2008年03月16日

オープニングゲームの罠 【オーストラリアGP決勝】

“普通に走る”ことの難しさ
あまりに色々なことが起きすぎた開幕戦。ここ数年は静かな開幕となることが多かったが、2002年に完走8台という大荒れのレースがあったものの、それ以来と言っていい豪快な荒れっぷりだった。

そんな中、ポディウムに上がったハミルトン、ハイドフェルド、ロズベルグに関しては、中継を見ていても画面に映ることが少ないように感じられた。周囲で様々な車が何らかの問題を起こし、そしてピックアップされる状況で、普通に走っていれば画面に映らないのは当然。しかし、それこそが難しい事なのだ。今回のレース、予選、決勝を通じて“何も起こらなかった”3人が、上位に入ったと言える。

ライコネンは彼らしくもないミスが多かった。いずれも3コーナーでのミスということになるが、トラクションコントロール、オーバーランコントロールがあった昨年ならば、ああいった場面でも何も起こらなかったかもしれない。しかし今年は状況が違う。そういった点を疎かにしてしまったあたり、放送中でも触れられていたとおり、コンセントレートを欠いていたとしか言いようが無い。


マクラーレンのレースペースは安定
さすがにここまで様々なことが起こってしまうと各チームの力関係というものも見え難い部分があるが、そんな中でも分かってきたポイントが幾つかある。

まずフェラーリと比べるとレースペースが安定しないと言われていたマクラーレンだが、そんな事は無く、ライブタイミングを見ていてもスティントの後半になるに連れ、ハミルトン、コヴァライネンとも、着実に自己ベストのラップを更新していた。ファステストラップはコヴァライネンが第2スティントの終盤で記録、それまでのタイムはハミルトンが保持していた。コヴァライネンは不運もあって5位に留まったものの、安定感、レースペースとも今GPではフェラーリを凌駕した。

さて気になるその次、“3番手”の争いということになるが、今回はBMWの2人、そしてウィリアムズのロズベルグが、やや他を圧倒していた感がある。とりあえずはこの2チームに、展開によってはアロンソを加えた辺りが、2強の後を争うことになるだろう。アロンソに関しては、コヴァライネンにパスされたシーンは彼らしくもなかったが、コヴァライネンのミスに乗じて彼をパスするや、最終ラップで自己ベストを更新し、突き放している。こういった勝負強さはさすが。競った展開となると、やはり彼の経験が武器となることを印象づけた。

中嶋はしぶとく走りきってポイントを得たが、やはりレースペースという点でロズベルグと比べると見劣りした感は否めない。ファステストラップはロズベルグが1:28.090で5番手、対する中嶋は1:29.639で14番手。この差はさすがに厳しい。まだ開幕戦ということでエクスキューズもあるものの、元々ロングランのペースでもって評価を高めている彼だけに、この差は次戦以降で詰める必要があるだろう。

またクビカとのインシデントは、審議対象にならずクビカも怒っている様子が無かったことから純粋なレーシングアクシデントだと思われるが、昨年のブラジルでピットクルーに突っ込んでしまった件といい、まだF1のレースに不慣れな面も見せてしまった。

*中嶋はこの件について、次戦10グリッド降格というペナルティが科されたようです。


インテリジェントなブルデーに期待
さて昨日も書いた新人という点では、中嶋は上記のように入賞こそしたものの、課題を多く見せた。またグロックもミスによってあのような形になったのだろう。ピケは序盤から1人だけずば抜けてペースが遅く、結局リタイヤ。おそらくマシンにトラブルが出ていたのだろうが、とにかく見せ場はまったく作れなかった。

そんな中、ブルデーが光る走りを見せた。ベストラップのタイムこそ遅いものの、他車が次々と消え行く間隙を縫い、するすると浮上。気づけば4位のポジションにいた。最後はエンジンが悲鳴を上げてしまったが、1レース目でディスタンスもまだまだとあっては、当然ながら機械の方の問題。ブルデーの責任ではない。

まず優れていたのが、彼のタイヤの使い方。セカンドスティントでソフトタイヤを使ってしまうというのは、セーフティーカーが多く導入されるコンディションを考えると、臨機応変に作戦を組み替える可能性を広げるという点では、非常に理に適っている。実際に彼はサードスティントを長めに走るという決断をした際に、ハード側のタイヤを使うことが出来た。

そして何より驚かされたのが、2回目のピットストップのタイミング。セーフティーカー先導中にピットレーンがオープンとなった瞬間を逃さず、すぐにピットに入った。アロンソ、クビカ、グロック、中嶋といった辺りがピットインしたのは、その1周後。レーンがオープンになったタイミングというのもあろうが、この辺りの冷静さはさすが。フルコースコーションが1レース中に何度も出るアメリカのレースで伊達に4年連続チャンプになってはいない、といったところだろうか。

アロンソに後ろにつかれてもまったく慌てず、逆に自分のペースを保ち続け、アロンソがタイヤの初期の“おいしい”部分を使い果たしてしまうと、逆にやや差を広げていた。そんな時にリタイヤしてしまっただけに残念だったが、あの様々なことが次々と起こる状況下でここまで冷静にレースを展開できるドライバーはそうは居ない。評判の高さを証明すると共に、今後非常に期待できるレースをした。課題は予選ということになるが、やはり他の新人ドライバーとは役者が違う。

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posted by Alan Hetarade |17:45 | F1 | コメント(0) | トラックバック(3)
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2008-03-16 18:45 | 続きを読む
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2008-03-16 19:12 | 続きを読む
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