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もはや美談にできない野口みずきの「走った距離は裏切らない」

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■超一流であることは間違いないが… 初めに断わっておくが,私は野口みずきという選手の輝かしい功績に関して,一切けちをつけるつもりはない。オリンピック金メダルという快挙というその価値はアスリートとして何物にも勝るものであるし,絶望的な状況から昨年の世界陸上出場までこぎつけたその過程における精神力は,並大抵のものではない。間違いなく,彼女は優れたアスリートである。

しかし,だ。だからといって,もはや彼女のキャリア全体で見た場合,その内容や選手としてのポリシーは,必ずしも手放しで称賛したり,或いは不運だという言葉で片付けて同情できる範疇を,明らかに超えている。今回は敢えて,厳しい言い方になってしまうことを敢えて自覚しながら,野口みずきといういちアスリートに対し,私が思う疑問点,またキャリアを通じて“失敗”していると言わざるを得ない点について,言及したい。

■あまりに多すぎる怪我・欠場… 去る1月16日,来週行われる大阪国際女子マラソンを,野口みずきが欠場することが発表された。理由は右大腿部の疲労骨折という,痛々しい故障。一流のアスリートは常に怪我と隣り合わせであり,単独の故障であれば,致し方ない側面もある。

しかし野口の場合,大阪国際女子マラソンに関しては,これで3年連続の欠場になるという。それどころか,彼女のキャリアにおいては2006年以降,故障が頻発している。以下に,彼女が欠場した主なレース,及びレース中に故障が発生したものを,列挙する。

2006年ベルリンマラソン(欠場・左足首故障) 2007年ロンドンマラソン(欠場・左足首故障) 2008年北京オリンピック・マラソン(欠場・左脚ハムストリング肉離れ) (この間2年以上にわたり公式レース出場なし) 2010年全日本実業団対抗女子駅伝(レース後に故障判明・左足甲疲労骨折) 2012年仙台国際ハーフマラソン(欠場・体調不良) 2012年大阪国際女子マラソン(欠場・左脚ハムストリング炎症) 2013年大阪国際女子マラソン(欠場・急性胃腸炎) 2013年世界陸上モスクワ大会・マラソン(途中棄権・熱中症) 2014年大阪国際女子マラソン(欠場・右脚大腿部疲労骨折)

9年間,うち実質2年の空白区間がありながら,これだけの主要なレースで故障や体調不良による欠場,棄権,故障の発生等を繰り返している。2012年と2013年の大阪国際女子マラソンの欠場は,結果的にその後の名古屋ウィメンズマラソンに出場することによってフォローされてはいるものの,結果オーライといった側面が強い。本来予定していたレースに向けての調整に失敗している事実は,名古屋ウィメンズに出場できたところで,何ら変わるわけではないからだ。

■「コンディション管理に問題アリ」と言わざるを得ない状態 以上を踏まえると,この小見出しのような結論に至る。怪我はつきものとはいえ,ここまで繰り返してしまう以上,こういわざるを得ないのだ。

また故障のみならず体調不良による欠場やレース中の棄権があることから,必ずしも体質的に強い選手であると言うことはできない。即ち,これだけ故障を繰り返し,且つ体調も崩しやすい選手である以上,細心のコンディション管理,及び怪我のリスクを鑑みた練習の積み重ね,慎重を期した体との対話が常に求められる。

しかしながら,結果的に野口は故障を繰り返している。もちろん同じ個所ばかり故障しているわけではないし,同じような体調不良を繰り返しているわけではない。しかし,レースに出られない,レースを満足に走り切れないという事実には,何ら変わりはないのである。こうまでこの失敗を繰り返している以上,野口みずきという選手はコンディション管理が上手ではない,また指導者もそういった彼女の体質に即した指導ができていない,という評価になってしまうのは,致し方ないところなのだ。まずスタートラインに立てさえしなければゴールはできないのだし,ゴールできなければレースのリザルトには残らないのだから。

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陸上競技
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この記事へのコメントコメント一覧

もはや美談にできない野口みずきの「走った距離は裏切らない」

彼女の魅力はあのダイナミックなランニングフォームにあると思う。
小柄な野口選手が大きくバネを使って走る時にそれは多いに武器になるが、同時に体を痛めつける。
フルマラソンの回数や練習を重ねることによって、小さな亀裂がそこから生じるバランスの乱れが、大きな故障となって次々と襲っているように思える。
彼女の走る姿をいつも諸刃の剣のようだと思ってみていた。
最近の走りは改良(?)を重ねているそうだが、それとてすべて今までのフォームを捨て去るものではない。
体とフォームは対の関係で、全く別のフォームが相性がよいという可能性は少ないと思う。
仮にピッチ走法にすれば平凡な代表選手の記録なら、打ち立てる可能性があったとしても
仮にそうだとしてもそれは野口みずきではないと思う。
スタートラインに立つよりも大事なこともある。
立てない悔しさのなか、野口はそこと闘っていると思っている。
筋力をつければよい問題だが、アスリートといえど女性である、日本人であるから筋力にも限界がある。
どうか それでも フォームと体の折り合い点を彼女の体が壊れる前にみつけてほしい。
そして復活を願っている。
おっしゃるところの調整の不足 おおいに納得の上です。モスクワでは何故ではキャップを最後まで被らなかったのだと、残念に思いました。その結果回避できたかどうかはわかりませんが、そういう所作からも繊細な体をコントロールする冷静さに欠けるとも思います。
ただ、野口みずき選手を語る時、あの挑戦的なフォームのことをどうしても思ってしまいます。

もはや美談にできない野口みずきの「走った距離は裏切らない」

私は野口みずき選手が大好きで、また尊敬する偉大なアスリートであることは紛れもない事実です。
ただ、ここ7年近く怪我が多過ぎてスタートラインに立てない、これは野口みずき選手とその監督・コーチの練習過程や体調管理に問題があるのか、怪我に勝てない素質だったのか、という議論を交わさせても致し仕方ないという結論になってしまうのか。
勿論、私は野口みずき選手を応援していて、大好きで、リオデジャネイロ五輪でメダルを期待したい最有力候補であることだけは紛れもない事実ですが。しかしながら、スタートラインに立てないのであれば、全ては話にならず、結果云々の問題すら論せないという結論しか出しようがないのもまた事実なのです。
好きで尊敬しているからこその辛口論になるのかもしれませんが、でもしかしながら、彼女の欠場という事実は体調管理・実力不足というレッテルを貼られてしまうことを跳ね除けることは出来ない事実もまた悲しながらにあるのではないでしょうか?
どうか、年齢や身体の状態に合った練習をしながら、出来ることであれば、リオデジャネイロ五輪に出場して欲しいと言う思いは消えることのない私の気持ちであるという大前提として、切実に思います。偉大なアスリートになり過ぎてしまったからこそ、引き戻すことが出来ない悲しい結末・そして性、また生まれ育った環境の中で、金銭的にも苦しい中、兄弟も全力で援助しながら高校生活を陸上に投じてきた野口みずきの悲し過ぎる過去、これらが彼女の精神を苦しめ続けて止めさせてはくれないのであるとしたら、それはあまりにも悲し過ぎる生き方なのかもしれません。そんな彼女を私はどこまでも応援してしまう反面、また彼女の身体に合った最高のトレーニングを監督・コーチへ求めてしまう私の悲しいまでも思い、それが近い未来に最高の結末で終始することを心より期待したいと思います。

確かにそうだよねぇ・・・

24歳とは見えない洞察力、さすがだね!自分はもう四半世紀以上陸上競技を見続けている(2月には『不惑』の40歳になるよ!)けど、最近の学生男子長距離界のレベルアップはすざましいよね!正月の箱根駅伝でも積極的なレース運びが目立って、1区(21・4km)では1時間01分台が3名出るなど、「実業団以上の走力」を見せてくれたよね!やはり男子の場合はリアルに「ケニア勢・エチオピア勢との力の差」を見せ付けられている分、「危機感」があってそれが「積極的なレース運び」に繋がっているのかな?女子の場合はバルセロナ五輪以降「メダル獲得」が続いて来て、野口みずき選手のアテネ五輪金メダルが現時点では「五輪マラソン女子での『最後のメダル獲得』」になろうとは思ってもいなかったよねぇ・・・。女子長距離界の「五輪・世界選手権での実施種目」の日本記録の殆どが「10年以上破られていない」のは「日本陸上界の『七不思議』のひとつ」じゃないかな?これは男子も同様ではあるけど、男子はまだ「記録への果敢な挑戦」が見られるけど、今年は女子にも「記録への果敢な挑戦」に期待したいよね!!!

もはや美談にできない野口みずきの「走った距離は裏切らない」

がじゃっち@沖縄さん

ありがとうございます!たまにしか更新しませんが,今後とも機会があればぜひコメントしていってください。

仰る通りで,05年ベルリン以前と,その後の野口とでは,もうキャリア的には丸っきり別の選手になっちゃってますよね。藤原正和なんかも故障で年単位でキャリアに空白期間がありましたが,その後もまったく怪我なしとは言わずとも,コンスタントにレースに出てますし,ちょっとここまでというのは異常でしょう。走った距離云々の発言の意図はともかく,言ってしまった以上,ちょっとあんまりに見てられない状態なので…

最近の女子若手選手のレースぶりには危機感を抱かされますよね。一番積極的なレースをしてるのが,ベテランの福士ですし。ここ数年,男子の方がケニア勢との差を実感している分,学生駅伝のレベルでも積極的なレースが多くなり,結果として記録も上向いている気がします。女子はちょっと指導者の考え方が古いのかもしれませんね,那須川に超消極的なレースをさせた小出監督といい。

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