2010年02月28日

“握手拒否”とチェルシーの意地 【チェルシーvsマンチェスター・シティ】

Chelsea 2-4 Manchester City
【C:42,90(PEN).Frank Lampard】
【M:45,76.Carlos Tévez, 51,87.Craig Bellamy】
ブリッジの決意
まず試合前に注目されたポイントの1つ、「ブリッジとテリーは握手を交わすのか?」という問いに対しては、テリーが差し出した手をブリッジがスルーするという答えが出ました。

これはこれで、心理戦という側面もあるでしょうが、ブリッジがこの問題に対して示した決意と見る事が出来るでしょう。既に「呼ばれる前からイングランド代表招集拒否」宣言にしてもそうですし、この件に関しては頑なな態度を押し通すというのが、彼の決意のようです。

べつに殊更この件を掘り下げるつもりもありませんが、とにかくブリッジが出した結論がこういうものだという事を内外に示す、1つの象徴的なシーンとなった事は間違いありません。といって、これでテリーが今後しなければならない事(家族の中で決着をつけ、プレイに専念していく)が何か変わるわけでもありませんし、そこはテリーがしっかりやっていけば良いのかな、という気がします。

ただなー。ブリッジにスルーされた時のテリーの表情が、何か物哀しそうに見えてしまったのは、私だけでしょうか?流石にショックじゃなかったと言えば嘘になるのかもしれませんし、自分でまいた種だと言う事は痛いほど本人が分かっているでしょうが、やっぱりテリーの置かれた立場、またチェルシーというチームを考えた時に、テリーにはこの件を乗り越えてもらわないといけないですからね。そういう点では、彼の心境というのは少し慮られるところであります。


あとはプレイで払拭するしかないが・・・・・
そんなテリーですが、あの問題が発覚して以降、エヴァートン戦ではロングフィードの目測を誤って決定的なゴールをサハに決められたり、CLのインテル戦ではディエゴ・ミリートに対してシュートコースを空けるという一番やってはいけない対応をやってゴールを決められてしまうなど、ここ数試合はあまり精彩が無い、というより全盛期の彼であれば考えられない凡ミスとも言えるようなプレイを連発。それが不倫問題に関連しているかどうかはまったく定かではないものの、このようなプレイ内容になってしまう以上、その問題を引き合いに出されるのはいた仕方ないところでしょう。

それは本人も痛いほどよく分かっているのでしょうが、この試合でもジョー・コールの素晴らしいスルーパスからランパードが華麗なゴールを決めた直後の前半終了間際、ミスと言えるようなプレイでもって、テヴェスに同点ゴールを許してしまいました。

このシーンに関しては、まず背後にテヴェスがいる事にまったく気づいていなかったミケルが、相手のクリアーボールをフリックオンしてテヴェスにボールをプレゼントしてしまった事が、そもそもの間違いでした。この点で最大の責任がミケルにある事は確かなのですが、ただその後のカルヴァーリョとテリーは明らかに慌てふためいたような対応しかできず、簡単にテヴェスにゴール前までボールを運ばれてしまいました。ミケルのミスに対するリアクションも、テリーは遅かったですからね。

冷静に考えると、この後チェルシーの最終ラインが崩壊してしまった事からも分かる通り、彼個人というよりはチーム全体でコンディションが落ちている選手が何人もいるという事なのでしょう。ただ、あの問題以降テリーのプレイに精彩が無いということも“事実”なわけで、彼にとっては本当に苦しい時期を迎えていると言えます。


何がそこまで駆り立てたのか・・・・
後半に入ると“攻めに掛かるチェルシー、カウンターを狙うシティー”という構図がハッキリしてきます。そして軍配が上がったのは、シティーの方。

51分、イヴァノヴィッチ、テリーが相次いでボックス内にまで攻め入ったところで、シティーのカウンターがさく裂。ベラミーは簡単なスピードの変化で持ってあっさりミケルを振り切ると、殆ど角度が無い位置からシュート。イラーリオは逆を突かれた形になってしまい、ゴールを許しました。あれはまずベラミーのシュートを褒めるべきでしょうが、一方でやはりチェフであれば、左脚が届いていたのかな、と。つまりアンストッパブルなシュートでは無かったように思えます。案の定、イラーリオ本人がすぐさま地面を叩いて悔しがっていたので、その辺は選手自身がよく分かっているのでしょうが。

60分、シティーはアダム・ジョンソンを下げて、よりスピードのあるライト・フィリップスを投入。対するチェルシーはジョー・コール、ミケルが下がって、スタリッジ、ベレッチがイン。ジョー・コールは今シーズン初めて輝きを見せたと言っても過言ではない内容でしたが、この時間に下がることは予め決まっていたのかな?と思わせるように交代となりました。

しかしこの交代は裏目に。75分、ベレッチの軽率なボールキーピングを見逃さなかったバリーがあっさりベレッチからボールを奪います。一気にゴール前まで駆け上がったバリーに対し、ベレッチは両手を挙げながら背後から体当たり。当然転ぶバリー、そしてベレッチは退場でシティーはPKで難なく3点目を入れたわけです。

このシーンのベレッチは完全に気が動転していましたし、直後にテヴェスに誰がどう見ても悪質なバックチャージを見舞ってセントオフとなったバラック共々、本当にプロらしからぬ態度を見せる事になってしまいました。


ボロボロでも諦めない“9人”
ここまで酷い試合内容だと、スタンフォード・ブリッジの観客も次々に席を立って帰路につきます。バラックが退場になる直前にブリッジも交代(表向きはそけい部を故障した、という理由でしたが、ドレッシングルームまで戻っていた事を考えると・・・・)してしまい、もはや試合の見所は殆ど無くなってしまいました。

しかし殊勝だったのは、ここからのチェルシー。9人になってしまい、しかも2点のリードを奪われ完全に試合が決していたにも関わらず、一切手を緩めることなく、人数をかけて攻撃に打って出ます。絶好調のアネルカはもちろん、不振のドログバも奮闘。若いスタリッジも攻守にピッチを大きく走りまわり、何とか一矢を報いるべく、またゲームを諦めていない事を示すように、チーム全体が戦い続けます。

そしてまたもカウンターから4点目を奪われた直後のアディショナルタイムに、遂にバリーがアネルカを倒して、チェルシーがPKをゲット。ランパードがこれを入れ、意地で1点を返して試合終了となりました。

この時間帯のチェルシーのプレイには、本当に感心させられました。如何せんスタンフォード・ブリッジは“お上品”な観客が多いということもあってそんなに盛り上がりはしませんでしたが、あれはサポーターがサポーターなら試合終了のホイッスル後にスタンディングオベーション&チャント大合唱・・・・となるくらいの、素晴らしいスピリットだったと思います。この良い意味での諦めの悪さがあってこそ、初めて優勝争いが出来るんだろうなーということを感じさせる、ラスト15分ほどのチェルシーでありました。


カギはやはり、ドログバ復活か
ここ数試合でのチェルシーのゲームを見ていると、やはり全体的にコンディションが低下している感は否めません。特に怪我人が続出している最終ラインは、イヴァノヴィッチただ1人がピンピンしているものの、テリー不調、カルヴァーリョも不調、ベレッチはこんな事になってしまいフェレイラはCLで使えない、マルーダは元々DFじゃない・・・・という事で、本当にボロボロの状態です。

ただ攻撃陣に関しては、この試合でジョー・コールが見せたプレイは、一筋の希望となり得るものだったと思います。やはり彼は、ランパードやドログバと縦の関係で光るプレイを見せる時が一番恐い。そういった点では、この日の先制ゴールはまさしくピタリと“型にハマった”ゴールでしたし、出場していた時間を通して、縦への推進力というものは発揮していたように思われます。そしてアネルカは絶好調。

あとはドログバ・・・・という事になりますが、こればかりは戦術云々でどうにかできるものではなく、彼のコンディションが上がるよう祈るしかないでしょう。幸いこのゲームでは、ゴール前で何度も決定的なチャンスに絡んでいました。そこで外してしまう辺りが彼らしくなかったのですが、ただ逆にそこさえ決まるようになればまた彼の恐さも復活するわけで、そういう点ではまったく希望が無いわけでもないと思います。

ただ何より、バラックが退場した後もチーム全体で戦う姿勢を見せたこと。これは絶対に、次以降のゲームに繋がるでしょう。またFAカップのストーク戦、そしてプレミアのウェストハム戦と、ホームゲームが続く中でインテルとのCLセカンドレグを迎える事になります。これもまた1つ、チェルシーにとっては良いポイントと言えるでしょう。

苦しい時に、如何に踏ん張れるか。まさしくチェルシーは今、シーズンの山場を迎えています。

posted by Alan Hetarade |17:15 | FAプレミアリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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“握手拒否”とチェルシーの意地 【チェルシーvsマンチェスター・シティ】

コメント投稿者ID : OOH00002349

ブリッジが握手を拒否した事に色々な意見が有るのだろうな~。と思いながら見ていました。私はブリッジが気の毒だと思っているので、彼がボールを持つ度にブーイングをしていた人達に問いたいです。「貴方ならどうしますか?」と。
まあそれはさておき(当人同士の問題なので外野出る幕無し)
最近チェルシーのチーム全体が「疲れてる」感じがしますね。
多分、怪我人が予想外に出てしまい、上手い事ターンオーバーが出来なかったんだろうと・・・
ただ、舐めちゃいかんよ!アンチェロッティを(別にチェルシーファンでは無いが)彼はどんなに厳しい台所事情でもリーグ2位は確実に堅守してくるはず!ので、ファンは安心していて良いと思います。

posted by アッシュ | 2010-03-04 22:09

>アッシュさん

コメント投稿者ID : s_co_log

お返事が遅れてしまい、申し訳ございません。

ブリッジの握手拒否は、自分も仕方ない事だと思いますね~。まぁスタンフォードのファンはテリーを支持する以上、ブーイングをしなければ・・・・という事だったのでしょうが、あればっかりはなぁ・・・・

チェルシーのコンディションに関しては、何だかんだでネイションズカップ期間中の疲労の蓄積もあったのかな、という気がします。ただ何にせよ、仰る通り大きく落ち込むチームではないですから、あまり心配はしなくていいでしょうね。

posted by Alan Hetarade | 2010-03-15 22:36

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