2008年04月15日

積極的な松田に好感 【JAPAN SWIM 2008 Day 1】

◇男子400m自由形◇
松田丈志 3:47.36 (派遣標準Ⅱ突破)

世界へチャレンジするための、松田の新たな姿勢を見ることが出来た。元々松田といえば、後半のスパートが非常に強い選手。しかしそれに拘りすぎたがために、近ごろは国際大会でスピード不足となってしまうことが多かった。そういう点では、世界と戦う上でもう一つステップアップするために、前半から積極的に挑んで行く姿勢には好感が持てた。

序盤からあのように早いピッチでレースを進めて行く彼の姿は新鮮なもので、見ていて清々しかった。最後はタッチが詰まってしまったが、日本記録との差はそれだけで、タッチがきちんと決まっていれば記録を更新していたのではないか。このタイムは、先日行われたヨーロッパ選手権では4位に相当する記録だ。オーストラリア勢、アメリカ勢、韓国のパク、チュニジアのメルリといった面々がいることを考えると決勝進出にむけては微妙なラインだが、この前半のスピードに本来の持久力を加えていけば、オリンピック2大会連続で決勝進出という快挙も見えてくる。

また2位の日原も、予選、決勝と自己ベストを更新。大会前の記録から2.7秒も縮めたということで、得意の200mに向けて良いレースとなった。3位の内田も、徐々にコンディションを戻してきていることを印象付けた。2人とも、来年以降の3分50秒カットに期待したい。残念だったのは、決勝に進む力がありながらベストから4.5秒ほど遅れる記録に留まってしまった葛原。また物延の棄権も非常に勿体ない。


◇女子400m個人メドレー◇
春口沙緒里 4:38.94  (派遣標準Ⅱ突破)
藤野舞子 4:40.14 (派遣標準Ⅱ突破)

こちらも実り多い結果となった。アメリカに渡り日本の第一線からは離れていたため、実績はあるもののダークホースと言って良かった春口。しかし序盤からの積極的な泳ぎは見事だった。彼女が前半から引っ張っていったおかげで、後半型の藤野や加藤の記録も伸びたという側面もあろう。

このレースは内容や結果も勿論だが、レースが終わった後に互いを祝福し合った春口と藤野の清々しい光景が非常に素晴らしかった。久々に日本のレースで泳いだであろう春口、そして4年間の思いをこのレースにぶつけた藤野と、立場は違えど互いに背負うものがあってのレース。順位など関係なしに、2人でオリンピックに行けることを純粋に喜んでいた様子は、今大会のハイライトの一つとなるだろう。

3位に入った加藤も3秒ほど自己記録を縮めたが、春先から好調が伝えられていただけに、欲を言えば派遣標準Ⅱを突破しておきたかったところ。しかし400mでのこのタイム、得意の200mでの派遣標準突破に向け、視界が開けてきたと言えよう。4位の天野も昨シーズンのベストを大きく上回り、5位の坂井は自己ベストと、こちらもなかなかの泳ぎ。予選落ちした選手の中では、高校1年の森川愛理が自己記録を更新したのが光った。一方、同じく高校1年生の白井はやや不本意な泳ぎだったか。


◇女子400m自由形◇
柴田亜衣 4:10.38

派遣標準を突破できずかなり残念な表情を見せていた柴田だが、春先からなかなかタイムが出なかった不安が、ここに来て出てしまった格好だ。解説の設楽義信氏も指摘していたが、一つ一つのストロークに力強さが感じられなかった。具体的には水をきちんとキャッチすることができず、“空回り”しているように思えた。

柴田は元々、フォームが綺麗な選手ではない。むしろ回転数でもって、ぐいぐいと進んで行くスイマーだ。柴田の場合、速いピッチながらもそれに見合った量の水をキャッチして、力強く進んで行く姿が印象的。しかし今回のレースでは、ピッチこそ悪くないものの一つ一つのストロークに力強さが無く、そのために中盤以降のややスピードが落ちてくるところで、ラップが落ち込んでしまった。最後はスパートを見せたものの、とき既に遅し、だった。

2位の矢野も自己ベストに迫りこそしたものの、不本意なタイムだろう。もっと積極的に前半から仕掛けていけたはずだが、柴田と並んだところでやや自重してしまった感がある。その点頑張ったと言えるのが、3位に入った米永。予選、決勝ともに立て続けに自己記録を更新した。昨年からタイムを上げてきていた宮部が7位に終わってしまったのは、残念。



その他の種目については、放送後に追記します。


◇1日目総括◇
全てが順調に行ったわけではないにしろ、3人が派遣標準記録を突破したということで、まずまずの結果と言える。特に代表選手が出るかどうか、当落選ギリギリと見られていた女子400IMから2人が派遣標準を突破したことは、明るい話題だ。また松田も世界で勝負することを見据えたレースを見せ、オリンピックでの活躍に期待を持つことができる。

一方で懸念されるのが、女子自由形長距離勢。米永の躍進は良いニュースだが、本命と見られていた柴田と矢野がいまひとつの結果に終わってしまったことは残念である。特に柴田は春先からの不調を引きずっている感があり、800mに向けて立て直しが図れるかは未知数。ぜひ派遣標準記録を突破して欲しいところだが・・・・

posted by Alan Hetarade |22:28 | 競泳競技 | コメント(0) | トラックバック(1)
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