2008年06月23日

07~08プレミアリーグ総括 【ニューキャッスル】

Newcastle United(ニューキャッスル・ユナイテッド)
勝ち点43 11勝10分17敗 45得点65失点 得失点差-20

監督:サム・アラーダイス(1~21)
    ナイジェル・ピアソン(22)
    ケヴィン・キーガン(23~38)


マルティンス ヴィドゥーカ オーウェン

  ミルナー          スミス
          バット

エヌゾグビア           ベイ
      ファイ   テイラー

        ハーパー


監督、攻撃、守備、補強、総合の各項目について、S~Dの5段階で評価

最優秀選手
Obafemi Martins(オバフェミ・マルティンス/FW/ナイジェリア代表)
ネーションズカップでの離脱期間はあったが、特にそこに行くまでの間、前線で孤軍奮闘していた。怪我がちのヴィドゥーカ、一向に調子が上がらないオーウェン、ストライカーとしては殆ど機能しなかったスミス・・・と、前線の選手に四苦八苦していた中、彼だけが頼りになるプレイをしていた。また復帰後も闘志を前面に押し出すなど、暗い雰囲気の漂っていたチームにおいて、覇気を見せた数少ない選手である。

監督:D
2つのチーム(このニューキャッスルと、間接的にではあるが、ボルトン)を降格寸前まで追い込んだビッグ・サムは、逆の意味で見事だった。序盤戦こそまずまずの位置につけたが、ミルナー、エヌゾグビアらの個人技に頼る攻撃は相手チームに見切られるようになる。転機は11月3日のポーツマス戦、セント・ジェイムズ・パークで僅か4分間の間に3失点するという大失態を犯した後、チームは大スランプに陥った。

本来ならここでビッグ・サムは選手たちを励まし、何らかの打開策を探るべきだった。ところが彼はそれをせず、相変わらず個人技に頼り困った時は放り込むフットボールに終始したばかりか、終いにはクラブとサポーターを批判してレジェンドから諌められる始末。彼にはニューキャッスルというクラブを率いるだけの度量が無かったことが、明らかになってしまった。

後を受けたキーガンも、当初はスミス、オーウェンを厚遇し、ヴィドゥーカをベンチに追いやる不可解な采配に終始。しかしいよいよもって降格が現実的になってきた3月、ようやくマルティンス、ヴィドゥーカ、オーウェンの3トップにシフト。その後は危なげない戦いで残留を果たした。ただしもっと早くにこの3人を同時起用していれば、あそこまで苦しむ事はなかったはず。今シーズンのニューキャッスルは、監督の仕事としては、甚だ期待はずれとしか言いようが無かった。

攻撃:C
ヴィドゥーカは怪我が多く、シーズン終盤でやっとレギュラーに復帰するに留まった。またオーウェンも中盤戦まではまったく働けていなかったが、終盤戦になるに連れ、ストライカーとしての勘のようなものが戻ってきたという事で、シーズンを通して見れば一定の評価はできる。さすがに強引に勝負に行って勝てる機会は少なくなったが、混戦の中でボールに飛び込むなどした際、ゴールを呼び込む“何か”は取り戻しつつある。敗れはしたが2月のアストン・ヴィラ戦でのゴールは、見事なものだった。

3トップにしてからは、スピードのあるオーウェンとマルティンスがサイドに流れつつ、SBの攻撃参加を促し中央には必ずストライカーが2人待ち構える、分厚い攻撃が出来た。個人的には来シーズン、そこにミルナーを絡めた攻撃を、ぜひ見てみたい。後半戦は怪我で棒に振ってしまったミルナーだが、毎試合コンスタントな活躍が出来た今シーズンは、チーム事情もあって目立たなかったものの、本人としても手ごたえを掴んだはずだ。

守備:D
特に中盤戦までの守備は、お粗末の一語に尽きた。カサーパは“最も失敗した新戦力”にノミネートされるなど、まったくの期待外れに。ベイ、ホセ・エンリケ、ロゼフナルといった辺りも、本来の実力とは程遠いプレイに終始。ボールウォッチャーになっては、簡単に空いたスペースや裏へのパスを通される場面が目立った。何かと批判を浴びたが、“潰し屋”として裏方に徹したバットの働きが無ければ、取り返しのつかないことになっていただろう。

おまけに、GKのギヴンが極度の不振に陥ったのが致命的だった。最後の数試合では、GKなのに途中交代する始末。完全に自信を失ってしまったが、一方で控えのハーパーは頼もしいパフォーマンスを見せた。あれがギヴンの実力だとは言わないが、安定感のあるハーパーを、来シーズンも引き続き起用すべきだ。

補強:C
人材としては良い補強だった。しかし彼らが期待どおりの働きをしなかった以上、評価は低いものにならざるを得ない。ヴィドゥーカはプレイしたときは実力を発揮したが、如何せん怪我が多すぎた。ベイはシーズン終盤ようやく輝いたものの、それまでのプレイとのギャップが非常に大きかった。

またCBの補強には、完全に失敗。テイラーのパートナーはシーズンを通して定まらなかった。ホセ・エンリケも期待通りの活躍を見せたとは言い難い。そしてアラン・スミス。もはや完全に中盤の選手になってしまったが、0ゴールというのはあまりに寂しすぎる。

総合:D
最後の9試合で何とか帳尻合わせをしたとはいえ、スカッドの陣容、そしてシーズン前の期待感からすれば、最悪としか言いようが無いシーズンだった。ビッグ・サム、キング・ケヴの両監督はもちろん、チームのフロントの責任も大きい。既にクリス・モート会長が辞任し、デレク・ランビアスがマネージング・ディレクターに就任するなど、その辺りにもメスが入りつつある。

来シーズンに向けては、アイマール獲得の噂もある。上述の3人のストライカーに加え、ダフ、ミルナーも3トップの左右で使え、ポストとなれる選手としては若いキャロルが居ることから、アタッカー陣の補強は不要。むしろMF、そしてCB、RBの補強が必要であることを考えれば、アイマールを狙うのは悪くない判断だ。

何しろ来シーズンこそ、最低でもUEFAカップ出場権は確保したいところ。キング・ケヴの“賢明な判断”に期待したい。

posted by Alan Hetarade |22:16 | FAプレミアリーグ | コメント(6) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/s_co_log/tb_ping/513
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
07~08プレミアリーグ総括 【ニューキャッスル】

確かにニューキャッスルはファンの期待を裏切りまくりましたね。監督といい、新加入選手といい、怪我といい、成績といい。。。

ネームヴァリューや人材はかなり豊富なチームなのにここまで機能しないのはちょっとやばい。逆にンゾグビアやテイラー、ハーパーといった若手・サブが奮起してたのは皮肉でした。スカウトが弱いのかな?成功するポテンシャルは高いので是非来期はキーガンにがんばってもらいたい。

posted by フラムファン | 2008-06-24 01:09

07~08プレミアリーグ総括 【ニューキャッスル】

モドリッチとアルシャヴィンどっちも逃すことになりそうで、エムレも放出濃厚の今、このままだと来シーズンのマグパイズも苦戦しそうですね。

パ  ス  を  出  せ  る  ミ  ッ  ド  フ  ィ  ー  ル  ダ  ー  が  い  な  い  というのは致命的ですよ。その上、ミルナーやエンゾグビアも移籍の可能性高いと聞きますし、大丈夫かよと思います。アイマール獲れれば楽しみが増えますが、果たしてどうなりますか。

いずれにしても、来シーズンでキーガンの監督としての力量は実際どれほどのものか分かると思います。

posted by ホワイト | 2008-06-24 06:28

07~08プレミアリーグ総括 【ニューキャッスル】

マンU戦でのあの体たらく!!!守備の脆弱さはダービーとタメ張るひどさでした。アタッカー陣は来期このままの陣容でもそこそこやるでしょう。サーボビー以来のイケイケサッカーを復活させて欲しいです。しかしキーガンってどうも長嶋茂雄とキャラがかぶるなあ(場違いな喩えですいません)

posted by ノディ | 2008-06-24 12:44

>フラムファンさん

一時は本当に降格してしまうかとも思いましたからね。シーズン最後の9試合を除けば、文字通り最悪のシーズンだったでしょう。

まずビッグ・サムにそもそも戦術なるものが無かったというのが、致命的でしたね。完全に個人技頼みでしたから。仰るとおり、スカウティングに問題があったことは確かでしょうね。特に監督の(笑)

posted by Alan Hetarade | 2008-06-24 22:19

>ホワイトさん

仰るとおり、中盤のパサーが必要でしょうね。まぁエムレは今シーズンのパフォーマンスを見る限り、出しても仕方ないかなと思いましたが、ミルナーは是が非でもキープしなきゃなりませんね。出ていた時期の彼のパフォーマンスは素晴らしかったですし、戦術上も重要な選手でしょうから。

アイマール獲得は良いと思いますが、それに失敗した時の“次の一手”があるかでしょうね。今スパーズがすごい勢いで移籍市場を席捲しているわけで、少しでも対抗しないと。

キング・ケヴはどうですかねぇ。攻撃面についてはシーズン終盤、ある程度結果を出しましたから、しっかりとした守備網を構築できるかどうかが鍵でしょう。

posted by Alan Hetarade | 2008-06-24 22:22

>ノディさん

あの試合は最悪でしたね。ポーツマス戦と並んで、今シーズンのマグパイズのワーストゲームでしょう。ハーパーの頑張りとルーニーのポカが無ければ、10点は取られていました。

キーガンの喩は理解できます。発言等はともかく、存在としては、って事で(笑)

posted by Alan Hetarade | 2008-06-24 22:24

コメントする