2007年02月19日

プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

ヨーロッパ・フットボールのシーズンもいよいよ佳境に差し掛かってきた。今週にはCLの決勝トーナメントが始まり、各国リーグでも優勝、カップ戦出場権、そして残留をかけて激しい戦いが展開される。

そんな中、当然我々としては日本人プレーヤーの動向も気になるところだ。だがイングランドのFAプレミアリーグには、日本人選手が1人もいない。昨年は2人いたのだが中田は引退し、稲本はチームが降格した上、トルコへ行ってしまった。今の状況では、来年も“日本人ゼロ”となる可能性がかなり高いと思われる。

しかし近ごろ国際色豊かなプレミアリーグにあって、日本人がいなくなったのとは対照的に、アジア各国のプレーヤーが台頭しつつある。


~韓国人の活躍~
まず最初に名前を挙げないわけにはいかないのは、マンチェスター・ユナイテッドのパク・チソンと、トッテナムのイ・ヨンピョの2人である。いずれも韓国人で、体格も屈強な他の選手から比べると明らかに劣っている。だが2人ともPSVから移籍してくるなり、チーム内でその地位を確立した。特にここ1ヶ月ほどのパク・チソンの活躍は、眼を見張るものがある。

同じく韓国人という点では、レディングのソル・ギヒョンも忘れるわけにはいかない。最近リーグ戦ではあまり出番が無いが、シーズン序盤に凄まじいゴールを決め、ここまで3得点を挙げている。一昨日のFAカップにも出場して、パク・チソンとのマッチアップも見せていたが、彼ら韓国人はいずれもスピードと運動量を生かし、体格的なハンデを感じさせないプレーを見せている。

~イランと中国~
さらにここに来て一躍名前が知られる存在になったのが、ボルトンに所属するイラン代表、アンドラニク・ティムーリアンである。今季からボルトンに加入したティムーリアンは、年が明けるまでは殆ど出場機会を得る事ができなかった。しかし近ごろFAカップで2得点を挙げ、ケヴィン・デーヴィスが離脱してからはレギュラーとしてスターティング・ラインナップに名を連ねるようになった。

攻撃的なMFで、FKなども任されている。アラーダイス監督も「こんなに早くプレミアリーグに対応できるとは。」と言い、彼への信頼感は日に日に増している。これまでイラン人は、ティムーリアンの兄やマハダヴィキア、アリ・カリミらがドイツで活躍してきたが、今年はネコウナムがオサスナに、このティムーリアンがボルトンにと、徐々にヨーロッパ全体に進出しつつある。

そして中国である。プレミアリーグでプレーする中国人といえばマンチェスター・シティのスン・ジハイであるが、この1月の移籍市場で、チャールトンにチョン・チーがローン移籍してきた。既にマンチェスター・ユナイテッド戦でプレミアデビューを果たしている。その試合はこのブログでもレビューしたが、なかなか攻撃的な良いプレーをしていたという印象を受けた。もっとも彼の場合、チャールトンのチームが降格する可能性が高いのではあるが。

~日本人選手への期待~
しかしこうして見ても、日本人がいなくなった今年、プレミアリーグではアジアの“ライバル”たちが躍進している様子が分かる。言うまでも無く、オーストラリア人プレーヤーは数多くイングランドでプレーしている。今季は中村や高原がその実力を発揮して各々のリーグで活躍しているとはいえ、他のアジア諸国のプレーヤーがプレミアのピッチで躍動する姿を見るたびに、私はジェラシーのようなものを感じ得ない。

願わくば早いうちに、1人でもいいから、プレミアリーグで活躍する日本人選手を見てみたい。南アフリカ、クロアチア、ブルガリア、ジャマイカ、イスラエル、コンゴ・・・・・ FAプレミアリーグは世界中から選手が集まってくるリーグだ。その中に1人くらい日本人がいたほうが、楽しいではないか。

posted by s_co_log |19:01 | FAプレミアリーグ | コメント(12) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

どうせ日本人なんか・・・きっとこう思われているんでしょうね・・・悔しすぎます。。
何とか、プレミアとリーガに一人ずつ活躍する選手が出て欲しいです。
頼むぞ!!若者達!!

posted by モ-リー | 2007-02-19 20:03

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

こういう言い方をするのもなんですが、自分が見る限り、プレミアはおろかチャンピオンシップで通用する日本人も現時点では1人もいないと思います。それほど日本人には合わない、苦手なタイプのリーグのように思います。

展開の速さについていく頭、当たり負けしない屈強な肉体、過密日程を乗り切れる肉体、向かっていく闘争心、コミュニケーションに不可欠の語学力、レベルの高いリーグでも光る個性...etc。今それをそれなりに満たせる日本人はいないと思います。

posted by londonaz19 | 2007-02-19 20:35

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

高原もハンブルグでは「細い日本人では活躍できない」と散々こき下ろされたにもかかわらずフランクフルトで点取ってるわけだから、通用しないと断言するには根拠が薄すぎると思う。
ティモリアンもふとしたきっかけがなかったら今もサブだろうし。

posted by ひろ | 2007-02-19 21:02

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

コメントありがとうございます。

>モーリーさん
ただ単純に、他のアジア諸国の選手がいるのに日本人がいないという現状が、ちょっと寂しいですよね。もちろん適・不適があると思うので、無理をしてまでプレミアに行く必要はないとは思いますが、1人くらいいても良いんじゃないかな・・・とつい思ってしまいます。

>londonaz19さん
どうなんでしょうね~。韓国人選手やロシツキーのように、屈強な他選手を柔らかくかわせると、日本人の体格でも通用するとは思うのですが、それより日本のサッカーとはテンポが違いますからね。そこが重要だという気がします。稲本なんかは健闘していたとは思うのですが・・・
あと、コメントをつけた事はないのですが、londonaz19さんのブログはよく拝見させていただいてます(笑) 今後も何かとお世話になることもあろうかと思うので、宜しくお願いします。

>ひろさん
確かにやってみないと分からないという部分はあるかもしれませんね。ただ、中村俊輔は絶対に不適だという事だけは確信していますが(笑)
ティムーリアンもチョン・チーも負傷選手に代わっての出場でしたが、そういう貴重なチャンスからきっかけを掴んで上手くブレイクできれば、それはそれで良い事だと思います。もちろん、これからが勝負ですけどね。

posted by Alan Hetarade | 2007-02-19 21:26

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

昔トルシエが「小野がもっとも成功する可能性が高いリーグはプレミアだ。ゾーラのように小兵でそれほどスピードがなくてもテクニックでやっている選手になれる」なんて言ってましたけれど、違う毛色を出せる選手がいれば、日本人でも通用しする選手はいるかもしれませんね。イスラエルのベナユンとかフィンランドのタイニオもそんなにパワーやスピードのある選手ではないですが、ぼちぼちやれてはいますから。

中田英と稲本は郷に入れば郷に従えで同じようにやろうとして失敗しましたけれど。

posted by 川の果て | 2007-02-19 22:41

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

日本人は、特に中盤の選手はリーガが一番合いそうな気がするんですがね。
遠藤や中村憲なんか挑戦したら面白そうですが。

posted by 武山君 | 2007-02-19 23:09

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

度々すみません。

先程の意見ですが、あくまでも現時点でということです。それと上記の理由以外にも、ビザの問題がありますし、3大リーグでは一番日本人にとって難しいリーグだと思います。テンポの違いもありますが、戦術やシステムの違いでなかなかプレミアに合った選手が出てこないような気もしますね。

プレミアに直接というのは難しそうな気がしますし、やはり他のリーグを経由してくるのがベストでしょう。韓国人もオランダ、ベルギー経由ですし直接はやってきていませんからね。

最後に自分のブログを読んで下さっているとの事で、どうもありがとうございます。こちらこそこれからもよろしくお願いいたします!

posted by londonaz19 | 2007-02-20 02:50

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

お邪魔します。

プレミアに日本人が少ないのはビザの発給基準が厳しいという別の理由もあるのでしょう。でも、もちろんそればかりとも言い切れないような気もしますが。

パク・チソンは背番号通り(つまり13番目)の選手という印象ですね。中盤に1人、2人故障者や出場停止の選手が出た時にすぐに出てその穴を埋められる選手ということで。ファーガソンにもそこそこ気に入られているようです。
最近の活躍で韓国メディアには賞賛記事が溢れかえっています。日本にもこういう日が早く来て欲しいものです。

posted by bunchousann | 2007-02-20 03:31

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

稲本もイングランド戦で骨折しなければフルハムに完全移籍できていたのにね。
WBAに移籍できたけど、フルハムに比べれば、チームメートの質は落ちるし、
監督のロブソンも今じゃフェードアウトしてるレベルだったしな。
プレミアの試合は一本調子なリズムだから、朴などに見られる持続するスピード、
キレ、スタミナは必要だろうな。
中田英はスピードの無さが辛いところだった。つうか、年々キレというものが失わ
れた感が有る。
野菜を一切食わず、サプリメントに頼りっぱなしという、ニートのような食生活が
選手寿命というか肉体寿命を縮めたのかね。
まあ、ボルトンのサム監督のサッカーがイングランドの伝統よろしきキック&ラッ
シュというのもかわいそうだったけど。

posted by たあ | 2007-02-20 09:42

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

日本人はいらないでしょう。点決められないですから、むしろとるとしたら広告塔でしょうね。韓国人がとられるのは日本人にはない驚異的なスタミナがあるからですよね。何か日本人もテクニック以外で目を見張るものがあればいいんですけど。日本人がテクニックがあるといっても、試合でそれが発揮できないからな~

posted by ドログバ | 2007-02-20 17:38

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

>川の果てさん
ベナユン!私のお気に入り選手の1人です(笑)
それはともかく、やっぱり多少は体格で劣っても、それを補って余りある“何か”があれば、プレミアでも充分に成功できると思います。それを持ち合わせている選手がいるか、という問題に帰着するのですが・・・・

>武山君さん
私は普段はリーガを見ていないのでなんとも言えないのですが、そういえばリーガでもレギュラーを獲った日本人選手っていないですよね。福田に期待しますか・・・・ 中村憲剛は、確かに私も“有力な候補者”だと思います。

>londonaz19さん
プレミアって、他の選手にも難しいリーグですよね。ただ川口、大久保、平山など、欧州リーグに参加した選手の多くが適応障害になっては帰国していますからね。そういう選手たちにとってプレミアでの成功は非現実的なことでしょう。
その点で言えば松井あたり、怪我が完治してもっとキレを増せば、充分プレミアでも通用するのではという気がします。勿論、現実的にはル・マンで結果を残して欲しいですが。

posted by Alan Hetarade | 2007-02-20 18:06

Re:プレミアリーグに見るアジア人プレーヤーの台頭

>bunchousannさん
そうですよね~。確かに扱いとしては完全なレギュラーとは言えませんが、しかし強いチームというのはバックアッパーがレギュラーと同等の力を持っている必要がありますからね。そういう点で、安心してロナウドなんかを休ませる事が出来るというのは非常に大きい。だからこそパク・チソンの評価は高いんでしょう。

>たあさん
昨年の2人は残念でしたよね。稲本はまぁまぁ調子が良かったのですが、チームがアレでしたし・・・ 中田もカンポが大怪我をしていなければ結末は違ったと、個人的には解釈しています(笑)

>ドログバさん
とりあえずスタミナは絶対に必要ですよね。単純な足の速さとかじゃなく、90分走り回れるスタミナは。あと仰るとおり、日本人選手は“出来る事のにやらない”みたいなのが試合中けっこうあるんで、そういうところも余すところ無く出し切っていかないと、このレベルでは通用しないでしょうね。

posted by Alan Hetarade | 2007-02-20 18:22

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