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ピッチの内も外も“ぬるい”日本代表戦

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■マインドのぬるい選手たち 昨日のカンボジア戦、日本代表にとって「勝つのは大前提」であり、「何点差で勝つか」が重要な試合であった。初戦でシンガポールを相手にホームで引き分けた段階で、2次予選の突破は「確実なもの」から「本気で狙わなければいけない目標」へと変わったはずである。まして、グループでライバルになると思われるシンガポール、シリアは、アウェイ戦で大量得点という、これ以上ないスタートを切っている。当然、これを意識しなければならない立場に、日本は置かれた。

しかし、試合後のコメントとは裏腹に、ピッチの選手たちがそれを意識していたようには思えない。象徴的なシーンは、前半を1-0と最小リードで折り返した後半直後、吉田がミドルシュートを決めたシーンである。あの時、ゴール付近には岡崎と武藤がいたものの、2人ともゴールに入ったボールには目もくれず、吉田の元に走り寄って、祝福している。

「この1点を足掛かりに、まだまだいくぞ!」

という気持ちがあれば、まずゴールに入ったボールを取ってから、吉田の元に駆け寄るであろう。現に本田が先制ゴールを決めた際には、長谷部がいち早くボールを持って、本田を祝福する選手たちの元に行き、自陣に戻るよう促している。長谷部には得失点差に対する意識があったのだろうが、それがチーム全体で共有されていたとは思えない。このような姿勢を見る限り、「3点では少なかった」と試合後に選手たちが口を揃えたところで、心の底からそう思っているとは、到底言えないであろう。

■プレイのぬるい選手たち 日本代表のプレイに関しては様々な分析がなされているが、私の目には「緩急が無い」という点が、最大の問題であるように思われる。それは個人の突破という点、プレイメイクという点、両者に共通している。

例えば、ドリブル突破や裏を取る動き。リヴァプールのスタリッジやバイエルンのロッベンは、ほぼ止まった状態でボールをキープしたところから、一気にトップスピードでのドリブルに切り替え、そのゼロから100への緩急だけで相手を振り切ってしまう(それゆえに怪我も多いが)。またバイエルンのドウグラス・コスタはスピードも去ることながら、ここぞという場面で急に裏へ走り出す動きで、相手の意表をついている。

またプレイメイクの面では、遅攻から速攻へと切り替える動き。かつてのピルロやシャビ・アロンソらがこの手の名手であるし、昨日見たアイスランド代表の試合でも、シグルドソンが効果的なテンポの切り替えを行っていた。日本代表では、長らく遠藤がその役割を担っていた。

こうした動きが、今の日本代表にはまったく無い。誰もが同じテンポで走り、同じテンポでパスを出す。緩急の変化は、ゼロから50、いや30程度の間でしかついていない。特に中盤でこのタクトを振るう役割を担う選手がいない問題は深刻であり、長谷部のパスなどはその典型。攻撃面で有効なパスはほぼ無かったといって過言ではないだろう。

■応援のぬるいサポーターたち スタジアムに足を運ぶサポーターは多く、声を出して、あたたかく選手を応援している。しかし、それは本当に、選手の「サポート」になっているのだろうか。

試合を通じて(特に前半)、あれだけ拙攻を重ねても、「あぁ~」というため息以上の「落胆」が見えない。ミスをした選手に対してもそうだ。重要な局面で、明らかに集中力を欠いたトラップミス、意図のまったく無いクロスボール、やぶれかぶれで可能性ゼロのシュートに対し、サポーターは「あぁ~」以上の声をあげない。

フットボールの魅力は、見るものを熱くさせ、あの箱型のスタジアムが一体になることから生まれる高揚感である。選手たちは惜しみない支援を受ける。行き過ぎた批判は良くないが、無気力なプレイを見せる選手には容赦なくプレッシャーをかけ、熱い選手、熱い戦いを望む。国を背負って戦う代表戦ならではの熱さは、先日のコパ・アメリカに象徴されている。

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その他国際大会【サッカー】
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ワールドカップ
日本代表

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ピッチの内も外も“ぬるい”日本代表戦

遠藤がいたって、これまでも日本は引いた相手に苦労してましたし、
実際UAEを崩すことはできませんでした。

アジア予選の他のグループでは、
あり得ないような大量点の試合がいくつもありましたが、
それらの国に遠藤のような選手がいるわけではありません。

遠藤は良い選手ですし、
彼のようなプレーで彼を上回るのは無理でしょう。
かといって彼が解決策には決してならないと思いますよ。

ピッチの内も外も“ぬるい”日本代表戦

ですよねぇ。あのタイプの「流れを読める・作れる」選手って、昨今枯渇してますよね…

ピッチの内も外も“ぬるい”日本代表戦

長谷部も山口蛍も柴崎も・・・まだヤットの足元にも及ばない・・・・

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