2009年06月03日

08~09プレミアリーグ総括 【ミドルズブラ】

Middlesbrough(ミドルズブラ)
勝ち点32 7勝11分20敗 28得点57失点 得失点差-29

監督:ギャレス・サウスゲイト


  アリアディエール アウヴェス

ダウニング            トゥンジャイ
     ディガール  オニール

 ホイト               ウィーター
       ポガテツ  フート

          ターンブル


監督、攻撃、守備、補強、総合の各評価について、S~Dの5段階で評価

最優秀選手
Tuncay Şanlı(トゥンジャイ・サンリ/FW/トルコ代表)
今シーズンのボロで評価できるプレイを披露した、唯一のフィールドプレイヤーだった。深刻なゴール欠乏症に陥った前線において孤軍奮闘、積極的なチェイシングとスピードを生かした突破、さらに身体を投げ出しての全力プレイで、相手守備陣に脅威を与えた。彼を最優秀選手に選出することに異論を挟む者は、いないだろう。

監督:D
寛大なオーナーがいなければ、間違いなくシーズン終了までベンチに座っていることは出来なかっただろう。細かい怪我をする選手が多かった点には同情するが、それを差し引いても戦術オプションの乏しさ、選手起用の優柔不断さは目に余るものがあった。選手の側があまりに情けなかったこともあるが、それを鼓舞し状況を打開するだけの策を、サウスゲイト監督は持っていなかった。

攻撃:D
上述したとおり、トゥンジャイの奮闘の他には何も見るべきものが無かったし、何も武器になっていなかった。特に爆発が期待された2年目のアフォンソ・アウヴェスの運動量、決定力の欠如が致命的で、チャンスメイクをする事も出来なければ数少ない決定機では外すという、まさに最悪としか言いようがない出来に終わってしまった。また昨シーズンはトゥンジャイとまずまずのコンビネーションを見せていたアリアディエールも今シーズンは覇気が無く、不振のアウヴェスからレギュラーを奪うには至らなかった。冬にはローンでミドの放出、キングの獲得という動きに出たが、これも奏功しなかった。

さらに中盤の選手も、前線の選手を充分にサポートしていたとは言い難い。ダウニングは怪我で欠場した最終戦を除く37試合で先発した点は評価に値するが、得意のドリブル突破からのクロスは鳴りをひそめ、また強烈なミドルシュートもまったく見られず、9ゴールを挙げた昨シーズンから一転、何と無得点に終わった。辛うじて奮闘していたと言えるのはオニールとディガールだが、ディガールの離脱後中盤は著しく活力を欠き、攻守に渡り存在感を示す選手は現れなかった。

守備:C
あまりに酷かった攻撃陣に比べれば守備の方はまだマシだったが、それでも及第点からは程遠い。特にSBはアーセナルから獲得したホイトがまったくの期待はずれに終わり、グラウンズ、マクマーンらも存在感を示せず、最後までレギュラーとして固定された選手が出てこなかった。

CBにはチームリーダーのポガテツをはじめ、フート、ウィーター、ベイツ、リゴットらが起用された。まずまずのプレイを見せた選手もいたが、ここもスタメンが固定されていたと言えるのはポガテツくらい(シーズン終盤は怪我で欠場)で、サウスゲイト監督の優柔不断さをよく象徴していたポジションでもある。唯一GKは、ターンブルとジョーンズが切磋琢磨し、互いに進歩した姿を見せたと言えよう。

補強:D
まったくもって的確な補強ができなかった。戦力として機能していたと言えるのはディガールくらいで、その彼も怪我がちで23試合の出場にとどまっており、そう考えるとレギュラーとして活躍した新戦力は実質ゼロだったと言えよう。資金的に厳しくそもそも獲得した選手自体が少なかったが、それにしても真新しさが何もないスカッドは、見ていて空しかった。

上述したとおり期待されたホイトが不発に終わり、またテコ入れが必要だった前線も冬の移籍市場でもローンでキングを獲得するに留まり、獲った選手どうこう以前に獲得する選手の絶対数がまず少なかった。資金繰りが厳しいことは理解できるが、ここ数シーズンで放出した選手たちを考えると、スカッドの弱体化を食い止められなかった点は致命的だった。

総合:D
とにかくこの1年、このチームで良かったものは「トゥンジャイ」で、悪かったものは「トゥンジャイ以外のすべて」と言っても過言ではないくらい、トゥンジャイ1人のみが奮闘したシーズンだった。貧弱なスカッド、覇気の無い選手、定まらない監督の方向性、閑散としたスタンドという、負のベクトルだらけだったミドルズブラの中で、トゥンジャイだけが一筋の光を放っていた。辛うじて19位でシーズンを終えられたのは間違いなく彼のおかげだし、逆に言うと彼がいなければ、まったく希望の無いシーズンになっていただろう。

ホームグロウンの選手を多く抱える点は素晴らしいが、彼らはプレミアで戦う経験が不足していたし、またそれを補えるだけのガッツも持っていなかった。その辺りトゥンジャイが奮闘し、またポガテツが大きな声を出していたとはいえ、彼らアカデミー出身の選手たちにとって一番身近な先輩であるダウニングが手本となる姿を示せなかった事も、大きい。不幸な怪我で移籍話が暗礁に乗り上げることが予想されているダウニングだが、評価を下げるシーズンとなってしまったことは間違いない。

ギブソン会長は「経験が不足しており、若さが裏目に出た」と語っているが、それ以前の一番肝心なハートの部分が、ミドルズブラには欠如していた。トゥンジャイという世界屈指のガッツマンがいたにも関わらずの、この体たらく。この部分をどうにか出来なければ、リーグチャンピオンシップでも厳しい戦いを強いられるに違いない。

posted by Alan Hetarade |05:37 | FAプレミアリーグ | コメント(1) | トラックバック(0)
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08~09プレミアリーグ総括 【ミドルズブラ】

コメント投稿者ID :

はじめまして。読み応えありますね!以降も期待しています。ミドルスブラについては、シーズン序盤のリバプール戦が印象に残っています。シャビ・アロンソ絡みで退場者を出し、一気に逆転負けしたときのサウスゲイト監督の表情…。もしかしたらリバプールとミドルスブラ、両チームにとってのシーズン分岐点だったのかもしれません。

posted by BJ | 2009-06-03 09:47

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