それだけではない。豪華補強で集められたメンバーを前に、気後れすることなく大声を張り上げ指示を出す23歳の姿は、その“プラスアルファ”をこれからどんどん身につけていくだろうと充分期待できる、逞しいものであった。
posted by Alan Hetarade |07:34 |
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2010年05月14日
09-10シーズンのプレミアリーグは、チェルシーが優勝を飾った。
シーズン終了後の興奮もさめやらぬ、またFAカップ決勝を週末に控えた中ではあるが、改めて“数字”に着目し、今シーズンのプレミアリーグを振り返ってみようと思う。
■チェルシー 86ポイント
優勝したチェルシーが獲得した勝ち点は、86ポイント。これより低いポイントで優勝したチームは、02-03シーズンのマンチェスター・ユナイテッド(83ポイントで優勝)まで遡らなければならない。プレミアリーグ全体としては、00年代に入ってから優勝チームのポイントが多くなる傾向があったが、09-10シーズンはその傾向にストップがかかったと言える。
■チェルシー 27勝5分6敗
そのポイントが少なくなった要因の1つとして、優勝チームのチェルシーが6敗を喫したことが挙げられる。03-04シーズンにアーセナルが無敗優勝を飾ったのは今となっては懐かしいが、その他の歴代優勝チームも、最近はほぼ5敗以下で優勝を飾ってきた。上に挙げた02-03シーズンのユナイテッドも、25勝8分5敗である。
00-01シーズンのマンチェスター・ユナイテッドは24勝8分6敗、80ポイントという成績であり、チェルシーと同じく6敗で優勝している。プレミアリーグにおいては、その他に97-98シーズンのアーセナル(23勝9分6敗)、95-96シーズンのユナイテッド(25勝7分6敗)、92-93シーズンのユナイテッド(24勝12分6敗)といったチームが、6敗で優勝している。
なお最も多くの負けを喫しながら優勝したチームは、94-95シーズンのブラックバーン。このときは27勝8分7敗という成績で優勝している。
ただしこのシーズンまで、プレミアリーグはチーム数が22チームであり、シーズンで42試合を戦っていた。つまり今シーズンのチェルシーは、現行の20チーム制になってからは最多タイの敗戦を喫しながら、優勝した事になる。
■ディディエ・ドログバ 29ゴール
ドログバとルーニーが最終節まで熾烈な争いを繰り広げた、トップスコアラーの座。最終的にはドログバがウィガン戦でハットトリックを決め、29ゴールで得点王となった。2位のルーニーは終盤怪我で苦しんだが、ドログバもネイションズカップでの離脱機関があったために、最終的に両者はまったく同じ、先発32試合出場(ドログバは途中出場1試合あり)である。
ここ何年かのプレミアは、トップスコアラーのゴール数が30に迫るように各選手がゴールを量産するシーズンと、一転してトップが20ゴールに届くか届かないかといった、少ないゴール数で争われるシーズンが互い違いに続いている。
以下、ここ数シーズンの得点王を挙げてみる。
09-10:ディディエ・ドログバ 29ゴール
08-09:ニコラ・アネルカ 19ゴール
07-08:クリスティアーノ・ロナウド 31ゴール
06-07:ディディエ・ドログバ 20ゴール
05-06:ディエリ・アンリ 27ゴール
04-05:ティエリ・アンリ 25ゴール
03-04:ティエリ・アンリ 30ゴール
このように、アンリが3シーズン連続で得点王になった05-06シーズンを最後に、その後の4年間はゴール数が少ないシーズンと多いシーズンが続いている事が分かる。この傾向から言うと、来る10-11シーズンは“ゴール数が少ない年”となるはずだが・・・・
■マンチェスター・ユナイテッド クリーンシート19試合
最多クリーンシート(無失点試合)となったのは、マンチェスター・ユナイテッドで19試合だった。しかしこの数字は例年と比べ少ないものであり、以前に20試合を割ったシーズンとなると、02-03シーズンまで遡らなければならない。この年はブラックバーンが15試合が最多と、プレミア史上最低の数字だった。
ただしこの02-03シーズンまでは4シーズン続けてクリーンシートの数が20を超えたチームは無かった。最初の敗戦数のデータと合わせると、今シーズンのプレミアリーグは、上位と中位、下位のチームとの差が、比較的少なかったシーズンと言えるのではないだろうか。
posted by Alan Hetarade |15:39 |
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2010年03月16日
Liverpool 4-1 Portsmouth
【L:26,77.Fernando Torres, 28.Ryan Babel, 32.Alberto Aquilani】
【P:88.Nadir Belhadj】
正直今シーズンのポーツマスに関しては、如何にピッチ上での選手のパフォーマンスがぐだぐだだろうが監督がそれを打破する采配を示せなかろうが、ある程度は仕方のない事だと思っています。それくらい、クラブの経営に関するごたごたが酷すぎましたから・・・・ むしろ奇跡的にベスト4に進出したFAカップでの“冒険”が、褒め称えられるべきですからね。
なので、先週ウィガン、リールに立て続けに敗れたリヴァプールとしては、勘を取り戻す絶好の相手だったわけで、実際試合の展開としてもその通りに。先制点はアッシュダウンの凡ミスからのごっちゃんゴールでしたが、その後の前半残り20分くらいでの圧倒的なスピード感あるパス回しは、久々に良い時のリヴァプールのそれでありました。
とりあえずトーレス、ジェラードのパフォーマンスも先週と比べるとかなり良くなってきました。特にトーレスは動きの硬さが取れて、スムーズにゴール前に入っていけるようになったなー、と。2点取ったことで自信も取り戻したでしょうし、引き続きアンフィールドでのゲームとなりリールとのELセカンドレグでは、ファーストレグとは違ったパフォーマンスを見せることが出来るでしょう。
もうここまで来るとリヴァプールはシーズン最後まで、ゲームごとにパフォーマンスが大きく違う半ば場当たり的な戦いを続けるでしょうから、あとはもう如何にだましだましポイントをゲットして4位を確保できるか、という事になってくるわけで・・・・
そういう点ではこの試合で早々にリードを奪い、ジョンソン、ジェラード、トーレスという怪我明けの3人を休ませられたこと。そして今シーズンここまで出ずっぱりだったカイトとルーカスに休養を与えられたと言う事は、大きな価値があったと思います。とりわけ先週末は、ヴィラとシティーがアウェイで下位相手に足踏みして、追撃候補だったバーミンガムとエヴァートンが直接対決で足を引っ張り合ったわけですし。
ただ最後にベルハジに献上した1点は、ちと余計だったかなー、と。厳密に言えばあれはケリーの経験不足が招いた失点という言い方も出来るわけですが、それより何よりチーム全体での気の緩みみたいなのがあったからこそあんな変なスペースが出来ていたわけで、この辺でシャットアウト出来ない辺りが、4位争いに留まるチームと優勝争いをするチームの違いなのかなーという気がします。
あと、ジェラードがブラウンの後頭部に肘打ちを喰らわせたシーンについて。
あの場面は、カウンターからフリーランニングをしていたジェラードに対してブラウンがオブストラクション気味な動きをした事が発端なので、全面的にジェラードが悪いとも言いきれないですし、だからこそファウルを与えるにとどめたステュアート・アットウェルのジャッジも、あながち間違っていたとは言えないとは思います。ただ、ボールに関係ない場面で後頭部へ肘を見舞うという行為は、一般的にはどう考えても退場モノですから、TVを通して見ている身としてはちょっと白けたことも事実なわけで。あれに関しては、ジェラードにガッカリさせられました。
ジェラードは再三繰り返しているダイビングにしろ、正直かなりレフェリーに大目に見てもらっている部分は多いわけで、本来であれば本人がそれを自覚しなければいけないんですけどね。今回の件もおそらくゲームを見ていない人は殆ど知る機会は無いのではないかと思うのですが、もう少し自制心だとか、キャプテンとしての自覚を持ってプレイしてほしいなーと思います。
posted by Alan Hetarade |17:41 |
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2010年03月14日
Hull City 1-2 Arsenal
【H:28(PEN).Jimmy Bullard】
【A:14.Andrey Arshavin, 90.Nicklas Bendtner】
■ワンチャンスと、愚かな退場
残留争いの渦中にいるハル・シティーと、優勝を争うアーセナル。いかにハルのホームゲームとはいえ、どちらの実力が上かということは、明らかである。ゲームを圧倒的に支配するとみられていたのはアーセナルの方だったし、実際そうなった。
14分、ベントナーからのパスを受けたアルシャフィンが相手DF2人の狭い間をすり抜け、軽やかにフィニッシュ。あっさり先制に成功。その後もゲームの大半の時間を支配するものの、一瞬のプレイでハルに同点ゴールを許してしまう。
28分、左サイドからのワンバウンドしたクロスボールを、マーニーが意外性のあるダイレクトのヒールパスでアーセナルのラインの裏へ送る。これに反応したのが、フェネホール・オフ・ヘッセリンク。彼はオフサイド気味のポジションを取っていたものの、誰1人として彼のポジショニングを意識しておらず、さらにマーニーのパスで完全に意表を突かれたアーセナルのDFたちはまったくそれをアピールせず、挙句キャンベルが後ろからのタックルでフェネホール・オフ・ヘッセリンクを倒してしまい、PKを献上。ブラードがこれを力強く決め、同点に追いつく。
この同点ゴールで気を良くしたハルは俄然闘争本能に火が付き、ゲームはヒートアップ。しかし前半終了間際、その直前にベントナーと小競り合いを演じてイエローカードをもらっていたボアテンクが、跳ねたボールをキープしようとしたサニャに対し足の裏を見せてカンフーキックを見舞うような形で、まったくもって軽率としか言いようが無いタックルをし、当然ながら退場に。ベテランらしからぬ愚かなプレイを見せたボアテンクのせいで、ハルは後半の45分を10人で戦う事になる。
■鬼神ブラード、決められないアーセナル
だが意外にも、後半開始直後に主導権を握ったのは、ハルの方だった。
ボアテンクの退場を受け、2トップの一角を担っていたアルティドアが左サイドに下がる。しかし1トップとなったフェネホール・オフ・ヘッセリンクをアーセナルが抑えきれず、何度かボールをキープされてあわやというシーンを作られる。さらに50分にはデニウソンが軽率なプレイでアルティドアにボールを奪われ、カウンターから決定的なチャンスを作られ書けるか、ここはオフサイドポジションにいたフェネホール・オフ・ヘッセリンクにパスを出してしまうというアルティドアのまずい判断に助けられ、事無きを得る。
その直後の51分、ゲームの1つのポイントとなるプレイが起きる。勢いに乗って前線に駆けだしたのは、ハルのCBザヤット。ルーズボールをめぐってキャンベルと競り合うが、激しいスライディングタックルに行ったキャンベルに対しザヤットはボールを蹴りに行ってしまい、思いっきりキャンベルの足を蹴ってつんのめる格好になる。この際に足首を痛めたザヤットは、クーパーと交代。この治療に要した時間が、後の試合展開に影響を及ぼす。
ヴェンゲル監督は66分、エブエを下げてウォルコットを投入。彼の突破力に勝負を託す。しかしウォルコットは得意のドリブルでハルのDFを圧倒はするものの、ラストパスの判断が非常に甘く、なかなか決定的なチャンスを演出できない。さらにアルシャフィン、ベントナーらのフィニッシュもことごとく精度を欠き、スペースを消すハルの粘り強いディフェンスの前に、動きの少ないアーセナルは各局面で数的有利を作れず、なかなかゴールに迫れない時間が続く。
特に素晴らしかったのは、ハルの同点ゴールを決めたブラード。中盤の底での献身的な守備から、カウンターでのボールの展開、さらに1トップのアルティドアと共に前線からのプレッシャーをかけ、身体を張ってのボールキーピングで時間を稼ぐなど、まさに獅子奮迅の働きを見せる。
■アディショナルタイムの奇跡と“前兆”
遂にアーセナルが決め手を欠いたまま、試合はアディショナルタイムに突入。しかしザヤットの治療に要した時間を考慮し、6分という非常に長い追加時間が取られる。そしてこの6分で、遂にアーセナルがハルの息の根を止める事に成功する。
アディショナルタイム3分、ロングレンジで一瞬ハルのプレッシャーが弱くなった隙を見逃さず、デニウソンが強烈なシュートを放つ。20mほどの距離はあったものの無回転で蹴られたボールはブレながら落ち、GKのマイヒルはたまらず弾き返す。そのこぼれ球を狙っていち早く反応していたのが、ベントナー。泥臭く合わせたハーフボレーは、ワンバウンドしてマイヒルの腕をかすめ、ゴールネットに転がりこんだ。
だがこのシーンも、私から言わせれば、前兆が無かったわけではない。1つはこのゴールが生まれる1分前に、左サイドを駆け上がったクリシーが放った、強烈なシュート。これはマイヒルにセーブされたものの、それまで枠を捕えられないシュートに終始しかなり閉塞感のあったアーセナルが息を吹き返すキッカケとなり得る、力強いシュートだった。
もう1つは、2つのセットプレイにおけるハルの選手の動き。80分台だったと思われるが、CKの際にアーセナルが早いリスタートを選択した際、明らかにハルの選手の集中が切れていたというシーンがあった。またアディショナルタイムに入る直前にゲットしたCKでは、ボールキーピングに行かず、中央にボールを放り込んでゴールを狙った。確かに勝ち越しゴールを狙いたいという姿勢は分からないでもないが、アーセナル相手にこの時間帯にカウンターを受けるリスクを負うことを考慮すると、果たして適切な判断と言えただろうか。ブラウン監督、及びハルの選手たちに若干の心の隙、或いは欲が見えていたように思えてならない。
■“内容より結果”体現するアーセナル
このゲームのアーセナルは、本当に苦しんだ。近ごろややコンディション面で不安定な戦いを見せる場合があるアーセナルだが、この試合では先制点こそ奪ったもののアルシャフィンの身体のキレが悪く、フィニッシュの場面で彼特有の絶妙なバランス感覚を発揮できないケースが多かった。また中盤の各選手の動きだし、ボールの持ち手に対するサポートの動きも少なく、ボールの動きと共に人の動きも要求されるアーセナルのフットボールを体現するには、至らなかった。
戦力も、いまひとつ噛み合っていない。この試合ではセスク、ロシツキーが欠場。さらに本来ジョーカーとして終盤に決定的な働きが求められるウォルコットは、精度を欠いた(と言うより意識の低い)プレイで、何度もファンのため息を誘った。またベントナーもゴール前での決定的な強さをフィジカル、テクニックの両面で見せる事ができず、何となく埋没していまう時間帯が殆どだった。
ハルの健闘があったとはいえ、アーセナルのゲーム内容は、このように決して褒められるものではなかった。しかし一方で、苦しい状況ながらアディショナルタイムで結果を出した事が、3月中旬というこの時期になっても優勝戦線に留まるチームの強さを示している。
ストーク戦では、ゲーム終盤にラムジーのショッキングな負傷があった。だが2シーズン前、エドゥアルドが怪我をしたバーミンガム戦とは異なり、このゲームでは90分になってから2点を奪い、きっちり3ポイントをゲット。そしてこのゲームでも、苦しい内容ながら3ポイントを得た。これで4試合連続で、アディショナルタイムにゴールを奪った事になる。
シーズン終盤のこの時期になると、順位争いの上ではより“内容より結果”が求められるようになる。いかに次に繋がる良い内容のゲームをしても、残り試合数はもう少ない。つまりそれはあまり意味を為さず、より直近のゲームでポイントを拾っていく事が重要となる。ここからシーズン終盤にかけて出来るのは、コンディショニングと、メンタルの維持くらいだ。戦術的な熟成をしている時間は、無い。
今回の6分というアディショナルタイムは、ザヤットの怪我、治療という不慮の事故があったためのものだ。しかしそのようなチャンスをモノに出来るチームこそ、チャンピオンの座に近付ける。怪我人が相次ぎ、各選手のコンディションが明らかに落ち込んでいたアーセナルだが、3ポイントをゲットする事ができた。やはりそれを呼び込んだのは、選手1人1人の最後までゲームを諦めない強い気持ちであったり、ゴールを狙う姿勢であっただろう。俗に“勝者のメンタリティ”と言われるものは、まさにこれではないか。
確かに不満は多い内容だったが、結果は残した。今のアーセナルは、2,3シーズン前までとは明らかに違う、精神的に成長した、優勝争いをするにふさわしいチームであるように思える。
posted by Alan Hetarade |15:17 |
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2010年02月28日
Chelsea 2-4 Manchester City
【C:42,90(PEN).Frank Lampard】
【M:45,76.Carlos Tévez, 51,87.Craig Bellamy】
■ブリッジの決意
まず試合前に注目されたポイントの1つ、「ブリッジとテリーは握手を交わすのか?」という問いに対しては、テリーが差し出した手をブリッジがスルーするという答えが出ました。
これはこれで、心理戦という側面もあるでしょうが、ブリッジがこの問題に対して示した決意と見る事が出来るでしょう。既に「呼ばれる前からイングランド代表招集拒否」宣言にしてもそうですし、この件に関しては頑なな態度を押し通すというのが、彼の決意のようです。
べつに殊更この件を掘り下げるつもりもありませんが、とにかくブリッジが出した結論がこういうものだという事を内外に示す、1つの象徴的なシーンとなった事は間違いありません。といって、これでテリーが今後しなければならない事(家族の中で決着をつけ、プレイに専念していく)が何か変わるわけでもありませんし、そこはテリーがしっかりやっていけば良いのかな、という気がします。
ただなー。ブリッジにスルーされた時のテリーの表情が、何か物哀しそうに見えてしまったのは、私だけでしょうか?流石にショックじゃなかったと言えば嘘になるのかもしれませんし、自分でまいた種だと言う事は痛いほど本人が分かっているでしょうが、やっぱりテリーの置かれた立場、またチェルシーというチームを考えた時に、テリーにはこの件を乗り越えてもらわないといけないですからね。そういう点では、彼の心境というのは少し慮られるところであります。
■あとはプレイで払拭するしかないが・・・・・
そんなテリーですが、あの問題が発覚して以降、エヴァートン戦ではロングフィードの目測を誤って決定的なゴールをサハに決められたり、CLのインテル戦ではディエゴ・ミリートに対してシュートコースを空けるという一番やってはいけない対応をやってゴールを決められてしまうなど、ここ数試合はあまり精彩が無い、というより全盛期の彼であれば考えられない凡ミスとも言えるようなプレイを連発。それが不倫問題に関連しているかどうかはまったく定かではないものの、このようなプレイ内容になってしまう以上、その問題を引き合いに出されるのはいた仕方ないところでしょう。
それは本人も痛いほどよく分かっているのでしょうが、この試合でもジョー・コールの素晴らしいスルーパスからランパードが華麗なゴールを決めた直後の前半終了間際、ミスと言えるようなプレイでもって、テヴェスに同点ゴールを許してしまいました。
このシーンに関しては、まず背後にテヴェスがいる事にまったく気づいていなかったミケルが、相手のクリアーボールをフリックオンしてテヴェスにボールをプレゼントしてしまった事が、そもそもの間違いでした。この点で最大の責任がミケルにある事は確かなのですが、ただその後のカルヴァーリョとテリーは明らかに慌てふためいたような対応しかできず、簡単にテヴェスにゴール前までボールを運ばれてしまいました。ミケルのミスに対するリアクションも、テリーは遅かったですからね。
冷静に考えると、この後チェルシーの最終ラインが崩壊してしまった事からも分かる通り、彼個人というよりはチーム全体でコンディションが落ちている選手が何人もいるという事なのでしょう。ただ、あの問題以降テリーのプレイに精彩が無いということも“事実”なわけで、彼にとっては本当に苦しい時期を迎えていると言えます。
■何がそこまで駆り立てたのか・・・・
後半に入ると“攻めに掛かるチェルシー、カウンターを狙うシティー”という構図がハッキリしてきます。そして軍配が上がったのは、シティーの方。
51分、イヴァノヴィッチ、テリーが相次いでボックス内にまで攻め入ったところで、シティーのカウンターがさく裂。ベラミーは簡単なスピードの変化で持ってあっさりミケルを振り切ると、殆ど角度が無い位置からシュート。イラーリオは逆を突かれた形になってしまい、ゴールを許しました。あれはまずベラミーのシュートを褒めるべきでしょうが、一方でやはりチェフであれば、左脚が届いていたのかな、と。つまりアンストッパブルなシュートでは無かったように思えます。案の定、イラーリオ本人がすぐさま地面を叩いて悔しがっていたので、その辺は選手自身がよく分かっているのでしょうが。
60分、シティーはアダム・ジョンソンを下げて、よりスピードのあるライト・フィリップスを投入。対するチェルシーはジョー・コール、ミケルが下がって、スタリッジ、ベレッチがイン。ジョー・コールは今シーズン初めて輝きを見せたと言っても過言ではない内容でしたが、この時間に下がることは予め決まっていたのかな?と思わせるように交代となりました。
しかしこの交代は裏目に。75分、ベレッチの軽率なボールキーピングを見逃さなかったバリーがあっさりベレッチからボールを奪います。一気にゴール前まで駆け上がったバリーに対し、ベレッチは両手を挙げながら背後から体当たり。当然転ぶバリー、そしてベレッチは退場でシティーはPKで難なく3点目を入れたわけです。
このシーンのベレッチは完全に気が動転していましたし、直後にテヴェスに誰がどう見ても悪質なバックチャージを見舞ってセントオフとなったバラック共々、本当にプロらしからぬ態度を見せる事になってしまいました。
■ボロボロでも諦めない“9人”
ここまで酷い試合内容だと、スタンフォード・ブリッジの観客も次々に席を立って帰路につきます。バラックが退場になる直前にブリッジも交代(表向きはそけい部を故障した、という理由でしたが、ドレッシングルームまで戻っていた事を考えると・・・・)してしまい、もはや試合の見所は殆ど無くなってしまいました。
しかし殊勝だったのは、ここからのチェルシー。9人になってしまい、しかも2点のリードを奪われ完全に試合が決していたにも関わらず、一切手を緩めることなく、人数をかけて攻撃に打って出ます。絶好調のアネルカはもちろん、不振のドログバも奮闘。若いスタリッジも攻守にピッチを大きく走りまわり、何とか一矢を報いるべく、またゲームを諦めていない事を示すように、チーム全体が戦い続けます。
そしてまたもカウンターから4点目を奪われた直後のアディショナルタイムに、遂にバリーがアネルカを倒して、チェルシーがPKをゲット。ランパードがこれを入れ、意地で1点を返して試合終了となりました。
この時間帯のチェルシーのプレイには、本当に感心させられました。如何せんスタンフォード・ブリッジは“お上品”な観客が多いということもあってそんなに盛り上がりはしませんでしたが、あれはサポーターがサポーターなら試合終了のホイッスル後にスタンディングオベーション&チャント大合唱・・・・となるくらいの、素晴らしいスピリットだったと思います。この良い意味での諦めの悪さがあってこそ、初めて優勝争いが出来るんだろうなーということを感じさせる、ラスト15分ほどのチェルシーでありました。
■カギはやはり、ドログバ復活か
ここ数試合でのチェルシーのゲームを見ていると、やはり全体的にコンディションが低下している感は否めません。特に怪我人が続出している最終ラインは、イヴァノヴィッチただ1人がピンピンしているものの、テリー不調、カルヴァーリョも不調、ベレッチはこんな事になってしまいフェレイラはCLで使えない、マルーダは元々DFじゃない・・・・という事で、本当にボロボロの状態です。
ただ攻撃陣に関しては、この試合でジョー・コールが見せたプレイは、一筋の希望となり得るものだったと思います。やはり彼は、ランパードやドログバと縦の関係で光るプレイを見せる時が一番恐い。そういった点では、この日の先制ゴールはまさしくピタリと“型にハマった”ゴールでしたし、出場していた時間を通して、縦への推進力というものは発揮していたように思われます。そしてアネルカは絶好調。
あとはドログバ・・・・という事になりますが、こればかりは戦術云々でどうにかできるものではなく、彼のコンディションが上がるよう祈るしかないでしょう。幸いこのゲームでは、ゴール前で何度も決定的なチャンスに絡んでいました。そこで外してしまう辺りが彼らしくなかったのですが、ただ逆にそこさえ決まるようになればまた彼の恐さも復活するわけで、そういう点ではまったく希望が無いわけでもないと思います。
ただ何より、バラックが退場した後もチーム全体で戦う姿勢を見せたこと。これは絶対に、次以降のゲームに繋がるでしょう。またFAカップのストーク戦、そしてプレミアのウェストハム戦と、ホームゲームが続く中でインテルとのCLセカンドレグを迎える事になります。これもまた1つ、チェルシーにとっては良いポイントと言えるでしょう。
苦しい時に、如何に踏ん張れるか。まさしくチェルシーは今、シーズンの山場を迎えています。
posted by Alan Hetarade |17:15 |
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2010年02月11日
Arsenal 1-0 Liverpool
【A;72.Abou Diaby】
■ウェブの重大な“見逃し”
う~ん。まず始めに言及しなければならないのは、最後のジェラードのFKを、セスクが思いっきりハンドで止めて、しかもそれをレフェリーのハワード・ウェブが見逃してそのまま試合終了となったシーンが、このゲームの後味を悪くしているという事ですね。
確かにFK時のハンドのジャッジというのは難しく、どのレフェリーでもミスを犯す可能性はあるでしょうが、セスクに関してはジャンプすらせずモロに手だけ上げて止めていたわけで、流石にそれを見逃すのは怠慢という要素も排除できないだろうなぁ、と。
しかもジェラードのキックは壁を越えていれば枠に飛んでいた可能性が高い弾道を描いていましたし、直前に遅延行為でイエローカードを貰っていたセスクは、あのハンドを取られていればおそらく2枚目で退場になったでしょうから、そう考えるとウェブがあのハンドをスルーしてしまった事による影響は、単なるハンドの見逃し以上に大きいものがあるわけです。うーん、何だかなぁ。
ハワード・ウェブは基本的には良いレフェリーだと思うのですが、ユーロ2008やコンフェデレーションズカップの際にPKを巡る判定で物議を醸していますし、どうもこう、ビッグマッチで数多く疑問の残るジャッジをするというのは、どこか危なっかしい気がします。これでも、ワールドカップの“イングランド代表”レフェリーなので、しっかりやってほしいんですけどね・・・・
■低調な試合内容
これもタイトルの通りなんですが、正直なところ内容としては、両者ともあまり良くないゲームだったと思います。
まず勝ったアーセナルの方は、ここ数試合で見られたコンディションの落ち込みが、この試合でも解消されておらず。特にセスク、ロシツキー、アルシャフィンといった攻撃陣のイージーミスがあまりに多くて(これはベントナーも含めてという事にはなりますが)、ちょっとそこで試合のテンションを下げちゃったかなー、と。単純なトラップとか、パスとか、そういった面での技術的なミスはもちろん、プレイの選択の判断ミスも散見されました。
対するリヴァプールの方も、やはり何度やっても機能している気がしないエヌゴグの1トップがやっぱり機能せず、ラファの采配も迷走気味。確かにマキシは頑張ってはいましたが、まだ色んな意味でフィットしきれていないわけで、なんで試合終盤、彼に代えてゴールに直結する動きが出来るリエラを入れなかったかなぁ、と。
結局いくらリヴァプールが復調してきたと言っても、それは今のところアンフィールドに限った話であって、アウェイではストークとドロー、ウルヴズとドロー、そしてアーセナルに負けているわけです。守備陣に関してはキルギアコスがいなくなったこの試合でもまずまずやっていましたが、如何せん攻撃がなぁ・・・・ 持ち直してきたと言っても、要するにジェラードのコンディションが上がってきただけ、って気がするし。
■エヌゴグは何で勝負したいのか?
しかしエヌゴグが今のまんまだと、結局スカッド全体としてはトーレスの復帰待ちという事になっちゃいますし、この辺りラファはどうしてカイトをトップに起用しないのか、つくづく何を考えているのか分かりません。
確かにエヌゴグは若くて将来性のあるストライカーですが、その期待以上に不安になってしまうのが、彼が何を武器とするストライカーなのか、ゲームを通して見ても全く理解できないこと。
上背がある割にはポストプレイでは相手CBに全敗といって良いくらい全く太刀打ちできませんし、この試合でもギャラスのカットが良かったとはいえ、ゴール前で1対1になりかけたチャンスを不意に。前の試合でもドリブルで一気に駆け上がった後、そのままシュートに行けばいいのに切り返して相手DFにコースをふさがれてしまうシーンがありましたし、どうもこの辺を見てると並はずれた得点感覚があるようにも思えない。とはいえスピードで押していくタイプでも無いし、パワーがあるシュートや卓越した足元のテクニックがあるわけでもない。
もっとも、ポーツマス移籍後にポストワーカーとしての花が開いたクラウチのように、あれくらいの体躯の選手はふとしたきっかけで大きな飛躍を遂げる可能性もあります。しかし、現状のエヌゴグに関してラファの使い方を見ていると、どうも“現時点での実力”を見誤っているんじゃないかなぁ、と。確かに彼に経験を積ませることも大事ですが、一方的にゲームに出すだけでもいけないと思うわけで、もう少しその辺りを考えてほしいものです。
■“鉄則”は崩れたのか、崩したのか?
そんなこんなで、両者ともイマイチだったという割にはアーセナルの方が勝ったわけですが、そのカギとなったのは、リヴァプールの守備にあるのではないでしょうか。
チェルシー、ユナイテッドの2チーム相手に1点しか奪えなかったアーセナル。この両者が共通して布いた戦術は、ボックス周辺に人数を固めてスペースを消し、アーセナル得意のパス回しを“回すだけ”の状態にさせる。その上でボールを奪ったら素早くカウンターに転じ、ゴールを奪う。やや形は違ったにせよ、両者ともほぼ同じやり方で、アーセナルを打ち負かしました。そしてこの試合序盤のレッズも、同じように守っていました。
ところが、時間が経つにつれて徐々にレッズは前がかりになり、次第に最終ラインをサポートする中盤が手薄になっていきます。そして後半に入ると、中盤がスカスカになり、52分辺りでエヌゴグ、ロシツキーが互いに決定機を逸したシーンのように、中盤を省略した大味な試合展開となりました。
そしてその結果、アーセナルは得意のパス回しでリヴァプールの守備をたった1度とはいえ完全に撹乱し、虎の子の1点を取った。
この辺り、リヴァプールがアーセナル封じの鉄則を敢えて破ったのか、はたまた自然と破れてしまったのかは、定かではありません。ただかつて、CLでバルセロナやレアル・マドリーを相手に徹底した堅守速攻の戦術を敷き、見事に相手を掌の上で踊らせて陥れたリヴァプール。あの時と比べるとこの日のリヴァプールには明らかに、“芯”がありませんでした。
posted by Alan Hetarade |22:27 |
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2010年02月07日
日本代表戦も見るには見たんですが、まぁベネズエラ戦を見逃した自分がどうこう言うのも野暮だと思うんで、そちらの話は韓国戦まで取っておきます(笑)
Liverpool 1-0 Everton
【L:55.Dirk Kuyt】
うーん。序盤からちょっと荒れた展開になったのは、残念でした。キルギアコスのタックルは勢い余ってという側面があるにせよ、危険極まりないもので、1発レッドは妥当。最後のピーナールに至っては完全に自業自得で、ありゃあレフェリーがマーティン・アトキンソンじゃなくっても2人退場してた試合でしょう。熱いゲームになるのは良いんですが、こういう方面で盛り上がってしまうのは、ちょっと残念。
とはいえ、レッズの戦いぶりは見事なものでありました。敢えてアクイラーニを外したベニテスの采配は、この試合に関しては正しかったというか、激しいゲームになる場合、繊細なアクイラーニよりは、がっつり行けるマスチェラーノ、ルーカスをチョイスするのがやはりベターというものでしょう。
その判断が正しかった事をある意味象徴しているのが、相手方のエヴァートンの選手起用。とにかく“強い”フェライーニがキルギアコスの赤紙タックルを喰らって負傷退場してしまい、出てきたのが病み上がりのアルテタ。案の定アルテタは中盤の底で捌きに徹していましたが、あの選手交代以降、エヴァートンの攻守における鋭さや厳しさ、そして激しい展開の中での中盤の流動性というものに、何か1つ水が刺されてしまった。
結果、10人になったリヴァプールが、あの異様なテンションでもってエヴァートンに対抗でき、11人のエヴァートンを上回るパフォーマンスを見せる事が出来たのだと思います。たられば論は禁物ですが、もしあのままフェライーニがピッチに立ち続けていたら、ラスト20分のレッズはもっとへろへろになっていたはずです。
まぁあんまりこういう事は書きたくありませんが、退場者を出して本来不利になるはずだったリヴァプールが、そこで怪我人を道連れにしたことでエヴァートンのアドバンテージをも削り取ったというのは、何とも皮肉な結果だなぁ、と。
しかし何のかんので、ファイターのカイトが点を取ったという事でチームも盛り上がりましたし、ジェラードも今日のプレイを見る限り、ようやく復調気味。マキシ・ロドリゲスもまだ順応しきいれていないとはいえガッツを見せてアンフィールドのファンから一定の評価を受けたと言えますし、ここに来てようやくレッズも上向いてきたのかなぁ、と。
エヴァートンの閉塞感に助けられた感はあるにせよ、60分近くを1人少ない状態で戦いながら勝利を得たというのは、チームを盛り上げるという点では本当に意義深い事だと思います。ま、エヌゴグは相変わらずだったりと、課題もまだまだ多いんですけど(苦笑)
とりあえずアンフィールドでの強さは戻ってきましたが、次はエミレーツでのアーセナル戦。ELのウルジチェニ戦を挟んで、その次がシティー・オブ・マンチェスターですから、この2戦がリヴァプールの4位確保に向けての、1つの大きな山場と言えるでしょう。ベニテスがご乱心なされなければ、イケそうな気もするんだけどなぁ・・・・
Tottenham Hotspur 0-0 Aston Villa
そのレッズと4位争いを展開するスパーズとヴィラは、痛み分け。シティーがハル相手にずっこけたことはこの2チームにとっても幸いでしたが、如何せん上記のようにレッズが復調気味なだけに、両者に取って痛いドローとなってしまいました。
スパーズは終始ゲームを支配し、シュート28本(うちショッツ・オン15本)を放ちながら、結局ゴールを割れず。クラウチのポストからのキングのシュート及びそのこぼれ球をデフォーが狙ったシーン、ハドルストーンのロングシュート、クラウチのヒールなど幾多の決定機がありながら、最後までモノにできず。対するヴィラも、アグボンラホールの絶妙なシュートをゴメスが2度ブロックするなど、好機をゴールに結び付けられませんでした。
うーん。両チームとも頑張っちゃいたのですが、この辺り、まだまだ優勝争いをしている3チームとは、差があるのかなぁ、と。
例えば、チェルシーには2トップを軸とした圧倒的なパワーがあり、ユナイテッドにはカミソリのようにゴールを奪っていくスピードがあり、アーセナルには相手を完全に錯乱させるテクニックがある。その点スパーズにしろヴィラにしろ、強みはあるっちゃあるのですが、こういった競った展開で強引にそれでもって押しこみ勝利を奪ってしまう、というところまでは、まだその力強さが足りないのかなぁという気がしました。
確かにクラウチやカリュー、ヘスキーには強さがあるし、デフォーやアグボンラホールにはスピードと得点感覚が備わっている。モドリッチとベントリーには確かなテクニックに基づく精密なパスがあり、ダウニングやミルナーには他を圧倒するスピードがある。これは、個々で見ればトップチームにも十分通用する要素です。
しかし、チームとして見たときにはどうか。相手の影響を全く受けずに貫き通せるような、圧倒的な強さ、武器があるか。そのコンセプトはあるか。
結局ハリー・レドナップにしろマーティン・オニールにしろ、指揮官としてこの辺りの具体的な示唆が見えてこないんですよね。だからこそ彼らは有能な指揮官という評価は得ても、稀代の名将という評価は得られないわけだし、選手のクオリティで劣るとはいえ、イマイチ殻を破りきれないまま、4位争いから抜け出せない。
個々の選手は頑張っているし、それぞれが面白いモノを持っている。それは、このゲームでも十分に発揮されていました。じゃあ、それらを統一し、どういった示唆を与えて行けるのか。それはまさに、指揮官の腕にかかってくるわけです。
詰めの甘さは、指揮官の甘さ。それをひしひしと感じるゲームでした。
posted by Alan Hetarade |05:22 |
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2010年02月01日
Arsenal 1-3 Manchester United
【A:80.Thomas Vermaelen】
【M:32.OG(Manuel Almunia), 37.Wayne Rooney, 52,Park Ji-Sung】
こんにちは。生きてます(笑)
正月に箱根駅伝の記事を書いて以来、1か月ほど潜っていたわけですが、その間編入試験の手続きや留年がかかった期末試験など、主に学業関連の事が非常に忙しくて、ブログを放置してしまいました。フットボールに関しても、まったく見ていなかったわけではないのですが、今シーズンは開幕時から、過去にないほど試合を見ない日々を送っています。
そんなこんなで、ブログの書き方はおろか、ゲームの見方ですらイマイチ思い出せないのですが、幸い春休みで少し時間が取れそうですので、また以前のようにシーンを追いかけていけるようになりたいなー、と。ブログの方に関してはしばらくはリハビリで、詳しい考察等はあまり書けないとは思いますが、何にせよ続けていくつもりですので、宜しくお願いいたします。なんたって今年は、ワールドカップもあるしね!
・・・・ということで、昨晩はアーセナルvsユナイテッドの決戦がありました。
アーセナルも悪いわけではなかったと思うのですが、いかんせん前半ン幾つかあった決定的なチャンスをモノにできなかったこと、対してユナイテッドが少ないチャンスを着実にゴールに結びつけ、さっさと2点、3点取ってしまったというのが、まずゲームの流れの上では重要だったと思います。
そして光ったのが、ユナイテッドの3トップのしたたかさ。やたらと好調のナニ、ここにきてコンディションを上げてきたパク・チソン、そして今シーズンはまさに世界“トップ”レベルのプレイヤーへと成長していることを印象づけるルーニー。
いずれも体格がそこまで優れているわけではありませんが、スピードがあり、パワフルなシュートも打てる。遅攻の場合はスコールズやフレッチャーらを絡めつつも、速攻になれば瞬く間にダイレクトプレイでもって、自らのスピードを生かしていく。2点目、3点目はまさにこの3トップだからこそ生まれたゴールといえるでしょう。
まぁ、ナニの確変状態がどこまで続くかは全くの謎(笑)としても、ルーニーがこれだけ1トップの軸として使えれば戦術的なオプションも広がるわけですし、あとは彼の負担をうまく分散させつつ、シーズン終了までコンディションを保てるかどうか、ということになりそうですね。逆にこれだけ良いと、今ここでルーニーを失うと・・・・という点で一抹の不安がないわけでもないですから。
対してアーセナルの方は、自分たちの戦い方に徹して敗れたといえばそれまでなのかもしれませんが、ちょっとしたたかさが足りなかったかなーという印象。
ラファエルは頑張っていたとはいえまだまだ力不足な部分があるわけですし、ナニはあんまり守備をしない。この2人がいたユナイテッドの右サイドを執拗に突くだとか、ちょっと汚い手ではありますがスコールズの癇癪を誘発するように厳しい当たりをするだとか、そういう揺さぶりをかければ良かったのになー・・・・と思うんですが、まぁそういうことをしないのがヴェンゲルであり、アーセナルか(苦笑)
最後はもうだいぶバテバテになっちゃいましたし(アルシャフィンなんかフラフラだったもんな・・・)、コンディションの差ということもあったでしょうが、こういう負け方をしちゃうのがアーセナルの脆さ、ということなのでしょうね。
うーん、でもやっぱり、この試合を見ているとヴェルマーレンをキャプテンにすれば良いかなーという気がしますね。放送でも話が出ていましたが。彼は態度でも、プレイでも気合いを示すことができる選手だということがこの試合でもハッキリしましたし、流石に今すぐ変えろというほどではありませんが、やっぱりセスクがキャプテンになった過程というのは、あくまでも前任者がその地位を剥奪されたために流れてきたってだけですからね。そう考えると、来シーズンからキャプテンを変えるのであっても、スムーズにいくでしょうし。
まぁ何にせよ、この1試合でアーセナルも優勝を諦めなければならない・・・・ってほどの差でもないわけですし、上手く切り替えていけるかどうかが重要になるでしょう。
posted by Alan Hetarade |18:34 |
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2009年12月17日
Tottenham Hotspur 3-0 Manchester City
【T:37,90.Niko Kranj?ar, 54.Jermaine Defoe】
■圧倒したスパーズ
ゲーム開始直後には気合いの入ったプレイを見せたシティーですが、10分ほどするとすぐにゲームはスパーズのペースになり、その後もシティーを圧倒し続けました。
37分、その前から再三良い突破を見せていたレノンが一瞬の加速でもってものの見事にシウヴィーニョを振り切り、クロスを上げます。中でクラウチが頭で合わせ、そのシュートはアイルランドが胸でブロックするものの、セカンドボールはクラニチャールの元へ。ギヴンはクラウチのシュートの段階で反応してしまっており、クラニチャールは空いたコースにボールを蹴り込んでスパーズが先制。
後半に入り54分、ゴメスが自陣深くからのFKを一気に相手のボックスまで蹴り込むと、オヌオハを全く寄せ付けないクラウチが頭で叩き落とします。トゥーレがこのボールをクリアーしようとするも空振り、その後ろから詰めていたデフォーがゴールに蹴り込み、ものの見事に3人だけで追加点を奪ってしまいます。
シティーはほぼ手も足も出ないという状態。アディショナルタイムに入り、スパーズは時間を稼いでいましたが、ショートコーナーからクラニチャールが不意にドリブルを見せ、アデバヨールをあっさりかわしてGKと1対1となると、トーキックでギヴンの股を抜くシュートを決め、駄目押しの3点目を奪いました。
■スパーズの“軸”と流動性
この試合、攻撃面でスパーズがシティーを圧倒できた要因として、私は上記の2つのポイントに着目しました。
まずは、クラウチ、デフォーという2トップを起用する事によって、攻撃に軸が生まれたということ。クラウチの高さは相手にとって脅威ですが、近ごろの彼はそれのみならず、以前から高かった足もとの技術力にも磨きがかかり、また競り合いの中で相手と対したときにも自らの意図したところにボールを落とせるようになるなど、ポストプレイヤーとしての懐が非常に深くなりました。
ゴメス、クラウチ、デフォーの3人だけでゴールを奪った2点目のシーンがその象徴ですが、とにかくクラウチにボールを入れればそこからの展開がある程度期待できるので、ピッチに立つ選手全員が、1度クラウチに当てた後の展開というイメージを共有できます。それに伴って各選手の動きにも連動性が生まれます。この試合、単純にクラウチがフィジカル勝負に勝つというだけではなく、その後周りの選手たちがどのようにそれを生かしていくかということも重要になるわけですが、今日のスパーズはそちらもお見事でした。
レノンのサイド突破などはもちろんですが、スパーズの中盤で特によかったのが、いい意味での流動性があったということ。レノン、クラニチャールの両SHは単純にサイド突破をするだけではなく、中央にドリブルをつっかけるなり中盤の選手にボールを預けて別の方法でビルドアップを委ねたり、クラニチャールはサイドからワイドな展開をするなりして、バリエーション豊富なプレイをしていた。
さらにパラシオス、ハドルストーンの両CHもお互い頻繁に前線に顔を出し、シュートを打った。そしてクラウチ、デフォーも単純に前で待ち構えているだけではなく、サイドに流れてのチャンスメイクも見せた。これに両SBも絡んできた。
要するにスパーズは、クラウチの強さという軸を生かしつつ、各々が各々の特徴を生かすありとあらゆる攻撃オプションをすべて見せ、まさにあの手この手でシティーを攻め立てました。これだけ攻撃オプションが豊富だと、シティーの側としても容易に対応できるわけもなく、ただただ圧倒されてしまいました。
■互いに安定しない戦いぶり
さてこのように、スパーズの側としてはまさにやる事為す事全てが上手くいくという喜色満面としか言いようがないゲームで、シティーの方はまさに手も足も出ないという、今シーズン最悪としか言いようがないゲームとなってしまいました。が、これは負けたシティーのみならず勝ったスパーズの方としても、まだまだトップ4を狙う上で、安定感という点で課題を残すことを象徴するゲームだったといえるでしょう。
まずスパーズの側は、これだけ良いフットボールができるのに、なぜ先週末はホームで降格ゾーンに沈むウルヴズに負けたのか、ということになってきます。もちろん全てのゲームで良い試合ができるわけがないのですが、スパーズの場合その前にヴィラと引き分け、エヴァートンにも試合終了間際の劇的な展開でもってドローに持ち込まれている。
一方シティーの方も、連続引き分けの後チェルシー相手に素晴らしいゲームをして勝利を収めるも、その後はボルトン戦でクラスニッチのオフサイドが取られなかったという不運はあったものの、締まらないゲームをしてしまいドロー。そしてこのスパーズ戦では、手も足も出ず完敗。
要するに両チームとも、ポテンシャルとしては非常に高いものを持っているものの、それをコンスタントに発揮することができない。ある意味では、非常に場当たり的なテンションでもってゲームに臨むものだから、文句のつけようがない素晴らしいゲームを見せることもあれば、とんでもない凡戦をしてしまうこともある。
スパーズの場合、ただ単に本当に場当たり的なテンションで戦っている感がありますし、シティーの方は強豪相手のゲームに高いテンションで突っ込んでとんでもない爆発力を見せることもあれば、あまりテンションが上がらない相手との試合ではある意味試合開始時から萎えているような状態で、よって凡戦をしてしまう。
やや両チームとも要因は異なるものの、単純に勝った方がよくて負けた方が悪かったというわけでもないのかな、ということを感じたゲームでした。
posted by Alan Hetarade |14:47 |
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